お知らせとお願い

No.9718

 京都は未だに真夏のような暑さが続いております。

 でも、もう9月も中旬。古代学協会の後期の講座の募集が始まったようです。↓
   http://kodaigaku.org/study/koza-koenkai/kodaigaku-koza/2012/kouki/kouki-goannai.html

 本日、ようやく本務の仕事を一つ片付けました。しかし、まだ夏休みの宿題が沢山のこっています。小学生の頃、家庭科の宿題を母親に手伝ってもらったことが思い出されます。

 ところで、昨年度に刊行された論文・書籍などで、自分の研究業績(発表された時期は不問)が引用されているものをリストアップして提出せよという書類が回ってきました。
 理系の研究者の方は、PCで検索をかけるとすぐに見つかるのだろうと思うのですが、日本史はそう簡単にはいきません。とくに国文学などの他ジャンルや地方史関係の研究誌などは、とても捕捉することができません。そこで、もしお気づきの情報がありましたら、お知らせ下されば幸いとするところです。引用論文の執筆者・タイトル・掲載誌名と巻号・発行年月日・該当ページなどの情報が必要ですが、一部でも構いませんので、宜しくお願い申し上げる次第です。

 頼朝は政子なんて知らなかった

No.9717

  流人時代の源頼朝、および頼朝挙兵以前の伊豆北条氏については、下記を御参照頂ければと思います。
【流人時代の頼朝】
  坂井孝一「源頼朝の流人時代に関する考察」(『創価人間学論集』5)
  野口 実「流人の周辺」(同『中世東国武士団の研究』髙科書店)

【頼朝挙兵以前の伊豆北条氏】
  杉橋隆夫「牧の方の出身と政治的位置」(上横手雅敬監修『古代・中世の政治と文化』思文閣出版)
  野口 実 「『京武者』の東国進出とその本拠地について-大井・品川氏と北条氏を中心に-」
       (京都女子大学宗教・文化研究所『研究紀要』19号)
    同   「伊豆北条氏の周辺-時政を評価するための覚書-」(同 20号)
    同  「北条時政の上洛」(同 25号)

 それから、政子という名前が、頼朝や時政の死後につけられたものであったことについては、高橋秀樹『中世の家と性』(日本史リブレット、山川出版社)をお読み下さい。

 「奥州藤原氏と平泉」について考え直します。

No.9716

 安芸・周防から帰還された1・3回生のみなさん、お疲れ様でした。
 成果は多大であったことと思います。

 15~20年ほど前、少しばかりエキセントリックな環境にあった私が、ある本を出版したとき、石井進先生からその本の内容に対して、「従来のパラダイムを崩すときには、それに代わるものを提示する責任が研究者には課せられる」という戒めのお言葉を頂いたことが、なぜか思い出される今日この頃です。

 ところで、この秋から名古屋の中日文化センターで「奥州藤原氏と平泉」というテーマの講座を担当することになりましたので、御案内させて頂きます。
***********************************************
 【曜日・時間】 月1回土曜日 夕 15:30~17:30

 【会場】 栄中日文化センター  (名古屋市中区栄4-1-1 中日ビル4階)

 【講座内容】 2011年、世界遺産に登録された平泉。中尊寺や毛越寺などにのこる素晴らしい建築や庭園もさることながら、それをつくりだした奥州(平泉)藤原氏の歴史についても興味深い土地です。この講座では12世紀、とくに平家の全盛期に、奥州地方に覇権をうちたてた奥州藤原氏と、その本拠地となった都市平泉について、京都や鎌倉からの視点で考えてみたいと思います。10月から始まる6ヵ月講座です。

 【開講日】10/13、11/3、12/8、1/12、3/2、3/30
*************************************************
 私にとってもよい勉強の機会になりそうです。詳しくは下記を御覧下さい。
http://www.chunichi-culture.com/mgcgi/mgrqcgi.cgi?APPNAME=BunWeb&PRGNAME=kouza_ichiran_para&ARGUMENTS=-N10,-N11,-N12,-N15,-N23

 9月に入ったとたん、授業アンケートの結果に対する所見とか、昨年度引用された論文のリストとか、いろいろ提出しなければならない書類の要請が増えて大いに焦っています。まだ終わっていない宿題が沢山あるのというのに、嗚呼!

 平家追討軍?

