来年度の公開講座講師内定

No.6909

 日曜日の午後、京都は雨が降り始めました。

 新年度に向けての書類の作成や出張講義などのために先延ばししていた「京都七条町」に関する論文の本文がようやく完成(本当は9月末締切のものを10月末まで猶予してもらっていたもの)。あとは、図版の作成のみ。これをPCで作る技術があれば良いのですが、旧稿掲載の地図をなぞる形で手書き作業で作ります。
 ちなみに、多くの方と御一緒に作る論文集は、一人の執筆の遅れが全体に大変な迷惑をかけることになります。

 昨日、出版社の方に再遅延お詫びのメールを差し上げた際に、インフルエンザにお気を付け下さいと書いたところ、もうすでに罹って免疫が出来ているので大丈夫という御返信。
 先ほどは、キャンパスプラザ科目の履修生の方からも、インフルエンザに罹ったというメールを頂きました。
 たしかに、新型インフルエンザは猛威を振るっているらしく、軽い持病で通院中の近所の医院も超満員状態のようで、とても受診に行く気になれません。薬がもらえませんが、流行が収まるまでは何とか頑張りたいと思います。歯医者さんにも通っていますが、まさかここまでは累が及ぶことはないでしょう。

 ◇ ところで、新年度のことですが、6月第4土曜日に実施する恒例の研究所公開講座「シリーズ 東山から発信する京都の歴史と文化 12」の講師が内定致しましたので、お知らせ致します。
 第12回目のテーマは、これまで鎌倉時代が欠落しておりましたので、「六波羅と北条氏」に関するものということにいたしました。
 そこで、北条氏の本拠地である静岡県伊豆の国市で北条氏居館跡などの発掘調査に携わり、近年、その成果を積極的に発信されている池谷初恵先生(伊豆の国市教育委員会)、そして、金沢北条氏や鎌倉時代における鎌倉と京都の文化交流の御研究で知られる福島金治先生(愛知学院大学)にお願いし、ともに御快諾を頂くことが出来ました。
 具体的な話はこれからですが、来年が楽しみになってきました。
 ちなみに、来年6月の第4土曜日は26日になります。ゼミ関係者は空けておいて下さい。
 
◇ ようやく論文が一つ仕上がったと思ったら、9月に提出した『研究紀要』の初校ゲラが届きました。長村祥知君との共著で、「承久宇治川合戦の再評価-史料の検討を中心に-」というタイトルです。
 長村君、校正よろしくお願い致します。

 ☆ 奈良国立文化財研究所の古藤真平先生より、現在、同研究所で開催中の特別企画展「地下の正倉院展 -二条大路木簡の世界-」http://www.nabunken.go.jp/topics/index.html#guidance_kikakutenのパンフレット・リーフレットならびに先生御執筆の関連新聞記事などを御恵送頂きました。
 奈良時代ファンには、たまらない企画だと思います。
 古藤先生にあつく御礼を申し上げます。

11月の講義・ゼミなどの日程について

No.6905

 トップページの「今月の予定」を11月に更新致しましたので、確認して下さい。

 2日(月)の『小右記』講読会は、学生行事週間中なので、お休みにします。
 3日(火)は、国民の祝日ですから、キャンパスプラザの授業はありません。
        ゼミ『吾妻鏡』講読会もお休みです。
 7日(土)は、福山の広島県立歴史博物館で、平家関連の特展を見てきます。誰か行きますか?
 また、17(火)~19日(木)は共同研究室を入学センターにお貸ししますので、17日(火)は(すし詰めですが)教授室で行い、19日(木)は『吾妻鏡』を読まないで「六波羅」を歩くことにします。

 ★ 『紫苑』第8号の執筆者は、そろそろ書き始めないと間に合わなくなりますよ。

学園天国-次回の『吾妻鏡』-

岩田慎平
No.6907

 学祭シーズンに入りまして、来週11/3(火)はお休みとさせていただきますが、その次の週の火曜日の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2009年11月10日(火)14:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室

