ほんとうに「行く川の流れは絶えずして・・・」
No.6511
先日、岩田君から、この掲示板を野口先生のブログだと思っている人がいる、ということをうかがいましたが、本当にそんな有様で申し訳ありません。
◇ 昨年も書いたような気がしますが、今日、正月5日は私の曾祖母(野口きち)の命日です。彼女は慶応3年(1867)12月29日、太平洋に面した上総国豊海村粟生の篠崎家に生まれました。亡くなったのは、私がたしか小学校5年生の年で、享年は94歳でした。子どもだった私にとって、彼女は生まれたときから「大きいおばあさん」(すなわち祖母が「小さいおばあさん」)以外の何ものでもありませんでしたが、自分がおじいさんになってみると、彼女に若い時代があったことを想像する能力が身についてきました。明治維新の前年に生まれた彼女の人生は、日本の近代の歴史にすっかりオーバーラップするのです。
昨年は大河ドラマの「篤姫」がブームになり、これから数年は、史学科進学者の近世末・近代史専攻希望の増加が見込まれるわけですが、この時代に活躍した有名人の名を挙げても曾祖母の人生と重なります。京都で坂本龍馬が殺されたのは彼女の生まれる僅か一ヶ月ほど前、篤姫の亡くなった明治16年は満16歳の娘盛りという次第です。
篤姫や西郷隆盛と同じ時代の空気を吸った曾祖母に、赤ん坊だった私は抱っこして貰ったりしたわけです。そんなことを考えると、「歴史」が自らの身体と切り離しがたいものであることを実感させられるのです。
このところ、私は800年とか1000年とかいう過去が、それほど遠いものではないと思うようになりました。
◇ そろそろ研究室に行って仕事をしようかと思ったのですが、大学は今日、ネットワークメンテナンスが行われるということなので断念。久しぶりにユリカモメの舞う鴨川の河原を散策(うろつき)、それから四条のデパートや河原町通りの書店を回ってまいりました。30年ほど前には旅行先であった空間が、今や日常の場となっていることにあらためて気がつき、また時の流れを実感した次第です。
◇ さて、各地に帰省中のゼミメンバーの皆さんも上洛の準備を始められたことと思います。新年の開始とは年度の終わりを意味するわけで、これから期末試験やら入学試験やら大忙しの時期に入るわけですが、気を引き締めてしっかりとがんばりましょう。
◆ 「行く川の流れは絶えずして・・・」の鴨長明が隠棲した日野の辺り(うちの近所です)は、ここ数年ですっかり大住宅街と化し、ぞろ目のナンバープレートをつけたワンボックスカーが轟音を立てて走り回っています。
【追記】
> 山本みなみさん 備中松山城の写真の送信、ありがとうございました。とてもよく撮れています。
◇ 昨年も書いたような気がしますが、今日、正月5日は私の曾祖母(野口きち)の命日です。彼女は慶応3年(1867)12月29日、太平洋に面した上総国豊海村粟生の篠崎家に生まれました。亡くなったのは、私がたしか小学校5年生の年で、享年は94歳でした。子どもだった私にとって、彼女は生まれたときから「大きいおばあさん」(すなわち祖母が「小さいおばあさん」)以外の何ものでもありませんでしたが、自分がおじいさんになってみると、彼女に若い時代があったことを想像する能力が身についてきました。明治維新の前年に生まれた彼女の人生は、日本の近代の歴史にすっかりオーバーラップするのです。
昨年は大河ドラマの「篤姫」がブームになり、これから数年は、史学科進学者の近世末・近代史専攻希望の増加が見込まれるわけですが、この時代に活躍した有名人の名を挙げても曾祖母の人生と重なります。京都で坂本龍馬が殺されたのは彼女の生まれる僅か一ヶ月ほど前、篤姫の亡くなった明治16年は満16歳の娘盛りという次第です。
篤姫や西郷隆盛と同じ時代の空気を吸った曾祖母に、赤ん坊だった私は抱っこして貰ったりしたわけです。そんなことを考えると、「歴史」が自らの身体と切り離しがたいものであることを実感させられるのです。
このところ、私は800年とか1000年とかいう過去が、それほど遠いものではないと思うようになりました。
◇ そろそろ研究室に行って仕事をしようかと思ったのですが、大学は今日、ネットワークメンテナンスが行われるということなので断念。久しぶりにユリカモメの舞う鴨川の河原を散策(うろつき)、それから四条のデパートや河原町通りの書店を回ってまいりました。30年ほど前には旅行先であった空間が、今や日常の場となっていることにあらためて気がつき、また時の流れを実感した次第です。
◇ さて、各地に帰省中のゼミメンバーの皆さんも上洛の準備を始められたことと思います。新年の開始とは年度の終わりを意味するわけで、これから期末試験やら入学試験やら大忙しの時期に入るわけですが、気を引き締めてしっかりとがんばりましょう。
◆ 「行く川の流れは絶えずして・・・」の鴨長明が隠棲した日野の辺り(うちの近所です)は、ここ数年ですっかり大住宅街と化し、ぞろ目のナンバープレートをつけたワンボックスカーが轟音を立てて走り回っています。
【追記】
> 山本みなみさん 備中松山城の写真の送信、ありがとうございました。とてもよく撮れています。