先ほど、なんとか本日締切の原稿を書き上げました。まだ、書式を調えたり図版を考えたりしなければならないのですが、一応、御依頼下さった方には、その旨、連絡を差し上げたいと考えています。本当は本日までに原稿をお届けしなければ、締切を守ったことにならないのですが、今回は季刊誌のようですので、ひとまずこれで御安心頂けるものと思います。私も編集サイドに立った経験がありますから(今も立っている)、その辺の事情はよく認識しているつもりです。
ちなみに、大阪の出版社からシリーズで出版する人物史に関する本(私が担当の第二巻)について、御依頼している原稿の締切日も本日です。御執筆をお願いしているみなさま、何卒宜しくお願い致します。遅延の場合は、脱稿の予定など、出版社宛てにお知らせ下されば幸いに存じます。
私自身、単著の執筆では、御依頼を頂いてから、すでに長期間お待たせしてしまっているものもあるのですが(本当に申し訳ありません)、共著の場合には、一人の遅延が他の執筆者の方々(とくに若手)に大変な御迷惑をおかけすることに繋がりますので、心しているつもりです。
ところで、季刊誌で思い出しましたが、昨日、待望の『古代文化』第63巻第4号が届きました。
論攷に山岡瞳さんの「侍長考-院宮の家政機関と侍-」
書評に岩田慎平君の「谷昇著『後鳥羽院政の展開と儀礼』」
が掲載されています。
山岡論攷は「武士論」研究の上から高く評価されるものと思います。
さて、
>>No.9533に元木先生のおゆるしを得て(事後承諾ですが)拙著『武門源氏の血脈』(中央公論新社)の紹介記事を転載させて頂いたのですが、効果は有りや無しや?
そんなことを考えていたら、京都府立大学の岡本隆司先生が『京都新聞』29日付夕刊の「現代のことば」の「新しい図書館」と題するエッセーの中で、こんなことを書いておられるのを目にしました。
「読む本を借りるのも、ケチな了見である。本はたえず手元に置いて、何度もくりかえし読み返し、線を引いたり書き込みをして、はじめて愛着が出てくるし、内容も頭に入ってくる。借りてきた公共の本で、そんなことはできない。このように印刷出版が発達し、しかもネットや通販で簡単に入手できる以上、本はいよいよ身銭を切って買うべきものとなった。
とくに新刊の週刊誌、文庫・新書・選書を借りて読むなど、言語道断である。著作者に対する権利侵害であるのみならず、ほんとうに図書館で必要な本を読みたい人を、多かれ少なかれ妨害して省みない行為だからである」
私が日頃考えていたのと同じことを明解・率直に書いて下さった。拍手喝采です。
ある公立図書館の方にうかがったら、人気のある新書(元木先生の『河内源氏』のことらしい)は予約しても数ヶ月先にならないと借りることが出来ないのだそうです。「読みたい本」というのは「今読みたい本」だと思うのですが。
☆ 奈良女子大学の前川佳代先生から、御高論「奈良と平泉-なら学談話会報告-」(『奈良女子大学文学部 研究教育年報』第8号)を御恵送頂きました。
平安時代の庭園文化論。興味深い内容です。
前川先生に、あつく御礼を申し上げます。