 範囲:建長二年(1250年)九月十日・十八日、十月七日、十一月十一日・二十八日・二十九日、十二月三日・五日・七日・九日・十一日・十五日・二十日・二十三日・二十七日・二十八日・二十九日
    建長三年(1251年)正月一日・四日・五日、二月一日・十日・二十日・二十四日、三月六日・七日・十四日、四月二十日・二十六日、五月一日・五日・八日・十五日・二十七日、六月五日・十日・十五日・二十日・二十一日・二十二日、七月四日・八日・十日・二十日、八月六日・二十一日・二十三日、九月五日・二十日、十月十九日・二十九日、十一月十二日・十三日・十八日・二十二日・二十七日、十二月二日・三日・五日・七日・十七日・二十二日・二十六日・二十七日の各条

 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられています。後期もどうぞよろしくお願いします。秋から何か始めてみようという方も、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。

中国からのアクセスができます

金澤正大
No.6903

こんばんは、お久しぶりです。

長らく、通常ではアクセスできなかった、掲示板にやっとアクセスできるようになりました。そこで、最近のブログ記事(『歴史と中国』2009年10月)として、「良渚博物院」「跨湖橋遺址(遺跡)博物館」を紹介します。いずれも、浙江省杭州市にあり、昨年および本年9月に開館したばかりです。稲作農耕の起源として知られる長江文明(8000年前の跨湖橋文化・5000年前の良渚文化)の主要遺跡にできた博物館です。

日本中世史研究も日中交流の時代へ

No.6904

 金澤先生、お久しぶりです。
 中国からも、この掲示板にアクセスできるようになったということですね。
 先生のサイトは、現代中国を知る上で貴重な情報を提供してくれていると思います。
   http://km45.spaces.live.com/

 これからは、東アジア規模で中世の歴史も語られるようになっていくのだと思います。
 私も、目下、千葉氏一族出身の入宋・渡元僧について調べております(日本国内の活動ばかりですが)。

 金澤先生には、東国武士に関する新しい御研究の発表も期待致しております。ぜひとも、宜しくお願い申し上げる次第です。

 * 話は変わりますが、山田邦和先生が、「日本の首都はまだ京都なのだ」と仰っておられますので、ご紹介。 →http://heike.cocolog-nifty.com/kanwa/2009/10/102-9298.html

肥後・薩摩巡見の御報告(一部追記あり)

No.6902

 昨日の講義。話の力点は異なるものの、両方とも「院政の成立」だけで時間を使い切ってしまいました。
 待賢門院が出てくると角田文衞先生のことを話したくなる、というように、話題が拡散して収拾がつかなくなってしまうのが原因です。
 本題の後白河院や法住寺殿は次回回しと相成りました。
 ちなみに、来週は祝日(京女は学園祭)ですから、次の講義は11月10日になります。

 京博の特展を見学するために広島から上洛された江波さんを囲んで、ゼミ参加者と女坂の「里」で夕食。昨今、研究者を目指す若者たちには過酷な情況ですが、みんな素晴らしい才能を持っている。面白ければ突き進んで欲しいと思います。一度しかない人生の旬をたいせつに。

 熊本のお話ですが、23日は夕刻に藤崎八幡宮や夏目漱石の旧居(豪邸です)などを訪ねて街中を歩き回りました。
 前回来た時、ぐうぜん阿蘇品保夫先生と出会うことの出来たバス停やら、行ってみて思い出す場所も多く、また、店先にとても礼儀正しい御主人のおられる天正年間創立という朝鮮飴屋さんや、工藤敬一先生の論文集や普及版『吾妻鏡』の配架された格調高い古本屋さん等、なかなか楽しいお店が並んでいて、面白がっているうちに結構な距離を歩いてしまいました。

