ゲラゲラゲラ

No.9704

 笑いが止まらないわけではありません。ゲラを沢山抱えて、いつまで経っても手を離れないという有様を表現しているわけです。
 しかし、有り難いことであると考えるべきなのかも知れません。院生だった頃に、こんなに校正ゲラを抱えることが出来ていたら、どんなに幸せだったことでしょう。
 だれですか?これがホントの「ノグチゲラ」だなどと言って笑っているのは!

 ところで、9月3日(月)に学習院大学の兵藤先生のゼミの皆さんを法住寺殿跡(後白河院陵・法住寺南殿跡・最勝光院跡・今熊野神社)に御案内することを、さきに告知致しましたが(>>No.9666)、もし、ゼミ関係者ならびに京都の学生さんで同行を希望される方がおられましたら御連絡下さい。資料を用意致します。 

 梅が枝餅と松が枝餅

No.9703

 目下、元木先生の研究室のみなさんは北九州を御旅行中。同行の岩田君から逐次、ツィッターで中継がなされているようです。
 元気に旅行されている方たちが羨ましい。当ゼミも2004年の夏に、宗像神社や水城・大宰府、久留米の高良大社など、レンタカーで走破致しましたね。高良大社では高価な『平家物語』の複製本が販売されていて、山田夫人が買い求められたように記憶致します。
 筑後平野の眺望が抜群でしたが、今日もきっと素晴らしい景色のことでしょう。
 ちなみに、私はこの2月にも福岡県を訪れて、その時は宗像神社と津屋崎、それから宮地嶽神社にも行きました。ここには、梅が枝餅の向こうを張ってか、松が枝餅というのがありましたが、これは美味しかったです。また、大宰府では九州国立博物館にも参りました。今度行くとき(行けたら)は、少弐氏の館跡などを中心に見学したいと思っています。そうなると、夏はダメですね。
 それにしても、旅行中のみなさん(の、その元気が)怨めしや~です。

 ☆ 東大史料編纂所の保立道久先生より、新刊の御高著『歴史のなかの大地動乱-奈良・平安の地震と天皇』(岩波新書)を御恵送頂きました。
 保立先生にあつく御礼を申し上げます。
 
☆ 北海道教育大学の鈴木哲雄先生より、同じく新刊の御高著『動乱の東国史1 平将門と東国武士団』(吉川弘文館)を御恵送頂きました。
 鈴木先生にあつく御礼を申し上げます。

ご無沙汰しております

山田樹理
No.9705


 野口先生、ご無沙汰しております。
2004年夏からもう8年経つんですね。月日が経つのは本当に早く、私も今年二児の母になりました。

 松が枝餅、美味しいですよね。隠れた名品だと思います。大牟田の草木饅頭もあっさりしていて美味しいですよ。と、福岡名産をアピールしておきます笑。

 また研究室に伺いたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

『中世の人物 第2巻 治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』

No.9702

 本日は、たしか「軍記・語り物研究会」の大会が下関で開催される日で、元木先生の御講演が予定されているはずです。
  私は時間と体力が不足気味なので在京活動中。校正と原稿執筆に勤しんでおります。
 大学L校舎の工事は継続中で、8/24(金)お昼から8/26(日)までの間、L校舎1階西側入口の扉を自動扉にする工事のため通行止めとなるとのことです。
 明日23日の午後に東京の出版社の方が来室されるのですが、セーフで幸いでした。

 ところで、先般、今秋から順次刊行される予定の清文堂出版『中世の人物 京・鎌倉の時代』に『中世の人物』第1巻 元木泰雄編『保元・平治の乱と平氏の栄華』の内容(予定)についてお知らせいたしましたが>>No.9684、今回は私の担当する第2巻『治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』の内容の予定をお知らせ致します(編集過程で配列は変更されます)。
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第2巻 治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立(野口 実編)

