センター試験と源為義、そしてガラパゴス
No.7959
お寒うございます。宇治の山々にも雪がちらついております。
大学センター試験の国語に『保元物語』が出題されたとのこと。今朝の新聞で確かめてみたら、親切なことに為義を義家の子とした源氏の系図まで掲げられておりました。
通説によれば、為義の実父は義家の子の義親だが、義家の養子となって河内源氏の嫡流を継いだということになっています。ところが、最近、やはり義家の実子だという説が米沢女子短大の佐々木紀一先生から提出されていて(「源義忠の暗殺と源義光」『山形県立米沢女子短期大学紀要』45)、これは説得力があるように思います。
ちなみに、通説を確認しようと『平安時代史事典』を広げてみたら、「源為義」の項目の執筆者は私のとてもよく知った人物でした。ただし、インターネット上の情報よりは、正確だと思います。
そのインターネット上の情報ですが、歴史上の人物の解説などに、時として小説を拠り所に書いたと思われるものがあります。歴史学あるいは歴史教育の立場からすると、こんなことが平気で行われるのは大問題です。
大河ドラマのストーリーの方が、研究者の共通理解よりも通説化してしまうというのも困ったものだと思っていたのですが、どうもそれは日本文化のガラパゴス的現象によるものらしい。昨日の『朝日新聞』に、日本文学研究者のキース・ビンセントさんが「アメリカでは、フィクションとドキュメンタリーには厳然とした区別があって、架空の物語を事実と装って出版すれば、それだけで社会的な非難を浴びます」と書いています。オタク文化が栄えるのも、このような文脈上に理解されるとのこと。なんだか、すこし分かったような気が致しました。
いずれにしても、日本で歴史学をやるのは大変なことのようです。
本日、バーゲンセールを狙って久しぶりにズボンを買いに出掛け、またしてもウェストサイズの拡大を確認して参りました。これは大問題!。
まったく、緊縮財政下の「太っ腹」ではサマになりません。
大学センター試験の国語に『保元物語』が出題されたとのこと。今朝の新聞で確かめてみたら、親切なことに為義を義家の子とした源氏の系図まで掲げられておりました。
通説によれば、為義の実父は義家の子の義親だが、義家の養子となって河内源氏の嫡流を継いだということになっています。ところが、最近、やはり義家の実子だという説が米沢女子短大の佐々木紀一先生から提出されていて(「源義忠の暗殺と源義光」『山形県立米沢女子短期大学紀要』45)、これは説得力があるように思います。
ちなみに、通説を確認しようと『平安時代史事典』を広げてみたら、「源為義」の項目の執筆者は私のとてもよく知った人物でした。ただし、インターネット上の情報よりは、正確だと思います。
そのインターネット上の情報ですが、歴史上の人物の解説などに、時として小説を拠り所に書いたと思われるものがあります。歴史学あるいは歴史教育の立場からすると、こんなことが平気で行われるのは大問題です。
大河ドラマのストーリーの方が、研究者の共通理解よりも通説化してしまうというのも困ったものだと思っていたのですが、どうもそれは日本文化のガラパゴス的現象によるものらしい。昨日の『朝日新聞』に、日本文学研究者のキース・ビンセントさんが「アメリカでは、フィクションとドキュメンタリーには厳然とした区別があって、架空の物語を事実と装って出版すれば、それだけで社会的な非難を浴びます」と書いています。オタク文化が栄えるのも、このような文脈上に理解されるとのこと。なんだか、すこし分かったような気が致しました。
いずれにしても、日本で歴史学をやるのは大変なことのようです。
本日、バーゲンセールを狙って久しぶりにズボンを買いに出掛け、またしてもウェストサイズの拡大を確認して参りました。これは大問題!。
まったく、緊縮財政下の「太っ腹」ではサマになりません。