 人もみな親切。愛知学院大学の松薗先生や鹿児島大学の日隈先生の御出身地であることは、「さもありなん」と思われます。

 夕食は呉服町・東急イン地下の「雑魚屋」にて。私は、このところ本物のビールを飲むと後で気分が悪くなりますので、ノンアルコールのビールを頂きました。

 24日は、出張講義終了後、鹿児島に向かいました。鹿児島中央~新八代間に新幹線が開通したおかげで僅か一時間で到着。しかし、トンネルばかりで、情緒も何もありません。

 ちょうどこの日は、鹿児島県歴史資料センター黎明館で「熊襲・隼人の時代を語る」というシンポジウムが開かれており、それには間に合いませんでしたが、終了後の懇親会に合流させて頂きました。
 ラサール学園の永山修一先生や隼人研究の第一人者である中村明蔵先生と久しぶりにお目にかかることが出来ました。
 また、近年、南九州おける古墳時代研究に新風を巻き起こしておられる鹿児島大学総合研究博物館の橋本達也先生にも初めてお目にかかることが出来ました。
 橋本先生は、学部は青山学院大学史学科の御出身の由。すばらしい後輩との邂逅でした。
 
 25日は地元新聞社の編集局長や鹿児島国際大学の講師をつとめられた旧知の先生の車(プリウス)に乗せて頂いてミュージアム知覧へ。おりしも小雨模様。
 先年のゼミ旅行の時も大雨でした。その時は、夏祭りか何かで駐車場が満杯で苦労したので、「まさか」とは思ったのですが、その「まさか」が現実となり、今回も「農業祭」というのが開かれていて、あの時入れた駐車場にも入れないという有様。
 でも、運転して下さったのは地元の通人ですから、何とかなったという次第でした。

 いきなり押しかけたにも拘わらず、学芸員の上田耕先生は農業祭の会場から駆けつけて下さり、また小学生時代に上田先生の企画した博物館のイベントに参加したことを切っ掛けに考古学に志し、ついにはこの博物館の学芸員になったという好青年・坂元恒太先生にもお目にかかることが出来ました。
 先年のゼミ旅行の際に大変お世話になった新地先生は、あいにくお休みでした。

 ここでは、展示資料の中に、ひょっとすると、とんでもない価値を有する絵巻を発見(稚拙な表現ながら、流鏑馬・犬追物・相撲・巻狩等の様子が描かれており、製作年代が何時であろうと武士論研究には間違いなく貴重な史料)。坂元先生に、学界への紹介をお願いしてまいりました。

 この日、新幹線を乗り継いで宇治に戻ったのは深夜。怠け者の私にしては、良く動(「働」ではありませんね)いた三日間でした。エライ・エライ!(誰もほめてくれないので)。

 ☆ 大阪工業大学の大村拓生先生より、御高論「鎌倉後期の尼崎-長洲荘「悪党」教念・教性の活動を通じて-」(尼崎市立地域研究史料館紀要『地域史研究』第39巻第1号)を御恵送頂きました。
 大村先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 神奈川県立金沢文庫の永井晋先生より、新刊の御高著『北条高時と金沢貞顕』(日本史リブレット人035、山川出版社)を御恵送頂きました。
 永井先生に、あつく御礼を申し上げます。
 ちなみに、私もこのシリーズで『源義家』を書かせて頂くことになっております。

Re: 肥後・薩摩巡見の御報告(一部追記あり)

新地 浩一郎
No.6910

 野口先生、ゼミの皆様、本当にご無沙汰しております。先日の先生ご来訪時は、後輩の結婚式に出席しておりました。
 合併してまもなく2年、相変わらず川辺の研究をしています。現在は江戸時代に川辺郷地頭仮屋が編纂した2つの名勝誌の翻刻と記述比較をしています。来年度以降は川辺町史談会も翻刻に取り組むということですので、近いうちに活字化して研究者・市民に広く公開できればと思っています。
 11月11日と12日の二日間、出張のため京都へ上洛することになりました。都合があえば、先生の元へ伺いたいと思っています。

熊本での「出張講義」のご報告

No.6900

 書き込みの間隔がずいぶん空いてしまいました。このところ、ほんとうに忙しくて叶いません。なにしろ、いろいろと締め切りの多い時期なので、自転車操業を繰り返しています。

 そんな最中、24日の土曜日は熊本まで出張講義に出かけてきました。集合が午前なので前泊。23日の夕刻に熊本市に着き、諸所を見学。24日も、講義終了後、新幹線を使えば僅か1時間で行ける鹿児島に脚を伸ばし、翌日は日曜なので一泊して、知覧に行ってまいりました。地元の方々と旧交を温めることが叶った上に、研究上の収穫も多大でした。