No.9715

 信濃や和泉から出陣した「精鋭部隊」が安芸から周防方面に進行中の由です。
 当方、兵粮を送れず申し訳なし。

 下記の「もちもちぃんウォーク」、協力のお申し出をいただき、感謝です。
 例によって、ゼミ主催でプレ見学会も実施しましょう。
 「栢の森遺跡」の具体的理解をはかるために、重源ゆかりの浄土寺(兵庫県小野市)に日帰りで見学に行くというプランも出ています。

日野方面の歴史散歩について(お願い)

No.9714

 本日、11月10日(土、時間帯は午前8時半からお昼過ぎまで)に実施する京都市伏見区醍醐支所主催の歴史散歩(「もちもちぃんウォーク」)について、担当の方たちと打ち合わせを致しました。

 今回は、昨年歩いた日野法界寺・平重衡の墓・日野家の墓所・恵福寺に加えて、重源ゆかりの「栢の森遺跡」(国指定史跡)・『方丈記』の作者として知られる鴨長明隠棲地付近などを見学する、かなり中身の濃いコースになっており、史学・国文専攻の学生さんにとっても大いに魅力的な企画になっていると思います。
 私の講演(『平家物語』の時代の日野の歴史に関するお話を予定しています)は蛇足かも知れませんが、現地を歩くことで、研究上きわめてよい刺激を受けられることは必定。それ以前に、大いに楽しめるものと思います。

 参加者の対象は京都市伏見区民ですが、当方のゼミメンバーと関係者(とくに昨年手伝ってくれた有志のみなさん)には、ボランティア参加の形でぜひ御協力を御願いしたいと思います。
 主催者に名簿をお届けする必要がありますので、参加を希望する方は、可及的速やかに当方に御連絡下さい。

 なお、見学コースの地図や京都市埋蔵文化財研究所作成の「栢の森遺跡』に関する資料などは、後日、ゼミの史料講読会の時間に配布するつもりです。
 今回のコースは本当に「最高!」なので、私も楽しみにしています。

 文献史料からの「発掘」に正当な評価を

No.9713

 今まで読んだことのある文献史料のなかに、私の研究にとって大変重要な事実が記されていたことを発見しました。

 文献史料から意味のある事実を発見するには、それなりの知識・情報と問題意識がなければダメだと言うことを久しぶりに思い知らされた次第です。
 だから、このようにして重要な事実を発見した先学の業績には敬意を払わなければならないということなのでしょう。先学(とりわけ在野の、あるいは地域史などに携わっておられた無名の研究者)がコツコツと史料を読み込んで発見した事実を、すでに活字化されている史料に書いてあることなのだから、「発見」には当たらないという素振りで、ひどい場合には、自分が初めて学界に紹介するかのような書き方で発表するようなケースも見られるようです。
 こうした点について一部の歴史学者はあまりに無頓着に過ぎるように思えます。考古学者の態度に見習うべきでしょう。

 なお、今回「発見」した事実については、来春刊行の京都女子大学宗教・文化研究所『研究紀要』第26号掲載の拙論に反映させる所存です。

 ☆ 都筑・橘木研究会代表の中西望介様から、御高論「村の成立と鎮守・小祠に関する基礎資料 都筑郡編」収録の『都筑・橘木地域史研究』を御恵送頂きました。
 黒沢則博「秩父平氏中山氏とその周辺」・菱沼一憲「小机鳥山開発からみる地域と権力」といった坂東武士研究に裨益の大きい論文も収められています。
 中西様に、あつく御礼を申し上げます。

文学も史学も・・・「健脚」商売

No.9712

 本日は、午前中に事務仕事を済ませ、午後は兵藤先生、そしてゼミ生のみなさんたちと法住寺殿跡を歩きました。岩田君と粟村さんが同道してくれたので、心強い限り。

 幸い雨には降られませんでしたが、時折の強烈な日差しには、すっかりパワーを奪われた次第。しかし、兵藤先生はお元気で、今熊野神社で解散の後、さらに六波羅を歩かれるとのこと。そこで、当方も方広寺の鐘楼の辺りまでお付き合いさせて頂きました。
 この間、どうやら岩田君がツィッター中継を行ってくれていたようです。

 研究室に戻って、某君の御結婚の話や最近の新書のことなど、三人で歓談しておりましたら、外では雨が降り出した模様。兵藤先生たちは大丈夫だったでしょうか?

