大河ドラマ「清盛」女優陣発表

山田邦和(同志社女子大学)
No.8157

おはようございます。
大河ドラマ「清盛」の主要女優陣が発表になりましたね。

二位尼・平時子:深田恭子
建春門院平滋子:成海璃子
待賢門院藤原璋子:檀れい
美福門院藤原得子:松雪泰子
清盛の妻・高階明子:加藤あい
忠盛の妻・藤原宗子:和久井映見
常盤御前:武井咲
由羅御前:田中麗奈
堀河局:りょう

壇れいさん、松雪泰子さんが待賢門院と美福門院ですか。これはなかなか、かもしれない。特に松雪さんは深みのある美女ですから、美福門院は合っているかも。壇さんはマジメな美人、というイメージですね。どんな待賢門院になるのでしょうか。

個人的にファンなのでちょっと嬉しいのは、加藤あいさんが大河ドラマ初登板されること。綺麗な方ですよ。高階氏といえば、重盛のお母さんですね。早くに亡くなるから、出番は少ないのでしょうか? 

注目の建春門院は成海璃子さんという人。すみません、どんな方か知らないのですが、若手バリバリの売り出し中の女優さんらしいですね。さて、どんな建春門院を演じてくださるのか。見守りたいと思います。

京都女子大周辺1キロ圏にいた女性たち

No.8158

 山田先生、貴重な情報をありがとうございます。
 ここに登場する女性たち。ほとんど全員が京都女子大学から1キロ圏内(六波羅・法住寺殿)で日常の生活を営んでいたわけで、それを考えると楽しくなりますね。研究室や教室から見渡せますから。
 御参考までに、京女のパノラマビュー↓ これは、なかなか見応えがありますよ。
       https://www2.kyoto-wu.ac.jp/club/panorama/index.html


 どうも、ドラマでは清盛を瀬戸内海賊と結びつけたがっているようですので、空間的には福原に注目が集まるのでしょうか?

 ちなみに、建春門院の陵墓については、文献史学の方からも、あらためて実証的な考察が進められることになると思います。ご期待下さい。

 なお、平家一門の女性たちの中で、私が最近とみに再評価しているのが藤原宗子。軍記のなかの「池禅尼」とはまったく異なった存在としてイメージしています。
 立命館大学の杉橋隆夫先生によると、北条時政の若き妻「牧の方」は、この宗子の姪。この人も政治史上特筆に値する女性だと思います。

夢とチューインガムが詰まったポケット-次回木曜『吾妻鏡』-

岩田慎平
No.8159

 以前、とあるサッカー中継を見ていたら、ある場面でファウルがあって審判が試合を止めました。ファウルした選手に歩み寄り、胸ポケットに手を伸ばす審判。解説者が「カード(イエローカード)が出そうですね」と言うと、実況の倉敷保雄さんは「そうですね、審判のポケットには『夢やチューインガム』は入ってないでしょうからね」と言ったのをおぼえています。なんの試合だったかは忘れてしまいましたが。
 近ごろの子どもたちのポケットには何が詰まっているんでしょうね。叩くたび増えていくビスケットなんかを入れてる子もいるんでしょうか。

 大河の女優さんたちと全然関係ない話ですみません。
 次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2011年6月2日(木)午後3時~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:文永二年(1265年)三月四日・五日・七日、四月二十五日、閏四月二十日、五月二日・三日・二十三日、六月三日・十日・十一日・十三日・二十三日、七月四日・十日・十六日・十八日、八月十三日・十六日、九月二十一日、十月二日・十八日・二十五日、十一月十三日・十六日・十七日・十九日・二十日、十二月五日・十八日の各条
    文永三年(1266年)正月二日・十三日・二十五日、二月一日・十日・二十日、三月五日・六日・十一日・十三日・二十七日・二十八日・二十九日、四月七日・十五日・二十一日、六月五日・十九日・二十日・二十三日・二十四日・二十六日、七月一日・三日・四日・二十日の各条