 いろいろ御報告したいことがあるのですが、今は時間がないので、出張講義のみについて。

 呼んで下さった高校は、校地全体が中世から近世初頭にかけて存在した城郭に立地します。しかも一部だけというのではなく、ほぼその全域を占めるというのですから、すごい。もちろん、校地の回りには石垣や堀ものこります。早めに出かけて、『新修熊本市史』掲載の図面を広げながら城跡の周囲を一回り。講義前の昼食の時間にも、図書館裏の船着き場跡を見学。校地内にも石垣がのこっていました。
 近世には熊本藩の大身の家臣の屋敷が並んでいたようですが、そのうち3500石取りの松井家は、私の研究テーマの一つである上総氏にゆかりのある家であり、何かの因縁を感じました。
 ちなみに、この城域を南端にとりこんだ巨大な近世城郭が、この城の最後の城主となった「虎退治の話で有名な武将」によって構築されるのですが、その巨大城郭の北東部にとりこまれた中世の城郭は「千葉城」という、私を歴史の道に誘い込んだ城跡と同じ名をもつことも因縁じみていると思った次第です。

 さて、話を元に戻して、この城跡に立つ高校ですが、男女共学でありながら、生徒は女子だけというユニークな学校でした。生徒さん(みんな礼儀正しいのに感動しました)の話では、学校説明会には男子も2、3人は来るのですが、結果的にはゼロになるとのこと。また、ちゃんと男子トイレも用意されているのだそうです。まあ、名門女子校の伝統を引いているので、男子は入りにくいのかも知れません。 

 講義(テーマは「武士の都としての平安京・京都」)はとても楽しく行うことが出来ました。なにしろ、生徒さんが意欲満々、興味津々で臨んでくれたので、話のし甲斐がありました。六波羅や七条町の地図や法住寺殿跡から出土した鏡轡を載せた資料にも目を輝かせてくれて、与えられた時間はあっという間に過ぎてしまいました。
 出張講義は、こういう喜びがありますので、出掛ける甲斐があるのです。

 最後の城主が加藤清正で、島津氏征討の際に豊臣秀吉も在陣したことのある「隈本城」跡にある熊本県立第一高校で私の講義を聴いてくれた皆さん、ありがとうございました。

【追記】
 ☆ 髙橋昌明先生より、新刊の御高著『平家の群像 物語から史実へ』(岩波新書)を御恵送頂きました。
 新書ながら、新知見が随所に盛り込まれていて、読み応えがあります。
 ライフワークを着実に結実させている髙橋先生に敬意を表しつつ、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ NHK出版の石浜哲士さんから、新刊のNHKブックス、山本博文『江戸に学ぶ日本のかたち』を御恵送頂きました。もちろん、本書の編集作業を担当したのは石浜さん。
 石浜さんに、あつく御礼を申し上げます。

 熊本・鹿児島を旅して、九州武士団をテーマにしたNHKブックスの執筆。大いに意欲を喚起させられました。
 なお、私の前に、某著者による「平安時代の夜」をテーマにした本を宜しくお願い致します。

