日野方面の歴史散歩について(お願い)

No.9714

 本日、11月10日(土、時間帯は午前8時半からお昼過ぎまで)に実施する京都市伏見区醍醐支所主催の歴史散歩(「もちもちぃんウォーク」)について、担当の方たちと打ち合わせを致しました。

 今回は、昨年歩いた日野法界寺・平重衡の墓・日野家の墓所・恵福寺に加えて、重源ゆかりの「栢の森遺跡」(国指定史跡)・『方丈記』の作者として知られる鴨長明隠棲地付近などを見学する、かなり中身の濃いコースになっており、史学・国文専攻の学生さんにとっても大いに魅力的な企画になっていると思います。
 私の講演(『平家物語』の時代の日野の歴史に関するお話を予定しています)は蛇足かも知れませんが、現地を歩くことで、研究上きわめてよい刺激を受けられることは必定。それ以前に、大いに楽しめるものと思います。

 参加者の対象は京都市伏見区民ですが、当方のゼミメンバーと関係者(とくに昨年手伝ってくれた有志のみなさん)には、ボランティア参加の形でぜひ御協力を御願いしたいと思います。
 主催者に名簿をお届けする必要がありますので、参加を希望する方は、可及的速やかに当方に御連絡下さい。

 なお、見学コースの地図や京都市埋蔵文化財研究所作成の「栢の森遺跡』に関する資料などは、後日、ゼミの史料講読会の時間に配布するつもりです。
 今回のコースは本当に「最高!」なので、私も楽しみにしています。

 文献史料からの「発掘」に正当な評価を

No.9713

 今まで読んだことのある文献史料のなかに、私の研究にとって大変重要な事実が記されていたことを発見しました。

 文献史料から意味のある事実を発見するには、それなりの知識・情報と問題意識がなければダメだと言うことを久しぶりに思い知らされた次第です。
 だから、このようにして重要な事実を発見した先学の業績には敬意を払わなければならないということなのでしょう。先学(とりわけ在野の、あるいは地域史などに携わっておられた無名の研究者)がコツコツと史料を読み込んで発見した事実を、すでに活字化されている史料に書いてあることなのだから、「発見」には当たらないという素振りで、ひどい場合には、自分が初めて学界に紹介するかのような書き方で発表するようなケースも見られるようです。
 こうした点について一部の歴史学者はあまりに無頓着に過ぎるように思えます。考古学者の態度に見習うべきでしょう。

 なお、今回「発見」した事実については、来春刊行の京都女子大学宗教・文化研究所『研究紀要』第26号掲載の拙論に反映させる所存です。

 ☆ 都筑・橘木研究会代表の中西望介様から、御高論「村の成立と鎮守・小祠に関する基礎資料 都筑郡編」収録の『都筑・橘木地域史研究』を御恵送頂きました。
 黒沢則博「秩父平氏中山氏とその周辺」・菱沼一憲「小机鳥山開発からみる地域と権力」といった坂東武士研究に裨益の大きい論文も収められています。
 中西様に、あつく御礼を申し上げます。

文学も史学も・・・「健脚」商売

No.9712

 本日は、午前中に事務仕事を済ませ、午後は兵藤先生、そしてゼミ生のみなさんたちと法住寺殿跡を歩きました。岩田君と粟村さんが同道してくれたので、心強い限り。

 幸い雨には降られませんでしたが、時折の強烈な日差しには、すっかりパワーを奪われた次第。しかし、兵藤先生はお元気で、今熊野神社で解散の後、さらに六波羅を歩かれるとのこと。そこで、当方も方広寺の鐘楼の辺りまでお付き合いさせて頂きました。
 この間、どうやら岩田君がツィッター中継を行ってくれていたようです。

 研究室に戻って、某君の御結婚の話や最近の新書のことなど、三人で歓談しておりましたら、外では雨が降り出した模様。兵藤先生たちは大丈夫だったでしょうか?

 「不在京」の活動中にて

No.9708

 目下、「不在京」活動中のためにメールや郵便での御送信・御送付にたいする返信・返礼を欠く仕儀となっておりますことをお詫び申し上げます。

 「非日常」の結果、例によって胃腸が「驚天動地」ならぬ「仰天動地」してしまい、参っております。

 それにしても、小川先生の『足利義満』は、読ませる新書だと思います。
編集:2012/09/02(Sun) 19:35

 在京活動の再開

No.9709

 鴨川を渡って、京域内での活動を再開致しました。
 昨日の書き込みにレスを付けてくれた方があったという情報を得ていたのですが、拝見することが出来ず残念です。

 >岩田君&粟村さん  9月3日、私は資料を用意する都合がありますから、昼には研究室にいるつもりです(A地下に食事にいっているかも知れませんが)。1時半頃、蓮華王院に向かいます。研究室にお出で頂いても、現地に直接でも構いません。宜しくお願い致します。