 1 源頼政と以仁王~摂津源氏一門の宿命~ … 生駒孝臣
 2 八 条 院 … 高松百香
 3 藤原兼実 … 高橋秀樹
 4 源 通親~権力者に仕え続けた男の虚像~ … 佐伯智広
 5 源 頼朝 … 元木泰雄
 6 木曾義仲~安堵の下文を中心に … 長村祥知
 7 源 義経と範頼~平氏追討の戦い~… 宮田敬三
 8 源 頼家~「暗君」像の打破~ … 藤本頼人
 9 平 宗盛~悲運の武家の棟梁~… 田中大喜
 10 平氏の新旧家人たち(伊藤忠清・平貞能らと田口重能・原田種直ら)… 西村 隆
 11 北条時政と牧の方~豆駿の豪傑、源頼朝からの自立~ … 落合義明
 12 千葉常胤~列島を転戦した清盛・西行と同い歳の東国武士~ … 野口 実
 13 和田義盛と梶原景時… 滑川敦子
 14 大庭景親~石橋山合戦の平家方大将~ … 森 幸夫
 15 藤原秀衡 … 三好俊文
 16 甲斐源氏~東国に成立した もう一つの「政権」~ … 西川広平
 17 重源~王法仏法の興隆をめざして~… 久野修義
 18 栄  西 … 中尾良信
 19 法然と貞慶・明恵~仏教改革の群像~… 平 雅行

 コラム1 乳母と乳母子~頼朝と義仲~ … 糟屋優美子
 コラム2 流人頼朝の側近たち~挙兵に加わった文官・神官~ …下村周太郎
 コラム3 九州の武士たち~原田種直・菊池隆直・緒方惟栄~…清水 亮

    ※ 執筆者の敬称は略させて頂きました。

狐の嫁入り

No.9699

 読むたびに誤りの見つかる恐ろしい校正ゲラ(誤植ではなくて、原稿段階からの誤りであることが、なお恐ろしい)を宅急便屋さんに委ねました。これで、後は「天のみぞ知る」ことになりました。

 宇治では、ここ数日の間に、にわかに暗雲立ちこめて、雷鳴が響き豪雨降りしきるという気象状況が何度か発生致しましたが、今日は「狐の嫁入り」のごとき天候。
 最近の日本史好きの若者には怪異趣味の人が多いようですが、彼ら彼女らはこんな天候に遭遇したら、きっと大いに興奮されることでしょう・・・。

 今日をもってL校舎の窓枠工事は終わったと思いますので、明日は研究室の復元作業に出掛けたいと思っています。お暇な方は「遊びに」×→「お手伝いに」○お立ち寄り下さい。

 考古学研究者との会話 2012年8月17日

No.9698

 お母さんになった田中(現姓丸山)さんからメッセージが届いております。→>>No.9697

 若手が論文を積極的に書かなくなってしまったという状況は、考古の世界でも同様であるとのこと、今日、ある著名な考古学者とのお話の中でうかがいました。

 北海道大学の山口二郎教授がブログにこんな事を書かれていました。
 「大学改革の議論では、英語が喋れるグローバルな人材の育成が叫ばれるが、何とも的外れな話である。欧米でも、大学の基礎教育は歴史と哲学が中心である。安直なハウツーを身に着けるのではなく、答えの出ない問題を必死で考え続ける知的基礎体力を持った人間を育てるのが大学の仕事である。」
 学部生のみなさんは、この意見について、どうお考えでしょうか?
 授業アンケートで、問うてみたいところです。

 ある本を拝見して、かつて故・石井進先生からいただいた、厳しい苦言を思い出してしまいました。私としては、ようやく今になってこたえています。

☆ 房総石造文化財研究会の早川正司様から、御高論「館山市千手院の石造千手三尊について」掲載の『房総の石仏』22を御恵送頂きました。
 早川様に、あつく御礼を申し上げます。
 なお、同誌掲載の川戸彰「十二仏を刻む石造遺品について」には、岡山県高梁市有漢町上有漢字大石所在の保月山六面石幢が紹介されています。山本さんは必読かも?