明日(20日)の講義は平清盛オンパレード

No.6896

 キャンパスプラザⅡ講時の「特別講座科目1 『平家物語』と中世前期の京都」は、平清盛の実像にせまります。

 Ⅴ講時の基礎教養科目「源平内乱の時代を京都で生きた人たち」も、前回の平清盛に関する話の続き。時間外にゼミと合同での六波羅見学の計画を立てたいと考えています。

 本日の『小右記』講読会には、後半、久しぶりに満田さんも参加。とっても美味しいお土産も頂きました。2回生の山本さんは、次の授業があって、ちょっと残念でしたね。

 急がねばならない原稿執筆は諸書類の提出などに追われて完全に中断中です。もう少し切り替えがきいて、体力があれば良いのですが・・・。

秋刀魚の味の季節の『吾妻鏡』

No.6897

 京都はそろそろ秋の観光シーズン到来のようです。良い季候で散策にはもってこいの気候ですね。

 日時:2009年10月27日(火)14:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室

 範囲:建長二年(1250年)六月三日・十日・十五日・二十四日、七月一日・五日・八日・二十二日、八月七日・十八日・二十六日、九月十日・十八日、十月七日、十一月十一日・二十八日・二十九日、十二月三日・五日・七日・九日・十一日・十五日・二十日・二十三日・二十七日・二十八日・二十九日
    建長三年(1251年)正月一日・四日・五日、二月一日・十日・二十日・二十四日、三月六日・七日・十四日、四月二十日・二十六日、五月一日・五日・八日・十五日・二十七日、六月五日・十日・十五日・二十日・二十一日・二十二日、七月四日・八日・十日・二十日、八月六日・二十一日・二十三日、九月五日・二十日、十月十九日・二十九日、十一月十二日・十三日・十八日・二十二日・二十七日、十二月二日・三日・五日・七日・十七日・二十二日・二十六日・二十七日の各条

 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられています。後期もどうぞよろしくお願いします。秋から何か始めてみようという方も、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。

「秋日和」の『吾妻鏡』

No.6898

 岩田君は若いのに、小津安二郎の映画について話が盛り上がります。ほんとうは私と同世代なのかも知れませんねぇ。
 あの映画に描かれた昭和30年代というのは、ほんとうに懐かしい時代です。あれを見ると今の日本人も日本の社会も、異民族の別の国のように思えます。
 あのころは、一日が長かったなぁ。
 
 さて、明日の『吾妻鏡』は、治承四年十一月十二日の条からでしたね。今日の午後、勇気をふるって研究室を訪ねてくれた史学科の2回生がお一人、あらたに加わります。

あわてて当日の講義予告

No.6901

 うっかり書き込みを忘れていましたが、先週授業時に予告したとおりの内容です。

 キャンパスプラザⅡ講時の「特別講座科目1 『平家物語』と中世前期の京都」は、後白河院と、その院御所の置かれた法住寺殿について。

 Ⅴ講時の基礎教養科目「源平内乱の時代を京都で生きた人たち」では、院政成立の意味を考えた上で、後白河院の人物像にせまります。

 本日のゼミの時間、広島大学大学院に進学した、前年度の『紫苑』編集長がおみえになります。
 要歓迎!!です。

川合先生『源平の内乱と公武政権』刊行

No.6894

 昨日は、本学で開催された京都国立博物館の土曜講座(中尾堯先生「京都日蓮ことはじめ」)を拝聴いたしました。このところ、親鸞にばかり取り組んでおりましたが、これは日蓮宗の勉強も面白そうだと、また、あらたな意欲を喚起させて頂きました。さらに、企画展図録から重要な情報を得ることも出来ました。
 京女生のゼミメンバー4名も一緒に聴講させて頂きました。
 御紹介頂いた元木先生に、心より御礼を申し上げます。

 なお、会場はいつも研究所公開講座で使用しているJ525教室でしたが、後方の席に座ってみて、音響の悪さを実感することが出来ました。以前から、そのような苦言をうかがっていたのですが、よく分かりました。機会あるごとに対応を要請したいと存じます。

 ☆ 日本大学の川合康先生より新刊の御高著『源平の内乱と公武政権 日本中世の歴史3』(吉川弘文館)を御恵送頂きました。
 川合先生の御研究は、拙い私の研究成果をしっかりと受け止めて下さるとともに、いつも新鮮な活力を与えくださいますので、本書の刊行を心待ちに致しておりました。
 未だ、ざっとページをめくっただけですが、12世紀後半から13世紀半ばにいたる政治過程を対象にした一般向けの本の中では、まさに今日の研究の水準を確実に反映させたベストの一書だと思いました。
 『吾妻鏡』講読会に出席しているゼミメンバーは必読です。また、私の講義に出席している皆さんにも最良の参考書として推薦致します。
 私自身も、早く、もろもろの雑用を片付けて、じっくり拝読させて頂きたいと思う次第です。
 川合先生にあつく御礼を申し上げます。

