紫苑の初校。

山岡 瞳
No.6099

>紫苑執筆者の皆さま

 早速ですが、紫苑の初校の完成が15日(金)とお伝えしておりましたが、諸事情により18日(月)になりました。したがって、初校をお渡し出来るのが、18日の4時半以降となります。受け渡し場所については、お送りするメールをご確認下さい。
 
☆初校の返却期限は29日(月)必着でお願いします。

『三浦氏の研究』が刊行されました。

No.6100

 >山岡さん  宜しくお願いいたします。印刷屋さんで添付ファイルのデータが開けなかった件は解決しましたか?

 >『紫苑』第6号執筆者のみなさん  帰省中の方もおられると思いますが、期日厳守で宜しくお願いいたします。
 校正ゲラを受け取ったら、即、はじめることが肝要です。

 ちなみに、執筆者の中には校正を旅先でされる方もおられるとのこと。その旅先というのは「奥州」とか「由布院」とか聞いていたのですが、実は欧州のウィーンなのだそうです。
 いよいよ、ハプスブルク家にまで研究対象を拡大されるのでしょうか?

 ◇ 昨年末に紹介させていただいた(>>No.6025)峰岸純夫編『三浦氏の研究』(第二期関東武士研究叢書6,名著出版,本体8500円)が刊行されました。
 私は、かねがね鎌倉幕府政治史研究において、京都との関係も含めて三浦氏の存在を再評価すべきだと考えているのですが、本書はこれからの三浦氏研究、東国武士研究に重要な役割を果たすものと思います。
 構成は以下のとおり(収録論文の副題省略)。

  まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・峰岸純夫
   第一章 相模武士団と三浦氏
 中世初期における相模国武士団・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・安田元久
 相模三浦氏についての考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・湯山 学
 十一・二世紀における相模の国衙軍制と三浦一族・・・・・・・・・安池尋幸
 三浦義澄小考・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・伊藤一美
 三浦義村小考・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・伊藤一美
 執権体制下の三浦氏・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・野口 実
   第二章 三浦氏の諸相
 鎌倉幕府と馬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・高橋秀樹
 矢部禅尼と宝治の乱・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・鈴木かほる
 三浦氏の仏教信仰とその文化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上杉孝良
 三浦義村の迎講・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・納富常天
   第三章 室町・戦国期の三浦氏
 三浦氏と鎌倉府・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・山田邦明
 戦国期の三浦氏・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・黒田基樹
   解説
 三浦氏研究の成果と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・峰岸純夫
 三浦氏関連史跡ガイド(三浦半島内)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上杉孝良
 三浦氏関係年表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・真鍋淳哉
 三浦氏関係文献目録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・真鍋淳哉
  あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・峰岸純夫

 ※ 研究室には来週中に配架します。御活用下さい。

2007年度共同研究員のみなさんへ

No.6098

 年度末近くになりましたので、連絡事項をメールにて送信させていただきました。
 ところが、辻君・長村君・永富(鈴木)さんには、登録されているアドレスでは送信できませんでした。
 つきましては、連絡内容は同じですので、身近にいるメンバーからご確認いただきますようにお願いいたします。

もと出雲高校生のみなさんのご来訪。

No.6097

 すでに、岩田君が告知して下さっていますが、下の方なので、ここにあらためて。

 ◇ 次回の『吾妻鏡』講読会
 日時:2008年2月21日(木)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』貞永二年(天福元年)九月十八日、二十四日、二十八日、二十九日、十一月十日、十二月二十九日、天福二年(文暦元年)三月五日、三月十日、六月三十日、七月六日、七月二十六日、七月二十七日、八月一日、八月二十一日、十一月二十八日の各条

