本日の「基礎演習」、明後日の「教養科目」。

No.9980

 梅雨だというのに夏のような晴天です。すでに格好などどうでもよいのですが、何を着ればよいのか迷います。

 本日の『基礎演習Ⅰ』は、當麻さんの「名付け親になった気分」と鶴見さんの「空前のパンケーキブーム」の二本立て。時間が足りなかったり余ったり。今後の発表では、臨機応変の工夫が必要なようです。

 明後日(木)3講時の教養科目は「中世の子ども」というテーマでお話をしたいと思います。その次は、やはり老人の問題に触れざるを得ないでしょう。

☆ この春から一関市立博物館の館長に就任された入間田宣夫先生より、新刊の論文集『平泉の政治と仏教』(高志書院)を御恵送頂きました。
 入間田先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 保立道久先生より、御高論「平安・鎌倉時代の災害と地震・山津波」(人間文化研究機構編『HUMAN』Vol.3)と共著の御高論「編纂と文化財科学-大徳寺文書を中心に-」(『東京大学史料編纂所研究紀要』23)を御恵送頂きました。
 保立先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 安土城考古博物館の山下立先生より、御高論「近江の狛犬 基礎資料集成(一)」ならびに共著の御高論「滋賀県地域における神像彫刻の樹種調査-新旧手法の適用による-」収載の『安土城考古博物館紀要』第21号を御恵送頂きました。
 山下先生にあつく御礼を申し上げます。

明日の「基礎演習Ⅰ」

No.9979

 火曜3講時の基礎演習Ⅰ。今月から二人ずつの発表になります。
 明日は當麻さんと鶴見さん。
 當麻さんは「名付け親になった気分」というタイトルで「赤ちゃんの名前の付け方」について発表されるとのことです。
 幼名・輩号・諱、あるいは名の通字や一字拝領・名簿奉呈を取り上げて、歴史的に名前を考えるのも面白いのですが、今回話題になりそうなのは、もっと身近な「きらきらネーム」でしょうか?

 ☆ 今春、明治大学から立教大学にうつられた鈴木彰先生より、御高論「再編される十六世紀の戦場体験-島津氏由緒との関わりから-」(『文学』13-5)・「泗川の戦いにおける奇瑞の演出-島津氏を護る狐のこと-」(『国文学研究』169)・「「門之浦伝来絵巻」小考-南薩における神事・祭祀との関わりから-」(『ミュージアム知覧 紀要・館報』13)を御恵送頂きました。
 とくに前の二論文は、島津氏の草創神話の成り立ちが明快に示されています。個別大名家における自家正統化のイデオロギーの形成を考える上で重要なご研究。国文学の研究成果ですが、歴史学の中世武士論専攻の方は必読です。
 また、「門之浦伝来絵巻」は、せっかく地元の研究者から御紹介を頂きながら、私には評価が下せなかったもので、鈴木先生による学界への紹介を大変うれしく思う次第です。
 鈴木先生に、あつく御礼を申し上げます。

  ☆ 坂口太郎君から、御高論「鎌倉後期・建武政権期の大覚寺統と大覚寺門跡-性円法親王を中心として-」(『史学雑誌』122-4)・「後宇多院関係史料・研究文献目録稿(下)」(『高野山大学密教文化研究所紀要』26)・「醍醐もちもぃんウォーク外伝 栢ノ森遺跡と俊乗房重源 前編」(『市民しんぶん伏見区版』207)・「同 後編」(同209)を御恵送頂きました。
 「醍醐もちもぃんウォーク外伝」は、坂口君の大発見を市民向けに書いて頂いたもの。そのきっかけを、当ゼミが「もちもちぃんウォーク」に参加したことによる-と宣伝させていただければ、ありがたいところです。
 坂口君に、あつく御礼を申し上げます。
 

無題

No.9977

こんにちは。池嶋美帆です。本日はお知らせがあります。

以前から野口先生がお知らせして下さっているように、6月22日には公開講座があります。そして、今年も公開講座終了後、講師の先生方を囲んだ懇親会(お食事会)を開催いたします。皆様ぜひご参加下さい。