※ 摂南大学の「淀川シンポ」、とても興味深い内容です。私はちょうど熊本に出掛けておりまして、参加することが出来ません。ゼミ諸姉兄の出席を期待します。

千葉東高校の素晴らしい後輩との出会い

No.6895

 昨日、慶應義塾大学の大薮海先生より、御高論「室町時代の「知行主」-「伊勢国司」北畠氏を例として-」(『史学雑誌』116-11)・「戦国期における武家官位と守護領」(『歴史学研究』850)・「高野山成慶院『伊勢国日碑月碑帳』の翻刻と解題」(『三重県史研究』24)・「北朝・室町幕府と飛騨国司姉小路氏」(『日本歴史』733)を御恵送頂きました。

 同封の御懇書によると、大薮先生は千葉県立千葉東高校の御出身の由。私より31年の後輩にあたります。こんな優秀な後輩の出現は大きな喜びです。私の在籍していた頃は、たいしたことのなかった母校の発展のほどもうかがわれて、それもまた嬉しいことです。
 この掲示板を見てくれている高校以来の私の親友たちも、さぞかし鼻高々だと思います。
 当ゼミ関係の同世代の京都の若い人たちも大いに見習って、頑張って欲しいものです。

 同郷で、しかも高校生時代の3年間を同じ校舎で過ごされた大藪先生の今後の御活躍を大いに期待したいと思います。
 そういえば、日蓮も房総半島の出身でしたね。昨日は郷里再評価の一日でした。

永山修一先生の『隼人と古代日本』刊行

No.6891

 鹿児島経済大学在職中以来、たいへんお世話になっている鹿児島ラサール学園の永山修一先生より、新刊の御高著『隼人と古代日本』(同成社 古代史叢書6)を御恵送頂きました。古墳時代から平安時代に至る南九州の歴史をテーマにした珠玉の論文集です。「珠玉の」というのが、決してお世辞などでないことは、御一読頂ければすぐにわかると思います。
 永山先生に、あつく御礼を申し上げます。
 ちなみに、私も目下、南九州をターゲットにした武士成立期に関する本の出版を目指しているところです。 

 ☆ >>No.6874で御高論について触れさせて頂いた宮崎県都城市教育委員会の桒畑光博先生より、御高論「島津荘は無主の荒野に成立したのか」(『南九州文化』109)・「島津荘の成立をめぐる諸問題」(『地方史研究』341)を御恵送頂きました。
 目下、執筆中の論文にも関係する内容。グッドタイミングで頂きました。
 桒畑先生にあつく御礼を申し上げます。

 昨日は、鈴木夫人のみならず、御夫君も研究室にお出で下さり、懸案の書類作成はもとより、研究室の整理までして頂きました。ほんとうに助かりました。

来年度の共同研究について(おしらせ)

No.6892

 昨日、平成22年度における研究所共同研究助成の申請書を提出致しました。
 概要は以下のとおりです。研究の遂行に際し、諸方の御協力を御願い申しあげる次第です。

<研究課題>「中世前期における都鄙の文化・社会情況
        (法然・親鸞登場の歴史的背景に関する研究Ⅱ)」
<研究代表者> 野口 実(本学研究所教授・日本中世史)
<研究協力者> 岩田慎平(関西学院大学大学院研究員・日本中世史)
           畠山 誠(元、広島県公立高校教諭・日本仏教史)
           前川佳代(奈良女子大学人間文化研究科博士研究員・日本中世考古学)
           藪本勝治(神戸大学大学院人文学研究科DC・日本中世文学)
<研究目的>
 平成23年(2011)は法然上人の800年大遠忌、同24年は親鸞聖人の750回大遠忌を迎える。これに際して、両者に対する関心は各方面において高まりを見せている。本研究は、この機に乗じて、歴史学の立場から、かれらとその思想を育んだ12~13世紀の政治・社会と、これらを包括する文化総体を、かれらの登場という視角を通して解明・考察しようとするもので、「法然・親鸞登場の背景に関する研究」というテーマを掲げて数年間の期間での継続研究を企図している。
<研究概要>
 平成22年度は、前年度の研究(テーマは「地方武士の在京と文化の伝播」)を踏まえ、さらに地方社会と京都との文化関係を政治・社会のシステムを通して検討する。とくに鎌倉幕府の将軍ないしはその妻室として関東に下向した皇族・貴族に随従して京都から関東に下向した廷臣・女房のさまざまな側面における活動や幕府や地方有力御家人の周辺において行われた儀式、および居館をとりまく空間構造に関する実証的な事例研究を進めたい。また、法然・親鸞の活動した地域における地域研究の成果を収集することにつとめ、当該地域における京都文化伝播の実態について検討を加えつつ、その文化環境を明らかにしていきたい。
                                      以上

