古文書学会

元木泰雄
No.5150

 野口先生、無事に帰宅致ました。
 熊本の様子をお尋ね頂きまして、恐縮に存じます。
 
 学会のあった3日間(当方が旅行した5日間)、秋晴れに恵まれた暑いほどの好天の下、充実した講演・報告に接するとともに、圧巻の阿蘇神社文書を工藤・阿蘇品両先生の懇切なご解説を受けながら見学し、工藤、川添両先生を始め、多くの方々と旧交を温め、さらに阿蘇品先生はじめ多くの方々と新たに出会うことができました。本当に、素晴らしい学会でした。
 何より、長年にわたる阿蘇文書の修理を完成に導かれるとともに、今回の大会を熊本に誘致され、多大なご高配を賜った工藤敬一先生に心からの御礼を申し上げたいと存じます。また先生には、美川先生の書き込みにもあるとおり、大会の合間に五高記念館をご案内いただきました。先生の熊本大学、第五高等学校、そして熊本に対する思いをうかがうことができて、心に残るひと時でした。
 
 14日の公開講演も、今回は阿蘇品先生の阿蘇文書の伝来、歴史に関する精細なお話、熊大近世史の吉村先生による永青文庫所蔵文書から見た近世の支配システムのお話と、肥後を代表する二大文書に関する内容でした。
 その晩の懇親会では、まず工藤先生が開会のご挨拶、そして最後には九大名誉教授の川添昭二先生が古文書学会と九州の関係をお話になり、学会と九州の浅からぬご縁、換言すれば九州の中世史研究がいかに活発であるかが髣髴とされたことでした。中尾尭会長いわく、「古文書学会は傾いたら九州で学会を開き、退勢を立て直した。足利尊氏みたいなもの」とは言いえて妙でした。
 翌日の研究発表では、『古代文化』で「阿波民部大夫成良」を公表された野中寛文先生の「一一世紀明法勘文の作成経緯」、義経問題で売り出し中の菱沼一憲先生の「源頼朝の折り紙書状と申状」と、おなじみの方々の興味深いご報告がありました。当方、最初から司会担当、後述のように前の晩は酒を控え、節制?したことでした。
 そして、三番目は野口ゼミでもおなじみの花田卓司君の「南北朝所領給付に関する一考察」。実に理路整然としたご報告で、題名となった課題について、幕府の方針の転換を明快に解明された内容でした。当日の多くの報告の中でも出色の内容であったと思います。当方、そのあたりで緊張の糸がプツン。節制の甲斐もなくウトウト。午後は時代が下ったこともあってもはや、居眠りから本格的な睡眠に移行の気配。
 ちょうど花田君および、その応援団諸氏が熊本城に出かけるとのことで、同行してしまいました。ホントは当方、学会の理事なんですけど・・・
 最終日は、前述の古文書見学会。やはり、北条時政の下文、歴代得宗の文書は一番の関心の対象。また、後醍醐、尊氏、懐良親王以下、南北朝オールスターズの文書群は圧巻でした。その後、小林基伸、美川圭、漆原徹、松本一夫の諸先生方、神野潔さんらと細川刑部亭を見学し、昼食後解散致ました。
 
 今回は、14日の理事会に備え、13日金曜日から熊本に参りました。当日は一見快晴。ご一緒した杉橋隆夫先生のご希望で、先生の運転により阿蘇に参りました。が、さすがは13日の金曜でした。黄砂状のもやで景色は見えず、噴火口は爆発の危険で立ち入り禁止(16日、昼食を取ったホテルでは阿蘇山噴火避難対策協議会とかいう会議を開いておりましたから事態は深刻なようです)、阿蘇神社も工事中。踏んだり蹴ったりです。
 その晩は、軍忠状研究の第一人者、漆原徹先生を交えて三人で懇親会。ホテル東急インのフロントお奨めの郷土料理店「五郎八」。最大の名物馬刺しは、名前を聞いただけで不快になられる杉橋先生に配慮してパス。天草の新鮮な刺身、天草大王という地鶏のつくねなど、味、ボリュームも十分な内容で、酒もしこたま飲んで、一人5000円程度。熊本のよさを満喫しました。杉橋先生お帰りのあと、漆原先生と近所の居酒屋で辛子レンコンを肴にビールと焼酎で一杯。宿に帰ろうと思った刹那、男性スタッフがきびきび働くショットバーを見てしまい、二人とも吸い込まれてしまいました。西銀座通のバーCALMEです。西銀座というと、往年のフランク永井の歌を思い出しますな(なんて言うのは我々以上でしょうか)。行き当たりばったりで入ったこの店が実は大当たり、この晩から3晩続けて通うのですから運命なんて分からない。
 かくして、最初の一晩で中ジョッキ6杯、焼酎1杯、水割り3杯。さすがに二日酔でしたが、二日酔には柑橘系が良いとの噂通り、翌朝オレンジジュースを飲むや、たちまち回復。まだ苦しそうになさっている漆原先生を横目に、朝食完食。わしもまだ捨てたもんやないわい。
 