 六月は2日、16日、23日、30日に開催予定です(9日はお休みとさせていただきます)。

 今年度から木曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

まんぢうの美味い講読会

No.8160

 「♪ポケットの中にはビスケットがひとつ・・・」と子どもたちが声を揃えて歌っていた頃は、ビスケットが御馳走の時代でした。今の子どもたちにとっての「嬉しいこと」といったら何なのでしょうか。
 放射能は蒔き散らされるし、ほんとうに子どもたちの受難の時代です。

 話は変わりますが、高級品でもお饅頭ばかりしか食べたことのない人にとっては、安いビスケットでも美味そうに見えるのかも知れません。

 昨日の『吾妻鏡』講読会には、史学科3回生が「見学」に参加。岩田君の差し入れのほかに、藪本君のお土産「ずんだ餅」あり。弘長三年読了。参考文献は山本みなみ「近衛宰子論」(『紫苑』9)。

 本日の『吾妻鏡』講読会は元暦元年二月二十一~二十五日条。川上さんの長野のお土産あり。
 以前、「藤戸の戦い」の話をしたことがありましたが、来月、その古跡を見学する機会を得ることが出来そうです。

 このところ、睡眠をとっても一向に疲れがとれません。辛いところです。しかし、帯状疱疹の症状はだいぶ軽減してきました。御心配、ありがとうございました。

 ☆ 弘前大学の斉藤利男先生より、新刊の御高著『奥州藤原氏三代』(山川出版社)を御恵送頂きました。
 斉藤先生に、あつく御礼を申し上げます。   

「頼朝さん、蔵の中には興味なし」

No.8155

 つまらぬ駄洒落にこだわったりして一見元気そうだが、実は中身はボロボロで一触即発の状態というのが、われわれ中高年の身体の実態なのかも知れません。

 さて、昨日の『台記』研究会は美川先生の御報告。後白河院を取り巻く文化と政治の関わりについての実に興味深い内容。元木先生の研究史に関するコメントも得て、例の如く頭の中の情報を気持ちよく整理することが出来ました。
 拙著『源氏と坂東武士』の「あとがき」にも記したように、この研究会で得るところは極めて多大。ありがたいことです。

 満仲の原稿は、図書館に依頼した資料待ちの状態です。それにしても、芸能史に関する無知が歴然。伊藤さんが京都に居ればいろいろ教えて頂けたのに残念です。

☆ 國學院大學の森幸夫先生より、御高論「南北朝動乱期の奉行人斉籐氏」(『鎌倉遺文研究』27)を御恵送頂きました。
 斎藤氏というと、『紫苑』第3号に掲載された山本陽一郎君の論文「北陸地域と比企氏-疋田斎藤氏の御家人化の背景-」が思い起こされます。
       http://donkun.ath.cx/~sion/organ/sion_003.pdf
 森先生に、あつく御礼を申し上げます。

本日もやります『吾妻鏡』

No.8156

 日時:2011年5月26日(木)午後3時~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:弘長三年(1263年)十一月二十三日・二十四日、十二月九日・十日・十一日・十六日・二十四日・二十八日・二十九日の各条
    文永二年(1265年)正月一日・五日・六日、二月九日、三月四日・五日・七日、四月二十五日、閏四月二十日、五月二日・三日・二十三日、六月三日・十日・十一日・十三日・二十三日、七月四日・十日・十六日・十八日、八月十三日・十六日、九月二十一日、十月二日・十八日・二十五日、十一月十三日・十六日・十七日・十九日・二十日、十二月五日・十八日の各条
    文永三年(1266年)正月二日・十三日・二十五日、二月一日・十日・二十日、三月五日・六日・十一日・十三日・二十七日・二十八日・二十九日、四月七日・十五日・二十一日、六月五日・十九日・二十日・二十三日・二十四日・二十六日、七月一日・三日・四日・二十日の各条

 今年度から木曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

The grass is always greener on the other side .

