「熊野本宮大社と熊野古道」展のご案内

元木泰雄
No.5936

 和歌山県立博物館の高木徳郎氏より、特別展のご案内をいただきましたので、転載いたします。
 可能であれば見学会なども考えたいと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
和歌山県立博物館特別展「熊野本宮大社と熊野古道」のご案内

いつもお世話になっております。和歌山県立博物館の高木です。

 本日は、開催が近づいてきました当館の特別展のご案内を差し上げます。秋のご旅
行、ゼミ合宿、学会参加の前後などでお近くにお立ち寄りの際には、ぜひ足をお運び
くださいますよう、ご案内申し上げます。

今回の見どころ

(1) 熊野参詣記として、中右記(宮内庁書陵部蔵)、北野殿熊野詣日記(同)、脩
明門院熊野参詣記(国立歴史民俗博物館蔵)を一挙展示(後二者の紙背文書に目を凝
らして下さい!)

(2) 称名寺(金沢文庫)・仁和寺の熊野関係聖教にも注目。

(3) 熊野本宮大社文書はじめ、本宮周辺の在地文書を展示します。これらはふだ
ん、あまり公開される機会がありません。この機会をお見逃しなく。。。

(4) 熊野参詣の最初の目的地である熊野本宮に残された宝物・資料の数々を、かつ
てない規模で展示します。織豊期の造営関係資料(豊臣秀長・秀頼・浅野幸
長・・・)も一挙展示する他、これまであまり公開されたことのない中世奉納の工芸
品などが展示されます。

(5) 本宮とのつながりが深い湯峯温泉・東光寺に伝わる仏像・仏画を初公開作品を
含め、かつてない規模で展示します。

(6) 展示の構成は、熊野古道をたどって本宮に到達するその道順に沿って、古道沿
いの寺社に残された文化財を最初に展示し、その後に本宮の宝物を展示する構成に
なっています。前半の古道の道順に沿って展示するコーナーでは、五体王子として熊
野権現の分身を祀った王子社の中でも格式の高い王子社の神像(初公開含む)をはじ
め、中世の作品を中心にした構成になっています。順路にしたがって展示をご覧にな
れば、だんだんに熊野詣をしている気分になり(?)、本宮に近づく昂揚感が味わえ
るかもしれません。

(7) 図録は300ページ弱のボリュームで、1700円という破格のお値段です。ぜひお
買い求め下さい。

以下、開催の概要です。

会期:10月6日(土)~11月25日(日)

開館時間:午前9時30分~午後5時(但し入館は午後4時30分まで)

休館日:毎週月曜日(ただし10月8日は祝日のため開館、翌9日が休館)

入館料:一般800円 大学生500円(団体割引あり) 高校生以下、65歳以上は無料

関連行事①記念講演会「熊野御幸道と小栗街道」

 講師:服部英雄氏(九州大学大学院)

日時:11月4日(日) 午後1時30分~3時

 会場:県立近代美術館(当館となり)特別会議室

 参加無料ですが、事前に参加申込必要(博物館:Tel 073-436-8670)

②博物館講座

 10月14日(日) 熊野九十九王子と熊野参詣記(高木徳郎・当館学芸員)

 10月28日(日) 近世の熊野本宮(前田正明・当館主査学芸員)

 11月10日(土) 仏像・神像からみる熊野の歴史(大河内智之・当館学芸員)

 いずれも午後1時30分~3時、近代美術館(当館となり)特別会議室にて

 参加無料・申込不要

③ミュージアムトーク(展示解説)

 10月13日(土)・10月27日(土)

④「関西文化の日」(11月17・18日)の入館料無料

 11月18日(日)午後1時30分からはミュージアムトークも開催

★★もし、ゼミ・研究会、あるいは少人数の研究仲間でまとまってご来館される際
は、事前にお声がけいただければ、簡単に解説などをさせて頂きます。「解説なんて
要らない」という場合でも、受付でご来館の旨、おっしゃっていただけるとうれしい
です。閉館後の時間であれば、展示資料の熟覧のご要望にもできる限り対応したいと
思いますので、どうぞご遠慮なくお申し出下さい。


