『北条重時』と『北畠親房』、そして知覧

No.6864

 國學院大學の森幸夫先生より、新刊の御高著『北条重時』(人物叢書、吉川弘文館)を御恵送いただきました。
 当ゼミの『吾妻鏡』講読会で、その人物像に興味が持たれてきた矢先。講読会参加のメンバーにもグッドタイミングだったと思います。時房といい重時といい、京都生活が長く、従来の幕府中心史観では捉えきれない存在だと思っておりました。
 また、重時については、私の恩師の一人である桃裕行先生による家訓の研究があり、「武士」なるものを考える上から、私ももう一度勉強をし直そうと考えておりました。本書は大きな道しるべになりそうです。ゼミ用に研究室にも一冊配架したいと思います。
 森先生には、長年の御研究の成果の還元の達成を心よりお喜び申し上げるとともに、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 執筆の遅延で御迷惑をお掛けしているミネルヴァ書房の田引勝二さんから、日本評伝選の新刊、岡野友彦『北畠親房』を御恵送いただきました。まだ、ざっと目を通させていただいただけですが、21世紀にいたって、ようやく北畠親房の実像を知ることが出来たという感想をもちました。関東の状況にも詳しく触れておられ、昨年冬、岩田君・長村君・伊藤さんとともに、つくば市の広瀬先生や額賀さんに御案内いただいた小田城や三村山極楽寺と親房の関係もよく分かりました。『神皇正統記』の理解にも再考を迫るものがあり、歴史・文学など多方面の関心を呼びそうな本だと思いました。
 これに匹敵するほどの立派な本は書けないと思いますが、『北条時政』、数多の関門を突破した上で、ぜひ書き上げたいと存じます。
 田引さんにあつく御礼を申し上げます。

 ☆ 先年の鹿児島ゼミ旅行で、ミュージアム知覧見学の際にお世話になった南九州市教育委員会文化財課の上田耕先生より、同館の平成21年度「海と船の企画展」図録『獣骨を運んだ仲覚兵衛と薩南の浦々』・『ミュージアム知覧非文献調査報告書 知覧の棟札』、および、国指定史跡知覧城跡のリーフレットを御恵送いただきました。
 先日、千葉の外山先生からお送り頂いた資料にみえる本佐倉城などと比較すると、本当に南九州の中世城郭は個性的だと思いました。「知覧城跡を見ずして、中世城郭を語るべからず」なのかも知れません。
 上田先生に御無沙汰をおわび申し上げるとともに、あつく御礼を申し上げます。

 ※ ちなみに、知覧は岩田君にとって、ことさら思い出深いところだと思います。
 ゼミ旅行に参加されたみなさんは、あの大雨の中の出来事を覚えておられますか?

知覧と『吾妻鏡』

岩田慎平
No.6865

鹿児島県の知覧での出来事は昨日のことのように覚えています。…が、あれももう四年前になるんですね。早いものです。

火曜日の『吾妻鏡』のご案内をいつまでも掲出せずにご迷惑をお掛けしておりますが、次回は9/29(火)のひとまず14:45~ということでよろしくお願い致します。とても雑なご案内で申し訳ありません…。

『北畠親房』、お勧めです

田引勝二
No.6872

お送りしました『北畠親房』について触れていただき、ありがとうございました。
南朝の人物は、日本評伝選では『新田義貞』に続き二人目ですが、義貞よりも長生きし、政権中枢で活躍しただけに、一読者としてもとても興味深く存じます。なにより、京都奪還のために執念を燃やし続けた生涯には脱帽です。既刊77冊の中でもお勧めの1冊です。
『北条時政』もよろしくお願いいたします。

樋口大祐『「乱世」のエクリチュール』刊行

No.6863

 先年、当研究所の公開講座に御出講いただいた神戸大学の樋口大祐先生が、このほど『「乱世の」エクリチュール-転形期の人と文化』と題する御高著を森話社から出版され、御恵送をたまわりました。
 中世日本における三つの乱世(源平内乱期・南北朝動乱期・戦国時代)を対象にした論文で構成された本です。
 先生は東アジア的な視点から日本の古典を追究されておられ、その構想は壮大です。
 文学のジャンルに属する御研究ですが、日本中世史を専攻する方々(とくに史料としてしばしば軍記を用いられている方)にも一読をお勧めする次第です。
 「あとがき」に多くの著名な研究者とともに私の名を挙げていただき、大変恐縮致しております。
 樋口先生にあつく御礼を申し上げます。