 □ この前日の20日(水)のお昼過ぎに、島根県立出雲高校出身の伊藤さんをはじめとする3名の方(現在、岡山大学・島根大学・立命館大学の1回生)が、京都女子大学を訪問して下さいます。ゼミメンバーで時間のある方は、ぜひ参集してお出迎え下さい。約束の時間は13時(研究室)で、その後、学内を御案内し、昼食をはさみながら京都の眺望を楽しんでいただく予定です。
 もと出雲高校生のみなさんとは、2005年3月18日の出張講義以来、交流が続いています。

 ☆ 本日、鹿児島の江平望先生から御高論「薩摩国建久図田帳と同国目代について 付、開聞神が鹿児島神より上位であったとき」(『知覧文化』45)、大阪市立大学の仁木宏先生から御高論「日本のなかの京都-政治、経済、地域と「首都」-」(高橋康夫編『中世のなかの「京都」』中世都市研究12,新人物往来社)・「中世後期京都の都市空間復元の試み」(金田章裕編『平安京-京都 都市図と都市構造』京都大学学術出版会)・「寺内町と城下町-戦国社会の達成と継承-」(懐徳堂記念会編『大阪・近畿の城と城下町』懐徳堂ライブラリー2,和泉書院)・「戦国・信長時代の茨木の町と茨木氏」(中村博司編『よみがえる茨木城』(清文堂出版)・「敏満寺は中世都市か-まとめに代えて-他」(多賀町教育委員会編『敏満寺は中世都市か-戦国時代における寺と墓-』サンライズ出版)・「渡辺津と『寺内之浦』」(『渡辺津と八軒家-上町台地北端部の水辺空間を再現する』大阪市立大学都市文化研究センター)・「岸和田古城の歴史的評価をめぐって」(『都市空間の景観復原に関する学際的アプローチ』科研費報告書、藤田祐嗣)・「日本中世における首都京都と王権」(『中国の王権と都市-比較史の観点から-』(大阪市立大学都市文化研究センター)を合冊した抜刷集、栃木の鴨志田智啓先生から、御高論「足利高氏(高基)文書の人物比定-『長沼文書』文中の西本坊について-」(『とちぎの歴史と文化を語る会年報』5)および御高論「足利高基・政氏抗争の再検討」掲載の『戦国史研究』52、再興中世前期勉強会の鈴木由美先生から、御高論「中先代の乱に関する基礎的考察」(阿部猛編『中世の支配と民衆』同成社)を御恵送いただきました。
 江平先生・仁木先生・鴨志田先生・鈴木先生にあつく御礼を申し上げます。

延期のお知らせ

No.6089

補陀落寺跡(クダラコージ山)見学ツアー 「延期」のお知らせ

雨野です。

申込〆切の当日に、早々のお知らせで申し訳ありませんが、>>No.6086で告知いたしました2月9日(土)の「補陀落寺跡見学ツアー」は、4月初旬まで延期と決定いたしましたので、お知らせいたします。

本日の段階で、現地の積雪量が膝丈くらいに達しており、残念ながら充分な遺跡の見学が望めそうにありません。ご案内役の梶川先生と協議した結果、谷筋の雪に足を取られて滑るなどの危険を回避するため、予定日としてお知らせしていた9日・11日とも見学は断念し、改めて「4月初旬」まで延期することになりました。(11日への順延もいたしませんのでご注意ください)

雪解けを待ち、花粉の飛散量が減少する4月初旬頃(各大学の授業が始まる前頃)に、再度ツアーを企画する予定でおります。
2日間も日程を繰り合わせてご準備頂いておりました先生方、皆さま方には大変申し訳ありませんが、どうかよろしくお願い申し上げます。

>野口先生
どうかよろしくお願いいたします。

拙著『源氏と坂東武士』は、344位

No.6090

>雨野さん  緊急の告知、ありがとうございました。残念ですが、天候のことですから仕方ないと思います。

 『古代文化』の梶川先生の御高論に掲載されている写真や地図を見て、これは大変な「奥地」で、この冬は雪が多くて困難なのではないだろうかと心配していたところでした。
 4月の方が参加される方が増えるのではないでしょうか。それまでの間に事前の勉強会を開くという手もあるでしょう。何事も「塞翁が馬」です。

