『吾妻鏡必携』第二刷の発行(御礼)

No.6687

 日本大学の関幸彦先生と共編で吉川弘文館から出版させて頂いた『吾妻鏡必携』の第二刷が刊行されました。
 第一刷には些かの誤りがあったのですが、大方の御指摘を踏まえて訂正することが叶いました。
 誤記誤植についての御指摘・御教示を頂いた皆様(とりわけ、近藤先生と坂口君)にあつく御礼を申し上げます。

 なお、同じ吉川弘文館から一昨年に出版した『源氏と坂東武士』(歴史文化ライブラリー234)ですが、仄聞するところでは、すでに新刊の書店では入手不能になっているとのことです。
 この本についても、誤植を訂正した二刷が刊行できれば有り難いのですが、残念ながら版元からそのお話しは頂いておりません。

 ☆ 山口県立大学の伊藤幸司先生より、御高論「中世西国諸氏の系譜認識」(九州史学研究会編『境界のアイデンティティ』岩田書院)・「偽大内殿使-大内氏の朝鮮通交と偽使問題-」(『日本歴史』第731号)・「〈書評と紹介〉橋本雄著『中世日本の国際関係-東アジア通交圏と偽使問題-』(同727号)を御恵送頂きました。
 西からの武士論、さらなる展開が楽しみです。
 伊藤先生にあつく御礼を申し上げます。

『吾妻鏡』も必携

No.6688

 二刷成った『吾妻鏡必携』を座右に、連休明けも『吾妻鏡』を読んでまいりましょう。

 日時:2009年5月12日(火)14:45~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:寛元三年(1245年)十月二十八日、十一月四日・十日、十二月十六日・十七日・二十五日
    寛元四年(1246年)三月二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・三十日、四月八日・十九日、閏四月一日・八日・十八日・二十日、五月二十四日・二十五日・二十六日、六月一日・六日・七日・十日・十三日・二十日・二十七日、七月十一日、八月一日・十二日・十六日、九月一日・十二日・十六日、十二月二日・七日・十二日・十七日・二十八日・二十九日
    寛元五年(宝治元年、1247年)正月十三日、三月二日・十七日・二十日・二十七日、四月四日・十一日・二十五日、五月六日・十三日・十四日・二十一日・二十六日・二十七日・二十八日・二十九日、六月一日・二日・三日・四日・五日・六日・七日・八日・九日・十日・十一日・十二日・十三日・十四日・十五日・十六日・十七日・十八日・十九日・二十日・二十一日・二十二日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・二十七日・二十八日、七月一日・四日・七日・十日・十四日・十七日・十八日・十九日・二十四日・二十七日、八月一日・九日・十四日・二十日、九月九日・十一日・十月八日・十八日、十一月一日・十一日・十四日・十五日・十六日・十七日・二十三日・二十七日、十二月八日・十二日・二十九日の各条

 寛元五年=宝治元年は「宝治合戦」の記事など重要な記述が多いのでじっくり読んでみたいと思います。
 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。メンバーの所属はいまのところ、京都女子大学、神戸大学、京都大学、関西学院大学、等といった、混成部隊(?)となっております。

研究所市民公開講座 『太平記の時代』

No.6685

 宗教・文化研究所市民公開講座、会場も決まりましたので正式な御案内を致します。
 
  「シリーズ 東山から発信する京都の歴史と文化 11『太平記の時代』」

  講題  「南北朝内乱と祇園社」
  講師   神戸大学大学院人文学研究科教授 市澤 哲氏

  講題  「洞院公定をめぐる書物―字書・部類記・未来記」
  講師  慶応義塾大学文学部准教授 小川 剛生氏
 
  日時  6月27日(土) 13:00~14:30・15:00~16:30
  場所  京都女子大学 J525教室
     http://www.kyoto-wu.ac.jp/access/index.html
 
