宇治市街遺跡で宋代の白磁水差し出土

No.5970

 JR宇治駅近くの宇治市街遺跡の発掘調査で、平安時代後期の大型の建物跡のほか、宋から輸入された白磁の水差しの一部、平等院内の建物屋根に使用されていたのと同型の瓦などが見つかったとのこと。

 http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007102600144&genre=M2&area=K20

 現説は行われないようです。

 ☆ 帝京大学の吉田賢司先生より、御高論「室町幕府による都鄙の権力編成」(中世後期研究会編『室町・戦国期研究を読みなおす』思文閣出版)を御恵送いただきました。
 吉田先生にあつく御礼を申し上げます。また、関東でのますますの御活躍を期待いたしております。

 京都の中世前期を専攻されている若手研究者の方々には、ぜひに『院政・鎌倉期研究を読みなおす』の刊行をお願いしたいと思います。

「藤原成親」-『台記』研究会の奇跡-

No.5968

 科研の申請書がなかなか「書けん」ので、昨日の研究会の御報告などをさせていただこうかと思います。

 一番の驚きは、急病で出席が叶わなくなった報告者(この場を借りてお見舞い申し上げます)にかわって、その日のうちに、仕事をこなしながらレジュメを作成され、しかも本邦初公開(オリジナル)の御報告をされた元木先生の神業。
 テーマは「藤原成親」。従来不評であったこの人物に対する評価が大きく変更を余儀なくされることは必定のようです。
 東国武士団研究における新たな視角の御提示もあって、いつものように、お話しの内容にはすっかり感服させられましたが、手書きのレジュメもとっても良かったと思います。

 本当に、昨今のパソコンで入力された文面は面白くない。これに対して、手書きの手紙や原稿からは、書いた人の人柄がじかに伝わったきます。
 パソコンは現代の情報交換の主役のようにもてはやされていますが、実は人間社会にとって一番重要な情報を抹殺する恐るべき機械でもあるのだと思うわけです。

 ところで、昨日の研究会には御上洛(在京活動)中の近藤好和先生も御出席下さいました。おかげて研究会はさらに盛り上がったという次第です。
 近藤先生には来年度の研究所公開講座に御出講(貴族などの装束のお話)いただく予定ですが、早くも講座後の懇親会会場とお料理のご注文まで頂いたようです。
 「終身幹事」の山岡さん、くれぐれも宜しくお願いいたします。

 秋田大の志立先生から、次回「中世戦記研究会」で『曽我物語』巻八の輪読担当の御依頼をいただきました。この巻は鎌倉幕府に結集した各地の武士たちの名前がズラリと登場いたしますので、これは是非お引き受けしたいところですが、入試時期に重なるのと、体調が問題です。
 体調は如何ともしがたいことなのですが、なんとか日程調整をさせていただければと考えております。

 さてさて、それでは「書けん科研」にもどりたいと思います。

博物館の季節。

No.5969

 科研の書類、本日提出いたしました。
 次は懸案の書評に取りかかりたいところなのですが・・・。

 ☆ 本日、安土城考古博物館の山下立先生より、秋季特別展『戦国・安土桃山の造像Ⅱ-神像彫刻編-』の図録ならびに招待券を御恵送いただきました。
 この特別展の開催期間は  平成19年10月13日(土)~11月18日(日)
 詳しくは→ http://www.azuchi-museum.or.jp/ 
 いつも掛け声ばかりですが、日帰りで簡単に行けるところですから、是非出かけてみたいものです。
 山下先生に、あつく御礼を申し上げます。

 本日の京都は雨模様。東山の研究室には、遠くの雷の音が聞こえてきます。
 京都国立博物館の狩野永徳展は連日超満員の由ですが、今日はどんなものでしょうか?
 いただいた招待券があるので、見学に行きたいとは思っているのですが・・・。
 そういえば、愛知の野口君が見学に来られる由。日が決まったら御連絡下さい。

恐るべし、ATOK!(←永徳)

雨野 弥生
No.5973

野口先生、ご無沙汰しております。

脅迫、ではなくて京博で開催中の、「狩野永徳展」。
今日は、雨なので少しすいているかと向かったのですが、
やはり超満員で一時間待ちでした。
お目当てだった土曜講座(午後13:30~)も、超人気
で午前中に整理券配布を締め切ったとか。

整理員の方いわく、朝一番でも300人ほど並ぶことが
あるそうで、強いていうなら、平日夕方、閉館直前がすく
ので4時ごろ来館がオススメです、とのことでした。

外がこれなら、中は展示物をじっくり見られる状況ではない
なとあきらめて、今日は常設展だけ見て参りました。

おそるべし、狩野ATOK(えいとっく)!!