☆ 学振研究員(京都大学)の辻浩和君より、御高論「中世前期における〈遊女〉の変容」(『部落問題研究』201)を御恵送頂きました。
 辻君に、あつく御礼申しあげます。
 なお、辻君は今年11月17日(土)に開催される女性史総合研究会の例会で「遊女と女房」(仮)という研究報告をされるとのことです。
 詳細が決まりましたら、またお知らせしたいと思います。  

 忙中閑あり

No.9696

 清文堂出版から刊行予定の『中世の人物 京・鎌倉の時代』第二巻『治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』(野口編)の内容を早く発表せよというお声が届いているのですが、それは暫し御猶予を頂くこととして、九月以降の拙著3冊の刊行予定が明らかになりましたので、それを先にお知らせしておきます。第一巻については→>>No.9684

 9月中旬:『源氏と坂東武士』(歴史文化ライブラリー234 吉川弘文館)三刷 
  9月20日:『源義家 天下第一の武勇の士』(日本史リブレット 山川出版社)
  10月 :『坂東武士団と鎌倉』(戎光祥出版)再刊

 『坂東武士団と鎌倉』は1983年にかまくら春秋社から刊行された『鎌倉の豪族Ⅰ』を改題し、図版写真の構成などをあらためて再刊するものです。『源氏と坂東武士』も重版ですが、両著とも今日の研究水準との落差を埋めるための補筆ないしは改稿を施してあります。刊行の暁には、旧版をお持ちの方も、お目通し頂ければ幸いです。

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 目下、『研究紀要』掲載の論文を執筆中ですが、その過程で参照した先学の御高論の中で下記の一節が目にとまりました。
  「天皇は閑院に、上皇(法皇)は法住寺殿に、平氏は六波羅にいるのが常態であった。それが八条辺に集中した治承三年クーデター以後は、異常の時代であった。その意味では六波羅政権という称呼は誤っている。平氏が六波羅にいる限り、それは政権ではなかったからである」〔上横手雅敬「平氏政権の諸段階」(御家人制研究会編『中世日本の諸相 上巻』吉川弘文館、一九八九年)543ページ〕
 「六波羅幕府論」やら「閑院内裏中世王家正邸論」やら、いろいろ考えさせられます。

 △ 宇都宮氏は鎮西に西遷していますよ。豊前に。

 △ 史料講読の予習は、自宅か図書館でするのがよいと思いますよ。

 △ >>No.9686のタイトルを自分のことだと思ったという方からお手紙やメールを頂いております。変なことを書いてしまったと反省していますが、ちょっぴり、書いて良かったとも思っています。でも、ほとんどが私の念頭になかった方たちからのものであったことも事実です。伝えたい人には伝わらず、・・・と、また余計なことを書いてしまいました。

 歴史の境目の日に

No.9695

 この67年の時間の流れは如何様にも評価されると思いますが、この8月がもう半分過ぎ去ってしまったというのには参っています。
 子どもの時は気楽に、あまり罪悪感も感じずに夏休みの宿題を後回しにしていたように思うのですが、そうでもなかったか?

 今日は旧知の博物館に勤める研究者の方からお電話を頂き、今秋、関東でお話をする機会が一つ増えました。

 ところで、後期の『玉葉』の講読会ですが、現在のメンバーの都合を優先して、月曜日の5講時(16:30~)というところに落ち着きそうです。そうなると初回はいつにするのか、また告知させて下さい。この曜日・時間なら参加したいという方はご連絡下さい。
 テキストは図書寮叢刊の九条家本を使っています(コピーを配付)。

☆ 京都大学の山田徹先生より、御高論「土岐頼康と応安の政変」(『日本歴史』769)を御恵送頂きました。
 山田先生に、あつくお礼を申し上げます。

 ☆ 鹿児島県霧島市教育委員会の重久淳一先生より、御高論「南九州の社家町小考」(『鹿児島考古』42)・「大隅国正八幡宮の空間と中世前期の様相」(小野正敏ほか編『考古学と中世史研究9 一遍聖絵を歩く-中世の景観を読む- 』(高志書院)ならびに、霧島市の所在の『平家物語』関係の史跡に関する資料を御恵送頂きました。
 重久先生にあつくお礼を申し上げます。