 ☆ 弘前大学の斉藤利男先生より御高論「四通の十三湊安藤氏相伝文書と八戸南部氏」(藤木久志・伊藤喜良編『奥羽から中世をみる』吉川弘文館)・「北の辺境世界と平泉政権-「北の都」平泉の首都性と宗教思想」(『説話文学研究』44)を御恵送いただきました。
 後者については、京都中世前期都市論の研究をされている方々に、ぜひお読みいただきたいと思いました。
 斉藤先生にあつく御礼を申し上げます。

関東戦国時代城郭のシンポと企画展

No.6859

 昨年と一昨年、岩田君・長村君とともに参加させていただいた茨城大学人文学部地域史シンポジウム。今年は時代が下って戦国時代がテーマになるようです。茨城大学の高橋先生より御案内をいただきましたので、ここに大要を告知させていただきます。
 詳しくは、こちらを御覧下さい。→http://www.ibaraki.ac.jp/event.php?id=1237160123

第5回 茨城大学人文学部地域史シンポジウム「よみがえる 戦国の城」シンポジウム
 日時:11月1日(日)10:30~17:00(休憩12:00~13:00)
 場所:常陸大宮市文化センター ロゼホール
   茨城県常陸大宮市中富町3135-6 JR「常陸大宮」駅下車徒歩5分。駐車場あり。
  第1部:記念講演会〈常陸大宮に城が造られた時代―室町・戦国期を語る―〉
   「室町時代の戦争と村―応仁の乱をめぐって―」 茨城大学教授 酒井紀美
   「戦国時代の戦争と武士・百姓―北条領の場合―」 成蹊大学教授 池上裕子
  第2部:パネルディスカッション〈常陸大宮の城から何が見えるのか〉
   「山城の歩き方、楽しみ方」 常総戦隊ヤブレンジャー 余湖浩一
   「館〈たて〉と宿〈しゅく〉の戦国社会―佐竹一族と常陸大宮の城―」 茨城大学中世史研究会・常陸大宮市歴史民俗資料館
  コメント:大正大学准教授・佐々木倫朗、東京工業高等専門学校非常勤講師・今泉徹
  コーディネーター:茨城大学教授・高橋修
 問い合わせ先:茨城大学人文学部 高橋修研究室、常陸大宮市総務部企画課
  ※ 参加費は無料。どなたでもご参加いただけます。

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 戦国時代の城郭といえば、千葉市立郷土資料館でも、本年11月25日から来年4月11日までの会期で、企画展「千葉市の戦国時代城館跡」が開催されるとのことです。同館学芸係の簗瀬裕一先生より、お知らせいただきました。詳しくは↓を御覧下さい。
  http://www.city.chiba.jp/kyoiku/shogaigakushu/shogaigakushu/kyodo/tenji.html

 ☆ 日本大学の関幸彦先生より、新刊の御高著『百人一首の歴史学』(NHKブックス)を御恵送いただきました。
 関先生にあつく御礼を申し上げます。

【追記】 10月17日日開催の京都国立博物館における土曜講座「京都日蓮法華宗ことはじめ」(講師 立正大学名誉教授 中尾 堯氏 )ですが、受講申込みをしようとしたところ、既に受付終了とのことでした。
 本学で開催されるにも拘わらず、聴きに行けないとは、残念なことになってしまいました。
 せっかく早々に御案内いただいたにも拘わらず、かかる仕儀となりましたことを、元木先生にお詫び申しあげます。

古文書学会

元木泰雄
No.6860

 10月17日土曜日の古文書学会見学会につき、早々に予告をしながら正式のご案内が遅れ、申しわけありません。当日は京都国立博物館で、「日蓮と法華の名宝展」を見学いたします。
 見学会のみご参加の方は15時半に博物館本館前に集合してください。そこで展示についての説明と資料配布があります。
 13時からの土曜講座では、中尾尭先生の御講演「京都日蓮法華宗ことはじめ」があります。一般受け付けは終了していますが、古文書見学会参加者のための別枠30名が設定されています。古文書見学会参加者で、一般受付で受講できなかった方は、こちらをご利用ください。
 申込方法は正式決定後に書き込みます。
 多数のご参加をお待ちしております。