No.8153

 明日の授業ですが、Ⅲ講時の基礎演習Ⅰは、遠田さんの「人間行動学」をテーマにした報告。Ⅴ講時の基礎・教養科目は日本社会における老人の在り方を歴史的に考えます。

 【今日の言葉】
  ①  「一事が万事」   高校2・3年生のときのクラス担任が、遅刻してきた生徒を諭すときなどに、よく使っていた言葉。
  ②  「分相応」     これも同じ先生が多用していた言葉。たしかに身の不幸ばかり嘆き、努力もせずに文句ばかり言っている時には、耳の痛い一言である。

「一丁目一番地」の「バス通り裏」

No.8152

 表題は何のことだか分かりますか?また、昔のことを思い出しただけですが。

 昨日あたりから咳がひどい。夏風邪の先取りでしょうか。
 大学時代、一般教育の法学の授業で「先占取得の権利」の話を聴いたことを思い出しました。しかし、こんな権利は即放棄したいものです。

◎ 「女性史総合研究会」から 、例会開催の御案内を頂きました(5/28)。↓

http://www.geocities.jp/joseishi_sougou/regular_meeting.html

   近世が対象のようですが、とくに火曜日Ⅴ講時の講義を聴いてくださっている方には、出席をお勧めいたします。

◎ 当ゼミ関係者による研究発表もあります(6/19)。↓

http://gunki.sakura.ne.jp/menu/nextmenu.htm

 長村君が、木曾義仲に対する従来の評価を覆し、これまであまり検討の対象とされることのなかった源行家の果たした役割を解明した、この二つの最新の研究成果を報告されるものと思います。史学・文学のジャンルを問わず、治承・寿永内乱に関心のある方には、<強く>御出席をお勧めする次第です。
 長村君を先陣として、今年は当ゼミ関係者の学界での活躍(論文の発表)が期待できそうです。

 ◎  そして、当研究所の公開講座です(6/25)。→ >>No.8141

 >>No.8150に書いた、多田満仲の原稿。締切を確認したところ、6月3日でした。諸事鑑みるに些か時間不足の観あり。ですので、来週は研究会の欠席とか講読会の休止を余儀なくされるかも知れません。その節はよろしく御容赦下さい。

業鏡高懸 三十七年 一槌打砕 大道坦然

No.8150

 昨日の『吾妻鏡』講読会。事務の方から最中など、美味しい和菓子の差し入れを頂いたのですが(欠席された鈴木夫人は惜しいことを致しましたね)、私はペットボトルのお茶を飲みながら山本さんのお土産の蛸せんべいをバリバリと食べてばかりおりました。一向に疲れはとれませんが、こういった種類の食欲はあるのです。寅さん風に言えば「ろくなもんじゃねえ」。

 ところで、その『吾妻鏡』ですが、「北条時頼卒」のあたりを読みました。それこそ、「天人相関説」に基づく文言が多く、昨日拝受した下村論文評にも話が及びました(こちらの若手は、東京の方々とは、捉え方がだいぶ異なるのではないかと思います)。
 この辺りの記事には二階堂氏も頻出。質問を発すると、「二階堂氏に関する生き字引」のような山本さんがスラスラと答えてくれるので爽快でした。

 帰宅は車でしたので、疲れないで済みました。しかし、そのためには、朝、駐車場がいっぱいにならないうちに大学に到着する必要があり、早起きを要します。しかし、7時台に大学に着くと、さすがに事務仕事や授業の準備が捗ります。
 恩師の貫先生も、学部長をされていた頃、早朝出勤していたことを思い出します。先生は横須賀線のグリーン車を利用しておられ、帰りは地下鉄で表参道から東京駅に出られたので、よく御一緒させていただきました。考えてみると、そんなときの会話の遣り取りが、結構、私にとって、先生の御研究の血肉化に役立っているように思えます。