  お問い合わせは e-mail: gakuji@kyoto-wu.ac.jp までお願いします。


 ◇ 『小右記』講読会再開について
  昨年度末以来中断していた『小右記』講読会が、院生の大谷さんを中心にして再開されることになりました(私はオブザーバーです)。
  月曜日Ⅲ講時に研究所教授室(野口研究室)にて(初回は5月11日になります)。
  講読範囲は前回の継続です(長和四年五月から)。
  学内・学外を問わず、新規に参加を希望される方は、大谷さんまたは野口まで御連絡下さい。

公開講座の評判と「池の沢遺跡」の評価

No.6686

 今年度の公開講座。早くも評判は上々のようで、たいへん嬉しく思っております。
 懸念されるのは、当日レジュメが足りなくなりはしないかと言うこと。
 座席数に見合うだけは用意して、不足の場合はご容赦頂くしかないといったところでしょうか?

 本日(30日)は、懸案にしていた池の沢遺跡(滋賀県高島市朽木)を見に行ってまいりました。
 この遺跡については、平安貴族の山荘庭園という評価が専らですが、池の築造の時期が13世紀初頭とされていることや、東側に流れる安曇川を挟んで若狭街道がはしる交通の要地に位置することなどからして、在地武士の関わりを想定するのが妥当なのではないかという感想を持ちました。
 庭園遺構などが出ると、京都や貴族ばかりが連想されがちですが、これは先入観というもので、とくに近江辺りの武士の文化水準は貴族に等しいものがあったと考えるものです。

 ☆ 学習院大学の兵藤裕己先生より、新刊の御高著『琵琶法師-〈異界〉を語る人びと』(岩波新書)を御恵送頂きました。新書なのにDVD付きです。
 兵藤先生にあつく御礼を申し上げます。  

シンポジウム 列島の鎌倉時代

No.6684

 東大史料編纂所の高橋慎一朗先生より、宣伝の御依頼を頂きましたので、告知いたします。
  
 シンポジウム 列島の鎌倉時代―中世前期に地域社会の萌芽を探る―開催のご案内
日 程:2009年7月25日(土)・26日(日)
会 場:帝京大学山梨文化財研究所(山梨県笛吹市石和町四日市場1566)
主 催:中世前期地域社会研究会/共 催:帝京大学山梨文化財研究所
参加費:2000円(資料代等) 懇親会費:3000円
【開催趣旨】
一般に、日本の地域社会は中世後期に確立すると考えられているが、中世前期にも何らかの地域社会(地域的まとまり)が存在したはずである。本シンポジウムは、中世前期に地域社会の萌芽を探る試みである。とくに、地域社会の核となった領主(在地の有力者層)と、その背景にあるさまざまなネットワークの実態を文献史料を中心に列島各地の事例を通じて明らかにしたい。
【プログラム】
7月25日(土)
12:00     受付開始
13:00~13:10  趣旨説明 高橋慎一朗(東大史料編纂所)
13:10~13:50 「北陸地域の流通・交通体系」高橋一樹(国立歴史民俗博物館)
13:50~14:30 「相模武士の親族ネットワーク」高橋秀樹(文部科学省)
14:30~14:40  ― 休 憩 ―
14:40~15:20 「伊予にみる人的ネットワークの重層性」井上聡(東大史料編纂所)
15:20~16:00 「会津における熊野信仰の展開」高橋充(福島県立博物館)
16:00~16:10  ― 休 憩 ―
16:10~16:50 「石見における在地領主の分布と地域構造」西田友広(東大史料編纂所)
18:00~    懇 親 会 (会場:帝京大学山梨文化財研究所内)
7月26日(日)
9:50~10:00  諸連絡
10:00~10:40 「荘園制的領域の形成と紀伊の在地領主」高木徳郎(和歌山県立博物館)
10:40~11:20 「鎮西の在地武士と御家人制」高橋典幸(東大史料編纂所)
11:20~11:30  ― 休 憩 ―
11:30~12:10 「遠江蒲御厨と『社会的権力』としての蒲検校」湯浅治久(市川歴史博物館)
12:10~13:10  ― 昼 食 ―
13:10~15:00  討 論  司会:高橋修(茨城大学)・高橋慎一朗
15:00~     閉会あいさつ
【参加申し込みについて】
参加ご希望の方は、「住所・氏名・懇親会参加の有無」を明記の上、下記へ、Eメール・FAXのいずれかで、7月4日(土)までにお申し込みください。
 〈申し込み先〉帝京大学山梨文化財研究所  FAX 055-261-0462
               E-Mail aae29890@pop21.odn.ne.jp
【交通案内】
JR中央線 石和温泉駅下車 タクシー約7分または徒歩25分
車 中央道 一宮御坂ICより甲府バイパス(R20)を甲府方面へ15分
  研究所南側に駐車場を用意してあります。