「日蓮と法華の名宝展」見学と土曜講座

No.6861

 元木先生、御多用のところ、御案内をありがとうございます。
 土曜講座については、古文書学会の参加者に別枠を御用意を頂いているとのこと。私の方で、誤解があったようで、恐縮に存じます。

 京都国立博物館は本学から至近、土曜講座の会場も本学(J校舎525教室)ですから、当ゼミ関係者はぜひこの機会をお見逃し無きように。
 私も17日の午後は京都の日蓮宗について、しっかり勉強させていただこうと思っております。

 元木先生に重ねて御礼を申し上げる次第です。

髙橋昌明先生の新著、来月刊行

No.6857

 先日の新聞にPPMのマリー・トラバースが亡くなったという記事が載っていた。
 われわれが、君たちと同じくらい若かった頃、周囲にあったものが、どんどん遠ざかっていく。大学に入った年に買ったギターが、骨董品と言うより、まるで出土品みたいになって立てかけられている。
 本当に月日は人を待ってくれません。

 昨日、ひさしぶりに髙橋昌明先生と電話で話す機会がありました。来月、岩波新書で『平家の群像 物語から史実へ』という本をお出しになるそうです。
 短大基礎教養科目の参考書に追加します。先に御紹介した上横手雅敬先生の『平家物語の虚構と真実(上)(下)』(塙新書)と併読して下さい。

 今朝の『京都新聞』に京都女子大学の広告が載っていましたが、『朝日新聞』にはミネルヴァ日本評伝選の広告が破格の全面で載っていました。
 『北条時政』執筆の遅延、ちょっと後ろめたい気分でおります。

『源氏と坂東武士』第二刷が出来ました。

No.6855

 奥付の発行日は十月一日になっていますが、『源氏と坂東武士』(吉川弘文館 歴史文化ライブラリー)第二版が手もとに届きました。そろそろ書店店頭にも並び始めたと思います。

 といっても、わずか800部の増刷ですから、配架される書店も大都市の大書店に限られてしまうと思います。なにしろ当節は、書店といっても並んでいるのはコミックものばっかりで、専門書どころか拙著程度の本すら置いてあるところは数少なくなりましたから。

 今回の増刷に際し、著者として気になるところの訂正のお願いを、版元はすべて聞き入れてくれました。吉川弘文館に感謝です。

 研究書は、版の新しいものほど中味がちゃんとしているはずです。本書に限らず、拙著には骨董品的価値が生じる可能性は、まず無いと思いますので、もし御購入下さる場合は、版の新しいものを選んでお求めください。

 ところで、本日の岩田君の研究報告は如何でしたでしょうか?

 私の方、「七条町」の論文は一向に進んでおりません。シルバーウィーク(老人週間?)に賭けたいと思っています。

本学新学長に川本重雄先生。

No.6852

 日頃、大変お世話になっている川本重雄先生(現、家政学部長)が10月1日付で、本学学長に就任されることになりました。

 川本先生には、「寝殿造」に関する御研究のほか、主催されたシンポジウムなどで多大な学問的恩恵を与えていただいていることは言うに及ばず、昨年度の当研究所公開講座で講師を引き受けていただいたり、先生の研究室の優秀な院生の方たちが当ゼミで活躍して下さったりで、公私ともに御教導・御助力にあずかっていること多大なものがございます。
 大変な時期の御就任ですが、川本先生なら必ず良い方向に導いてくださると確信しております。
 御活躍を期待申しあげるところです。

 ☆ 愛知大学の山田邦明先生より、新刊の御高著『日本中世の歴史5 室町の平和』(吉川弘文館)を御恵送いただきました。
 「あとがき」の室町時代の平和と今日の日本の共通性の御指摘は新鮮です。また、参考文献欄には京都で活躍されている若い方々(当ゼミ出身者のフィアンセを含む)のお名前が並んでいて、中世史研究の世界の世代交代を実感させられました。
 山田先生にあつく御礼を申し上げます。

15日(火)の『吾妻鏡』講読会は休止

No.6846

 直前のことで申し訳ありませんが、諸般の事情により、明日(15日)の『吾妻鏡』講読会は休止させていただきます。したがって、開始は29日からということになります。
 本日の『小右記』講読会ならびに木曜日の『吾妻鏡』講読会(治承四年)は予定通りです。

 なお、>>No.6831でお知らせしたように、18日(金)に、岩田君が大阪歴史学会の中世史部会で研究報告をされますので、時間のある人はこれに出席して下さい。

後期ゼミ始動。

No.6848

 イチローもエライが、大谷さんもすごい!