**********************************

和歌山県立博物館

高木徳郎

以上です。
なお博物館のHPはこちらです。
http://www.hakubutu.wakayama-c.ed.jp/

皆様にお願い

No.5934

皆様にお願いがあり、掲示板に投稿させていただきます。
今、源氏物語に関する本をNHKブックスで鋭意制作中です。その中で、どうしても掲載したい写真があり、お持ちの方がいらっしゃればと思いまして。
写真は二つあり、一つは京都の檀林寺、もう一つは福岡の宗像神社です。
なんのために載せるかと申しますと、前者は、渤海国使の観相説話との関連で、その初例として、「文徳実録」に檀林皇后と呼ばれた橘嘉智子が出てくるからです。
後者は、源氏の出てくる唐物との関わりで、唐物欲しさのあまり、宗像大宮司に仲介させて唐物を買い求めた藤原実資の話が出てくるからであります。
大変お手数をおかけします。どなたかいらっしゃれば嬉しいのですが。
無論、お礼は…。

ゼミメンバーは御協力を。

No.5935

 石浜さん、お久しぶりです。

 檀林寺はもとより、京都の寺院の写真でしたら、山田先生御夫妻に声をかければ、すぐに送信して下さるのではないでしょうか?

 宗像神社は、2004年夏のゼミ旅行の際に、ゼミメンバーのほとんどが、博多駅集合前、早朝に見学したところなので、どなたか良い写真をお持ちなのではないかと思います。
 本にもよりますが、NHKブックスなら、「提供」とか「撮影」とか、写真にクレジットを入れていただけるだけで提供者は大満足だと思います。

 ※やはり、来年の出版界は『源氏物語』で盛り上がるのでしょうか?

☆ 神戸大学の市沢哲先生より、御高論「一四世紀政治史の成果と課題-社会構造の転換期としての一四世紀をどうとらえるか-」(『日本史研究』540号)を御恵送いただきました。
 市沢先生にあつく御礼を申し上げます。

Re: 皆様にお願い

山田邦和
No.5938

私をお呼びでしたか?

檀林寺の跡の石碑は嵯峨野の野々宮神社の横の竹藪にあります。
http://www.city.kyoto.jp/somu/rekishi/fm/ishibumi/html/uk020.html
写真を提供することは可能なのですが、残念ながら竹藪の中で光線がたいへん悪く、字がほとんど読めません。上記の京都市歴史資料館のページの写真も、字が潰れております。

なお、嵯峨野には現在、「檀林寺」という寺院があります。これを平安時代の檀林寺そのものだと誤解しておられる向きもありますが、実は昭和39年に新造された寺で、良く言えば平安時代の名刹の廃絶を惜しんで復興した、といえないことはないのですが、悪く言う人ならば平安時代の名刹の名前の僭称だ、とおっしゃるでしょうね。拝観料を払って中に入ると、国宝級・重文級と自称する「宝物」が所狭しとおかれており、目が点になります。それについては、こんなことを言っている人もいます↓
http://homepage2.nifty.com/temple-walker/kyoto/danrin-ji/index.htm
http://www.rondan.co.jp/html/mail/0504/050411-2.html
このお寺の写真も提供はできますが、歴史的にいうと上述のような事情の上、平安時代の檀林寺とは場所も異なっているので、その写真を使用することは誤解を増幅させる結果となるでしょうね。

宗像大社は、さがせば出てくる、かも?・・・・

Re: 皆様にお願い

鈴木 潤
No.5940

宗像大社の写真については、佐賀ゼミ旅行の際に撮った写真が、僕以外の方が撮られたものも含めて何点かあります。
お送りしましょうか?

スナップ写真ばかりなので使えるかは…わからないです。

Re: 皆様にお願い

No.5955

皆様、ありがとうございます。
それでは、鈴木さん、お借りしてもよいですか?
〒150-8081 渋谷区宇田川町41-1NHK出版石浜哲士あてにお送りください。

山田先生、こうなると、あまり使いたくないですね。検討します。
ありがとうございました。

秋の古本まつり

No.5931

ご無沙汰しております、臨川の薗田です。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今年も恒例の「秋の古本まつり」に出店いたします。
期間のうち2日間は私も会場におります。皆様どうぞこの機会にお越しくださいませ。

【秋の古本まつり】
   期間:10/31(水)~11/4(日)
   於:知恩寺境内

ちなみに開店時の小社ブースの有様は、一部で「臨川の戦い」と呼ばれているそうです・・・。


それから宣伝ばかりで恐縮なのですが、8月に吉村和真先生(近代史)・田中聡先生(古代史)・表智之先生(近世史)の共著『差別と向き合うマンガたち』を上梓いたしました。9月20日毎日新聞夕刊にて夏目房之介先生にも高評いただいております。ぜひ、お手にとってご覧いただけますと幸いです。

