重源さんや長明さんの暮らした空間に住むよろこび

No.9771

 昨日は夏休みにアメリカのユタ州に行っていた現社の3回生(2010年度の基礎演習Ⅰのメンバー)が研究室を訪ねてくれました。お話をうかがって、世界が広がりました。

 このところ、12~13世紀に活躍したお坊さんや遁世した人たちに関心を向けています。武士論からのアプローチということになると思いますが、そのうち形にしたいと考えております。
 その契機は方丈石と栢ノ杜遺跡なのですが、岩田君も佐伯君も方丈石まで脚を運んで下さったようで、ありがとうございました。明日、栢ノ杜遺跡には京都市埋蔵文化財研究所の方もおいで下さるようで、大いに勉強になりそうです。
 家の近くにこんなに凄い史跡がいくつもあって、文献史料も研究論文も続々と見つかるというのは、さすがに京都だと思うわけです。
 ただ、昨夕あたりから、風邪をひいたのか目の疲れからなのか、すこし頭痛が発生しているのが気になるところです。昔は講演など頼まれると、内容が心配だったのですが、最近はその場での体調が一番の問題になりました。 

 鴨長明の方丈は結構広いし、眼下に世間も見渡せる

No.9770

 昨日は予告通り、錦華殿に鴨長明と平清盛の展覧会を見学に行ってきました。会場で中前先生に御挨拶したところ、この掲示板を御覧になったとのお話でした。ちなみに、会場で配付されている展示図録には、粟村さんが一文を寄稿されています。

 土曜日の「もちもちぃんウォーク」は、講演の資料も出来ましたし、ほぼ準備は整いました。問題は体力と体調のみであります。
  「老いるとはオイル切れになることと見つけたり」

 ☆ 大阪市立大学の高重久美先生より、新刊の御高著『コレクション日本歌人選045 能因』(笠間書院)を御恵送頂きました。
 高重先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 高知大学の市村高男先生より、御高論「歴史を見る目、地域を見る目-古河公方の成立とその歴史的前提-」収録の古河歴史シンポジウム実行委員会編『古河の歴史を歩く』( 高志書院)を御恵送頂きました。
 市村先生に、あつく御礼を申し上げます。
 本書収録の高橋修「平将門の乱研究の現在」には、岩田君の所説が取り上げられています。

明日のゼミは錦華殿の特別展観「長明と清盛-ゆく川、海へ-」を見に行こう!

No.9768

現在、京都女子大学の錦華殿にて、第12回図書館資料特別展観「長明と清盛-ゆく川、海へ-」が開かれています。期間は11月22日(木)まで。

 『方丈記』の古写本19点や『平家物語』に取材した錦絵、清盛誕生3年後に書写された悉雲 (しったん)学書など、多数の貴重書が展示され、日野に隠棲した鴨長明の住んだ「方丈」の空間体験もできるそうです。
 「もちもちぃんウォーク」のテーマとも関係しますから、これは見に行く必要ありです。
 そこで明日の『吾妻鏡』講読会の前に、みんなで見学に行きましょう。
 共同研に15時までに来られる人は共同研へ、無理な人は直接、錦華殿へ。岩田君の了解が得られれば、講読はⅤ講時の開始時間を目途に始められればよいのではないかと思います。
日野に隠棲した鴨長明の住んだ「方丈」の空間体験・・・というのは面白そうです。
 ちなみに、一般の方もぜひどうぞ。
 詳細は→http://www.kyoto-wu.ac.jp/library/news/news.htm#tenkan_chomei
◆日時:平成24年11月2日(金)~22日(木) 10:00~16:00
  ※ただし、11月11日(日)、18日(日)は休館
  ※11月2日~4日のみ 10:00~17:00
  ※入館無料、事前申し込み不要
◆場所:京都女子学園建学記念館 錦華殿(地階展示室) 
http://www.kyoto-wu.ac.jp/gakuen/kinkaden/gaiyo.html
◆交通アクセス: http://www.kyoto-wu.ac.jp/access/index.html
◆お問い合わせ:京都女子大学図書館 図書課/TEL 075-531-7066