 14日の晩の懇親会では、九大の佐伯弘次先生、福岡大の森茂暁先生らと久しぶりの旧交を温めることができました。また、鹿児島大学で乕尾達哉先生に学んだ熊大の院生廣島君にご挨拶を受けました。有村さんの1年先輩ですね。有村さんによろしくとのことでした。こんな思いがけない出会いも嬉しいものです。院生諸君は折角の機会ですから、思い切って第一線の先生方にご挨拶されたら良いでしょう。長村君は廣島君とも親しく会話をしていたようですね。大学の垣根を取り払い、多く方々が交流できるところに、学会のよさがあると思います。
 その後、懇親会でしこたま食べたにもかかわらず、ラーメン店はしごに出かけるという小口雅史先生に拉致されかかった漆原先生を救出、またまた前日のバーCALMEに。翌日一番の司会に備え節制いたしました(当方としては節制ですが・・・)。ちなみに小口先生のラーメンはしごは冗談と思いきや、本当に二軒で完食とのこと。どんな胃袋なんでしょうか。羨ましい(聞くだけで気分が悪い)?

 翌15日の研究発表のあとは、阿蘇社領の調査を兼ねてお見えになった大山喬平先生を囲み、総勢17名の大宴会となりました。関西では小林、美川両先生、当方、関東その他では漆原先生、岡野友彦先生、それに京大、立命以下の院生諸氏。これまた楽しい懇親のひと時でした。場所は、大概のガイドブックが郷土料理店の最初に掲載している下通の「青柳」。人数が急に増えてもいやな顔もせず部屋もかえてくれるし、刺身はまだ動いているという活きのよさ、話題の馬刺しもとろけるよう。こんなうまいものが何で全国化しないのか、と思わざるを得ません。やはり「馬」を食べることに抵抗感が強いのでしょうか。辛子レンコン以下の郷土料理、天ぷら、すしといったオーソドックスな料理も美味で、しかもこれまたかなり飲んで、一人5000円程度。有名店の驕りはなく、非常に良心的な感を受けました。前日の「五郎八」とともに、熊本のうまさ、良さを感じました。当方が責任を持ってお奨めできる店です。
 その後、二次会にふとラーメンを食いたいという気になり、「ゴダイゴ」と称する店があると聞いて、「腹を壊しそうな名前だが、話のネタに」と思い出かけました。が、実は「コダイコ」。それを知ると急に胃が重くなり、結局三連続でーCALMEに参りました。小口先生の足元にも及びません・・・バーCALMEはお奨めです。熊本に行かれる方には所在地をお教えいたします。
  
 16日は熊本から鹿児島に移り、鹿大の乕尾先生と黒牛、黒豚のシャブシャブで旧交を温め、翌17日には久しぶりに黎明館を見学して、黒豚トンカツを賞味して帰宅致ました。
 なお、大山先生は二泊のご予定で阿蘇付近を調査しておられます。誠に精力的な御活躍ぶりで、敬服するばかりです。常に、学問に対する情熱を抱き続けられることが、若々しさを保たれる秘訣なのかもしれません。最後まで同道するご予定の花田君、ご様子などお教えください。

 なお、大会の最中、かつて学会の理事として活躍され、研究会では辛口コメントを発せられた桑山浩然先生の訃報に接しました。まだ69歳でいらっしゃいました。室町幕府の政治、制度、そして蹴鞠の御研究と諸方面に活躍されたことはご存知の通りです。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

・古文書学会見学会のご案内
 
 最後にもう一件、古文書学会の見学会についてのご案内です。
 既に御連絡した11月12日の和歌山県立博物館に続き、直後の18日土曜日午前10時から、醍醐寺霊宝館でも見学会が行われます。展示内容は、醍醐寺のHPで確認してください。
 こちらは日本女子大の永村真先生が企画されたものです。
 参加希望者は、東京の立正大学の北村行遠先生の研究室まで葉書で申し込んでください。