十月半ばの『吾妻鏡』

No.6890

 すっかり秋めいてきましたが、また次回の火曜日の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2009年10月20日(火)14:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室

 範囲:建長二年(1250年)三月三日・五日・十三日・十六日・二十日・二十六日、四月二日・四日・五日・十六日・二十日・二十五日・二十九日、五月十四日・二十日・二十七日・二十八日、六月三日・十日・十五日・二十四日、七月一日・五日・八日・二十二日、八月七日・十八日・二十六日、九月十日・十八日、十月七日、十一月十一日・二十八日・二十九日、十二月三日・五日・七日・九日・十一日・十五日・二十日・二十三日・二十七日・二十八日・二十九日の各条

 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられています。後期もどうぞよろしくお願いします。秋から何か始めてみようという方も、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。

淀川シンポ(公開講座)のおしらせ

No.6888

美川です。

 以下の予定で、私の職場主催のシンポジウムを行います。事前の打ち合わせでは、淀川の流路などが話題になりそうです(私の関心もかなりそこにありますので)。興味のある方はぜひご参加ください。

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時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

 さて摂南大学では毎年、一般市民と学生の方々にむけて公開シンポジウムを行っておりますが、今年度は「水都大阪2009」にちなみ、「淀川を流れる文化」をテーマに、3人の専門家による講演とシンポジウムを企画いたしました。 水の都のシンボルとして、今も私たちのくらしと深い関わりのある淀川。その文化と歴史を知るきっかけにしていただければ幸いです。

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公開講座「淀川を流れる文化」
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●日付:2009年10月24日(土)  時間:14:00~16:30

●場所:常翔学園大阪センター
     大阪市北区梅田3-4-5 毎日インテシオ3F
TEL06-6346-6367
  ・JR福島駅、阪神福島駅から徒歩5分
  ・JR大阪駅・地下鉄梅田駅・阪神梅田駅から徒歩10分
地図:http://www.josho.ac.jp/osakacenter/img/map001.pdf

●参加費:無料  定員160人

●講演内容
1 「母なる淀川とその流域」 原 秀禎(摂南大教授 地理学)
2 「貴族たちの淀川-離宮・遊宴・文芸」 小川豊生(摂南大教授 中世文学) 
3 「与謝蕪村『春風馬堤曲』をよむ」 松本節子(摂南大元教授 近世文学) 
   司会者:美川 圭(摂南大教授 日本史学)

京と大坂をむすぶ淀川は、古くから多くの人や物が往来し、それとともにさまざまな文化がはこばれた文化の道でした。また、淀川にひろがる美しい風景や、川に遊び、川を旅する人たちの心情は、数々の文芸や美術の題材となりました。講演では、時代による淀川の流れの変化、淀川が生み出した中世の文学、近世の文学について、それぞれ専門家が解説いたします。
 
●大学サイト:http://www.setsunan.ac.jp/~kokusai/gakubu/event/kokusai_sympo/sympo09.html
(チラシの写真をクリックしていただきますと、講演内容などが紹介されます。)
  
●問合先
摂南大学外国語学部事務室(〒572-8508 寝屋川市池田中町17-8)  
Tel: 072-839-9195/Fax: 072-838-6607
E-mail: l-bu@ofc.setunan.ac.jp

●準備の都合上、参加ご希望の方は下記アドレスにお知らせいただけると、助かります。

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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淀川講演会事務局
kokusai@jm.setsunan.ac.jp
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