秋の『吾妻鏡』

岩田慎平
No.5933

 薗田さん、おひさしぶりです。お元気ですか。いろいろと狙っている本もありますし、【秋の古本まつり】は、ぜひ伺いたいと思います。

 さて、次回の『吾妻鏡』のご案内です。体育の日ですが、開催します。
 日時:10月8日(月)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』寛喜元年九月十七日、十月二十六日、十一月二十七日、十二月四日、十七日、二十九日の各条
         寛喜二年閏正月七日、二十六日、二月六日、八日、十九日、三月二日、十一日、十六日、十八日、二十九日、四月十一日、五月五日、六日、十四日、二十一日、六月九日、十八日、二十八日、八月二十一日、十一月六日、七日、十三日、十二月九日条
 (※適宜休憩を挟みつつ、読めるところまで読んでいきましょう)

 なお、10月は15日、22日、29日と開催予定です。

元木先生、安芸厳島社に立つ。

No.5927

 本日夜8時からNHK総合で放送される「探検ロマン世界遺産」のテーマは安芸厳島神社。厳島神社といえば平清盛、平清盛といえば元木泰雄先生、というわけで、元木先生が御出演のはずです。
   http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/card/cardr091.html 参照のこと。

 遠方から京都府庁の近くにお出かけの予定の方は録画の御用意が必要だと思います。

いま清盛と日本史研究会例会。

No.5928

 深夜にいたって、録画を拝見。
 清盛自身がみずからの厳島社殿造営の意図を語っているかのように思えたのは、私だけではないでしょう。
 宮島対岸にある厳島社の外宮にあたる地御前社が取り上げられなかったのが残念でしたが、これは世界遺産の対象外だからなのでしょうか。
 地御前社については http://www.enjoy.ne.jp/~yamahid1/ohanashi62.htmを参照。
 ただ、対岸に江波という地名のあることを知ったのは収穫。これは江波さんの名字の地だと思うのですが如何?

 日本史研究会の例会。気をつけてはいたのですが、いざ始まってしまうと贅言を弄すること多く、時間をオーバー。体調のこともあって、御迷惑をおかけいたしました。ただ、司会者の御配慮で討論の時間に補足させていただいたので、何とか意は尽くすことが出来たのではないかと思います。
 元木先生のコメントによって、「研究」としての位置づけをしていただいたこと、例によって大変ありがたく存じました。そして、感激したのは、上横手雅敬先生がお出で下さり、最後に貴重な御意見をいただくことができたこと。私はこの例会報告を自らの研究生活の一つの区切りのように考えておりましたので、大変うれしく、光栄に思いました。
 ご発言を頂いた美川先生・山田先生・大村先生をはじめとする研究者の方々、ご参会の皆様、企画運営を担当された研究委員のお二人にあつく御礼を申し上げます。
 なお、懇親会では、気持ちが緩んでいろいろ申し上げましたが、例のごとくお忘れ下さいますように(笑)。

 ☆ 樋口州男先生・錦昭江先生の御連名で、ことばの中世史研究会編『「鎌倉遺文」にみる中世のことば辞典』(東京堂出版)を御恵送いただきました。
 事例とともに参考文献もかがけられていて、これは史料の読解に、とても重宝しそうです。中世前期を専攻する院生・学部生はもとより研究者も必携。
 樋口先生・錦先生にあつく御礼申しあげます。

 ★ 平成20年度共同研究の参加について、御返信を頂いていない現共同研究員の方、早急に御連絡をお願いいたします。

お疲れ様でした

No.5929

 野口先生、29日はお疲れ様でした。
 圧倒的な事例によって、憶測で築かれてきた通説を根底的に否定された、まさに重厚なご報告でした。
 幕府成立史、さらに幕府の意義の再検討が不可欠になったと思います。
 当方も、武士政権、幕府成立史を検討する上で、大きな指針を得たように思われました。ご報告に準備段階も含め、立ち合わせていただいたことに心より感謝申し上げます。有難うございました。
 それにもかかわらず、何とも不十分なコメントで大変失礼しました。申しなく存じます。
 幕府成立に関する部分、やや冷静さを失してしまい、端折ってしまったのでわかりにくくなってしまったと思います。幕府に関して、「王権」との関係を説く方々がおられるのですが、一部の方はあまりに京の王権と幕府を結びつけ、また一部の方は幕府の独自性を「王権」と評価されるておられます。
 前者の場合には、東国における自力救済と調停を通して形成された幕府の相対的な自立をあまりに軽視しているし、後者の場合は本来幕府も依存してきた京の「王権」と、幕府の権力との相違・差異を見落としている、その克服という点で、野口先生のご報告は有意義であるといったことを申すつもりでした。
 この場を借りて申し添えさせていただきます。