   日時:6月22日(土)18:30~(2時間程の予定)
   場所:「里」(女坂上ってすぐです)
   費用:2500円+α  ※飲み放題とコース料理

お手数ですが、参加をご希望される方は16日(日)までに野口先生または池嶋(上記PCアドレスもしくは携帯)までご連絡下さい。
参加人数の正確な把握が必要ですので参加をお考えの方は、必ずご連絡を下さい。よろしくお願い申し上げます。

御上洛をお待ちしています。

No.9978

 池嶋さん、実習中にも関わらず、ありがとうございます。

 ☆ 東京都足立区役所の加増啓二先生より、加増啓二・進藤敏雄・津野仁「平安時代後期大鎧片とその復元的考察―明珍宗恭コレクションから―」(『早稲田大学會津八一記念博物館研究紀要』14号)を御恵送頂きました。
 加増先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 長野県松本蟻ヶ崎高校の村石正行先生より、御高論「小笠原長時の外交活動と同名氏族間交流」(『史学』82-1・2)・「寄進・売買・譲与における本主保護と返状の作成」(井原今朝男編『生活と文化の歴史学3 富裕と貧困』竹林舎)を御恵送頂きました。
 村石先生に、あつく御礼を申し上げます。
 御高論のうち前者は、滝沢さんの研究に役立ちそうな内容です。 

【追記】 公開講座受講に際しての参考文献を紹介します。

   ○ 金井静香「中世末期における近衛家と島津氏の交流-近衛政家・尚通・稙家-」(科研「近世薩摩における大名文化の総合的研究」〈研究代表者 中山右尚〉報告書)

   ○ 樋口健太郎「藤氏長者宣下の再検討」(『古代文化』63-3)

 金井先生の論文は入手が難しいと思います。研究室に用意しておきますので、コピーをお取り下さい。

 清文堂出版『中世の人物 京・鎌倉の時代』第2巻の構成(最終決定版)

No.9974

 昨日の「教養科目」。なんとか時間内でまとめましたが、何しろ3コマ分の内容でしたから板書もゼロというほどの駆け足。受講の諸姉は大変だったと思います(早々に諦めた方もおられましたが)。私も口は乾くし、腰は痛い。そして、授業後にはかつてない疲労感に襲われました。授業もやはり、ソフトよりハードでしょうか。
 来週は「中世のこども」をテーマに取り上げたいと思います。

 27日の月曜日、仏教学の時間に史学科一回生の半分の方たちを対象に講話をさせて頂きましたが、来月の17日にも、そののこり半分の史学科一回生を対象にした講話の御依頼を頂きました。「好評につき・・・」ならよいのですが。
 今回はゼミへの勧誘も忘れないようにしたいと思いますが・・・。

 清文堂出版から刊行予定の『中世の人物』。当初予定より作業が遅れておりますが、様々な紆余曲折を乗り越え、刊行に向けて最終段階に到達。現在、自分の原稿の再校ゲラでルビのチェックを行っております。
 私が担当させて頂いている第2巻『治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』も、元木泰雄先生編の第1巻「保元・平治の乱と平氏の栄華」とさほど間隔をあけずに刊行出来る模様です。 
 執筆者の皆さん、もう一息、宜しくお願い申し上げます。
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  『中世の人物 京・鎌倉の時代』第2巻『治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』の構成が確定致しましたので、あらためて、ここにお知らせ申し上げます。(※ 執筆者の敬称は略させて頂きました)

   治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立 … 野口 実
 Ⅰ 列島を覆う戦雲
   1 以仁王と源頼政-摂津源氏一門の宿命 … 生駒孝臣
   2 甲斐源氏-東国に成立した もう一つの「政権」 … 西川広平
   3 木曽義仲-反乱軍としての成長と官軍への転換 … 長村祥知
   4 源義経と範頼-平氏追討の戦い … 宮田敬三
   5 平宗盛-悲運の武家の棟梁 … 田中大喜
   6 平氏の新旧家人たち-相伝家人と門客 … 西村 隆
   7 藤原秀衡-奧の御館と幕府構想 … 三好俊文
コラム1 乳母と乳母子-頼朝と義仲 … 糟屋優美子
        