学者は胃腸も丈夫でなければならないという話

No.5152

 元木先生、御(おん)自ら古文書学会大会について書き込みを下さいまして、ありがとうございます。こういうときに「恐悦至極」という言葉が使われるのだと思いました。
 花田君、御活躍の様子でとても嬉しい限りです。
 それにいたしましても、元木先生はもとより、優れた研究者の方々は頭脳のみならず、みなさん一様に胃腸も頑丈なようで羨ましい限りです。私など宴会の後にまたラーメンなど食べてしまったら、間違いなく「痢病発動」となります。
 その点、元木先生の研究室の皆さんは、胃腸頑丈な面々ばかりで、将来の大成は間違いなしとお見受けいたしました。当方、もはや昼間にお茶か、食事ならお蕎麦かうどんでというのが限度といったていたらくです。

 西洋史の方でも、木村尚三郎氏・弓削達氏の訃報が新聞に載っておりました。木村先生は私が学生のころ、青山学院にも出講されておられました。ワシントンにおられる山広氏が受講されていたと記憶します。
 歴史学の世界も世代交代が急なようです。

 ☆ 千葉県船橋市教育委員会の道上文先生より、『東中山台遺跡群(39)発掘調査報告書』を御恵送いただきました。昨年のゼミ旅行の際に佐伯真一先生と御一緒に訪れた中山法華経寺を対岸の台地に臨む場所の発掘調査の成果の記録です。このあたりは、下総の府中にも近く、興味津々です。
 道上先生にあつく御礼を申し上げます。

平家物語 語りの公演ご案内

No.5148

野口先生にどうぞとおっしゃて頂き、はじめて投稿致します。
平家物語の原典といえる覚一(かくいち)本を語りの台本として、その時代を必死に生きた人々に焦点を当て、「語り芝居と琵琶・笛の演奏」により演じられる舞台です。
日時 11月26日(日)14時開演  場所 大阪 大槻能楽堂
日時 11月28日(火)14時開演と18時30分開演 場所 京都 金剛能楽堂
演目 俊寛(足摺・有王・僧都死去)《語り芝居》 義経《琵琶語り》  祇王《語り合わせ》
琵琶の音色・笛の調べに乗った平家物語の登場人物が少しでも皆様の心に触れてもらえますよう、一同精進しております。
料金は一般前売4000円ですが、学生の方は学生団体割引として、3000円にさせて頂きます。(お一人でお申込でも)
E-mail:natu-i3@kcc.zaq.ne.jp までお申し込み下さい。返信をもって予約完了とさせて頂きます。

Re: 平家物語 語りの公演ご案内

No.5153

 乾さんからお送りいただいた、この公演案内のチラシは研究室の前のテーブルに置いてあります。どうぞ、お持ち下さい。

さ~て、来週の『吾妻鏡』は。

No.5147

 このところすっかり涼しくなりまして、朝夕は肌寒いくらいですね。そうかと思えば、今日のように昼間は少し汗ばむ陽気も感じます。室内で史料講読も良いですが、たまには外に出歩きたくなるような気候です。

 さて来週は、
  『吾妻鏡』講読会
  時間:10月23日(月)15:30~(予定)
  場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
  範囲:建保七年(承久元年)二月十三日条、同十四日条、同十五日条、同十九日条、同二十日条、同二十一日条、同二十二日条、同二十九日条、
     閏二月十二日条、同二十八日条、同二十九日条、
です。

 講読範囲をやや広めに取りましたが、実朝・公暁没後に幕府とそれを取り巻く環境が様々に変化する時期ですので、細かく読み込んでいきたいと思います。あらかじめご了承ください。
 『吾妻鏡』講読会は“脱力系史料講読会”として毎週開催中です。メンバー随時募集中ですので、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。

昼寝のおともに

山田邦和(花園大学・考古学)
No.5144

 美川先生に倣い、お知らせです。
 こちらは、昼寝のおともに、どうぞ。

 明・16日の昼間、12時00分~13時00分のテレビ番組「京都!ちゃちゃちゃ」の中の「聞きごろ」コーナーに出演し、平安京の話をいたします。在来放送ではKBS京都、衛星放送ではスカイパーフェクTVの726ch「関西テレビ☆京都チャンネル」での放映となります。
 http://www.kyoto-channel.com/cgi-bin/cha_show.cgi