 大学生協神戸事業連合のHPに「2007年新刊ジャンル別ベストセラー」というのがあって、その「人文・歴史』部門の344 位に拙著『 源氏と坂東武士』(吉川弘文館 歴史文化ライブラリー234)がランクされていました。1位は内田樹『下流志向 学ばない子どもたち働かない若者たち』、2位は上野千鶴子『おひとりさまの老後』という次第。700位まで掲げてあり、なかなか面白い。
      http://www.kobe-bauc.or.jp/book/2007best_jinbun.html

 今年は『下流志向の坂東武士 戦わないつわものたち』とか『武家の棟梁の老後』なんていう本を書いてベストセラーを狙おうかと考えております(笑)。

 目下、4回生と大学院M2のゼミメンバーは院試やら口頭試問をひかえて奮闘中。後悔の無いようにしっかりやって下さい。

 ☆ 千葉県立浦安南高校の外山信司先生より、先生のインタビュー記事「戦国時代に始まる佐倉の発展」の掲載された『こうほう佐倉』(1032)を御恵送いただきました。千葉県佐倉市の中世に関する記事が満載。外山先生は私が中世後期の千葉氏研究の第一人者として最も信頼している地元の研究者です。
 外山先生にあつく御礼を申し上げます。

 ちなみに、私の父方の祖父(旧姓鈴木、屋号は大坂屋)の故郷は佐倉市内の飯塚。先祖はおそらく弥冨(岩冨)の原氏の被官だったのではないかと思います。その妻となった祖母も子どもの頃、佐倉に住んだことがあり、旧佐倉藩主の堀田邸に遊びに行ったことがあるというような話を聞いたことがあります。
 そういえば、佐倉には2005年のゼミ旅行で行きましたね。  

雲の彼方

No.6093

>野口先生

今回、梶川先生には、その、相当な山の「奥地」である雪深い現地に、下見のため、わざわざ足をお運び頂きました。
大変寒い中、お骨おりを頂き、またこの度の企画にいろいろ丁寧なご指導を賜り、大変有難く恐縮いたしております。

補陀落寺といえば、もとは清原深養父の山荘であったとされるようですが、その清原深養父が、こんな和歌を詠んでいることを、最近知りました。

    雪のふりけるをよみける
  冬ながら空より花の散りくるは 雲のあなたは春にやあるらむ   (古今和歌集・冬・330)

この歌は、実は先日、田中さんがブログに「好きな歌」として挙げられていて、それをきっかけに私も今回、改めて読み直してみたのですが。

降ってくる雪を桜花に見立てて、「冬だというのに空から花が散って来る。花が降ってくるからには、あの雲の上には春が来ているのだろうか」という歌です。

そんな深養父にもゆかりの補陀落寺跡、このたびは深き雪に閉ざされてしまいましたが、「雪を降らせる雲のすぐ向こうに春が待っている」と深養父もいう、温かい桜花の季節の到来を、心待ちにしていたいと思います。

今回は誠に残念でしたが、次回、皆さまとご一緒できるのを楽しみにしております。

都の辰巳、雪の降る

No.6094

 本日の宇治は、引っ越してから最大の降雪で、ここよりずっと積雪の多い洛北山間の補陀落寺跡の見学はまったく不可能であったことと思います。

 清原深養父の歌は、本当に希望とか一条の光を彷彿させますね。「我慢」とか「辛抱」というものは、希望があってこそ意味を持つものだと思います。
 老いぼれの私としては、せいぜい早く暖かくなって腰痛から解放されたいといったところです。