明日(28日)の基礎演習・総合教育科目

No.6683

 ◇ Ⅲ講時の基礎演習は、個別報告の2回目。
 中谷さんと中本さんの担当です。今回は共同報告の形をとるようで、捨て犬に関する問題(ペット・動物虐待)をテーマにするとのことです。積極的に討論に参加できるよう、情報を集めておいてください。
 共同研究室は昼休みからあけておきますので、昼食や資料作成の準備に使って下さい。

 ◇ Ⅴ講時の基礎教養科目B25「 女性の視点から日本中世の歴史を考える 」は、4回目の講義。前回すこし残ってしまった「日本女性史概説」を済ませてから「日本中世の女性-結婚と妻の役割・貞女観-」というテーマのお話しに入りたいと思います。今回から少しばかり史料(『鎌倉遺文』『吾妻鏡』)も取り入れる予定です。
 質問は大歓迎です。

 ◇ 研究所ゼミナール『吾妻鏡』講読会については、>>No.6682を参照して下さい。

 ☆ 茨城県立歴史館の宮内教男先生より、『茨城県立歴史館史料叢書12 鹿島神宮文書Ⅱ』を御恵送いただきました。
 宮内先生にあつく御礼を申し上げます。

 ☆ 大阪大学の米田真理子先生より、先生が編集を担当された科研の中間報告書『真言密教寺院に伝わる典籍の学術的・調査研究-金剛寺本を中心に-」(成城大学 後藤昭雄責任編集)を御恵送いただきました。
 米田先生にあつく御礼を申し上げます。

女性史総合研究会 5月例会のお知らせ

No.6678

女性史総合研究会です。5月例会をお知らせいたします。興味のある方は、ぜひご参加ください。   

    女性史総合研究会 5月例会のお知らせ

日  時: 2009年5月30日(土) PM1:30~5:00

テーマ : 平安貴族の文化

報  告: 野口 孝子氏  「夜化する貴族文化」
       菅野美恵子氏  「枕草子の創ったもの」

場  所: ウイングス京都
      http://www.wings-kyoto.jp/01wings/03access.html

京都女子大学の圧倒的な強み

No.6680

 大利さん、お知らせありがとうございます。

 定額給付金を旅費に充てて上洛し、観光や研究会に参加することを検討している方もおられるとのこと。書籍の購入と同様、賢明な使途だと思います。
 連休中の京都はさぞ混雑することと思いますが、翌週には賀茂祭(葵祭)がありますし、なにしろ新緑のこの時期は清々しくて、史跡散策にも絶好のシーズンだと思います。
 なお、上記報告の参考文献として、野口孝子「『夜』化の時代-物忌参籠にみる平安貴族社会の夜-」(季刊『古代文化』59-1)を紹介しておきます。

 さて、昨日の『吾妻鏡』講読会ですが、治承四年九月十四日条に「千田庄領家判官代親政」が登場。この人が平忠盛の婿、すなわち清盛の義理の兄弟にあたり、妹か姪が平資盛の母であること。また、「判官代」という肩書きは『尊卑分脉』の記事から「皇嘉門院判官代」を指すことをお話ししました。
 こうお話しをしながら、研究室の北側の窓をみやると、そこは往時の六波羅。学生会館の向こう側には資盛の父重盛の小松殿がありました。
 平家と二重の姻戚関係にあった親政は、源平内乱前夜の頃、この辺りを動き回っていたことは間違いありません。
 一方、京都女子大から南西に目を転じれば、平安京八条・九条が一望されるわけですが、九条には皇嘉門院の御所があり、親政はここにもしばしば祗候したことでしょう。