たまには出ましょう-明日の『吾妻鏡』-

No.9769

 錦華殿で開催中の第12回図書館資料特別展観「長明と清盛-ゆく川、海へ-」の見学、賛成です。
 たまには外へ出ての見学もいいですね(先週は醍醐・日野の周辺を見学したところですが)。

 それでは参加可能な方は、15時までに来られる方は共同研究室に、それが無理な方は直接、錦華殿へ参りましょう。

 そのあとの『吾妻鏡』は以下のような予定です。

 日時:2012年11月6日(火)午後4時15分すぎ~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:元久二年(1205)五月十二日・十八日・二十四日、六月二十日・二十一日・二十二日・二十三日・二十六日・二十八日、七月一日・二十日、閏七月十九日・二十日・二十五日・二十六日・二十九日、八月二日・五日・七日・十一日・十六日・十七日・十九日、九月二日・二十日、十月十日・十三日、十一月三日・四日・十五日・二十日、十二月二日・二十四日の各条
     元久三年(建永元年、1206)正月十二日・二十七日、二月四日・二十日・二十二日、三月十二日・十三日、五月六日、六月十六日・二十一日、七月一日・三日、十月二十日・二十四日、十一月十八日・二十日、十二月二十三日の各条

 11月は、6日、13日、20日、27日開催予定です。

 火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

富士は日本一の山

No.9767

 本日午前、新幹線の車中から美しい富士山の姿を久しぶりに見ることが叶いました。
 少しの時間ながら、憂さが晴れますね。
 ところで、「畠山重忠」は終わりました。次は「重源」です。

 明日の『玉葉』講読会ですが、藤花祭の後片付けの日でもあり、また、出席する予定だった人のうち、複数の方から都合がつかなくなったという連絡がありましたので、休会としたいと思います。
 私は事務仕事に精を出すこととします。
 

織豊期の古文書と秀吉時代の「大坂城」を大阪城で見よう

No.9765

 明日はまた、畿外へ。新幹線の車中で一仕事と相成ります。

 元木先生から御案内頂いた古文書学会の御案内を再掲致します。当該ジャンルを専攻しようとされる学生さん、興味を持っておられる方は、せっかくの機会を逃さないように。

 ◇ 古文書学会見学会の御案内 ◇
  
 日時 11月23日金曜日・祝日
     14時~16時 受付は13時45分から
 場所 大阪城天守閣
     集合場所は天守閣改札前
 参加費 500円
 近年の新規収集品を中心として、織豊期~江戸初期の大阪城天守閣収蔵文書を拝見致します。
 なお、特別展「秀吉の城」も開催中ですので、あわせてご覧ください。会期は10月6日(土)~11月25日(日)です。

 参加ご希望の方は、下記までハガキにてお申し込みください。11月15日(木)必着でおねがいいたします。
〒606-8501 京都市左京区吉田二本松町 京都大学大学院人間・環境学研究科 元木研究室

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 【追記】
 ☆ 國學院大学の菱沼一憲先生より、御高論「小机鳥山開発からみる地域と権力」(都筑・橘樹研究会『都筑橘樹地域史研究』)・「書評と紹介 木村茂光著『初期鎌倉政権の政治史』」(『日本歴史』773)を御恵送頂きました。
 菱沼先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 伊那弥生ヶ丘高校の花岡康隆先生より、御高論「小笠原氏内訌についての一考察」(『信濃』753)を御恵送頂きました。
 花岡先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 身延山大学の長又高夫先生より、御高論「北条泰時の道理」(『日本歴史』11月号)を御恵送頂きました。
 長又先生に、あつく御礼を申し上げます。 
編集:2012/11/03(Sat) 10:37