 昨日の『小右記』講読会は国文の院生のほかに史学科の学部生も参加。
 長和四年五月一日条の記事に関連して、「法華三十講」について大谷さんが詳細な報告をしてくださいました。大谷さんは研究の面白さを掴み、このところ絶好調なので、聴いている側も楽しくなります。もちろん、たいへん勉強になりました。
 さ来週も後半のお話しを楽しみにしています。

 山本みなみさんから、岡山のお土産「きび田楽」をいただきました。木曜日の『吾妻鏡』までは、無くならないように(一人で食べ尽くさないように)自重したいと思います。

 ☆ 先年の鹿児島ゼミ旅行で、隼人塚などを御案内頂いた霧島市教育委員会の重久淳一先生より、ミュージアム知覧の企画展「獣骨を運んだ仲覚兵衛と薩南の浦々~知覧・頴娃に残る海運資料と発掘調査速報展~」図録、ならびに、先生の御高論「貿易陶磁器の終着点-錦江湾奧部の遺跡-」収録の南さつま市坊津歴史資料センター輝津館企画展「海上の道と陶磁器」図録を御恵送いただきました。
 重久先生に、あつく御礼を申し上げます。

基礎教養科目も講義開始!

No.6850

 本日は短大の基礎教養科目「源平内乱の時代を京都で生きた人たち」の最初の講義。
 どんな学生さんが受講してくれるのか、いささか心配していたのですが、みんな熱心に楽しそうに聴いてくれて幸せでした。人数も適切。

 教室(A403)も眺望抜群。南側は新日吉神社、西側は京都タワーを望み。その向こうに西山が連なります。法住寺殿や八条院御所の跡地を遠望しながら、『平家物語』の時代の講義が出来るなどと言うのは・・・。
 あらためて、京都女子大学で教壇に立てる幸せを実感させていただきました。

 受講の諸姉に、どんな人物や事柄を取り上げて欲しいかと尋ねてみたところ、「熊野」という声あり。なぜか「熊野」は京女生に人気があります。これは「源為義」をテーマとする回に触れることが出来るでしょう。「新宮十郎行家」もいましたね。
 「和宮」というリクエストもありましたが、これは時代が離れすぎ。
 代わりに、和宮と同じように、関東の将軍に京都から嫁いだ坊門信清の娘「西八条禅尼」のお話しでも致しましょうか?

 今年度の後期。楽しくなって参りました(ただし、原稿執筆の遅延による憂鬱を除く)。

後期『小右記』ゼミ再開

大谷久美子
No.6851

私、京女生に人気という熊野出身。武蔵坊弁慶と同郷でございます。

14日(月)『小右記』講読会が再開されました。
後期は史学の御方が2名も御参加くださり、嬉しい限りです。
他学科の方との交流は大切にしたいものです。

先日は未熟な発表だったにもかかわらず、過分なお褒めにあずかり恐悦至極です。
次回からも気を引き締めて取り組んでいきたいと思います。
どうぞ宜しく御指導下さい。

さて、つに再開致しました『小右記』講読会。
次回講読範囲および場所は以下のようになります。

日時;9月28日(月)13時~14時30分
場所;L校舎3階共同研究室
講読範囲;『小右記』長和四年五月一日条

講読会参加を希望される方がいらっしゃいましたら、どうぞ気軽においでください。

『吾妻鏡』講読会(治承四年)も再開!