 まったくもって、現場で史料を語れるのが京都女子大学の強みであることを実感すると共に、下総に留住しつつ在京活動に余念のなかった親政に、千葉県出身の私としては些かのシンパシーを感じたりしてしまったりする訳であります。
 ちなみに、千葉氏は、この親政の討伐を嚆矢に、武家の雄族として飛躍的な発展を遂げることとなる訳です。

 なお、昨日の講読会の出席者は6名でしたが、全員が京都女子大学の院生・学部生で占められました。
 ゼミ史上、特筆すべきことでしょう。

 ☆ 京都文化博物館の横山和弘先生より、御高論「後白河法皇の遺領処分に関する一史料-山科家領・六条油小路・高階栄子関係、後白河法皇院宣の紹介-」(京都文化博物館研究紀要『朱雀』第21集)および図録『源氏物語千年紀展』御執筆部分の抜刷を御恵送頂きました。
 横山先生にあつく御礼を申し上げます。

 ちなみに、京都文化博物館の歴史展示のリニューアルは今年度より、本格的に進行されるとのこと。
 私が関係した展示が見られるのも今のうち。ホッとする一方、さみしくもあり、といったところです。

連休中(?)の吾妻鏡

No.6682

 もう連休に入ったという方もいるようですが、微妙に連休の合間を縫って開催の次回の火曜日の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2009年4月28日(火)14:45~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:寛元三年(1245年)十月二十八日、十一月四日・十日、十二月十六日・十七日・二十五日
    寛元四年(1246年)正月一日・四日・十日、二月九日・十三日・二十九日、三月八日・十三日・十四日・十八日・二十日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・三十日、四月八日・十九日、閏四月一日・八日・十八日・二十日、五月二十四日・二十五日・二十六日、六月一日・六日・七日・十日・十三日・二十日・二十七日、七月十一日、八月一日・十二日・十六日、九月一日・十二日・十六日、十二月二日・七日・十二日・十七日・二十八日・二十九日
    寛元五年(宝治元年、1247年)正月十三日、三月二日・十七日・二十日・二十七日、四月四日・十一日・二十五日、五月六日・十三日・十四日・二十一日・二十六日・二十七日・二十八日・二十九日、六月一日・二日・三日・四日・五日・六日・七日・八日・九日・十日・十一日・十二日・十三日・十四日・十五日・十六日・十七日・十八日・十九日・二十日・二十一日・二十二日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・二十七日・二十八日、七月一日・四日・七日・十日・十四日・十七日・十八日・十九日・二十四日・二十七日、八月一日・九日・十四日・二十日、九月九日・十一日・十月八日・十八日、十一月一日・十一日・十四日・十五日・十六日・十七日・二十三日・二十七日、十二月八日・十二日・二十九日の各条

 寛元五年=宝治元年は「宝治合戦」の記事など重要な記述が多いのでじっくり読んでみたいと思います。
 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。メンバーの所属はいまのところ、京都女子大学、神戸大学、京都大学、関西学院大学、等といった、混成部隊(?)となっております。

 ☆>>No.6675で野口先生からご紹介があった本学宗教部で発行している『芬陀利華(ふんだりけ)』第302号ですが、そこに掲載されている先生の「大学で何をしますか?」という文章には、京女内外の知人から大いに共感するという感想が寄せられております。

『芬陀利華(ふんだりけ)』

No.6675

 本学宗教部で発行している「ふんだりけ」第302号に、「大学で何をしますか?」という拙文を書きました。新入生を対象にしたものですが、いま私が大学について考えていることを率直に述べたつもりです。
 ちょっと時代に合わない大学観を披瀝してしまったかな?、と懸念するところがあったのですが、先ほど、事務の方が、わざわざ声を懸けて、同感である旨を伝えてくれました。嬉しくなって、ここで紹介している次第です。
 大学の各校舎の入口に置いてありますので、拙文御笑覧の上、御意見をいただければ有り難いと思っています。