なお、私も七条大橋上で、東山にかかる大きな虹を見ました。
きっと、先生が御覧になったのと同じ虹ですね。鮮やかでした。

観光シーズンに京大と京女は縁遠くなる?

No.5974

 京博、午後一時過ぎに車で前を通りましたが、大混雑の様子でした。狩野永徳の展覧会が始まるまでは、駐車場も空いていたようでしたが。
 雨野さんのように、私も特別展を見に行ったのに、行列に驚いて常設展で済ませてくることがあります。ただ、京博は所蔵品にとんでもない優品が多いので、かえって常設展の方が良かったなどということもありました。

 しかし、これから京都は本格的な観光シーズンで、また東大路が混雑する。そうすると、京女と京大の時間距離は二倍に拡大してしまうのです。
 自転車利用の皆さんも気をつけましょう。

狩野永徳展に行くのは可能?

No.5977

こんにちは。ご無沙汰しております。愛知の野口です。
永徳展想像以上の人手のようですね。先週の日曜美術館で特集された影響もあるのでしょうか?専門美術雑誌等にも大々的に紹介されていましたので、それも仕方ないですかね…。
永徳展には是非行きたいのですが、仕事の事もありなかなか時間がとれません。ただ再来週水曜日に休みが取れそうなので、友達とも相談してその辺りに上洛しようかと考えております。もしそのおりにでも、皆さんにお会い出来れば幸いです。

秋晴れの京都は心地好さそうですね。愛知にいながら心はいつも京都にある野口です。

可能ATOK!

No.5978

 野口君も教壇でそんな「オヤジ・ギャグ」を連発するようなお立場になったわけですね。
 再来週の水曜日というのは11月14日でしょうか。

 それにしても、「愛知にいながら心はいつも京都にある」とは、織田信長のごとし。
 まずは、岐阜と安土に築城ですね。その前に小牧山にも。
 御上洛をお待ちしています。

綱渡りの毎日

元木泰雄
No.5979

 先日の『台記』研究会では、お耳汚しの雑駁な内容で、まことに失礼致しました。
 報告者がやむをえない事情で報告できないので、中止とも思ったのですが、折角野口先生に研究室をご提供頂き、近藤先生もお越しになるので、穴を開けるわけにも行かず、大慌てで、まだ煮詰まってもいない話をさせていただきました。
 何せ、報告困難との連絡を受けたのが、龍谷大学での2時限目の授業の直前。幸か不幸か、その日は後半30分が小テストの日だったので、余った答案の裏に思いつくまま論点を書き並べ、授業終了後、大急ぎでタクシーで京大に戻り、3時限目までのあいだ20分で、レジュメ1枚を殴り書き。3時限目の古文書学。学生が読んでいる20分ほどの間に、2枚目を走り書き。2時半に授業が終わり、3時15分までの間に、成親の経歴表と、最後のレジュメを書きなぐり、タクシーに飛び乗った次第です。
 開会を30分遅らせていただき、ご迷惑をおかけしました。
 山岡さんにはおにぎりと、お茶を準備していただき助かりました。
 手書きのレジュメには味わいがあるのかどうかは知りませんが、焦慮、苛立ちなど、生身の人間の姿がが文字に出たのは間違えありません。あれだけの文字をパソコンなしで書いたのは、何年振りでしょうか。汚い字で恥を残し、まことにお恥ずかしい限りです(笑)。
 でも、少しは目新いお話もできて、やれやれと思います。
 野口先生には、過分のご褒詞を賜り、恐縮至極に存じます。面映いやら、恥ずかしいやら・・・
 ともかく、研究者たるもの、常に様々な状況に備え、新しい研究テーマを意識しておかなければならないと、改めて認識いたしました。