 本日は会議の前に、東北地方のある自治体史のコラム欄の原稿を送信。目下、元木先生の御研究に学びながら、源満仲の周辺に関する小文を執筆中です。体調が回復すれば、すぐに片付くと思うのですが。
 イタリア旅行についても、記憶がのこっている間に一筆したためておきたいのでありますが、なかなか・・・。
 
 なお、明日は土曜日ですが、『小右記』講読会はありません。

 ☆ 千田稔先生より、新刊の御高著『こまやかな文明・日本』(NTT出版)を御恵送頂きました。
 千田先生に、あつく御礼を申し上げます。

期待の新人はあらわれるか?

No.8148

 元木先生、お知らせ(>>No.8147)をどうもありがとうございました。
 >>No.8139の公募情報も、具体的にはこのことだったようです。応募をお考えの方は確認して下さい。

 さて、昨日の授業ですが、Ⅲ講時の豊田さんの報告では、京都の知られざる観光寺院が紹介され、普段とは異なる観点から、もう一度足下を見直すきっかけになりそうです。レポートでは「分析」と「考察」の成果を期待してます。
 次回は遠田さんが、人間行動学をテーマに報告されるとのこと。視点は心理学のようです。

 Ⅴ講時の講義は、相変わらず脱線気味でしたが、前回の総括も含めて、話すべきことは時間内に完了することが出来たと思います。このクラスは例年になく講義後に質問に来る受講生が多く、講義のし甲斐を感じます。さすがに、史学科の学生さんが多いのですが、また、ゼミで活躍してくれるような「人材」があらわれることを期待しています。

 土曜日の研究発表の際、藪本君などに教えて頂いた関係文献を調べてみたところ、面白い情報が得られました。当面いろいろ書かなければならないものがあるのですが、論文化はこれを優先しようかと考えています。

 しかし、今困っているのは月曜日の講話です。一応テーマは提出したのですが、中味は煮詰まらない。なんとしても「よい話をしなければならない」というのが前提ですから。

 体調の方、季節の変わり目であるためか、一寸(ちょっと)したことで疲れます。しばらく安静にしてでもいればよいのでしょうが、現実は、そうはさせてはくれません。とはいえ、運動が不足するとたちどころにウェストの周りに脂肪が増えて参りますから、これで「体力がない」などとは何方も思ってはくれますまい。

【追記】 ☆ 早稲田大学の下村周太郎先生より、御高論「鎌倉幕府と天人相関説-中世国家論の観点から-」(『史観』第164冊)を御恵送頂きました。
 下村先生に、あつく御礼を申し上げます。

初夏の『吾妻鏡』

No.8149

 7年ほど前に読み始めた頃は、まだ影も形もなかった(?)北条時頼の死亡記事を読むようなところまで進んで参りました。
 そんな木曜日の『吾妻鏡』、次回のご案内です。

 日時:2011年5月26日(木)午後3時~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:弘長三年(1263年)十一月二十三日・二十四日、十二月九日・十日・十一日・十六日・二十四日・二十八日・二十九日の各条
    文永二年(1265年)正月一日・五日・六日、二月九日、三月四日・五日・七日、四月二十五日、閏四月二十日、五月二日・三日・二十三日、六月三日・十日・十一日・十三日・二十三日、七月四日・十日・十六日・十八日、八月十三日・十六日、九月二十一日、十月二日・十八日・二十五日、十一月十三日・十六日・十七日・十九日・二十日、十二月五日・十八日の各条
    文永三年(1266年)正月二日・十三日・二十五日、二月一日・十日・二十日、三月五日・六日・十一日・十三日・二十七日・二十八日・二十九日、四月七日・十五日・二十一日、六月五日・十九日・二十日・二十三日・二十四日・二十六日、七月一日・三日・四日・二十日の各条