 本日、執筆遅延で御迷惑お掛けしていた原稿一件、ようやく完了いたしました。
 しかし、「負債返済の旅」は果てしなく続くのであります。                          

二月の『吾妻鏡』

No.6096

 やや中断期間が長くなってしまいますが、次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2008年2月21日(木)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』貞永二年(天福元年)九月十八日、二十四日、二十八日、二十九日、十一月十日、十二月二十九日
         天福二年(文暦元年)三月五日、三月十日、六月三十日、七月六日、七月二十六日、七月二十七日、八月一日、八月二十一日、十一月二十八日の各条
 (※掲出した範囲以外に「これは」という条文があれば、随時お知らせ下さい。)

 講読会ですが、2月21日(木)、29日(金)と開催予定です。新規メンバー随時募集中ですので、オフシーズンに史料講読に取り組んでみようという方は、まずは見学からでもお気軽にご参加下さい。

隼人文化研究会 2月例会(第382回)

No.6088

 補陀落寺跡の見学が話題にのぼっているところ、昨日の『吾妻鏡』講読会では下河辺行秀の補陀落渡海の話が出てきました。都合の良いことに『紫苑』第2号掲載のゼミ熊野旅行の写真(カラー版)
     http://donkun.ath.cx/~sion/organ/
の中に補陀落渡船の写真が掲載されているのでこれを紹介(岩田君がホワイトボードに描かれたものと完全に一致)。ちなみに、このゼミ旅行の際に渡海決行の噂もあった山本君が久しぶりに参加されていたのは何かの因縁だったのかも知れません。ところで、あの「陽二郎」は今はどうしているのでしょうか。
 それにしても熊野旅行の写真、懐かしいものがあります。このときは青岸渡寺が御実家の高木さんに熊野の絵解きから始まって、何から何までお世話になりましたっけ。かくして歴史を学びつつ歴史を構築しているというわけでありましょう。

 『紫苑』第六号。印刷屋さんが来る30分前に原稿を差しかえるという綱渡りを<決行>された方もおられましたが、無事入稿。科研費報告書の版下もノンブルを貼り付けて、やれやれと印刷屋さんにお渡ししたのですが、後になって目次に各項目のページをいれるのを忘れるという大失態に気がつき、さっそく印刷屋さんにフォローをお願い致しました。細かくて儲けの少ない仕事をしてもらっている上に、こちらのミスの後始末までさせてしまって、印刷屋さんには本当に申し訳ない限りです。

 共同研究と科研研究の成果報告の目的もあり、この17日に鹿児島の隼人文化研究会で発表をさせていただくことになりました。同会事務局の永山修一先生から、2月例会(第382回)の詳細については、以下のようなお知らせをいただいております。

  ◇ 隼人文化研究会2月例会(第382回) 
   1 日時 2月17日(日)午後2時00分~
   2 場所 鹿児島県歴史資料センター黎明館 3階講座室
   3 報告
      ① 「戦国期の伊集院忠棟と島津氏老中制」 松 迫 知 広 氏
      ② 「地域史研究における京都認識-閑院内裏・宇治と南九州・奥羽-」野 口 実 氏

 今回、同行者はなく、一人でまいります。鹿児島の皆様との旧交を温める機会となれば幸いです。何卒宜しくお願い申しあげます。

お待ちしております

新地 浩一郎
No.6091

 野口先生、ゼミの皆様、ご無沙汰しております、鹿児島の新地です。昨年12月1日に、川辺町・知覧町・頴娃町が合併し、南九州市となりました。私は教育委員会文化財文化財係としてミュージアム知覧に勤務しております。昨年一年間は色々とありましたが、何とか乗り切ることができました。今年(こそ)は自分の研究に手をつけたいと思っています。
 17日はぜひお話を聞きに伺いたいと思っています。なお、旧川辺町で2つの中世の遺跡の発掘が行われていますので、もし先生がお時間があればご案内したいと思っています。一つは15日で終わってしまうのですが、13~14世紀の遺跡、もう一つは地頭仮屋跡で、こちらは5月までの予定です。また、ミュージアム知覧では、「知覧の棟札」という特別展も開催中です。
 お会いできるのを楽しみにしております。
 