●『探検ロマン世界遺産』
 テレビ出演の件、スポットコマーシャルみたいなものですね。おまけに早口で、何を言ってるのかわからないとばかり、字幕つきでございました(笑)。
 当初はレポーターの方との会話の形式だったのですが、話が弾ます、切れたディレクター氏が自ら矢継ぎ早に質問され、こちらもテンションが上ってきた段階でしたので、余計に早口と相成りました。
 もっともその応答もかなり食い違った部分もありまして・・・・
ディレクター氏「平氏政権が続けば、鎌倉時代とまったく異なる、海に開かれた国家になっていたのですね?」
当方「鎌倉時代も、朝廷では西園寺家が中心になって大規模な貿易をしていたし、幕府も貿易に関与しておりました。歴史には必然性がありますから、そんなに違わなかったのではないかと思います。」
D氏「でも、朝廷を挙げた国家貿易なら違ったのでは?」
元木「政治次元の交流に発展した可能性はありますね。でもそうなったら蒙古のもっと激 しい攻撃を受けたかも・・・」
D氏「・・・・・」(困惑と怒りで絶句)
元木「いやあ、これだから歴史家の話は面白くありませんね。この点が面白おかしい話を断定的に話される小説家と違うところですよ」(フォローにもならず、ただ苦笑)
 今度こそ、NHKから二度とお呼びはかからないでしょうね。
 冗談はともかく、レポーターも含め、スタッフの方々は、1ヶ月以上にわたり、厳島に滞在し、弥山の山頂に立てこもったり、社殿が最も美しく波に映える瞬間を追い、神事の展開を取材していたわけで、当方のように一日だけ参加したものはあの程度の出番になるのも当然かなと思います。ちなみにレポーターの岡田さんは、その間ずっと同じ柄の服を着て同じ髪型で通していたようです。なにごとによらずプロは大変です。
 
● 近藤好和先生上洛情報
 来る10月23日火曜日、近藤好和先生が上洛されます。
 18時半より、先生ごひいきの西木屋町蛸薬師の「大漁」という魚料理店で懇親会です。
先生のごひいきということですから、ヴォリュームは推して知るべし(恐るべし)、ですね。
 そこには先生の写真・サインが飾られているそうです。
 これに関して、先ほど井上満郎先生より、「魔除けではないのか」とのご指摘を頂きました。
 参加ご希望の方は、幹事の山岡さんまで、よろしくお願いします。

Re: 元木先生、安芸厳島社に立つ。

No.5930

 野口先生のご講演も拝聴できず、元木先生のテレビ出演も見逃した、魔除けの近藤です。

 さて、大漁は、じつは私の知り合いのパワーリフティング関係者の馴染みの店で、先日、はじめて行ったときに、パワー関係者であることを告げると、色紙へのサインと写真をねだられました。店内に飾られているかどうかは定かではありません。それはともかく大漁は、新鮮で美味い魚を安く食べられる所です。刺身を中心にメニュー品目は200を越えるでしょうし、そのなかで値段も1000円を超えるものはほとんどありません。確か鱧の刺身(刺身です!)が900円ではなかったかと思います。店内も広く、大人数でも大丈夫です。

 ちなみに翌日の24日は、午前中は春日大社の武具展、午後は京都に戻って京博の狩野永徳展を見に行きます。同行したい方はご連絡下さい。

 では、山岡さん、お手数ですが、幹事よろしくお願いいたします。まずはメールをいただけませんか?