 豪雨と雷鳴

No.9694

 宇治のあたり、昨夜は一晩中雷鳴がとどろき渡り、何度も目を覚ましました。こんなに雷が続いたのを経験したことはありません。また落雷によってテレビの視聴に支障が出るかもしれないと思いましたが、それは免れました。しかし、雨量も尋常ではなかったようで、市内の低地では冠水したところもあるようです。おそらくマスコミのものと思われるヘリコプターが朝から上空を飛び交っています。
 テレビニュースなどを御覧になって、心配してお電話を下さった方もあり、恐縮しております。当家は、宇治と言っても、道長の墓所の営まれた浄妙寺よりもさらに高所、鴨長明が隠棲した日野に近い高台に位置しますので、大雨の害は被ることはありませんでした。
 岩田君の所も大丈夫だと思います。

☆ 清水眞澄先生より、御高論「「師子」と幸若舞曲-「元徳二年三月日日吉社幷叡山行幸記」を始点として-」収録の前田雅之編『もう一つの古典知 前近代日本の知の可能性』(勉誠出版)を御恵送頂きました。
 清水先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 和田琢磨先生より、御高論「『太平記』「序」の機能」(『日本文学』61-7)・「翻刻 楠妣庵観音寺蔵『楠公一代絵巻』上巻」(『亜細亜大学学術文化紀要』21)を御恵送頂きました。
 和田先生に、あつく御礼を申し上げます。

【速報】 田中さん、お母さんとなる!

No.9693

 田中さん、そうでした現姓は丸山さんに赤ちゃんが誕生しました。女の子の由。おめでとうございます。
 すでに平田(現姓山田)さん、薗田(現姓黒岩)さんがお母さん。
 そういえば、北海道の笠(現姓澤田)さんは、もうすっかりベテランのお母さんのはずです。

 ゼミメンバーがお母さんになる。こうなると、私もオジイサンらしくならないといけないようです。玉手箱を開いてしまった浦島太郎の如き心境です。

 これから、結婚話も続々の観あり。
 みんな、順序を踏んで人生を拓いていて立派です。

 なにしろ、当ゼミの主宰者は、就職する前どころか学生のうちに結婚し、二人目の子どもが生まれるという時点になってから、ようやく就職したという常道をはずれた人生を歩んでおりますから、教え子の諸姉兄にはよき反面教師になっているのだろうと思います。

 それにしても、おめでとうございます。(母に似て)次代を担う強力な女性が誕生したことを心からうれしく思っています。
 子育て、がんばってください!!
編集:2012/08/13(Mon) 17:02

ありがとうございます

田中 裕紀
No.9697

お祝いのお言葉、ありがとうございます。
お腹の中で、先日の公開講座を聞いてゴロゴロと動き回っていた人が、とうとう外に出てきました。
誰に似たのか気が強く頑固な性格がすでに見え隠れしております。
今は24時間営業で子に振り回される日々ですが、動けるようになったら、あちらこちらと連れて歩きたいなあと夢は膨らむばかりです。
次にみなさんにお会いできる日を楽しみにしています。

 最近の「批判」について

No.9692

 研究室の窓枠工事が始まりました。終了は19日とのことです。

 仕事柄、仕事(東国武士の研究など)の内容について批判の矢面に立つことはやぶさかではありませんし、反省させられるような御指摘があれば有り難い。時には、新しい発見に繋がる場合もあります。
 ところが、このところ、どうもよく分からない批判が多い。つまり、このことについて論じられていないという批判を受けている研究は、既にそのことを論じた上で語ったものであったりするのです。それから、曲解されているのか、問題意識がまったく異なるのか、どうも批判の意味が理解できないものも多いのです。
 私の頭脳の老化によるものなのかとも考えたのですが、どうやら、批判を発している方の所属にも問題があるらしいことに気がつきました。所属というのは、同じ発想とか価値観をもっているグループという意味です。そのことを踏まえて、批判の内容を考えると、「なるほど」と思えることがあります。ただし、「なるほど」というのは、批判に利があるというのではなくて、なんでそんな(私にとって)訳の分からないことを仰せになられるのかが分かるという意味においてのことです。
 人はもともと多様な考え方をするものでしょうが、ある集団に所属すると同調バイアスがかかって、その集団とは異なる発想には理解を示そうとしなくなるような傾向があるように思います。地域とか研究組織とか学統とかが、その集団にあたります。
 それを踏まえると、研究者にとっては、ある一定の年齢までに、多様な生活空間を経験することが結構意味を持つものだと思うに至った次第。若い人は動くに如かずです。