新地さん、ありがとうございます。

No.6095

 >新地さん お久しぶりです。直接御連絡を差し上げようと思っていたのですが、後手に回ってしまいました。
 PCのメール検索機能が働かず、新地さんのメールアドレスが見つからないので、恐縮ですが、当方宛にメールをお送り下されば助かります。

 17日の隼人文化研究会では、最近の研究成果の御報告を兼ねて、一昨年の秋、東北大学で開かれたシンポジウム「東北像再考:地域へのまなざし、地域からのまなざし」に参加させていただいたことを契機に考えたことなどを述べさせていただこうと思っています。焦点のない話になってしまうかも知れませんし、レジュメも上手く作れるかどうか心配です。
 いずれにしましても、再会を楽しみにしています。

 鹿児島在住の頃、上田先生をはじめ、ミュージアム知覧の学芸員の方々には大変お世話になりました。素晴らしい拠点を得られて、さらなる御活躍を期待いたしております。

清水眞澄『音声表現思想史の基礎的研究』

No.6087

 >雨野さん 補陀落寺跡見学ツアーの告知をありがとうございました。
 地理的視角から行動的に古典文学に挑まんとする試みに拍手喝采です。その成果が、博士論文に結実されることを楽しみに致しております。

 ところで、雨野さんのように、大学院で国文学を研究している女性にとって、先輩格にあたる清水眞澄先生が、長年の研究成果をまとめた論文集『音声表現思想史の基礎的研究 信仰・学問・支配構造の連関』を三弥井書店から刊行されました(A5判,本文417頁,索引付き,本体8500円)。清水先生は専攻こそ異なりますが、私の母校の後輩にあたり、目下、その青山学院大学などの非常勤講師をつとめておられます。
 本書は今日における音声思想史研究の到達点を示したもので、中世文学のみならず、広く中世前期の文化史を対象とする研究者には必読の文献といえます。

 それにしても、女性が家庭と学問研究を両立させることの困難さは、その障害物そのものの立場を担っている私としては深く認識するところであり、その意味からも本書の刊行に敬意を表させていただくとともに、御恵送にあつく御礼を申し上げる次第であります。
 なお、お送りいただいた本の間に挟まれていた添状に「本書によってこれから得るであろう未来の友を思い、前へ進むことを願っております」という一節には感銘を受けました。
 当ゼミメンバーの諸姉も清水先生をお手本に努力していただければと思います。

 ☆ 京都文化博物館在職中に同僚だった畏友で、京都府立総合資料館の大塚活美先生から、先生のお父上である大塚勘二郎さんの御著書『村里に生きる 東近江の農村の生活』(サンライズ出版)を御恵送いただきました。著者の自分史であるとともに、地域の歴史と民俗に関する貴重な記録になっています。「この父にして、この子あり」。大塚先生が歴史学の道を志した背景がよくわかりました。
 大塚先生にあつく御礼を申し上げます。 

 さて、その大塚先生が4月3日(木)総合資料館において、「京都の鉄道文化史」というテーマで講演をなさいます。企画展『地域をむすぶ―京都府の交通史―』の記念講演として行われるものです。
 最近、当ゼミ関係者にも鉄道ファンが急増しているようなのでお知らせまで。
 詳しくは→http://www.pref.kyoto.jp/shiryokan/fuminkouza.html

「補陀落寺」跡見学ツアーのお知らせ

No.6086

京都市左京区静原町「補陀落寺」跡見学ツアーのお知らせ           
                            (申し込み締切:2/6)

野口先生、こんにちは。長文の告知、お許しください。
ゼミメンバーの皆様に、お知らせです。

このたび、下記の詳細で、「補陀落寺」跡地見学のツアーを個人的に企画しました。
ゼミメンバーでご興味お有りの方は、雨野のメールアドレスまで、2月6日迄に、下記の要領でお問い合わせください。