 ただ、録画ではなく生放送。もしかしてハチャメチャになるかも。はてさて、どうなりますか(^_^;)

山田先生は福の神であるというお話。

No.5145

 生放送ですか。しかし、山田先生はNHKテレビの番組で林マヤさんとお散歩されるなど、もうタレントとしての修養は十分に積んでおられますから、「心配ご無用」だと思います。
 しかし、残念なことに月曜の昼間はテレビを見たり昼寝をする余裕もございません。どなたか、ぜひ録画をお願いいたします。

 ちなみに、山田先生の当BBSへの書き込みは幸せを運びます。本日、山田先生の書き込みで学芸員の公募を知り、それに応募して目出度く博物館に採用された方から、わざわざ御挨拶のEメールをいただきました。21日の公開講座にお出でいただける由です。

 人事の季節。今秋の山田先生は、ことさら御利益がありそうです。

山田先生は角田先生に似てきたというお話。

No.5149

 山田先生ご出演の番組。録画で拝見いたしました。
 番組の最初から最後まで、若い二人の司会者の前に座らされて、カメラの前でお弁当やら黒胡麻の生八つ橋を一口だけ食べさせられたり、手に模型の町屋を持たされてコメントを求められているお姿に、御同情を禁じ得ないものがありました・・・。目の前で司会者が赤山禅院をとんでもないところに指示した地図で説明していたのにもさぞや困惑されたことと思います。
 しかし、山田先生が、司会者の質問に対して、じつうまく切り返し、適切な発言をされていたのには、「流石はもと京都文化博物館の名学芸員!」だと感心させられました。あるいは台本が用意されていたのでしょうか?
 また、お姿はすこしスマートになられたように見えましたが、なにやら角田文衞先生を思わせるような物腰に、正統なる学者としての風格を感じさせられました。
 やはり、御出演の真骨頂は平安京の形態の変遷に関するレクチャーで、花園大学における講義風景や研究室におけるお仕事の様子も拝見できて貴重でした(ここでは内緒の情報もあり)。ちょうど大学受験生が志望先を決めようとしている時期ですから、花園大学に対する貢献はかなり大きかったと思います。
 山田先生の御解説は要をおさえて分かりやすく、また地図や写真のパネルも用意されていて、私にとっても勉強になることが多くございました。
 ところで、下世話な話ですが、番組中、タコしか食べられなかったお弁当や一口かじっただけの生八つ橋は後でゆっくり召し上がられたのでしょうか?

 ところで、テレビといえば、元木先生から拝借中のNHK大河ドラマ『源義経』(尾上菊之助主演)のDVDですが、机上のパソコンにて仕事の合間(逆かも知れません)に視聴させていただきました。リアリティーという点で、最近の作品のレベルが相当落ちていることを実感させられました。
 歴史学を仕事にしている者の立場から見て、女性の描き方も、最近の作品よりこちらの方がまともに思えました。 
 一人で鑑賞しているのは申し訳ありませんので、次回『吾妻鏡』の「(脱力系)講読会」の時にでもお持ちしてゼミの諸姉兄とともに大画面で見直してみたいと存じます。

 元木先生には25日にお返ししたいと思います。ちなみに、熊本は如何でしたでしょうか? 

Re: 昼寝のおともに

山田邦和(花園大学・考古学)
No.5151

 野口先生、お目汚し、恐れ入ります。
 やっぱり生中継というのは大変ですね。緊張しました。赤山禅院の位置の間違いは、放映最中に「あれっ、おかしいぞ」と気づき、CM中に指摘しました。冷や汗をかいたのは、平安京の図を作ってもらったのですが、どういうわけか東側が右京、西側が左京になっていたこと。幸い、リハーサルの時に気づいて訂正してもらったのですが、あのまま放映されてしまったら赤恥をかくところでした。
 まあ、機会があればマスコミに顔を出すというのも、研究者の「社会的貢献」の一環、研究成果の社会への還元、それから所属している大学の宣伝ということで、果たすべき責務のひとつなんでしょうね。
 お弁当は、放映後にちゃんといただきました。これは美味しかった。八つ橋も。