懇親会のご案内。

No.5932

>近藤先生
 御無沙汰をしております。
 今回、幹事をさせていただくことになりました。
 何卒よろしくお願いいたします。
 先程は、早速にもお返事いただき、ありがとうございました。
 お魚は大好きですので、「大漁」楽しみにしております。
 
 懇親会に参加ご希望の方は山岡までご連絡ください。
↑の名前には大学PCのアドレスを入れておきましたが、山岡の携帯電話アドレスをご 存知の方は携帯までご連絡下さい。
 来週月曜日(10月8日)までにご連絡いただければ幸いです。
 
 

『古代文化』第59巻第2号が出ました。

No.5926

 九月になって、涼しくなれば体調も整い、仕事も捗ることだろうと期待していたのですが、連日の猛暑で逆に体調は崩れ、仕事は増える一方といった有様。月末締切に音を上げているところに、さらに来年度に向けての書類が押し寄せてきました。

 しかし一方、関係者のなみなみならぬ御努力によって、困難を克服して着々と前進しているものもあります。その一つが季刊として再スタートした『古代文化』。本日、第59巻第2号が届きました。
 今号の日本文献史学関係の論文として特筆すべきは、巻頭を飾った山下克明「陰陽道の成立と儒教的理念の衰退」です。当該ジャンルの第一人者による、陰陽道に関する重要な指摘に満ちた大変な力作。江波さんは必読ですよ。
 そして、〈書評〉山岡瞳「美川圭著『院政-もう一つの天皇制-』」も掲載されています。前号の岩田君に続いて、山岡さんも学会誌にデビューされたというわけです。
 蛇足ながら、次号には拙稿「閑院内裏と「武家」」が掲載される予定。これは、科学研究費補助金による研究課題「閑院内裏の政治史的研究」の成果発表の一環です。
 なお、本日届いた『古代文化』の「書棚」の欄には、拙著『源氏と坂東武士』(吉川弘文館 歴史文化ライブラリー234)を取り上げていただきました。短文ながら、著者の意図を的確に汲み取っていただいた内容で、こういう紹介に接すると、執筆のし甲斐があったと、嬉しい気持ちになります。

 昨日の『台記』研究会では、元木先生、美川先生をはじめ、御出席の方々から貴重なコメントを頂き、ありがとうございました。

たくさんの文献・資料をいただきました。

No.5925

 京都もようやく、長い夏を脱したような気配です。
 国立歴史民俗博物館の高橋一樹先生より、先生の関係された企画展の図録、歴博の刊行物や、御高論所収の論文集、御編著など、たくさんの貴重な文献・資料を御恵送いただきました。

 ・歴博企画展図録『西のみやこ 東のみやこ-描かれた中・近世都市-』
 ・『歴博』第142号(特集 湯屋・風呂屋)
 ・高橋一樹編『歴史研究の最前線Vol.8 史料の新しい可能性をさぐる』(総研大 日本歴史研究専攻・国立歴史民俗博物館)
  ・柳原敏昭・飯村均編『御館の時代』高志書院(総論として高橋先生の「城氏の権力構造と越後・南奥羽」を収録)
 ・矢田俊文・新潟県立歴史博物館編『新潟大学大域プロジェクト研究資料叢刊Ⅸ 越後文書 宝翰集 毛利安田氏文書』新潟大学
 ・矢田俊文・新潟県立歴史博物館編『越後文書宝翰集 古文書学入門』新潟大学人文学部地域文化連携センター

 高橋先生にあつく御礼申し上げます。

平成20年度共同研究員について

No.5922

 宇治をテーマにした研究を継続するために、来年度の研究所共同研究助成を申請したいと思います。現在、この共同研究に参加されている方で、来年度は辞退される意向の方は御連絡下さい。
 新規の参加については、当方より要請させていただく形を取りたいと思います。

 なお、継続して共同研究に参加されることを希望される方は、申請書作成のため、来年度の個々の研究の「概要」・「計画」・「方法」について、今月末までに当方の研究室あてにE・メールにてお知らせ下さいますように、お願いいたします(【情報処理】班は不要です)。間に合わない場合は、辞退扱いにせざるを得ないことになりますので、重ねて宜しくお願い申しあげます。

 ちなみに、本年度(平成19年度)の共同研究メンバー(研究所共同研究員)は、以下の方たちです(姓のみ・敬称略)。
 【文献史学】佐伯・岩田・佐藤・長村・辻・坂口・樋口
 【国文学】田中・雨野
 【考古学】大原
 【情報処理】鈴木・永富

次回の『吾妻鏡』

No.5924

 昨日は後期の再開後、最初の『吾妻鏡』でした。秋からも『吾妻鏡』講読会をどうぞよろしくお願いします。参加者随時募集中ですので、興味のある方はまずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。
 次回のご案内です。

 日時:10月1日(月)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』安貞三年(寛喜元年)正月十三日、十五日、二月二十日、二十一日、三月二十六日、九月四日、九日、十日、十七日、十月二十六日、十一月二十七日、十二月四日、十七日、二十九日の各条
 (※適宜休憩を挟みつつ、読めるところまで読んでいきましょう)