 ☆ 東北芸術工科大学の入間田宣夫先生より、御高論「中世武士団はハイブリッドの新人類だった」(『中央史学』第32号)を御恵送いただきました。
 拙論に対する御批判を通して、地域からの歴史を主唱された内容です。
 関東・東北の研究者(私もその一人だったはずなのですが)には、こうした見方をされる方が多いのだろうと思います。
 機会があれば、岩田君や長村君など、関西で武士論を専攻されている若い皆さんにコメントを頂ければ嬉しいところです。
 入間田先生にあつく御礼を申し上げます。

 ☆ 栃木県立文書館の松本一夫先生より、御高論「鎌倉末~室町期の宇都宮一族~「宇都宮」を名乗った人々」(『栃木県立文書館研究紀要』第13号)を御恵送いただきました。
 松本先生にあつく御礼を申し上げます。

寛元政変前の『吾妻鏡』

No.6676

 先週からメンバーに加わって下さっていた山口さん・山本さんに加えて、今日は尾田さんにも参加していただきました。今年度も『吾妻鏡』の講読会をよろしくお願いします。

 日時:2009年4月28日(火)14:45~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:寛元三年(1245年)十月二十八日、十一月四日・十日、十二月十六日・十七日・二十五日
    寛元四年(1246年)正月一日・四日・十日、二月九日・十三日・二十九日、三月八日・十三日・十四日・十八日・二十日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・三十日、四月八日・十九日、閏四月一日・八日・十八日・二十日、五月二十四日・二十五日・二十六日、六月一日・六日・七日・十日・十三日・二十日・二十七日、七月十一日、八月一日・十二日・十六日、九月一日・十二日・十六日、十二月二日・七日・十二日・十七日・二十八日・二十九日の各条

 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 「上級編」と銘打っていただいてはおりますが、基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。

『源氏物語』の時代の平安京住所録

No.6677

 『吾妻鏡』を精読してみると、将軍頼嗣・執権経時期の幕府のあり方については、従来の認識を改めなければならない部分があるように思われますね。

 本日の『台記』研究会は、美川先生の「院政・平氏政権と中世王権」と題する御報告。前回の元木先生の御報告同様、得るところ多大なものがありました。

 ☆ 本学名誉教授の加納重文先生より、御高著『源氏物語の舞台を訪ねて テキスト版』(望稜舎)・『源氏物語の平安京』(同)、ならびに御高編『私稿 平安京住所録』(同)を御恵送いただきました。先生の長年の御研究の成果が凝縮されています。
 加納先生に、あつく御礼を申しあげます。

 ☆ 京都市歴史資料館の宇野日出生先生より、御共著の御高論「京都大原の山林文書(二)御入木山代官木村宗右衛門を中心として」(『生物資源経済研究』第14号)を御恵送頂きました。 
 宇野先生に、あつく御礼を申し上げます。

明日(21日)の基礎演習・ゼミ・講義

No.6674

 ◇ Ⅲ講時の基礎演習は、いよいよ個別報告が始まります。
 先陣をつとめるのは土居さんと中上さん。土居さんのテーマは「サンリオの経済効果」、中上さんは「琵琶湖の環境問題」です。出席者は、積極的に討論に参加できるよう、これらのテーマについて情報を集めておいてください。
 共同研究室は昼休みからあけておきますので、昼食や資料作成の準備に使って下さい。

 ◇ ゼミ『吾妻鏡』講読会も、いよいよ本文の講読開始。他大学の大学院に進学された方たちも、年度初めのいろいろな用件が落ち着いた模様。大挙の御出席が叶いそうで、楽しみです。
 なお、今まで学部生は山本さんだけでしたが、国文2回生の尾田さんが今回から加わってくれることになりました。尾田さんはⅤ講時の基礎教養科目B25を履修されているので、私には好都合です。
 師範代(実質は師範)の岩田君、何卒よろしくお願い致します。
 なお、講読範囲は>>No.6667参照のこと。
 