10月のゼミ関係の行事予定

No.5141

 >美川先生  早朝の熊本から書き込みをありがとうございました。工藤先生に宜しくお伝えいただければ幸いです。

 >足立様  Eメールをお送りいたしました。

 ところで、本当はトップページにも貼らなければいけないのですが、明日以降のゼミ関係の行事予定の詳細をここにまとめておきたいと思います。

(1)『吾妻鏡』講読会
  時間:10月16日(月)15:30~(予定)
  場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
  範囲:建保七年(承久元年)正月二十八日条、同三十日条、
     同二月一日条、同二日条、同四日条、同六日条、同九日条、同十三日条、同十四日条

(2)京都女子大学宗教・文化研究所 宗教・文化公開講座(2006年度)
       「天下人の京都」
  日時:10月21日(土)13:00~16:30
  会場:京都女子大学A校舎5F礼拝堂
         (京都駅八条口よりプリンセスラインバス京都女子大学前下車)
  プログラム
   ■講題 「頼朝の六波羅邸―鎌倉幕府と都市京都―」
     講師 本学宗教・文化研究所教授 野口 実
   ■講題「秀吉が伐らせた木」
     講師 武蔵大学文学部教授 瀬田 勝哉
  参加費無料・申込不要
  お問い合わせ先 京都女子大学宗教・文化研究所 ℡075-531-7074

(3)秋の見学会(田中さん主催)
  『平家物語』関連の場所を歩く連続企画。
   「うしろは三井寺に続いてゆゆしい城郭」とされている鹿ヶ谷の俊寛山荘跡
  日時:10月22日(日)(時間設定は参加者の間で相談とのことです)

(4)卒論中間発表会
  日時:10月23日(月)18:00~
  場所:L校舎3F 宗教・文化研究所共同研究室
  山岡瞳さんの報告です。テーマは、女院と武士に関係するものだと思います。
   
  * なお、伊藤さん・山内さんの報告日程は今のところ未定です。 

(5)古文書講読会
  日時:10月26日(木)10:00~
  場所:L校舎3F 宗教・文化研究所共同研究室

 ※ これ以外の予定や補足があったらお知らせ下さい。『吾妻鏡』は23・30日もありかもしれません。

Re: 10月のゼミ関係の行事予定

No.5142

野口先生、今月の予定のまとめ、どうもありがとうございます。
古文書講読会ですが、時間は10:30からということで、よろしくお願いします。

Re: 10月のゼミ関係の行事予定

No.5143

>十月の『吾妻鏡』講読会について
 また明日にでも参加者のみなさんとご相談したいと思いますが、不都合がなければ10/23と10/30も開催したいと思います。
 メンバー随時募集中ですので、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。

両師範に感謝。

No.5146

 佐伯君・岩田君  訂正と補足をありがとうございました。よろしくお願いいたします。

『尊卑分脈』安達系図に関して

No.5139

野口先生お久しぶりです。
と、申し上げてもご記憶にないかも知れません。以前、足立遠元に関する、ある論文の入手先をおたずねして、ご返事を戴いたことがあります。

足立遠元が盛長の年上の叔父、というのは今では定説のようになっていますが、小生いまだに納得がいきません。そもそも小生は「丹波國佐治庄地頭足立系図」の方が正しく、『尊卑分脈』は強引に安達に足立を繋いだものと考えています。

さて、表記安達系図に関して最近気づいたことがあります。
遠兼について、上部の欄外注記に「但小野田三郎兼盛子」とあります。なぜなのでしょうか、系図上で兼盛と遠兼は罫線で結ばれているのに、養子・猶子ならいざ知らず、わざわざ注記を書く必要はない、まして遠元が年上と云うことは遠兼も兼盛より年上の可能性が高いわけです。
『吾妻鏡』によりますと盛長は一貫して姓を以て呼ばれたことがなく、つねに盛長か、籐九郎盛長と呼ばれ、あたかも頼朝の郎党の扱いでした。かれが安達を冠して呼ばれたのは彼の死の直前、正治元年10月28日が初めてで、それが彼の『吾妻鏡』における最後の記録となっています。

私は洞院家が軽率に安達に足立を繋いだとしか考えられないのですか゛いかがでしょうか。

今夜は馬刺しでビールでしょうか?