No.6854

 >大谷さん 頼りに致しております。

 さて、本日、『吾妻鏡』講読会(治承四年)もスタート。学部(史学科・国文学科)2回生6名、院生1名(家政学研究科)が集合。
 ちょうど、黄瀬川の陣で源義経が兄頼朝と対面を遂げたところから。さすがに、みんなスラスラと読めるようになりました。
 後期初回なので、郷里や旅行先でのお土産がいっぱい(スパイダーマンのチョコもあります)。ありがとうございました。

 ☆ 千葉県立浦安南高校の外山信司先生より、御高論「堀田正睦と藩校成徳書院」掲載の『風媒花』第22号(佐倉市教育委員会)を御恵送いただきました。
 堀田正睦は本来の名は正篤(まさひろ)だったが、将軍家定に篤姫が輿入れしたために、「篤」の名を憚って正睦に改名したということを始めて知りました。
 それから、幕末維新期の佐倉藩で城代家老をつとめた平野重久の著『佐倉藩雑史』に、ある時期の藩内の風潮について「少年の学問を好み勉強する者は、衆挙りて之を憎み、或いは之を辱め(中略)、多人数にて之を嘲弄し、言うべからざる恥辱を与え」とあるのは、「まさに、今日の学術研究を取り巻く環境、そのままじゃないか」と言いたくなってしまいました。
 また、同誌には近年発掘調査が進み、国史跡に指定された本佐倉城跡の鳥瞰図も載せられており、学生時代、まだ関心をもたれることの少なかった千葉県内の中世城郭跡を歩き回った私としては、興味津々たるものがございました。
 ちなみに、私の父方の祖父母はともに佐倉の生まれです。
 外山先生に、あつく御礼を申し上げます。

上越市と野口ゼミ

No.6840

 みなさまお久しぶりです。鈴木潤@同志社高です。
 しばらく野口先生の書き込みが連続しているので、リリーフとして登板です。

http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000909120005
↑新聞にもでかでかと掲載されていましたが、上越の話題がトップニュースですね。

 京都に住んでいると、新潟とか長野とか位置関係がさっぱり概念としてつかめていなかったのですが、今年の夏に丸山さんち(田中さん)へ遊びに行った際に、いろいろと連れて行ってもらい、地理的な感覚を実感できました。

 今年の夏休み(といっても教員は仕事ですが)は、出張やクラブ合宿で福井(鯖江)や仙台にいろいろととびまわっていたのですが、県民性というかその土地の雰囲気は、実際にその場所に立って感じるのが一番だと改めて思いました。

 そろそろ大学も秋学期or後期もスタートでしょうか。ぜひ野口ゼミ現役生も旅行・帰省報告を載せてください。
 ちなみに丸山さん(田中さん)、上越のほうの状況どうですか????

上越市民です

田中裕紀
No.6842

呼ばれて飛び出て・・!です
京都府立総合資料館で展示されていた、直江版『文選』も見逃してしまった残念に思っていたんですが、上越に引っ越して来て、まさかこんなに早く大発見に出会えるとは・・!
という感じです。今日は、我が家でとっている新聞3紙すべてで第1面でした。
天地人博だけで盛り上がってちゃダメなのです(ここ強調!)。
新潟県にほんの数ヶ月住んで思った事なので見当違いになるかもしれませんが、
こちらの文化事業への関心は大変に偏っています。今年は大河ドラマの影響が大きすぎて、やや食傷ぎみです。
なので、今回の屏風が、現段階の上越でどれくらいの知名度なのかは正直分かりません。
その辺も含めて、是非とも近いうちに観に行こうと思っていますし、
これが文化事業推進の一端になればいいなあと思います。

田中さんのお嫁入り道具説

No.6843

 京都では『朝日新聞』がスクープをとったようで、昨日夕刊の第一面でした。
 「えっ、上越市」ということで、田中さんがお嫁入り道具に京都から持って行ったのかと思いましたよ。
 米沢市立博物館所蔵の上杉本『洛中洛外図屏風』は、織田信長が上杉謙信に贈ったものと伝えられているので、これは豊臣秀吉が上杉景勝に贈ったものなのかも、と想像したりしていたのですが、伝来は複雑なようですね。
 ともかく、これはとんでもなく貴重な発見です。明らかに出来ることは山のようにあると思いますが、聚楽第の天守閣が、これほどはっきりと描かれているものは他にありません。
 みなさんもよく御存知の某女子大学の考古学の先生は、ひそかに法勝寺九重塔・東山大仏殿・二条城天守閣などなど、京都に建てられた歴史的高層建造物の復原を企てておられるとの噂を耳にしたことがあるのですが、この報道で、おそらく聚楽第天守閣もその対象に加えられたことと推測されます。