Ⅱ 鎌倉幕府の成立と東国武士
   1 源頼朝-天下草創の光と影 … 元木泰雄
  2 大庭景親-石橋山合戦の平家方大将 … 森 幸夫
    3 城助永と助職(長茂)-北越の「御館」武士 … 高橋一樹  
   4 千葉常胤-列島を転戦した清盛・西行と同い年の東国武士 … 野口 実
   5 和田義盛と梶原景時-鎌倉幕府侍所成立の立役者たち … 滑川敦子
   6 北条時政と牧の方-豆駿の豪傑、源頼朝からの自立 … 落合義明
   7 源頼家 -「暗君」像の打破 … 藤本頼人
 コラム2 九州の武士たち-原田種直・菊池隆直・緒方惟栄 … 清水 亮

 Ⅲ 内乱期の女院・貴族と僧たち
   1 八条院-〈鍾愛の女子〉の系譜 … 高松百香  
   2 藤原兼実-右大臣から内覧へ … 高橋秀樹
   3 源通親-権力者に仕え続けた男の虚像 … 佐伯智広 
   4 法然・貞慶と明恵-仏教改革の群像 … 平 雅行
  5 重源-王法仏法の興隆をめざして … 久野修義
  6 栄西-日本禅宗の原型 … 中尾良信
 コラム3 流人頼朝の側近たち-挙兵に加わった文官・神官 … 下村周太郎
     ◎ 主要史料一覧
    ◎ 主要系図
     ◎ 人名索引
***********************************************************************
 * 刊行予定などにつきましては、清文堂出版(下記住所・電話)にお問い合わせ下さい。
    〒542-0082 大阪府大阪市中央区島之内2-8-5 電話06-6211-6265(代)   
編集:2013/06/01(Sat) 00:58

こじんまりと振り返り中-次回の『吾妻鏡』-

No.9975

 『中世の人物』のシリーズも刊行に向けて着実に進展中とのこと、楽しみにお待ちしたいと思います。
 実習等の方は健康に気をつけてくださいね。

 次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2013年6月6日(木)午後3時頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:頼家・実朝期の振り返り

 ※しばらく“振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 6月も木曜の午後、6日・13日・20日・27日に開催予定です。

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、梅雨どきに何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。京都女子大の方限定ではありませんよ。
編集:2013/05/31(Fri) 21:51

公開講座の事前勉強会も

No.9976

 6月は公開講座がありますので、その事前勉強会も設定しなければならないと思います。とりあえずは、20日あたりになるでしょうか。

 そこで、講師の先生方の論文集を紹介させて頂きます。
 
 ○ 金井静香先生『中世公家領の研究』(思文閣出版,1999年)

 ○ 樋口健太郎先生『中世摂関家の家と権力』(校倉書房,2011年)

本日の教養科目・昨日の研究会・6月22日の公開講座

No.9973

 本日Ⅲ講時の「教養科目」ですが、すでに>>No.9968でお知らせしたとおり、中世の女性の位相についてお話しいたします。日本女性史も概括したいと思いますので、また時間不足が心配です。私には脱線制御装置が必要だと、自分でも思います。

 昨日は、どうも気分が晴れず、研究会では脈絡の掴みづらい発表になってしまい、申し訳なく思っています。しかし、私の頭脳はあの程度と思って頂ければ気が楽になります。
 研究会後の楽友会館での会食は美味しく。飲むより食べる方に専心して、いろいろと手を出させて頂いたので、結果的に二食分は軽くオーバーの模様で、こちらも制御機能が必要です。それに致しましても、楽しい時間を過ごさせて頂きました。元木先生およびご参会の皆様に感謝いたします。

 今年も京都アスニーで、お話をさせて頂く機会を頂きました。目下、テーマを思案中です。いつも武士の話ばかりなので、今回は昨年の「もちもちぃんウォーク」の成果を生かして「重源」でも取り上げてみようかと思案しております。

 研究所公開講座まで一ヶ月を切りました。今年も講師の先生方との懇談会・懇親会を企画したいと思います。目下、実習中にもかかわらず池嶋さんが幹事を引き受けて下さいました。これまた感謝です。

 すさみストリート

No.9972

 いささか荒みがちな心境だったのですが、消息が分からなかった数年前の卒業生が目標を達成して元気に過ごされているという情報を得て、一安心の朝です。 

 『軍記と語り物』49号が届きました。元木泰雄先生の昨年の大会での講演「平氏敗北の背景」が論文化されて掲載されています。必読。

 岩田君の博士論文は、今後の武士論ならびに鎌倉幕府論に裨益大。これが巷間に広まらないのは実に惜しいと思います。
 今後、同学の研究者の著作に対する書評などで、岩田君が大いに持論を開陳して下さることを期待しています。

 昨晩、数年前に文学部を退職された先輩の先生からお電話を頂いて暫しの四方山話。
 私が赴任したての頃、その先生がおっしゃっていたことと同じことを、今の私が語っている。歴史は繰り返す?