No.5137

 元木先生・美川先生や元木先生の研究室に所属する院生諸兄姉の多くは日本古文書学会で熊本にお出かけのことと思います。たいへん良いお天気で、九州の風光を堪能されていることでしょう。
 一方、当方、自ら買って出た訳ではありませんが、結果的に在京留守居役。諸事に追われております。
 しかし良いこともあり。
 まず、昼休みにコンビニにお弁当を買いに行ったついでに、ふらりと京都国立博物館の平常展示をのぞいてみたところ(私は友の会会員ですが、どうも今日は無料公開日だったようです)、鳥羽天皇・崇徳天皇をはじめ、安東蓮聖や昔は足利尊氏といわれていた大太刀を肩にした武者等の諸像を拝することが出来ました。
 さらに、家に帰ると、千葉にいた頃、大変お世話になり、また今も東国武士団の研究でいろいろ御教示を頂いているK氏から、都内の歴史博物館に御就職の旨の挨拶状が届いておりました。大学院修了後、着実に研究を進めて来られたことが正当に報われたのだと思います。本当に嬉しいことです。今後のさらなる御活躍を期待する次第です。
 
  ☆ 本日、鶴見大学の関幸彦先生より御高著『戦争の日本史3 東北の争乱と奥州合戦 -「日本国」の成立-』を御恵送いただきました。諸説紛々のテーマゆえ、御執筆の御苦労は大変なものだったことと存じます。かの『研究史 地頭』をまとめられた関先生にして出来るお仕事と拝察いたしました。
 関先生にあつく御礼を申し上げます。

【追記】
 >昨夏のゼミ旅行で鹿児島を旅行したメンバーへ  本日21:00~NHKのBS2で放送される『男はつらいよ 寅次郎真実一路』の舞台は鹿児島。
 最後の場面で、廃線になった線路の鉄橋を歩く寅さんの向こうに金峰山が大きく映ります。

Re: 今夜は馬刺しでビールでしょうか?

No.5138

 野口先生、在京守護をありがとうございます。

 おかげさまで、熊本を堪能しております。

 昨日は、阿蘇品保夫先生の阿蘇文書についてのご講演など、熊本ならではの講演を拝聴しました。思いも掛けなかった収穫は、元木先生、森茂暁先生とともに、工藤敬一先生に案内をしていただき五高記念館を見学できたことです。一般公開されているのですが、工藤先生の「ここが国史の研究室」「昔の寮の建物がのこっていて、そこに教官研究室があった」といったお言葉は、たいへん貴重なものでした。旧制高等学校ののびやかな雰囲気の一端を味わうことができました。昔の構内の模型や写真、五高教授であった夏目漱石の声?など、ぜひ熊本にいらしたときは、必見、必聴です。入試問題がどの科目も英語で出題されているのにも驚きました。

 残念ながら、馬刺しはお預けでした。今晩あたりでしょうか。

平安京街路の巷所化を示す遺構検出

No.5135

 JR山陰線の複線化に伴う京都市埋蔵文化財研究所による発掘調査で、平安京綾小路の巷所化を示す遺構が検出されたそうです。道路幅が平安初期12㍍→中世6㍍→現在4㍍とのこと。宇治の「大路」の幅を考える材料になりそうです。
 京都新聞の該当記事→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061011-00000038-kyt-l26

廣政さん、おめでとうございます&歴史手帳

No.5134

 ちょっと御無沙汰していますが国文学科の廣政愛さんから、本学大学院合格の知らせが届きました。
 おめでとうございます。
 中国留学の経験を活かし、御活躍を期待するところです。

 その廣政さんからも問い合わせを頂いたのですが、今年もあと僅かということで、2007年版の『歴史手帳』を必要だという方はお知らせ下さい。→http://www.yoshikawa-k.co.jp/top.htm
 例年のように、当方で一括注文いたします。

 ☆ 公示した共同研究について、各方面(同業者内ですが)から反響が届いておりますが、一様に「メンバーがすごい」との讃辞をいただいております。さすがに知る人ぞ知る。私もそう思っています。ぜひ期待に応えていただきたいと思います。
 なお、共同研究メンバーの皆さんには、書類発送に対して受領確認のメールをいただき、ありがとうございました。よろしく、お願いいたします。  

ありがとうございます!

廣政 愛
No.5136

お祝いのお言葉を戴き、ありがとうございます・・・!
野口ゼミの皆さんを目指して頑張ります!!