                       記

このたび、洛北の山岳寺院「補陀落寺」の跡地への見学ツアーを実施いたします。
補陀落寺は、記録によれば清原深養父の山荘を基とし、天台座主・延昌によって創建された寺で、『今昔物語集』巻15-27の記述や、『平家物語』「大原御幸」の後白河法皇叡覧の記事によっても知られます。
また、奥州平泉・毛越寺の吉祥堂の本尊は補陀洛寺本尊を模刻したものであるとする、『吾妻鏡』の記事によっても注目されます。

中世以降に廃絶し、近世では「幻の寺」となっておりましたが、地元では山中にある礎石の存在が寺の痕跡として伝承されてきており、近年、改めて京都市埋蔵文化財調査センターによる調査がなされ、通称クダラコージ山中で、寺跡と見られる遺物が改めて確認されたことが話題を集めました。

   参考文献:
   ・梶川敏夫氏 「京都静原の補陀落寺跡 -平安時代創建の山岳寺院跡-」
    (「古代文化」1990年3月  40頁~)

今回は、上記の梶川敏夫先生(京都市文化財保護課)に、ご多忙の中、現地へのご案内をお願いしております。厳寒の山中での見学となりますが、市内からでもなかなか訪れにくい場所への踏査ですので、ご興味お有りの方は、この機会にご一緒しましょう。

日程:2008年 2月 9日(土)
   ※ 天候によって、2月11日に順延します
   ※ 順延の場合はメールにて前日までにお知らせ致します

集合場所・集合時間は未定
   ※ 追って参加希望者の方に連絡させて頂きます

現在、数人の先生方や、同志社・京大の学生を中心に、10数名程度の参加希望者がおられます。参加をご希望の方は、上記のyahooアドレスか、雨野の携帯まで、メールにて、

●「順延の場合、お知らせを受け取れるメールアドレス(携帯など)」
 を明記の上、
●「順延する場合、11日(祝)にも参加可能か否か」

を、必ず明記の上、お申し込みください。

当方は掲示板を自宅で見られない環境にありますので、この掲示板にお申込み・お問合わせをして頂いてもお返事は出来かねます。お手数ですが必ず、メールにてお申し込み頂けますよう、お願い致します。

※当日はお昼をはさみますので、お弁当をお持ち下さい。

※相当な寒さと、湿気による足元の悪さが想定されます。
 充分な防寒や雨具など、各自でご用意頂けますようお願いいたします。
 (注意事項や持ち物の詳細は、参加者に追ってご連絡します)

※前日までの気象状況などによって、順延・中止の可能性があります。
 また、当日の残雪の状況により、現地での遺跡の見学が充分にできない
 可能性もあります。 あらかじめご承知おきください。
                                    以上
 
このような企画立案は初めてで、若輩者ゆえ不手際も多々あるかと存じますが、よろしくご指導くださいませ。
まずはお知らせまで

>野口先生
よろしくお願いいたします。

雨野  弥生

私立大学の教員は目下大忙しなのです。

No.6085

 科研費の報告書の版下の作成も成績処理もまだ済んでいないというのに、今週は締め切り間近の来年度用シラバス執筆も重なり、いささか混乱を呈しております。

 こんなときに本務外の《原稿催促》など「以ての外」のことですから。

 一方、『紫苑』の編集は順調に進んでいます(私の執筆部分を除く)。また、『吾妻鏡』講読会も4日に再開されます。みんな山岡さんや岩田君をはじめとするメンバー諸姉兄のおかげです。
 ただ、ゼミ例会も宇治の研究会も2月の開催は難しそうです。そこで、研究意欲満々の方は日本史研究会の中世史部会にいかれたら如何でしょうか。報告者は当ゼミ由縁の坂口君です。

   2月19日(火)18:30~ 機関紙会館3F
   坂口太郎氏「遍智院宮聖尊法親王について―南北朝動乱と密教僧―」
   《参考文献》
     今川佳世子「醍醐寺遍智院をめぐる三宝院賢俊と遍智院宮聖尊の相論について」
          (『鴨台史学』4、2004)
     森茂暁『南朝全史』第4章「南朝を読み解く」(講談社、2005)