 今年度から木曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

京都府立丹後郷土資料館の公募

元木泰雄
No.8147

 宮津市にあります京都府立丹後郷土資料館で、専門職員の公募が行われています。
 歴史学、または美術史専攻で、学芸員資格を持ち、1970年4月以降のお生まれの方、ということが条件になっています。
 資料館は丹後国分寺の後にあり、丹後地域の歴史研究、古文書管理の中心機関です。
 関心のある方は京都府教育委員会のホームページをご覧ください。
http://www.pref.kyoto.jp/news/recruitment/2011/5/1304665392922.html

 14日は久しぶりの関東。

No.8145

 山手線に乗ると節電のために冷房を入れないとのアナウンスがあり、各駅とも動いていないエスカレーターが多い。震災が市民生活に影響を与え続けていることを実感(とはいえ、仙台からお出でになった佐倉先生によれば、東京駅に降り立ったとき、別の国に来たような印象をうけられたとのこと)。そのうえ、放射性物質の問題もある。とくに、乳幼児や妊娠した女性のいる家庭はとても心配なことだと思う。少子化に拍車のかかることは必定。今回の震災と原発の事件は100年単位で日本社会に深刻な影響を与えることになるだろう。
 目に見えるところでは、万年スーツ姿だったビジネスマンが、夏場はアロハシャツにジーンズの短パンなどということになるのかも知れない。着るものが変われば精神構造にも変化をきたす。

 目白駅に着くと、ホームに長村君の姿あり。会場には伊藤明日香さん、藪本君も。さすがに、今回は丸山(田中)さんは来られなかったか。それにしても、兵藤さんの「檄文」の威力は以仁王令旨なみに強いものがあったようで、たくさんの研究者がお見えになり、私の用意したレジュメは不足し、学習院関係者の皆様に御迷惑をお掛けしてしまいました。

 兵藤さんの発表は『太平記』の諸本についてほとんど無知であった私にとっては蒙を啓くものでした。私の報告は、テレビの2時間ドラマの歴史考古学板みたいな話だが、幸いにも「説得力のある話」などという望外の評価を頂くなど、(表面的には)好評だったようで安堵。本当のところは、司会を担当してくれた長村君にうかがって下さい。
 なお、藤本正行先生からは大鎧や考古学的な知見について補足説明をして頂きました。説得力云々は、そのおかげかも知れません。

 特筆すべきは久方ぶりに石浜さんにお目にかかれたこと。急に思いついた企画案について御検討頂いています。出版関係といえば、先日、せっかく研究室を訪ねて頂いたのにお目にかかれなかった雨野さんにもお会いできました。休憩時間や懇親会で、久方ぶりの神大市澤先生、6月の公開講座にお出で頂く坂井先生や尊敬する樋口州男先生、新年度から校長になられた錦先生、大学の後輩にあたる清水先生、四国からお見えの会田先生らと歓談できたのは幸いでした。また、若い方々から、日頃の研究成果をたくさん頂きました。ありがとうございました。

 それにしても、このような研究会に出ていつも思うことは、私は歴史学の一体何をやっているのだろうか(今の歴史学の得体がつかめない)ということ。分からないし、分かってもらえないし、のような感覚が常にのこります。学界四面楚歌のような気分は、私の性格の悪さに起因するものか。

 聞くところによると、巷で人気のある歴史ドラマに関連するテーマを研究対象にしている研究者に対して、一部のマスコミ関係者が実に非礼な対応をとるケースが見られるとのこと。それに近い経験は私もございますが、「インテリゲンチャなどという言葉は死語になってしまったが、大学生が増加し、そのすべてがインテリ化したのでは決してない。かえって知識人が絶滅してしまった」という御時世ですから、まぁ仕方のないことかも知れません。
 ちなみに、この一節は、上横手雅敬先生の『日本史の快楽』(講談社)からの引用。この本は、往復の新幹線の中で、時を忘れて拝読(再々読)させて頂きました。私の武士論など一刀両断。痛快無類の好著です。