 なお、10月は1日、8日、15日、22日、29日と開催予定です。

◆それから、野口先生がご講演されます日本史研究会の九月例会につきまして、勝手ながら再度お知らせです。

        日本史研究会 九月例会
   「京都からみた東国武士の展開と鎌倉幕府の草創」

 近年の中世東国武士研究は、武士発生期以来の東国武士と京・王権との関わりに注目し、在地のみで完結しない東国武士の存在形態を明らかにした。しかし一方、鎌倉幕府に対する評価においては、京都と対立する側面のみをとらえて、公家の圧制に抵抗して成立した政権とする理解が未だに強く、それは東国国家論や二つの王権論の論拠となっているように思われる。そこで本例会では、承平・天慶の乱以後における東国武士の存在形態について、彼らが京都との間に構築した政治的な諸関係を踏まえて検証し、それを前提として鎌倉幕府成立の意義を再検討したい。

  日時:9月29日(土) 13:30~17:00
  場所:機関紙会館5階会議室(京都市上京区新町通丸太町上ル東側)
     (地下鉄丸太町駅下車2番出口より西へ徒歩五分、市バス府庁前下車すぐ)

  報告   :野口実氏(京都女子大学) 「東国武士と京都」
  コメント :元木泰雄氏(京都大学) 

後期開始・基礎演習Ⅰのコンパ。

No.5919

 本日、京都女子大学では、後期の講義が始まりました。私は、諸々の事情で終えるべき仕事を済ませないでいるうちに、とうとうこの段階を迎えてしまいました。御迷惑をおかけしている諸方には、お詫びを申し上げるばかりです。しかし、この暑さは夏本番のまま。何よりも先ず、体調の維持が肝要のようです(私は見事に失敗)。
 後期最初のイベントは、研究所ゼミのではなく、前期で終了した現代社会学部1回生の基礎演習Ⅰのコンパです。卒論ゼミでもないのに、履修期間の過ぎた後にコンパを開くというのは珍しいことだと思います。メンバーの結束の証でしょう。

 最近、うれしかったのは研究所ゼミメンバーのお一人が、治承・寿永内乱史研究において、大きく欠落していた重要なテーマについての、大変優れた論文をまとめられたことです。一年以内に公表されることになると思います。対象が対象なだけに、国文学の『平家物語』研究のみならず、市民一般の歴史認識にも大きなインパクトを与えることは必定。お楽しみに。

 ☆ 神奈川大学の鈴木彰先生より、御高論「斎宮歴史博物館蔵「源平盛衰記画巻」について」・「明治期の〈義経〉」収録の三重県立斎宮歴史博物館特別展『「ヒーロー伝説」-描き継がれる義経-』図録を御恵送いただきました。
 史実をはなれて伝説の中でヒーローとなっていく義経の物語。この展覧会の会期は9月15日~10月14日。国文の方たち(とくに伊藤さん)には必見の展覧会なのではないでしょうか。
 http://www.pref.mie.jp/saiku/HP/gyouji/h19gyouji/tokubetsuten.htm 参照。
 鈴木先生にあつく御礼を申し上げます。

>広島の尻池さん  先日は約束不履行となり、申し訳ありませんでした。再上洛されるまでには、立て直したいと思っております。

>出雲高校出身の伊藤さん  多伎町特産の美味しいイチジクを、たくさん、ありがとうございました。これで、健康を取り戻したいと思います。

>伊藤さん・小野さん  元木先生より、書評会の時の写真をお預かりしています。ついでのおりに、取りに来てください。

Re: 後期開始・基礎演習Ⅰのコンパ。

伊藤千春
No.5920

お久しぶりです。
出雲高校出身の伊藤です。
出雲でも暑い日が続いております。
私はといえば、イチジクの出荷もピークを少し過ぎ、それでも慌しい毎日です。
大学の生活にも少し慣れて参りましたので、そろそろ図書館の郷土資料に手が出てしまいそうです。
暑い日が続いておりますが、お体の方、ご自愛ください。

幸せな一日

No.5921

 少しばかり体調が悪くても、良いことが重なると幸せな気分に浸れるものです。今日(20日)はそんな一日でした。

 久しぶりに山内さんが来室。着実に前進中。広島からのお土産「もみじまんじゅう」をいただきました。これは、24日の『吾妻鏡』講読会で、大原さんから頂いた健康飲料・食品とともに供出の予定。お楽しみに。