 28日、ご案内した上島先生のご講演と、東寺文書の見学会。好天にも恵まれ、34名の参加を得て盛会裏に修了致しました。
 ご参加いただいた方々、そして受付、集金にご協力いただいた山岡さん、滑川さん、有難うございました。
 墨の色、折り目などからわかる文書の文字以外の様々な情報、花押の勢いなど実物の文書ならではの迫力を認識させられました。
 この見学会も、日程的なこともあり、案内の発送や、見学会のプランが不確定なことなど、まさに綱渡りでした・・・無事に終了して、本当にやれやれでした。
 終わった後のビールのうまさ!
 11月23日の和歌山県立博物館の見学会、こちらも多数のご参加をお待ちしています。
 
 そして、9月末の締め切り直前に諸般の事情で投げ出された某市史の原稿40枚、一ヶ月延ばしてもらって仕事の合間に片付けました。これまた綱渡り。
 授業、原稿、研究会、そして酒。
 何とも忙しい、ハラハラどきどきの、本当に刺激的で退屈しない毎日です。
 
 

うらやましい「ビールのうまさ!」

No.5982

 昔の映画に、私の好きなジャック・レモン主演の「酒とバラの日々」というのがあるのを思い出してしまいました。

 元木先生のタフさには、いつも感心させられます。隙間のような時間を有効に活用されるのも、新しい御研究に率先して取り組まんとする意欲をもたれるのも、天賦の才と御健康の然らしむるところだと思います。
 それにひきかえ、「薬と節制の日々」を余儀なくされている私など、モチベーションが萎えてしまって、甚だ宜しからざる有様。近いうちに再起を果たしたいと念じているのですが・・・。

 >広島の尻池さん  三原のお菓子「手焼 三万石名城焼」、美味しくいただきました。ありがとうございました。

次回の『吾妻鏡』です

No.5966

 昨日の『吾妻鏡』は、時代祭の行列の巡行時間を考慮して14:30開始としましたのであまり時間が取れず、そのうえ陰陽師への諮問に関する詳細な記事の分量も多かったため、たくさん読むことはできませんでした。しかしながら、陰陽師の意見を聞きながら方針を決定してゆく過程などもよくわかると思いますし、いろいろと使えるネタも多そうですね。

 日時:10月29日(月)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』寛喜二年六月十六日、十八日、二十八日、八月二十一日、十一月六日、七日、十三日、十二月九日条
 (※けっこう長い条文もありますが、適宜休憩を挟みつつ、読めるところまで読んでいきましょう)
 
 『吾妻鏡』講読会は随時メンバー募集中です。どなたさまでも、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。

今も、書類と格闘しております。

No.5967

 何処方からか宴席の歓声が聞こえてくるような気がいたします・・・・・。
 
 ところで、昨日の『吾妻鏡』ですが、寛喜二年六月十四日条は、たしかに長かったけれども実に内容の濃いところで、大変勉強になりました。三浦義村の「甘心」には、年齢相応のおかしなシンパシーを感じてしまった次第です。
 ところで、夕刻に叡電に乗った伊藤さんは、無事に精華大に着かれたでしょうか?

 時代祭の見学のために、ゼミの開始時間をずらしたのですが、やはりゼミそのものを時代祭の見学にすれば良かったのかも知れませんね。
 ちなみに、佐伯君から御紹介のあった「鞍馬の火祭」ですが、以前、見物のネックはトイレにあり、と聞いたことがあります。今年は改善されていたでしょうか?

 ☆ 鹿児島ラサール学園の永山修一先生より、御高論「古代の屋久島」(『屋久町郷土誌』第四巻-自然・歴史・民俗-)を御恵送いただきました。
 永山先生にあつく御礼を申し上げます。
 しばらく御無沙汰している鹿児島が懐かしくなって参りましたので、体調がゆるせば、この冬あたり、研究報告を兼ねて、御挨拶にうかがおうかと考えております。 

明日の「平安~鎌倉時代の京都」について

No.5964

 明日の大学コンソーシアム京都の講義「プラザ科目 特別講座科目Ⅰ 平安~鎌倉時代の京都」ですが、伊勢平氏の六波羅拠点化を語る前提として、高望王から清盛に至る桓武平氏の動向について概説したいと思います。

 なお、急に研究所関係の会議が入ったために、講義終了の時刻を早めにさせていただきますことを、ご了承下さい。

季節の変わり目につき、宣伝2件

No.5961

 若かった頃は、手紙の末尾の「季節の変わり目につき、くれぐれも御自愛下さい」という文言は、ただの形式的な時候の挨拶に過ぎないと思っていたのですが、最近はこの言葉の意味を厳しく実感させられております。
 老いは着々と進行しているようです。