 それにしても、京都と上越の御縁がまた一つ増えたとことは間違いありません。
 京都出身の文化人である丸山夫人には、この屏風に描かれた通りや人物について地元の方々にしっかりと説明が出来るように、よ~くお勉強をお願い申しあげます。

『紀要』・『研究所だより』の在庫処分

No.6839

 当研究所の『研究紀要』ならびに『研究所だより』の拙稿掲載号の中で以下の巻号に在庫があります。
 必要な方は、残部のある限り差し上げますので、お知らせ下さい。ただし研究室に取りに来られる方に限ります。

 『研究紀要』第15号(平成14年3月)
     野口実「法住寺殿と小松家の武将たち」
     山下克昭「陰陽道と安倍晴明」公開講座講演録
     柳原敏昭「室町の王権と陰陽道」同上
                      など掲載(掲載順、以下同じ)
  同    第17号(平成16年3月)
     野口実「院政期における伊勢平氏庶流(補遺)」
     野口実・山田邦和「六波羅の軍事的評価と法住寺殿を含めた空間復元」
     佐伯真一「『平家物語』合戦談のリアリティー-橋合戦を中心に-」公開講座講演録
     山田邦和「消えた建春門院陵を探る」同上
                      など掲載
  同   第18号(平成19年3月)
     野口実「慈光寺本『承久記』の史料的評価に関する一考察」
     源健一郎「『平家物語』と風景-清盛の見たもの/清盛を見る者-」公開講座講演録
     川合康「治承・寿永内乱と伊勢・伊賀平氏-平氏軍制の特徴と鎌倉幕府権力の形成-」同上
                      など掲載
 『京都女子大学宗教・文化研究所だより』第45号(平成19年7月)
     野口実「頼朝の六波羅邸-鎌倉幕府と都市京都-」公開講座講演録要旨
     瀬田勝哉「秀吉が伐らせた木-東山大仏殿材木と富士山-」同上    
                      など掲載

家宅捜索の日々

No.6838

 昨日は『台記』研究会で、久しぶりに京大に行きました。あまり早く着きすぎたので、総合人間学部(旧・教養部)正門脇のベンチで、しばし持参の抜刷に目を通していたのですが、風が心地よく、ようやく秋の訪れを感じることが出来ました。これなら、ものを考え、書く意欲も湧こうというものです。
 今夏、関西は猛暑続きでしたが、関東はだいぶ涼しかった由。来春あたりに刊行される学術雑誌は関東以北の方たちによる論文で満たされることになるでしょう。

 ようやく気候がよくなったので、執筆が捗らなければならないのですが、「あるはずの本がない。FDに保存したはずのファイルがない。」というわけで、連日「家宅捜索」を続けるばかりで、ちっとも進んでおりません。

 研究室と自宅に本や資料を「分置」してあるのですが、実態は「分散(散逸?)」と呼ぶに相応しい状態。これを、必要に応じて車で運んで、双方の仕事場で利用しているうちに、どこにあるのか訳が分からなくなるのです。最近は、並行して複数の原稿を書いていることが多いので、頭の中も混乱状態。若い頃は、自分の蔵書については、どの書棚のどのあたりにあったのかくらい、すぐに見当がついたものですが、数が増え、引っ越しを重ね、それに<耄碌>が加わりましたから、もういけません。

 一昨日から、本日にかけては秋山國三・仲村研『京都「町」の研究』、村井康彦『古代国家解体過程の研究』、野口徹『京都町屋の研究』を捜索。前二者はようやく発見いたしましたが、野口氏著は未だに行方不明です。『朱』に書いた七条町に関する拙文を収めたFDも消息不明です。

 すぐに諦めて、新たに書き始める方が賢明なことは分かっているのですが、「あるべき物がない」というのは、たいそう気になるものです。そして、そうこうしているうちにアイデアも執筆意欲も失せていってしまうというのが、いつものパターンなのであります。

 ◇ 気分転換に、石浜さんからお送り頂いた光成準治『関ヶ原前夜 西軍大名たちの戦い』(NHKブックス)を読んでいるのですが、これがとても面白い。一読をお勧めいたします。