新しい研究段階を示す優れた新刊が続々と登場
No.9869
情けないことに年度末の雑務に追われて、心身共に疲れ果ててしまい、本来なすべき研究関連の仕事が一向に捗らず、執筆のモチベーションも低下してしまっております。諸方に御迷惑をおかけしているのではないかと懸念致す次第です。申し訳ありません。
こんな時には本を読むのがよいというわけで、読み始めたのが、新刊の高橋一樹『東国武士団の成立と鎌倉幕府』(吉川弘文館)と岡野友彦『院政とは何だったのか』(PHP新書)。大当たりでした。この二冊はお勧めです。
前者は斬新な東国武士論。徹底的に新しい視角で貫かれているのがよい。源義経の行動や、個別具体的な事実関係について指摘したい点はありますが、東国武士研究においては画期的な成果といえるのではないでしょうか。
後者は副題に「「権門体制論」を見直す」と、あるように「権門体制論」を荘園研究の立場から再評価したもの。新書ですが、というより、新書だからこそ、重要な指摘が明解に述べられています。昨年の大河ドラマに登場した東国武士の姿に違和感を感じていた方には納得されやすいと思います。一般向けの本ですが、頭の中でしっかりと研究史の整理が出来ていない私にとっては大変有り難い内容でした。
ようやく眼前の霧が晴れてきたような観がありますが、当方の頭脳は既に耄碌してしまっており、これらの成果を踏まえた研究にチャレンジする余力が無いのが残念です。
☆ 渕原智幸先生より、御新著『平安期東北支配の研究』(塙書房)を御恵送頂きました。
渕原さんの御研究については、以前、『古代文化』に発表された「藤原実方の陸奥守補任」に啓発されて以来、注目させて頂いておりましたが、ここにその全貌が示されたのは学界にとっても大きな幸いだと思います。平安時代の奥羽の歴史研究にも新しい段階が訪れそうで楽しみです。
まだ、パラパラとめくった程度ですが、「あとがき」には、しっかりと「身の上話」が書かれていて、シンパシーを感じます。「身の上話」は後進の若手にも良い刺激になるものです。最初の論文集を出したら必ず書くべきだと思います。
ちなみに、渕原さんは、本HP管理人御夫妻と同じ職場で講師をつとめておられます。
渕原先生に、あつく御礼を申し上げます。
☆ 埼玉大学の清水亮先生より、御高論「史料紹介 八坂神社文書「旧建内文書 社領十八」所収の安保氏関係文書調査概報」(『埼玉地方史』66)を御恵送頂きました。
清水先生に、あつく御礼を申し上げます。
こんな時には本を読むのがよいというわけで、読み始めたのが、新刊の高橋一樹『東国武士団の成立と鎌倉幕府』(吉川弘文館)と岡野友彦『院政とは何だったのか』(PHP新書)。大当たりでした。この二冊はお勧めです。
前者は斬新な東国武士論。徹底的に新しい視角で貫かれているのがよい。源義経の行動や、個別具体的な事実関係について指摘したい点はありますが、東国武士研究においては画期的な成果といえるのではないでしょうか。
後者は副題に「「権門体制論」を見直す」と、あるように「権門体制論」を荘園研究の立場から再評価したもの。新書ですが、というより、新書だからこそ、重要な指摘が明解に述べられています。昨年の大河ドラマに登場した東国武士の姿に違和感を感じていた方には納得されやすいと思います。一般向けの本ですが、頭の中でしっかりと研究史の整理が出来ていない私にとっては大変有り難い内容でした。
ようやく眼前の霧が晴れてきたような観がありますが、当方の頭脳は既に耄碌してしまっており、これらの成果を踏まえた研究にチャレンジする余力が無いのが残念です。
☆ 渕原智幸先生より、御新著『平安期東北支配の研究』(塙書房)を御恵送頂きました。
渕原さんの御研究については、以前、『古代文化』に発表された「藤原実方の陸奥守補任」に啓発されて以来、注目させて頂いておりましたが、ここにその全貌が示されたのは学界にとっても大きな幸いだと思います。平安時代の奥羽の歴史研究にも新しい段階が訪れそうで楽しみです。
まだ、パラパラとめくった程度ですが、「あとがき」には、しっかりと「身の上話」が書かれていて、シンパシーを感じます。「身の上話」は後進の若手にも良い刺激になるものです。最初の論文集を出したら必ず書くべきだと思います。
ちなみに、渕原さんは、本HP管理人御夫妻と同じ職場で講師をつとめておられます。
渕原先生に、あつく御礼を申し上げます。
☆ 埼玉大学の清水亮先生より、御高論「史料紹介 八坂神社文書「旧建内文書 社領十八」所収の安保氏関係文書調査概報」(『埼玉地方史』66)を御恵送頂きました。
清水先生に、あつく御礼を申し上げます。