 目下、締切を数日後にひかえた、「申請」とか「応募」に関わる、来年度に向けての書類書きに追われているのですが、命令や指示に従うことの苦手な、悪しき性格の私のことゆえ、逸脱のない文章作成作業は、なかなか捗りません。
 こんなことでは、論文を書かない院生さんを叱る資格はありませんね。
 困ったものです。

 それはともかく、本日は宣伝を2件。

 まずは、龍谷大学善本叢書『太平記』刊行の御案内です。
 大取一馬編著。出版元は思文閣出版。定価15,750円(税込)。影印に詳細な解説が付されています。
 本書は、龍谷大学仏教文化研究所(所長 武田龍精先生)より御恵送賜りました。あつく御礼申しあげます。

 もう一件は、私の書斎の書架を作っていただいたキノシタ建築研究所の新製品。
 なるほど、これは便利だろうと思います。
 詳細はホームページ上にてご覧ください。
    http://vtkino.com/she-frame-3-saishin.html

 ★ 研究状況の中間報告をいただいていない「本年度の共同研究メンバー」の方は、至急ご報告をお願いいたします。>>No.5949をご参照下さい。

ご紹介ありがとうございます

No.5963

ご紹介いただきましてありがとうございます。
このたび、「kinoshelf」では、文庫本やCDなどをシンプルに美しく収納する「box / 箱」の販売を始めました。「box / 箱」は、「shelf / 本棚」に組み合わせて使用するためにデザイン・製作したものです。
ホームページに詳細を掲載しておりますので、ご覧いただければ幸いに存じます。

キャンパスプラザ開講科目の博物館見学

No.5960

 大学コンソーシアム京都(キャンパスプラザ)で、私が担当している講座では、開講期間に一回、京都文化博物館で見学会を開いております。
 本年度は下記の要領で実施することになりましたので、お知らせいたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 特別講座科目Ⅰ「平安~鎌倉時代の京都」の博物館見学について
 
 見学先:京都文化博物館(地下鉄烏丸御池駅下車徒歩3分)
 日時:11月13日(火)11:00~12:30
 集合場所:同館2F歴史展示室(入館料を払って直接展示室にて)

 ※ とくに、『平治物語絵巻』の大路首渡しの場面をもとに作成された「武者行列」、法住寺殿跡出土鍬形の復元品、関西電力京都支店敷地(七条町跡)出土の埋納銭については、詳しく解説する予定です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 * 22日は時代祭。『吾妻鏡』講読会の開始時刻を遅らせたのは好判断だと思います。たしか、今年は、行列に、はじめて足利尊氏が登場のはずです。私としては、六波羅殿(六波羅探題)も加えていただきたいところなのですが。
  
 京都で学生生活を送りながら、ついに一度も葵祭も祇園祭も時代祭も行かなかったというのではあまりにも勿体ない。
 ときに、関西の日本中世史を専攻する院生さんの中には、東京(浦安)ディズニーランドに行ったことがあっても、鎌倉には一度も行ったことがないという方がおられますが、それに類する所行だと思いますよ(笑)。

10月22日といえば。

No.5962

ゼミの方ではご無沙汰している佐伯です。

私、実は時代祭は一度も見に行ったことがないのですが(食わず嫌いです 苦笑)、
「10月22日の京都のお祭」といえば、個人的には『鞍馬の火祭』も外せないかなーと。
http://www.yukijinjya.jp/himaturi.html
京都三奇祭の一つに数えられるお祭です。
面白いんですが、狭いところに大人数がひしめき合う(一年で唯一叡山電車が超満員になります)・
頭上からひたすら煤が振ってくる・終わるのが深夜なので遠隔地の人は帰れなくなる
…と「素人にはおすすめできない」系のちょっと過酷な祭りです(笑)。

私は22日は別の研究会と重なっていて、吾妻鏡の輪読会には参加できないんですが(すいません)、
夕方から鞍馬の火祭に行こうかなあと思っております。
ゼミでもし興味がおありの方がいらっしゃればご一報下さい。