向寒の候の『吾妻鏡』

No.9766

 先日10月30日(火)は、醍醐もちもちいんウォークの下見の見学会を行いました。地元を散策するというのはいいですね。ある時代状況においては眩しいばかりの脚光を浴びた場所を、来週は地元の方々と再び散策したいと思います。

 次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2012年11月6日(火)午後3時すぎ~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:元久二年(1205)五月十二日・十八日・二十四日、六月二十日・二十一日・二十二日・二十三日・二十六日・二十八日、七月一日・二十日、閏七月十九日・二十日・二十五日・二十六日・二十九日、八月二日・五日・七日・十一日・十六日・十七日・十九日、九月二日・二十日、十月十日・十三日、十一月三日・四日・十五日・二十日、十二月二日・二十四日の各条
     元久三年(建永元年、1206)正月十二日・二十七日、二月四日・二十日・二十二日、三月十二日・十三日、五月六日、六月十六日・二十一日、七月一日・三日、十月二十日・二十四日、十一月十八日・二十日、十二月二十三日の各条

 11月は、6日、13日、20日、27日開催予定です。

 火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

お勧めの研究会は17日  藤花祭では写真部へ

No.9764

◇ 女性史総合研究会11月(第168回)例会 ◇

  日時:2012年11月17日(土) 13:30~17:00

  報告テーマ:「遊女と女房」
  
  報告者:辻浩和氏(日本学術振興会特別研究員 京都大学博士)

  コメント:西野悠紀子氏(女性史総合研究会代表) 
     
  会場:ウイングス京都 http://www.wings-kyoto.jp/about-wings/access/
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 ◇ 藤花祭(京都女子大学の学園祭)では写真部へ ◇
 
  「視線展」-京都女子大学写真部 藤花祭 学内展-

   2012.11/2.3.4
   open10:00~close18:00
            gallery:C211  ⇒C校舎211教室のことでしょう。

   滝沢さんが頑張っておられます。学祭に行く人はぜひ見てきて下さい。
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 私は本日、企画展『物語のなかの宇治 源氏物語から平家物語へ』開催中の源氏物語ミュージアムに行って、『平家物語』の屏風絵を見てきました。
 宇治川を渡河していた畠山重忠が、大串重親を向こう岸に投げ飛ばす場面などなど・・・。

 それにしても『源氏物語』と『平家物語』とは、見事なまでのコントラスト。
 小学生の時、図書室に並んでいた子ども向けの『平家物語』と『源氏物語』。
 その頃から、美味い物は後回しにする性格だった私は、先に『平家物語』を読んで興奮し、つぎの『源氏物語』に更なる大興奮を期待したところ(武家の棟梁=源氏>平家)、十二単の女性の絵ばかりが出て来てガッカリ。
 人生初の挫折体験をしたことを、また思い出してしまいました。
 しかし、この感覚は、関東に住む武士好きの同世代の男の子たちに共通するものだったようです。彼らの多くは、未だに「京都」や「貴族」がお嫌いですから。 

物言えば唇寒し秋の風

No.9763

 タイトルは、このところの実感です。

 昨日は、総勢7人で「もちもちぃんウォーク」の下見を兼ねた日野・醍醐地区の史跡散歩を挙行しました。
 所要2時間。歩数にして7~8000歩といったところ。
 院政期に造立された恵福寺のお地蔵様や栢ノ杜遺跡からの夕景は、鴨長明や重源の目にしたものと同じであったのではないでしょうか。
 私はひそかに「猿の惑星」という映画を思い起こしておりました。

 本日は元木先生の研究室で、月に一度出席させて頂いている研究会。坂口太郎氏が北畠親房や『神皇正統記』に関する御報告をして下さいましたが、その内容は武士論にも裨益するところが大きく、おおいに学ばせて頂くことが出来ました。