 さて、明日の授業。Ⅲ講時の基礎演習Ⅰは、豊田さんの担当で、テーマは「京都のお寺とパワースポット」。山田知佐子さんや愛知の野口洋平君に来て頂きたいようなお話になりそうです。コメンテーター歓迎。
 Ⅴ講時の基礎・教養科目は日本中世の女性の2回目。離婚や遊女などをテーマにお話ししたいと思います。前回配付のプリントも持参のこと。

【追記】☆ 横須賀市史の専門委員である山田邦明先生・近藤好和先生・高橋秀樹先生・真鍋淳哉先生の御高配により、『新横須賀市史 資料編 古代・中世補遺』を御恵送頂きました。
 先生方に、あつく御礼を申し上げます。

「出る釘になろう」&『お江カンタービレ』

No.8143

 出ない釘は打ってもらえないからである。
 今日は、私の書いた論文の中に引いた史料に登場する人名については書状で、また、この掲示板に紹介した、ある研究者の所説に対してはE・メールで、誤りの可能性を御教示頂くことがありました。こういうとき、外に発表することの大切さを思い知るわけです。そこから進歩が始まる。
 というわけで、何ごとも、引っ込んでいるのは良くありません。
 お若い皆さん方、耄碌ジイサンがお節介を申すようですが、PCを捨てて街に出よう。それでも引き籠もるのなら、ゲームはやめて、紙の本で古典を読もう。
 大学に「白熱教室」ばかりを求めてはいけません。

 >岩田君 昨日は給油の御指南、ありがとうございました。あれも、私にとっては「街に出よう」の一環だったと思います。しかし、このところガソリンは高いですね。

 【今日の言葉】
 ①「のろまの三寸」→襖などをきちんと閉めないで入ってきたり、出て行ってしまう緊張感の足りない私のような人間を諭すときに使う言葉:私の祖父(1901~1968)が常々口にしていたこの言葉を急に思い出しました。

 ②「お江カンタービレ」→あるテレビ番組のタイトルに対して、私の敬愛する、優れた歴史学者による改名案である。

☆ 駒澤大学の高橋秀栄先生より、御高論「平安・鎌倉時代の天台僧-金沢文庫の聖教から拾い集めた要文記事-」(『駒澤大学佛教學部論集』40)を御恵送頂きました。
 高橋先生に、あつく御礼を申し上げます。

本年度、公開講座の御案内

No.8141

    2011年度
 ◇京都女子大学宗教・文化研究所公開講座◇
 「東山から発信する京都の歴史と文化⑬ 『鎌倉時代の公武権力と文化・宗教』」

 開催日時:6月25日(土)午後1時~5時
 会場:京都女子大学J校舎525教室
      市バス 馬町下車徒歩5分
      プリンセスラインバス 京都女子大学前下車徒歩5分

 講師: 平 雅行 (日本中世史、古代中世仏教史)
 演題: 「鎌倉の顕密仏教と幕府」

 講師: 坂井孝一 (日本中世史、中世政治史・文化史)
 演題: 「源実朝と京都―和歌を通して考える朝幕関係―」

 司会: 野口 実 本学宗教・文化研究所教授
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  無料、申し込み不要 
  変更などがありましたら、この掲示板にて告知致します。

『吾妻鏡』もやってます-次回の『吾妻鏡』-

No.8142

 次回の木曜日の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2011年5月19日(木)午後3時~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:弘長三年(1263年)九月十二日・十三日・二十六日、十月八日・十日・十四日・十七日・二十五日・二十八日、十一月二日・八日・九日・十三日・十六日・十九日・二十二日・二十三日・二十四日、十二月九日・十日・十一日・十六日・二十四日・二十八日・二十九日の各条

 「木曜日の『吾妻鏡』」5月は19(木)、26(木)と開催予定です。

 今年度から木曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、春から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。