『吾妻鏡』講読会のごあんない

No.5958

 次回22日の『吾妻鏡』は、時代祭の行列の巡行時間を考慮して14:30開始と致しましたのでお気を付け下さい。

 日時:10月22日(月)14:30~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』寛喜二年五月二十一日、六月五日、六日、九日、十四日、十六日、十八日、二十八日、八月二十一日、十一月六日、七日、十三日、十二月九日条
 (※以前のご案内時から、寛喜二年六月あたりの範囲を若干変更致しましたのでご注意下さい。けっこう長い条文もありますが、適宜休憩を挟みつつ、読めるところまで読んでいきましょう)
 
 『吾妻鏡』講読会は随時メンバー募集中です。どなたさまでも、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。

さきほど京都に戻りました。

No.5956

 このところ、年齢相応の体調の変化に苛まれ、意を決して医院の門を叩いたりいたしておりますが、本日(12日)はいささか無理をして、文献調査のために関東に出掛けて参りました。
 成果はあがりましたが、余分に持参した内服薬を使い果たしてしまうという始末。同世代の皆様、くれぐれも健康には御留意下さい。

 ☆ 山下克明先生より、御高論「陰陽道の成立と儒教的理念の衰退」(『古代文化』第59巻第2号)・「若杉家文書『反閇作法并作法』『反閇部類記』」(大東文化大学『東洋研究』第164号)を御恵送いただきました。
 山下先生にあつく御礼を申し上げます。

 ☆ 永井晋先生より、金沢文庫で開催中の特別展「鎌倉北条氏の興亡」の図録をご恵送いただきました。
 この図録には、先年、伊豆ゼミ旅行の際にお世話になった池谷初恵先生の御高論「伊豆の北条氏館跡と円成寺跡」が特論として掲載されています。
 北条氏の出自についての新説を踏まえたこの特別展、なんとか見学にうかがいたいと存じております。
 永井先生に、あつく御礼を申し上げます。 

この秋は相模へ・・・

池谷初恵
No.5957

野口先生、ご無沙汰しております。伊豆の池谷です。
上記の金沢文庫特別展の他、この秋相模では、鎌倉時代関連の企画展が合計4館で開催されます。いずれも、地域の武士・御家人を通して、鎌倉時代を見据える意欲的な展示内容になっているようです。
私はまだ金沢文庫しか見学しておりませんが、これからあと3館じっくり拝見する予定です。何しろ、当市北条氏邸跡の遺物が3館にお出かけしております。いざ鎌倉で、相模にむかう伊豆御家人さながらの活躍です(笑い)。

開催館と日程を記しておきます。詳しくはHPをご参照下さい。

金沢文庫特別展「鎌倉北条氏の興亡」
平成19年10月4日(木)~12月2日(日)
神奈川県立金沢文庫
http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm

川崎市民ミュージアム企画展
「12-14世紀の武蔵と鎌倉 "つわもの"どもの光と影 -稲毛三郎とその時代-」
10月27日(土)~12月9日(日)
川崎市民ミュージアム
http://www.tsuwamono.info/

横浜市歴史博物館企画展
「12-14世紀の武蔵と鎌倉 鶴見合戦-『太平記』にみる横浜-」
2007年10月20日(土)~11月25日(日)
横浜市歴史博物館
http://www.rekihaku.city.yokohama.jp/index.html

秦野市桜土手古墳展示館 特別展『 鎌倉幕府御家人の館』
期間 平成19年9月22日~11月26日
桜土手古墳展示館ミュージアムプロムナード
http://navi.city.hadano.kanagawa.jp/s-gakusyu/bunkazai/

相模は東国武士一色の模様。

No.5959

 池谷先生、ありがとうございます。
 金沢文庫での御講演、さぞや盛況だったことと存じます。

 『北条時政』の上梓に一歩でも近づくためにも、金沢文庫のこの企画展だけはぜひ見学に出掛けたいと思っております。
 つぎに関心のあるのは、「稲毛三郎重成」を取り上げた川崎市民ミュージアム。同族の畠山重忠は大変有名なのですが、稲毛重成をテーマにどのような展示構成がされているのか興味の引かれるところです。
 秦野市は、在京活動が豊富で文化レベルも東国武士団屈指の波多野氏の本拠地だったところですから、こちらは様々な角度からのアプローチが可能だと思います。
 当方のゼミ生で南北朝時代のファンが行きたがりそうなのが、横浜市歴史博物館の企画展です。ここでは先年「兵の時代」という古代末期の東国社会をテーマにした素晴らしい企画展が開催され、講演にお呼びいただいたことがあります。あの企画展の一つの契機となった「西の谷遺跡」については、最近の武士研究の成果に基づいて再評価を加える必要を感じております。
 これらの企画展、できれば、全部行きたいのですが、体調と時間との相談です。