 前期・基礎演習Ⅰのコンパ。わざわざ、安本さんと村松さんが会場前で待っていてくれたのに感激。そして、なにしろ、みんな楽しく賑やかで元気なのが嬉しい。全員が京都女子大に入って幸せだと言っている。そんな学生さんばかりの大学に勤務している私も、とても幸せです。ありがとう。

 そういえば、彼女たちは伊藤千春さんと同学年ではありませんか。伊藤さんも岡山大学で充実した学生生活を過ごされているとのこと。この世代にはとても期待が持てるように思います。

 前期・基礎演習Ⅰのメンバーとは、卒業するまで、これからも月に一回程度、定期的に会を催すことに相成りました。一人くらい、歴史で卒論を書いてくれるようにならないかなぁ、と思っております。

 ある筋からの情報によると、刊行直後に比べると、このところ低迷気味だった、拙著『源氏と坂東武士』(吉川弘文館・歴史文化ライブラリー)の売れ行きが、いきなり且つ急速に息を吹き返している由。何があったのでしょうか?

 >伊藤千春さん  今年のイチジクは大当たりのようで、とても美味しく。ほとんど私が一人占めして頂いてしまいました。本当に、ごちそうさまでした。
 岡山の方にメールを送らせていただきました。
 近いうちに、ぜひ京都に遊びにお出で下さい。 

平維良と平維茂

No.5917

 元木先生、昨日はありがとうございました。

☆ このところ 高志書院からシンポジウムの成果をまとめた論文集が精力的に刊行されていますが、その最新版である柳原敏昭・飯村均編『御館の時代』を編者の御連名で御恵送いただきました。
 「白河御館」と呼ばれた越後城氏、巨大な二重堀遺構の検出された陣ヶ峰城跡、源義経のもとで活躍した佐藤継信・忠信兄弟を生んだ信夫佐藤氏などをテーマにした論文がならび、興味津々の内容です。
 柳原先生・飯村先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ちなみに、越後城氏の祖は系図上、『今昔物語集』に登場し「余五将軍」の名でおなじみの平維茂なのですが、この維茂は一次史料にはまったくあらわれない。大学院生の頃、これを不審に思っていろいろ調べてみると、どうやら鎮守府将軍になった平維良に同定できそうだということになりました。
 当時、立正大学におられた桃裕行先生のもとで『小右記』の講読会が開かれており、それに参加させていただいていた私は、先生との雑談の中で、この話を申し上げたところ、先生も以前からそのように考えておられたとのこと。あわせて、その傍証となる近世の地誌などもお教えいただいたのです。それに力づけられて一気に執筆したのが、本書の総論(高橋一樹「城氏の権力構造と越後・南奥羽」」)でもとりあげていただいている「平維茂と平維良」(『史友』10,のち『中世東国武士団の研究』に収録)です。
 論文の掲載誌を桃先生に差し上げたところ、たいへん喜んでくださったことが思い出されます。
 桃先生は、ちょっとした事実関係について質問しても、「そのことは『大日本史料』の第何編のいくつの何頁に載っていますよ」と仰って、即座に書棚から取り出してその頁を開いて下さるという、たいへんな碩学でいらっしゃいました。
 
☆ 京都市埋蔵文化財研究所の上村和直先生から、御高論「平安京の変容と「京都」の成立」(『都城 古代のシンボリズム 飛鳥から平安京へ』青木書店)ならびに「平安宮の衰微」(京都市埋蔵文化財研究所『研究紀要』10)を御恵送いただきました。後者に掲載されている白河・宇治・法住寺殿などの地図は、考古学の最新の知見によるものとして貴重です。
 上村先生にあつく御礼を申し上げます。  

>田中さん 紀要原稿の註の件、宜しくお願いいたします。

【追記】拙著『坂東武士団の成立と発展』、早稲田の古本屋さんに出ているとのことです。

院試の季節

No.5914

 かつて、九月は「恋の季節」などといわれておりましたが、このところの異常気象で、昨今は如何なものなのでしょうか。
 さて、今年も当ゼミメンバーの何人かが各地の大学院の秋期入試にチャレンジします。
 ふだんの実力を発揮してくれることを祈るのみです。しっかりやってきて下さい。
 試験を通過すれば、目標に近づける立場というのは幸せだと思います。

 ところで、夏の暑さでパワー不足を感じているゼミメンバーに朗報です。一昨日、拙宅に見えた共同研究員の大原さんが、栄養ドリンクとコラーゲンウエハースをたくさん寄進して下さいました。さすがは考古学!!研究室にて先着順にどうぞ。

 宇治共同研究の紀要掲載分の原稿は、目下、整理中です。執筆者には表記の統一などで問い合わせが行くかも知れませんが、宜しくお願いいたします。

 私は例の例会報告や一年以上遅れの原稿やら・・・やらで、相変わらずの混乱状態を続けております。ひとつひとつ片付けているのですが、三つ四つずつ、まとめて新しい仕事が入ってきます。同世代の親友たちもみんな同じ状況のようです。
 50代のおとうさんを大切に!