 「不在京」の活動中にて

No.9708

 目下、「不在京」活動中のためにメールや郵便での御送信・御送付にたいする返信・返礼を欠く仕儀となっておりますことをお詫び申し上げます。

 「非日常」の結果、例によって胃腸が「驚天動地」ならぬ「仰天動地」してしまい、参っております。

 それにしても、小川先生の『足利義満』は、読ませる新書だと思います。
編集:2012/09/02(Sun) 19:35

 在京活動の再開

No.9709

 鴨川を渡って、京域内での活動を再開致しました。
 昨日の書き込みにレスを付けてくれた方があったという情報を得ていたのですが、拝見することが出来ず残念です。

 >岩田君&粟村さん  9月3日、私は資料を用意する都合がありますから、昼には研究室にいるつもりです(A地下に食事にいっているかも知れませんが)。1時半頃、蓮華王院に向かいます。研究室にお出で頂いても、現地に直接でも構いません。宜しくお願い致します。

 御返信など、明日から順次送信させて頂きたいと存じます。

 日本史リブレット(山川出版社)の『源義家』ですが、カバーの装幀デザインも出来あがってまいりました。
 この本は、ちょうど、今年のお正月に出した『武門源氏の血脈』(中央公論新社)の内容の前史に位置づけられるような構成になっていると思います。

 それから、残念な話ですが、平成16年10月に上横手雅敬先生の御編著として、文英堂から初版の発行された『源義経 流浪の勇者-京都 鎌倉 平泉-』が、本年度いっぱいで絶版となるとのことです。入手したい方はお早めに。
 
 良い本が売れるような文化環境を希求したいところですね。  
編集:2012/09/02(Sun) 00:14

鋭意在宅活動中

No.9710

>野口先生 掲示板でもご無沙汰しております。9月3日の件、了解致しました。研究室に伺いますので、よろしくお願い致します。過ごしやすいお天気になるといいですね。

 兵藤ゼミの皆さん  御上洛をお待ちしています。

No.9711

 午前中、兵藤先生からお電話を頂きました。京都の暑さを心配されている御様子。
 若い学生さんたちは大丈夫でしょうが、たしかに、われわれの年齢には応えます。
 
 しかし、こちらも岩田君たちが来てくれるので安心です。

 兵藤先生はタバコをやめたら喉の具合がおかしくなったなどと話しておられましたので、「それは老化だ」と返事をしておきました。

  それから、藪本君から、おめでたいお話がとどきました。

 新著『源義家 天下第一の武勇の士』のお知らせ

No.9707

 『源義家 天下第一の武勇の士』(山川出版社 価格:840 円)
 上記、新著の予約受付が始まったようです。
  →http://books.livedoor.com/item/4855839

 [要旨] 「八幡太郎」の愛称で語り継がれ,神のように仰がれたのはなぜか。「文武兼備の稀代の名将」と「残虐を事とした暴力装置」という対極的な評価の間で揺れ動く義家の実像に迫る。
 
 ☆下村周太郎さんから御高論「中世前期京都朝廷と天人相関説―日本中世〈国家〉試論―」(『史学雑誌』121-6)を御恵送いただきました。
 下村さんに、あつくお礼を申し上げます。

 日曜日の列島風景 さまざま

No.9706

 平田(現、山田)さ~ん! 御返信、ありがとうございます。あの旅行の時には、ほんとうにお世話になりました。佐賀県にも行きましたね。小城羊羹の老舗の社長さんから大変なおもてなしを頂いたり、みんなで小城の町長さんに面会したり、滝の下で記念写真を撮ったり、いろいろ思い出されます。そういえば、久留米出身の笠さんは澤田さんになって、現在は札幌にお住まいですね。
 
 さて、ようやく宇治にも「つくつく法師」の鳴き声が聞こえるようになってきたのですが、まだ日本列島各地は頭が痛くなるような暑さが続いているようです。
 信州のローカル線の車内では、なぜかワインをちびりちびりとやっているオジサンの脇で、『武家のなんとかの条件』とかいうタイトルの新書本を一生懸命読んでいる女子大生がいる・・・とか、福岡の駅の売店でなぜか鹿児島名物のかるかんを探しているお兄さんがいて、「かるかんありますか?」と聞かれた店のおねえさんが、「キャットフードは置いていません」と応えたとか・・・、そんな本当なのか嘘なのか分からない話が各地から伝わってきて面白い日曜日です。