 池谷先生、ぜひ京都にもお出かけ下さい。六波羅・法住寺殿跡、御案内いたします。
 ちなみに、京都はここしばらく、「源氏物語」一色の観ありです。

 日本史研究会大会は2日目のみ参加しました。日本中世前期に関する最近の研究状況もあわせて鑑みるに、いよいよ従来のパラダイムが揺らぎ始めていることを実感させられました。
 それにしても、今年度の日本史研究会大会で何が残念だったかと言えば、討論の場に元木先生のお姿が見えなかったこと。主役不在の舞台の如し。

 ☆ 東京大学の本郷和人先生より、御高著『武士から王へ』(ちくま新書)をご恵送いただきました。
 本郷先生に、あつく御礼を申し上げます。

古文書見学会のご案内

元木泰雄
No.5952

 以前、5943で予告いたしました、東寺文書の見学会、同じく5396で予告しました和歌山県立博物館の「熊野本宮大社と熊野古道」展の見学会、以下のように決まりましたのでご案内いたします。
 ふるってご参加ください。

****************************************
Ⅰ東寺宝物館および京都府立総合資料館での古文書見学会
見学内容 東寺にて宝物館見学と上島 有先生の解説を承り、ついで京都府立総合
     資料館に移動して、「東寺百合文書展」を見学するという内容です。

    日 時 2007年10月28日(日) 午前11時30分~

   会 場 東寺宝物館
          (〒601-8473 京都市南区九条町1 電話075-691-3325)
        京都府立総合資料館
         (〒606-0823 京都市左京区下鴨半木町1-4 電話075-723-4831)

   参加費 会場整理費などとして1,000円程度を徴収する予定です(資料館のみの方       は300円程度)。

  集 合 東寺宝物館前(受付は、15分前から)
        ※京都府立総合資料館のみ参加の方は、資料館入口付近に15時までに
        集合して下さい。


なお、参加者は当日までに東寺百合文書展図録「第22回 日本史のなかの百合
文書」(定価1,100円、送料290円)を購入しておいて下さい。
〔購入方法〕
 a京都府立総合資料館庶務課内 友の会事務局宛(住所・電話番号は、上記の
通り。FAXは 075-791-9466。)、刊行物代金と送料を添えて申し込んで下さ
  い(複数部数を注文の場合の送料は、事前に問い合わせること。)。
 b代金は現金書留または郵便振替(郵便振替口座番号01030-2-11991)でお支
  払い下さい。
 c郵便振替でお支払いの場合は、郵便局の振込用紙に、所定事項及び通信欄
にご希望の刊行物名と冊数を記入の上、郵便局の窓口で通常払込みにより
  現金を振り込んで下さい。

   ※参加申込み葉書の送り先(10月23日[火]必着でお願いします。)
      〒606-8501 京都市左京区吉田二本松町
        京都大学大学院人間・環境学研究科 元木研究室 宛
****************************************
Ⅱ和歌山県立博物館での古文書見学会
    見学内容 世界遺産登録記念特別展「熊野本宮大社と熊野古道」を見学し、古文
       書などを拝見するという内容です。 


※日時は、2007年11月23日(金、祝日)15時より。
 参加費、入場料1000円程度。

 参加希望者は11月16日必着で、上記元木研究室までご連絡ください。

『紫苑』6号の原稿募集。

No.5950

今年度も三月末に『紫苑』を発行できることになりました。
つきましては、掲載する論文・研究ノートを大募集いたします。
締切は1月上旬
   *詳しい日にちは11月頃にご連絡いたします。
    例年は1月第二土曜日です。
参考のため、投稿規定を掲載しておきます。