 しかし、物言わざれば、仕事にならず。精神的にもよくありませんし、困ったことです。ほんとうに修行が足りません。

「続・栢ノ杜の夕日」

No.9762

 本日(27日)の研究会では、期待していた通り、典籍・絵巻について大いに学ぶこと多く、史料論として考えさせられましたが、予想外の収穫は、昨日訪れた「栢ノ杜遺跡」の評価に直結するお話を聴けたことでした。国文専攻の修士課程の方のご発表ながら、押さえるべき史料はきちんと提示して、しっかり吟味されている。当方のゼミメンバーにもぜひ聴いていただきたかった報告でした。

 交流といえば、先年、茨城大学のシンポの際に大変お世話になった前川さんがお出でになっていました。また、新しく参加された研究者や旧知の皆さん(著名な編集者の方お二人も)とも久方ぶりにお目にかかれて幸いでした。
 兵藤先生の研究室前には、9月のゼミ旅行の際に当方で撮影した今熊野神社での集合写真が貼られているとのことでした。岩田君は、学習院の国文の学生さんたちに「これ、だあれ?」・・・なんていわれているのではないでしょうか。

 それにしても、「重源」が、鴨長明や信西とも絡んで、いよいよ面白くなってまいりました。

800年前の「栢ノ杜の夕日」に思いをいたす。

No.9761

 事務の方の御助力を得て、最大の難関書類が片付きました。一方では、来年度の担当科目のお話も。社会史か女性史関連の演習でも開講しようかと考えております。

 本日、少し時間に余裕が出来たので、一人で栢ノ杜遺跡を見に出かけました。すでに新興住宅地に取り囲まれていましたが、西を望むと東山の向こうに西山が見え、左手には大阪湾にいたる平野が続くという、平安貴族が浄土を構想するのに絶好のロケーションだと思いました。ここに、兵庫県小野市に現存する阿弥陀堂と同じ建物があったことを想像すると、等々・・・興は尽きざるものあり。
 そんなわけで、目下、重源に関係する論文を渉猟しております。建築史専攻の方も、このテーマは面白いですよ。

 明日は中世戦記研究会(於、学習院大学)に行きます。

 ☆ 大田原市那須与一伝承館の前川辰徳先生より、御高論「結城合戦再考」収録の荒川善夫編著『下総結城氏』(戎光祥出版)を御恵送頂きました。
 前川先生に、あつく御礼を申し上げます。 

一件落着すれども、二件難題到来の日々が続きます。

No.9759

 朝晩の寒さ。ひとさまには「季節の変わり目につき・・・」などと挨拶しているのに、自分で体調を崩してしまったようです。

 30日の「もちもちぃんウォーク」の下見を兼ねた史跡見学会には伏見区の職員の方も参加して下さるとのことです。今のところ、当ゼミからの参加予定者は、院生以上2名、3回生3名、1回生1名です。高校の講師などをされている方で、時間のある方もぜひ参加して下さい。

 ところで、本日届いた『鎌倉遺文研究』の巻頭には、一昨年、当方の公開研究会で発表して下さった大田壮一郎さんが、その発表をベースにされた「聖一派永明門派の伊賀進出と鎮西得宗庶流家-伊賀安国寺前史-」を載せておられます。関係者必読。伊賀守護だった千葉氏との関わりについても触れておられます。

 青山学院大学文学部日本文学科の編で『日本と〈異国〉の合戦と文学』が笠間書院から刊行されました。シンポジウムの記録がベースになっていますが、大学の学科による編というのは珍しく、敬意を表したいと思います。あわせて、御恵送に御礼申しあげます。

 ☆鹿児島県歴史資料センター黎明館の栗林文夫先生より、同館の企画特別展「徳川将軍家と島津家 名宝と海に生きる薩摩」の図録を御恵送頂きました。栗林先生は第Ⅳ章「東照宮と島津家」を担当されています。
 栗林先生に、あつく御礼を申し上げます。