 ☆ 京都精華大学の堤邦彦先生より、新刊の御高著『江戸の高僧伝説』(三弥井民俗選書、三弥井書店)を御恵送いただきました。
 北条氏の三鱗紋や関東の親鸞伝説の話など、私の研究テーマに即しても興味津々の内容です。
 堤先生にあつく御礼申し上げます。
 
 >末松さん  御覧になっていたら、先生に宜しくお伝え下さい。 

もうすぐ中世戦記研究会

No.6083

 科研費報告書作成の合間に、27日(日)に開催される中世戦記研究会例会で担当させていただく輪読(『真名本曾我物語』巻八)の資料を作成。
 といっても、期末テストの採点も重なって、その場しのぎの感は免れず。まったく「論」をなしておりません。分かる範囲で登場する武士の人名比定を行い、歴史サイドから興味のひかれる記事を指摘する程度に過ぎない報告になると思います。ただし、例の如く、資料には系図と地図はたくさん入れておきました。
 そんな次第で、今回の例会で期待すべきは二つの研究発表。すなわち、

  鈴木啓子氏「『平家物語』における徳大寺実定説話 ―左大将就任をめぐって― 」

  生駒孝臣氏「治承・寿永内乱期の渡辺党(仮)」

 生駒さんは、私から御報告をお願い致しました。目下、畿内武士団とりわけ「渡辺党」研究の最前線におられる気鋭の研究者です。わざわざ関西からお運び下さいます。
 関西からは、初参加の方がもうお一人。名論文として評価の高い「徳大寺家の荘園集積」(『史林』86-1)を書かれた「御存知!」佐伯智広君です。かくして、鈴木さんの御報告も更に大いに楽しみ。議論沸騰を期待するところであります。

 行きもしないうちから、当日日帰りで、即、帰洛しなければならないことを本当に残念に思っております。

 ☆ 本日、脇田修先生・晴子先生から御夫妻の御共著『物語 京都の歴史 花の都の二千年』(中公新書)を、また、奈良大学の河内将芳先生より御高論「南都園会に関する二、三の問題」(『立命館文学』602)を御恵送いただきました。
 脇田先生御夫妻ならびに河内先生にあつく御礼を申し上げます。

「中世戦記研究会」日帰り報告。

No.6084

 中世戦記研、行って参りました。会場に行く途中で志立先生に出会って、最初に出た言葉が「今日は寒いですね」。言ったとたんに「あっ、しまった!」。
 ※ なぜかは申すまでもありますまい。

 私の「かる~い輪読」は論外として、本日の2つの研究報告はとても充実した内容。
 佐伯君にも期待通りのコメントをいただきました。東京で見るお姿の方が頼もしい。ひょっとしたら、佐伯君には東京の水が合うのかも知れません。ちなみに、帰洛の暁には大学院の後輩の某君がアイスクリームをご馳走してくれるのだそうです。
 ※ どこのアイスクリームかはお分かりですよね。

 生駒さんには、さっそく御報告内容の論文化をお願い致しました。私には、むしろ、渡辺党の研究から東国武士の存在形態について考え直すヒントが得られそうに思えました。

 今回も又、ご参会の方々から、たくさんの研究業績を拝受致しました。みなさまにあつく御礼を申し上げる次第です。

 さてさて、懇親会は失礼させていただきましたが、伊藤さん、如何でしたか?

