ほんとうの自分の論文
No.9818
科研の書類を書いているときは、これからの世の中はワードやエクセルが使いこなせないと研究者としての権利の行使も難しいのか、イヤな世の中になったものだ、ついに時代に置いて行かれることになってしまったか、と落胆させられました。そして、今は、頂いた年賀葉書の流麗な墨書を見ては、おのれの悪筆に恥入っております。
やはり文字は筆やペンで書いてこそ心が伝わる・・・何と言われようと、そう思いますよ。
一度、論文を、資料のメモや下書きから全部手書きで書いてみてごらんなさい。それが、あなたの書いた本当の論文ということです。
というわけで、お送りした年賀状は、せめてものなぐさめに宛名書きと署名は手書きにさせて頂いた次第です。
☆ 学振特別研究員の辻浩和君より御高論「中世前期「遊女」の組織と支配」(『藝能史研究』198)を御恵送頂きました。
興福寺・春日社等の寺社に組織された遊女・白拍子の存在を指摘することで、朝廷による遊女支配を強調した網野善彦説を相対化。また、遊女集団の組織構造を分析することで集団の自立性と支配との関係が論じられている。「職能民」一般に回収してしまうのではなく、固有の生業と自立的組織の上に存立する遊女の存在形態を示した労作です。
辻君にあつく御礼を申し上げます。
やはり文字は筆やペンで書いてこそ心が伝わる・・・何と言われようと、そう思いますよ。
一度、論文を、資料のメモや下書きから全部手書きで書いてみてごらんなさい。それが、あなたの書いた本当の論文ということです。
というわけで、お送りした年賀状は、せめてものなぐさめに宛名書きと署名は手書きにさせて頂いた次第です。
☆ 学振特別研究員の辻浩和君より御高論「中世前期「遊女」の組織と支配」(『藝能史研究』198)を御恵送頂きました。
興福寺・春日社等の寺社に組織された遊女・白拍子の存在を指摘することで、朝廷による遊女支配を強調した網野善彦説を相対化。また、遊女集団の組織構造を分析することで集団の自立性と支配との関係が論じられている。「職能民」一般に回収してしまうのではなく、固有の生業と自立的組織の上に存立する遊女の存在形態を示した労作です。
辻君にあつく御礼を申し上げます。