 昨日の講話。例によってまとまりのない話となってしまいました。研究所ゼミに加わってくれるような学生さんの出現を期待していたのですが、勧誘的な話は全くできませんでしたので、今のところ効果ゼロ。 私にはセールスマンの素質はないようです。

 その講話の感想から。
○「すごくおもしろかったです!・・・野口さんが大学生の時に子供ができたとか」
  ※ 「野口さん」か。大学という空間においては、教師と学生は市民として対等の関係にあることがよく分かっておられる。でも、教室ではどうなのか?ちなみに、事実関係に誤りがあります。「大学生の時に」→「就職する前に」。
 ○「歴史学とはどのように考えるべきなのか、ということが今まで聴いたどの先生とも違うとらえ方をしていて面白くて興味深かったです」
  ※ 私が異端であることは間違いありません。でも「面白くて興味深かった」ならよかったと思います。
 ○「昔は歴史を学ぶ時は政治史や経済史があったというのは驚いた」
  ※ いま、高校までの日本史教育では政治や経済の歴史は、あまり重視されていないのでしょうか。私も、最近の「歴史学」には、よく分からないところがあります。
 ○「自分が「よい先生だ」といいはる人よりも先生のような方のほうが好感がもてます」
  ※ 波長の合う学生さんのようです。ほかにも、ニヤリとさせられるようなお褒めを頂いたものもありましたが、それは非公開にします。

【追記】 明日の『台記』研究会の発表は、「田口成良」の実像」というテーマでお話をさせて頂きたいと存じます。どうぞ宜しくお願いいたします。

火曜日のテーマは『競馬~ギャンブルか、スポーツか~』

No.9971

 明後日の「基礎演習Ⅰ」は豊田さんの発表で、テーマは『競馬~ギャンブルか、スポーツか~』。
 いろいろな切り口から討論できると思います。
 
 明日、Ⅱ講時の仏教学の時間に講話をさせて頂くことになりました。史学科の1回生が対象とのことなので、テーマは「歴史を学ぶ若者への期待」ということにしたのですが、話がどう転んでしまうか・・・、その時にならないと分かりません。でも、仏教学の講話らしくまとめたいと思います。

 この前の木曜日に滝沢さんから頂いた御菓子は「小布施最中」です。このところ、アクセス数が激増しているので、お問い合わせを頂く前に先回りして、お知らせしておきます。

 ついでに、滝沢さんへ。木曜のⅢ講時は「特殊講義」ではなく「教養科目」であります。内容はしっかりと伝わっているようで、うれしく思いました。
 

6月22日の公開講座「中世摂関家の諸相」のポスターが出来ました。

No.9970

 公開講座のポスター・チラシを作って頂きましたので、Facebook(野口実)の方に載せておきました。御覧頂ければ幸いです。

 『日本歴史』6月号「学界消息」欄の人事異動を拝見。いよいよ世代交代の波が本格化したように思います。昭和は遠くなりにけり。一抹の寂しさを禁じ得ません。

☆ 茨城大学の高橋修先生より、先生が中世史部会長として編纂・執筆に携わられた『熊谷市史』(資料編2 古代・中世)を御恵送頂きました。
 高橋先生に、あつく御礼を申し上げます。 

 学位論文『鎌倉幕府と武士社会の研究』拝受。

No.9968

 昨日の「教養科目」。三別抄の話が十分に出来なかったのが残念。時間さえあれば「刀伊の入寇」についても、じっくりお話ししたいところでした。
 来週は、シラバスでは「板額と巴」というテーマの予定なので、やはり中世の女性についてお話ししようと思っています。

 研究所ゼミの方は、師範代に御用があり、しかも実習で不在の方が複数おられましたので、急遽、目下研究発表の準備を進めている「田口成良」について、作成途中のレジュメ草稿によって、私の話を聴いていただきました。やはり、「田口成良」の呼称はまずい。しかし、その存在形態は、今後の武士論研究において、ひとつのモデル的事例となると思います。成良のみならず、12世紀後半~13世紀前半期における阿波の武士たちの動向は、中央の政治・経済の状況に即応しています。
 聴かされる側は、さぞかし御迷惑であったと思いますが、おかげ様で、少しばかり頭の中の混乱が収拾できました。