《投稿規定》
枚数:
 注を含め四〇〇字詰原稿用紙に換算して七十枚以内とします。但し、分量については適宜相談に応じます。

原稿:
 ・種類は、論文・研究ノートなど。縦書き・完全原稿とします。
 ・ワープロ原稿の場合は、四〇〇字の倍数、縦書きで打ち出してください。投稿の際は、原稿を保存したメディア(フロッピー、CD-R、など)一部を添え、使用ワープロの機種名・ソフト名を明示して下さい。
 ・手書き原稿の場合は、四〇〇字詰または二〇〇字詰原稿用紙に、本文・注とも一マス一字、縦書き、楷書で、鉛筆書きは不可とします。
 ・注は本文末に一括して、(1)、(2)、…のように付けて下さい。
 ・年号を用いる場合は、なるべく西暦併用でお願いします。
 ・図表・写真(いずれも鮮明なものに限ります)の添付は刷り上がり時の大きさを勘案して字数に換算します。これらを添付する場合は、おおまかな掲載場所を指示してください。
 ・編集作業の迅速化のため、住所・氏名(ふりがな)・目次を記した別紙一枚を添えて下さい。

採否:
 編集担当者が掲載の可否を審査いたします。

著作権・公開の確認:
 本誌掲載の論文・研究ノート等の著作権は著者に帰属するものとします。ただし、宗教・文化研究所ゼミナールは、本誌に掲載された論文・研究ノート等を電子化または複製の形態などで公開する権利を有するものとします。執筆者はこれに同意して、投稿されるものとします。やむをえない事情により電子化または複製による公開について許諾できない場合は、採用が決定した段階で宗教・文化研究所ゼミナールにお申し出ください。

備考:
 ・他誌への二重投稿はご遠慮ください。
 ・掲載後一年以内の他への転載は控えていただきます。

*ご不明な点は山岡までご連絡ください。

ソレントの大森さんへ。

No.5951

 山岡さん、ありがとうございました。
 おかげさまで『紫苑』も一人前になってきたようです。

 ○ 昨年度まで『吾妻鏡』講読会に参加されていて、現在、イタリアはソレントに滞在中の大森さんから、絵はがきを頂きました。
 大森さん、御覧になっていられるでしょうか?『紫苑』第5号を国際郵便でお送りしますので、御住所をお知らせ下さい。

 ○ 先に御紹介した峰岸純夫・入間田宣夫・白根靖大編『中世武家系図の史料論』上・下巻( 高志書院)が本日届きました。日本史研究会大会の会場で販売される由。
 あらためて、内容を御紹介いたしましょう。

【上巻】
日奉氏小川系図                         峰岸純夫(元・中央大学)
横山氏系図と源氏将軍伝承                    川合康(東京都立大学)
鎌倉期成立の「結城系図」二本に関する基礎的考察    市村高男(高知大学)
藤原南家武智麿四男乙麻呂流鎌倉御家人の系図     今野慶信(新宿歴史博物館)  
三浦氏系図にみる家の創造神話                高橋秀樹(文部科学省)
千葉氏系図の中の上総氏                    野口実(京都女子大学)
薩摩国阿多郡地頭鮫島氏系譜考               柳原敏昭(東北大学)
系図の裏面にさぐる中世武士団の成立過程         入間田宣夫(東北芸術工科大学)
【下巻】
中世古系図に見る公家と武家                 白根靖大(中央大学)
『玉燭宝典』紙背文書中の那須系図をめぐって        江田郁夫(宇都宮北高校)
留守氏と「奥州余目記録」                    七海雅人(東北学院大学)
武田氏系図の成立                        西川広平(山梨県立博物館)
秋田県公文書館所蔵「古本佐竹系図」に関する一考察  佐々木倫朗(松江市歴史資料館)
山内上杉氏・越後守護上杉氏の系図と系譜          片桐昭彦(練馬区教育委員会)
相馬中村藩の系図編纂について                岡田清一(東北福祉大学)
戸沢氏系図の成立と中世の戸沢氏              金子拓(東京大学史料編纂所)
 (上巻 定価4200円,下巻 定価5250円 税込)

 ※ ざっと拝見したところ、拙論への異論が盛りだくさんのようで、要熟読のようです。

『紫苑』6号の投稿の際の注意。

No.5953

 上の投稿規定では、締切が来年になっていますが、印刷所から見積もりをとる必要上、投稿を予定される方は、本年12月初めまでに、原稿や図・表などの分量をあらかじめ、お知らせ下さい。