 御返信など、明日から順次送信させて頂きたいと存じます。

 日本史リブレット(山川出版社)の『源義家』ですが、カバーの装幀デザインも出来あがってまいりました。
 この本は、ちょうど、今年のお正月に出した『武門源氏の血脈』(中央公論新社)の内容の前史に位置づけられるような構成になっていると思います。

 それから、残念な話ですが、平成16年10月に上横手雅敬先生の御編著として、文英堂から初版の発行された『源義経 流浪の勇者-京都 鎌倉 平泉-』が、本年度いっぱいで絶版となるとのことです。入手したい方はお早めに。
 
 良い本が売れるような文化環境を希求したいところですね。  
編集:2012/09/02(Sun) 00:14

鋭意在宅活動中

No.9710

>野口先生 掲示板でもご無沙汰しております。9月3日の件、了解致しました。研究室に伺いますので、よろしくお願い致します。過ごしやすいお天気になるといいですね。

 兵藤ゼミの皆さん  御上洛をお待ちしています。

No.9711

 午前中、兵藤先生からお電話を頂きました。京都の暑さを心配されている御様子。
 若い学生さんたちは大丈夫でしょうが、たしかに、われわれの年齢には応えます。
 
 しかし、こちらも岩田君たちが来てくれるので安心です。

 兵藤先生はタバコをやめたら喉の具合がおかしくなったなどと話しておられましたので、「それは老化だ」と返事をしておきました。

  それから、藪本君から、おめでたいお話がとどきました。

 新著『源義家 天下第一の武勇の士』のお知らせ

No.9707

 『源義家 天下第一の武勇の士』(山川出版社 価格:840 円)
 上記、新著の予約受付が始まったようです。
  →http://books.livedoor.com/item/4855839

 [要旨] 「八幡太郎」の愛称で語り継がれ,神のように仰がれたのはなぜか。「文武兼備の稀代の名将」と「残虐を事とした暴力装置」という対極的な評価の間で揺れ動く義家の実像に迫る。
 
 ☆下村周太郎さんから御高論「中世前期京都朝廷と天人相関説―日本中世〈国家〉試論―」(『史学雑誌』121-6)を御恵送いただきました。
 下村さんに、あつくお礼を申し上げます。

 日曜日の列島風景 さまざま

No.9706

 平田(現、山田)さ~ん! 御返信、ありがとうございます。あの旅行の時には、ほんとうにお世話になりました。佐賀県にも行きましたね。小城羊羹の老舗の社長さんから大変なおもてなしを頂いたり、みんなで小城の町長さんに面会したり、滝の下で記念写真を撮ったり、いろいろ思い出されます。そういえば、久留米出身の笠さんは澤田さんになって、現在は札幌にお住まいですね。
 
 さて、ようやく宇治にも「つくつく法師」の鳴き声が聞こえるようになってきたのですが、まだ日本列島各地は頭が痛くなるような暑さが続いているようです。
 信州のローカル線の車内では、なぜかワインをちびりちびりとやっているオジサンの脇で、『武家のなんとかの条件』とかいうタイトルの新書本を一生懸命読んでいる女子大生がいる・・・とか、福岡の駅の売店でなぜか鹿児島名物のかるかんを探しているお兄さんがいて、「かるかんありますか?」と聞かれた店のおねえさんが、「キャットフードは置いていません」と応えたとか・・・、そんな本当なのか嘘なのか分からない話が各地から伝わってきて面白い日曜日です。

 ゲラゲラゲラ

No.9704

 笑いが止まらないわけではありません。ゲラを沢山抱えて、いつまで経っても手を離れないという有様を表現しているわけです。
 しかし、有り難いことであると考えるべきなのかも知れません。院生だった頃に、こんなに校正ゲラを抱えることが出来ていたら、どんなに幸せだったことでしょう。
 だれですか?これがホントの「ノグチゲラ」だなどと言って笑っているのは!

 ところで、9月3日(月)に学習院大学の兵藤先生のゼミの皆さんを法住寺殿跡(後白河院陵・法住寺南殿跡・最勝光院跡・今熊野神社)に御案内することを、さきに告知致しましたが(>>No.9666)、もし、ゼミ関係者ならびに京都の学生さんで同行を希望される方がおられましたら御連絡下さい。資料を用意致します。 

 梅が枝餅と松が枝餅

No.9703

 目下、元木先生の研究室のみなさんは北九州を御旅行中。同行の岩田君から逐次、ツィッターで中継がなされているようです。
 元気に旅行されている方たちが羨ましい。当ゼミも2004年の夏に、宗像神社や水城・大宰府、久留米の高良大社など、レンタカーで走破致しましたね。高良大社では高価な『平家物語』の複製本が販売されていて、山田夫人が買い求められたように記憶致します。
 筑後平野の眺望が抜群でしたが、今日もきっと素晴らしい景色のことでしょう。
 ちなみに、私はこの2月にも福岡県を訪れて、その時は宗像神社と津屋崎、それから宮地嶽神社にも行きました。ここには、梅が枝餅の向こうを張ってか、松が枝餅というのがありましたが、これは美味しかったです。また、大宰府では九州国立博物館にも参りました。今度行くとき(行けたら)は、少弐氏の館跡などを中心に見学したいと思っています。そうなると、夏はダメですね。
 それにしても、旅行中のみなさん(の、その元気が)怨めしや~です。