 滝沢さんから頂いた長野のお土産は、栗の入った高級な和菓子。先週、山本さんからいただいた岡山の「藤戸饅頭」「高瀬舟羊羹」同様に美味しくいただきました。お休みの人が多かったおかげで、勝手ながら私だけ2人分を「ご馳走様」。しめしめ。

  師範代の岩田君からは、学位論文のPDFファイルをプリントアウト製本した冊子を頂きました。世界中に5冊しかないとのこと。タイトルは『鎌倉幕府と武士社会の研究』。
 最新のすぐれた武士論の研究成果が、広く行き渡らないというのは惜しんでもあまりあるものがございます。すぐに版下が作れると思うので、早々の出版を期待しています。
 よい原稿、すぐれた執筆者を求めている編集者の方々には朗報では?
編集:2013/05/24(Fri) 23:59

“質”の向上は簡単ではありません-次回の『吾妻鏡』-

No.9969

 坂額御前は私も授業で取り上げたことがあります。受講生の皆さんにもかなり興味を持っていただくことができましたが、感想カードに『(史料講読の)本題よりもおもしろかった』と書かれたときは困ってしまいました…。

 拙稿の冊子ですが、いまは簡易製本もほんとうに簡単にできるようになりましたね。ありがたいことです。

 ところで、前回は都合により早退させていただき、失礼致しました。また次回以降もよろしくお願いします。次回もひきつづき、『吾妻鏡』頼家・実朝期の記事を抜粋して振り返りを行っていきたいと思います。史料を挙げながらいろいろな問題について意見交換していきますので、とくにこれといった予習もなくご参加いただけると思います。

 日時:2013年5月30日(木)午後3時頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:頼家・実朝期の振り返り

 5月も木曜の午後、30日に開催予定です。

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、早くも夏の訪れを思わせる季節に何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。京都女子大の方限定ではありませんよ。

 研究教育者の矜恃

No.9965

 『京都大学大学院文学研究科専攻(専修)案内』(平成24年7月)に、こんなことが書いてありました。
 「本専修では,大学院生の独自性を重んじて,できる限り指導しないように努めている。必要な場合には最良,最少限の助言を与えることもある。」

 本日の「基礎・教養科目」。
 先週の授業の際に申し上げたので、ここには書きませんでしたが(もう書いたような記憶があるのですが・・・)、シラバスどおり、テーマは「ムクリ・コクリ」、元寇のお話です。
編集:2013/05/23(Thu) 11:46

 問題とすべきは大学院生の矜持でしょうか?

No.9967

 人文系の大学院生が、ひたすら所属する大学に閉じこもって履修要綱に沿って単位を取り、手取り足取りの指導を受けて修論・博論を仕上げるという受身の態度では困ります。

 近年は、資格を取るための、昔でいえば専門学校とか各種学校に類するような存在に見える大学院もありますから、そんな院生も実在するかも知れません。とはいっても、人文系のジャンルの研究は、そんなわけには行かないはずですので、その辺りのことを確認する意図が、上掲案内の文言に反映されているのかもしれません。でもそれは、最近問題になった高等教育院設立の発想などとは齟齬するようにも思えるのですが。

 一方、必要な場合には「最良」の助言を与える-というところには、自負と迫力を感じました。これは、なかなか出来ることではありませんから。


 ちなみに、自分の話で恐縮ですが、私は院生時代には授業料を払っていないところばかりで勉強させて頂いておりました。
 安田元久・土田直鎮・桃裕行・豊田武・田中久夫といった錚々たる先生方には、授業や研究会で、ずいぶんお世話になりましたし、そこで知り合いになった同学の方たちとは、今に至るまで長いお付き合いをさせて頂いております。
 そういえば、史料編纂所に行って、新田英治先生に青学の研究室で欠号になっていた『日本史研究』所載の論文のコピーお願いするという、思い出すと冷や汗の出るような、図々しい所行をしでかした事もありました。

 もっとも、ほとんどの場合、こうした先生方の所にお邪魔するにあたって、仲介の労を執って下さったのは、指導教官である貫達人先生だったのです。