後期からの『吾妻鏡』と、日本史研究会九月例会

No.5915

 九月が「恋の季節」というのは、なんとなくわかるような気がします。が、季節の変わり目につき、どうかみなさまご体調にはお気を付けを。

◆さて、二ヶ月近く中断しておりました『吾妻鏡』の講読会も、ぼちぼち再開致します。

 日時:9月24日(月)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』安貞二年七月二十四日、二十九日、九月二十日、十月七日、八日、十四日、十八日、十九日、十二月三日、四日、二十九日、
         安貞三年(寛喜元年)正月十三日、十五日、二十七日、二月二十日、二十一日、三月二十六日、
  (※適宜休憩を挟みつつ、読めるところまで読んでいきましょう)

 当日は振り替え休日となるのですが、京都女子大は通常通り授業の行われる日であるということですので、開催日とさせていただきました。普段はお仕事などでなかなかゼミにはお出でになれないみなさんも、この機会にぜひともお運び下さい。

◆それから、野口先生がご講演されます日本史研究会の九月例会につきまして、勝手ながらお知らせです。

        日本史研究会 九月例会
   「京都からみた東国武士の展開と鎌倉幕府の草創」

 近年の中世東国武士研究は、武士発生期以来の東国武士と京・王権との関わりに注目し、在地のみで完結しない東国武士の存在形態を明らかにした。しかし一方、鎌倉幕府に対する評価においては、京都と対立する側面のみをとらえて、公家の圧制に抵抗して成立した政権とする理解が未だに強く、それは東国国家論や二つの王権論の論拠となっているように思われる。そこで本例会では、承平・天慶の乱以後における東国武士の存在形態について、彼らが京都との間に構築した政治的な諸関係を踏まえて検証し、それを前提として鎌倉幕府成立の意義を再検討したい。

  日時:9月29日(土) 13:30~17:00
  場所:機関紙会館5階会議室(京都市上京区新町通丸太町上ル東側)
     (地下鉄丸太町駅下車2番出口より西へ徒歩五分、市バス府庁前下車すぐ)

  報告   :野口実氏(京都女子大学) 「東国武士と京都」
  コメント :元木泰雄氏(京都大学)

『吾妻鏡事典』と『入門吾妻鏡』

No.5918

 岩田君からの御案内にもあったように、24日はふだん参加できないメンバーも、時間が空いていたら是非御参集下さい。
 (ついでに、岩田君、昨日は梨をありがとうございました。)

 ところで、『吾妻鏡』といえば、葛飾区郷土と天文の博物館の谷口榮先生より、佐藤和彦・谷口榮編『吾妻鏡事典』(東京堂出版)を御恵送いただきました。講読会で活用させていただきたいと思います。
 谷口先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ちなみに、実は、目下、鶴見大学の関幸彦先生と私の共編で『入門吾妻鏡』という本の刊行準備が進められています(出版社は吉川弘文館)。私の担当は、人名と系図で、その執筆は、岩田君をチーフとして当ゼミに所属する日本中世史専攻の院DC生を主体とする方たちにお願いしています。『吾妻鏡事典』に対して、強烈な主体性が主張できるものになるか、完成が楽しみです。

☆ 立命館大学の松本郁代先生より、御高論「室町期における「鎮護国家」の社会的展開-「洛中洛外」と鴨河原をめぐって-」(『巡礼記研究』第四集)を御恵送いただきました。
 松本先生にあつく御礼を申し上げます。

☆ 広島大学の下向井龍彦先生より、御高論「徒歩の実資、乗車の実資-『小右記』長和二年二月十二日条から-」(『日本歴史』712)を御恵送いただきました。車にばかり乗って、運動不足の私には身につまされる内容。京女に至る「女坂」も「路遠甚苦々々」なのであります。
 下向井先生にあつく御礼を申し上げます。