 ☆ 東大史料編纂所の保立道久先生より、新刊の御高著『歴史のなかの大地動乱-奈良・平安の地震と天皇』(岩波新書)を御恵送頂きました。
 保立先生にあつく御礼を申し上げます。
 
☆ 北海道教育大学の鈴木哲雄先生より、同じく新刊の御高著『動乱の東国史1 平将門と東国武士団』(吉川弘文館)を御恵送頂きました。
 鈴木先生にあつく御礼を申し上げます。

ご無沙汰しております

山田樹理
No.9705


 野口先生、ご無沙汰しております。
2004年夏からもう8年経つんですね。月日が経つのは本当に早く、私も今年二児の母になりました。

 松が枝餅、美味しいですよね。隠れた名品だと思います。大牟田の草木饅頭もあっさりしていて美味しいですよ。と、福岡名産をアピールしておきます笑。

 また研究室に伺いたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

『中世の人物 第2巻 治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』

No.9702

 本日は、たしか「軍記・語り物研究会」の大会が下関で開催される日で、元木先生の御講演が予定されているはずです。
  私は時間と体力が不足気味なので在京活動中。校正と原稿執筆に勤しんでおります。
 大学L校舎の工事は継続中で、8/24(金)お昼から8/26(日)までの間、L校舎1階西側入口の扉を自動扉にする工事のため通行止めとなるとのことです。
 明日23日の午後に東京の出版社の方が来室されるのですが、セーフで幸いでした。

 ところで、先般、今秋から順次刊行される予定の清文堂出版『中世の人物 京・鎌倉の時代』に『中世の人物』第1巻 元木泰雄編『保元・平治の乱と平氏の栄華』の内容(予定)についてお知らせいたしましたが>>No.9684、今回は私の担当する第2巻『治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』の内容の予定をお知らせ致します(編集過程で配列は変更されます)。
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第2巻 治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立(野口 実編)

 1 源頼政と以仁王~摂津源氏一門の宿命~ … 生駒孝臣
 2 八 条 院 … 高松百香
 3 藤原兼実 … 高橋秀樹
 4 源 通親~権力者に仕え続けた男の虚像~ … 佐伯智広
 5 源 頼朝 … 元木泰雄
 6 木曾義仲~安堵の下文を中心に … 長村祥知
 7 源 義経と範頼~平氏追討の戦い~… 宮田敬三
 8 源 頼家~「暗君」像の打破~ … 藤本頼人
 9 平 宗盛~悲運の武家の棟梁~… 田中大喜
 10 平氏の新旧家人たち(伊藤忠清・平貞能らと田口重能・原田種直ら)… 西村 隆
 11 北条時政と牧の方~豆駿の豪傑、源頼朝からの自立~ … 落合義明
 12 千葉常胤~列島を転戦した清盛・西行と同い歳の東国武士~ … 野口 実
 13 和田義盛と梶原景時… 滑川敦子
 14 大庭景親~石橋山合戦の平家方大将~ … 森 幸夫
 15 藤原秀衡 … 三好俊文
 16 甲斐源氏~東国に成立した もう一つの「政権」~ … 西川広平
 17 重源~王法仏法の興隆をめざして~… 久野修義
 18 栄  西 … 中尾良信
 19 法然と貞慶・明恵~仏教改革の群像~… 平 雅行

 コラム1 乳母と乳母子~頼朝と義仲~ … 糟屋優美子
 コラム2 流人頼朝の側近たち~挙兵に加わった文官・神官~ …下村周太郎
 コラム3 九州の武士たち~原田種直・菊池隆直・緒方惟栄~…清水 亮

    ※ 執筆者の敬称は略させて頂きました。

狐の嫁入り

No.9699

 読むたびに誤りの見つかる恐ろしい校正ゲラ(誤植ではなくて、原稿段階からの誤りであることが、なお恐ろしい)を宅急便屋さんに委ねました。これで、後は「天のみぞ知る」ことになりました。

 宇治では、ここ数日の間に、にわかに暗雲立ちこめて、雷鳴が響き豪雨降りしきるという気象状況が何度か発生致しましたが、今日は「狐の嫁入り」のごとき天候。
 最近の日本史好きの若者には怪異趣味の人が多いようですが、彼ら彼女らはこんな天候に遭遇したら、きっと大いに興奮されることでしょう・・・。

 今日をもってL校舎の窓枠工事は終わったと思いますので、明日は研究室の復元作業に出掛けたいと思っています。お暇な方は「遊びに」×→「お手伝いに」○お立ち寄り下さい。