 ◇ Ⅴ講時の基礎教養科目B25「 女性の視点から日本中世の歴史を考える 」は、3回目の講義。予定通り「日本女性史概説」というテーマでお話ししたいと思います。
 ちなみに、前回の講義では、時間不足で結論めいたことがお話しできませんでしたので、最初にその辺についても少し時間を頂きます。質問は大歓迎です。

僭越な話

No.6673

 昨日の『吾妻鏡』講読会には、久しぶりに青木さんが参加されました。時の移ろいは速く、この日の講読会に出席していたメンバーとは全員初対面でした。
 青木さんは目下、歴史学入門講座の実行委員をつとめておられ、その用向きもあっての来学でした。
 じつは今年度の歴史学入門講座の講師のうちの一人を、私がお引き受けすることになったのです。歴史学入門講座を担当される先生というのは研究者として一流であるとともに、第一線で活躍されている方でなければならない。そういう基準からすると、私など埒外の存在であることは明白なのですが、もろもろの事情から、御依頼をいただく結果になったようです。
 「御依頼を頂いたからには・・・」というのが、基本的な私のスタンスです。それに、青木さんからの御連絡がじつに丁寧で礼節に叶っていたこともありましたので、身の程をわきまえずにお引き受けした次第です。
 青木さんには、これからまた当ゼミの方にも参加して頂ければと思っています。

 ちなみに、歴史学入門講座の講演テーマですが、学部生対象であることや一般の来聴者のことも考慮して、「平清盛と東国武士」にしようと考えています。従来見過ごされていた平家の東国支配の問題と東国武士の在京活動について、史料活用の問題など、初学者に役に立つような内容を織り交ぜながらお話しし、これまでの東国武士認識に再検討を加えることが出来ればと思っています。

 青木さんの御用が済んだのを見計らうようにして、花園大学4回生の井島さんが来室されました。井島さんは昨年度、キャンパスプラザで開講された単位互換科目の受講生です。卒論で安房の戦国大名里見義弘の室となった青岳尼を取り上げることを考えておられるので、その関連資料のコピーをとりに来られたのです。
 京都の大学の図書館には、けっこう関東で刊行されている文献が架蔵されていないようです。私の研究室には『鎌倉』『三浦古文化』『市史研究横須賀』『千葉県の歴史』『千葉県史研究』『千葉史学』などがあります(一部に欠号あり)。御活用下さい。
 いずれにしても、井島さんの卒論が実り多きものとなることを期待しています。

 ☆ 京都府立総合資料館の大塚活美先生より、御高論「奉納石造物に歴史を読む-宇治市西部の神社歩きから-」収録の『南山城・宇治地域を中心とする歴史遺産・文化的景観の研究』(京都府立大学文化遺産叢書第1集,京都府立大学文学部歴史学科)を御恵送いただきました。当方における昨年度までの共同研究テーマに関連する内容で、たいへん有り難い資料です。
 大塚先生にあつく御礼を申し上げます。

 ※ >>No.6669で御紹介した古記録を読む会編『小右記註釈 長和三年正月』ですが、実費頒布可能とのことです。

古記録を読む会編『小右記註釈』刊行!

No.6669

 『紫苑』第7号の「あとがき」に、江波さんが、『小右記』講読会を能動的なものとする上で刺激となったとして紹介された「平安貴族の日記を読む会」のメンバーの方たちが、「古記録を読む会」という名称のもと、一年間の講読の成果をまとめて、『小右記註釈 長和三年正月』を完成させました。
 わずか一ヵ月の範囲とはいえ、本文・読み下し・註釈の構成で108ページ。市販はされませんが、実物は研究室にありますので御覧下さい。
 身内の関係しているものですが、市民グループにこのようなレベルの高い注釈書を作られてしまうと、大学は何をやっているのだといわれてしまいそうです。

 ☆ 京都大学大学院の辻浩和君より、御高論「書評 稲垣弘明著『中世蹴鞠史の研究-鞠会を中心に-』」(『史学雑誌』118-3)を御恵送頂きました。
 若い研究者は、どしどし「書評」に取り組むべきだと思います。読んで得たものが血となり肉となり、また責任のある批判の態度を身につけることが出来るからです。年齢を重ねると、なかなかそうは行かなくなります。
 辻君にあつく御礼を申し上げます。