【追記】 先年の東京ゼミ旅行のさい、大変お世話になった浅草金龍寺ご住職の並木優記師より、師が訳注・資料の作成を担当された野口善敬編著『禅門陀羅尼の世界-安穏への秘鍵-』(禅文化研究所)を御恵送いただきました。
 並木師にあつく御礼を申し上げます。

第3回「国家と宗教」輪読会のご案内

No.6080

 以前お知らせした輪読会の次の日程がまた決まりましたので、再び宣伝させていただきます。

日時:2月13日(水)
   13:00~15:00(予定)
場所:大谷大学 響流館 3F 演習室4
*地下鉄烏丸線「北大路」下車、6番出口上がってすぐです。

●末木文美士氏『日本宗教史』(2006年、岩波新書)
・Ⅱ神仏論の展開〔中世〕 P70~121

 前回の輪読会では、自分の力不足のために議論に発展できるような意見が示せず、私がお世話になっているゼミの木場明志先生や先輩にだいぶ助けていただきました;;学生の参加者は私を含めると4人でしたが、何とか担当者の人数は揃ったので続ける事ができそうです。
 以前、学生達がこのような輪読会を行う事が珍しくなかったというのは初めて知りました。自分がこのような活動を行う機会に恵まれた事を感謝せねばと思います。今後もこの輪読会を続けられるように努力したいです。

今年の中世史サマーセミナーは鹿児島で。

No.6081

 1960~70年代の大学生は、岩波文庫などでよく討論の機会をもったものです。
 私の場合は、高校時代に仲間たちと読んだ高島善哉『社会科学入門』(岩波新書)から、とても大きなインパクトを受けました。
 受け身の授業だけでは自ずと限界がありますね。
 
 まだ年度が終わっていないにも拘わらず、目下、科研の報告書づくりに追われておりますが、大方の御助力を得て、何とか見積もりをとれる段階まで到達。一安堵したところです。
 しかし、<中味>が問題!

 ☆ 本日、鹿児島大学法文学部の金井静香先生より御高論「鎌倉後期~南北朝期における荘園領主の変容-本所と中世国家-」を御恵送いただきました。
 金井先生にあつく御礼を申し上げます。

 ちなみに、同じ鹿児島大学の教育学部におられる日隈正守先生からは、本年度の中世史サマーセミナーが鹿児島で開かれるとのお知らせをいただきました。
 鹿児島での開催は15年ぶり。前回開催の時は私も鹿児島におりましたので、事務局を担当された柳原敏昭先生のお手伝いを少しばかりさせていただきました。あの夏、鹿児島は500年に一度といわれる程の大豪雨の直後、交通網が寸断された中での開催で、柳原先生と鹿児島の若い研究者の方たちの御尽力には頭が下がる思いでした。
 今年は一日目に、持躰松遺跡関係、鹿児島神宮や大慈寺(志布志)の交易関係の報告がなされ、二日目は志布志の大慈寺(文書・宝物)・宝満寺跡・志布志城跡出土遺物・山宮神社・波貝の湊・下伊倉城跡など、三日目は鹿児島神宮(文書など)・神宮寺・神官館跡出土遺物などの見学を行う予定とのことです。
 鹿児島に行ったことのない方は、ぜひこの機会をお見逃しなく。

 書信といえば、神戸大学の髙橋昌明先生の最終講義の御案内をいただきました。高橋先生とはじめてお目にかかったのは、先生が40歳代になったばかりの頃。
 あれから、もう四半世紀近く経過したのかと思うと、時の流れの速さに戦慄を禁じ得ないものがあります。 

『吾妻鏡』講読会のご案内

No.6082

 今週は気が付くとすでに木曜日が過ぎ去ろうとしております。遅くなってしまいましたが次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2008年2月4日(月)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』貞永二年四月十五日、十六日、五月十九日、二十七日、六月十九日、七月九日、二十日、八月十八日、九月十八日、二十四日、二十八日、二十九日、十一月十日、十二月二十九日の各条
 (※掲出した範囲以外に「これは」という条文があれば、随時お知らせ下さい。)

 講読会ですが、2月4日(月)、21日(木)、29日(金)と開催予定です。新規メンバー随時募集中ですので、オフシーズンに史料講読に取り組んでみようという方は、まずは見学からでもお気軽にご参加下さい。