 ☆ 京都市埋蔵文化財研究所の山本雅和先生より、先生が作成を担当された『京都国立博物館構内発掘調査報告書-法住寺殿・六波羅政庁跡・方広寺跡-』(京都市埋蔵文化財研究所調査報告書第23冊)を御恵送頂きました。
 京都女子大周辺の歴史環境を考える上で貴重な資料となるものです。
 山本先生にあつく御礼を申し上げます。

 ※ 神奈川県横須賀市よりお送り頂いた『市史研究 横須賀』第8号に掲載されている真鍋淳哉「三浦光村に関する基礎的考察」は、岩田君・長村君等の御研究に益するところの大きい論文と思いますので、ここに紹介しておきます。

明日の基礎演習Ⅰ・基礎教養科目B25

No.6665

 Ⅲ講時の基礎演習Ⅰは、報告の順序を決め、報告内容について想定されるテーマを発表してもらいます。また「演習」への取り組み方、レジュメの作り方、さらに評価方法について説明する予定です。
 各自、報告テーマについて、しっかりと考えておいて下さい。
 共同研究室は昼休みから開けておきます。
 なお、オリエンテーションの時にお願いしたことを再確認しておいて下さい。ここが最初の「評価」の分かれ目になることでしょう。

 Ⅴ講時の基礎教養科目B25「女性の視点から日本中世の歴史を考える」は、2回目の講義。テーマは「多元的社会としての日本」です。千葉・鹿児島、そして京都で生活した私自身の体験談を交えながら、日本各地の異質な部分について述べていきたいと思います。
 さて、女性が生きていくのに障害の少ない地域はどこなのでしょうか? 

火曜日のヒーロー(疲労)

No.6666

 各地の院に進学された(+「お嫁入り」も)みなさん、新年度はうまくスタートできましたか?
 当方、なんとかの滑り出しですが、昨日は基礎演習→ゼミ→講義→ゼミで、さすがに疲れました。そのうえ、新年度予算の執行開始以前に研究費の立て替え払いをしてしまったので、これが自己負担となるうという事態に遭遇したために、春だというのに懐は寒風が吹きすさんでおります。腰や背中の神経痛もこたえます。
 とはいえ、岩田君のご尽力により『吾妻鏡』講読会も順調にスタート。ただ一人の学部生である山本さんは大いに鍛えられることでしょう。
 満田さんの後輩である山口さんからは家政学部の卒業研究の成果を見せていただいたのですが、とてもレベルの高い内容で驚かされました。あっという間に『吾妻鏡』の読解もマスターされることと期待しています。

 ☆ 相模女子大学の高木信先生より、新刊の御高著『「死の美学化」に抗する  『平家物語』の語り方』(青弓社)を御恵送いただきました。
 高木先生にあつく御礼を申し上げます。

来週からの『吾妻鏡』

No.6667

 新年度の吾妻鏡も火曜日の午後に開催ということになりそうです。次回からまた少しずつ読んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 日時:2009年4月21日(火)14:45~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:寛元三年(1245年)五月七日・九日・二十二日・二十三日、六月三日・七日・十日・二十七日、七月五日・二十六日、九月四日・九日・十四日、十月六日・十一日・十六日・二十八日、十一月四日・十日、十二月十六日・十七日・二十五日
    寛元四年(1246年)正月一日・四日・十日、二月九日・十三日・二十九日、三月八日・十三日・十四日・十八日・二十日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・三十日、四月八日・十九日、閏四月一日・八日・十八日・二十日、五月二十四日・二十五日・二十六日、六月一日・六日・七日・十日・十三日・二十日・二十七日、七月十一日、八月一日・十二日・十六日、九月一日・十二日・十六日、十二月二日・七日・十二日・十七日・二十八日・二十九日の各条

 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 「上級編」と銘打っていただいてはおりますが、基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。