歴史手帳の件もありがとうございます。わくわく。

次回、『吾妻鏡』のごあんない

No.5132

 昨日の卒論中間報告会、ご報告いただきました尻池さん、ご参加のみなさん、おつかれさまでした。

 さて来週の月曜日は、また『吾妻鏡』講読会を予定しております。、
  時間:10月16日(月)15:30~(予定)
  場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
  範囲:建保七年(承久元年)正月二十八日条、同三十日条、
     同二月一日条、同二日条、同四日条、同六日条、同九日条、同十三日条、同十四日条
 です。よろしくおねがいします。

07年度の共同研究について

No.5133

 昨日の卒論中間報告会は報告者の尻池さんを除いて(午前中、平田さんがお見えでしたが)、すべて男性メンバー。「これで何で女子大のゼミだ」とお叱りを受けそうな事態でした。それにしても、佐伯君がお手製のポテトやパンプキンのケーキを持参されたのには感動しました。これは女子大のゼミらしい。愛知から高速バスで駆けつけ、翌日の授業のエネルギーを確保するために(もはやプロ魂を発揮!)いそいそと新幹線で帰られた野口君からも、例によって美味しいお土産をたくさん頂きました。御両人にあつく御礼を申し上げます。
 また、このところ各方面に活動の場を展開させていた3Y諸氏が久々に顔を揃えたのも嬉しいことでした。
 本題の尻池さんの御報告ですが、オリジナルな指摘もあって、卒論としては出色の出来だと思います。そのうえ関西圏の主要大学に所属し、この時代を専攻しているDC院生諸君から多くの貴重なアドバイスを得たわけですから、きっと素晴らしい卒論が仕上がるものと期待しております。

 ところで、来年度の共同研究(研究代表者は私です)について下記の如く決定いたしましたので、確認の意味も含めてここに公示いたします。

 「権門都市」宇治の成立 (中世前期の宇治に関する総合的研究Ⅱ)

1.研究目的
 平成18年度より約5年計画で、中世前期における「権門都市」宇治をめぐる諸問題を研究テーマとして掲げ、文献史学・国文学・考古学の側面からアプローチをはかっている。
 近年、中世前期都市史研究は活況を呈しており、そのなかで京都・平泉・鎌倉という王家・武家の政治権力の所在した都市については大きな成果が示されている。しかし、王権に包括されながら、実は国家的な権能を担い、平泉や鎌倉の政治権力にも大きな影響を与えた摂関家の本拠の都市である宇治については、ほとんど関心の対象にされてこなかった。本研究は、宇治を中世前期における権門都市の典型ととらえ、その政治・経済・文化・軍事機能を平泉など他の権門都市との比較を踏まえて解明し、その成果を中世都市史研究の中に位置づけることを目的とする。

2.研究協力者
 【文献史学】佐伯智広,岩田慎平,佐藤英子,長村祥知,辻浩和,坂口太郎,樋口健太郎
 【国文学】田中裕紀,雨野弥生
 【考古学】大原瞳
 【情報処理】鈴木潤,永富絵里子

3.研究概要
 【文献史学】①従来研究の手薄であった鎌倉初期(1180年~1220年ごろ)の宇治に関する史料を博捜し、現地調査をするなどの基礎的な作業。②摂関家の葬地や別業が設定される背景となった宇治地域の空間構成を前提に摂関家と宗教に関して考察する。③院政期における宇治御幸について政治史的分析を加える。④宇治の大殿忠実について、その権力の実態を検討する。⑤宇治の軍事的機能に関わる考察を行う。⑥京外遊興地としての宇治・伏見の性格について分析を加える。⑦鎌倉時代中後期の宇治に関する宗教史的考察。
  【国文学】⑧物語における武士と宇治について考察する。⑨宇治が重要な権門都市であったという視角が開けてきているが、そのような宇治を舞台とした物語はいかに書かれているのかを考察する。⑩都市研究の進展を受けて、物語の場としての宇治の新たな視角を導き、「物語・説話における舞台空間としての宇治」を解明する。
 【考古学】⑪これまで行われた発掘調査の成果を整理し、摂関~院政期における都市空間の復元に資するとともに、⑫出土した土器の編年について検討する。
 18年度は③⑧⑫について具体的な研究が進められた。

4.研究計画
 研究協力者が全体の研究テーマに即した形で個々のテーマを設定し、その成果を全体の研究会で報告・総括し、さらに個々の研究作業に活かしていくという方法をとり、研究代表者は自らの研究課題を設定するとともに全体の総括を担当する。また、文献・考古についてはそれぞれのメンバーでチームを構成して、基礎的な文献・史料の博捜につとめる。とくに文献史学と国文学は、たとえば説話類の記述についても、史料として分析の対象とすべきものが多いことから、相互に緊密な連携をはかる。また、建築学など周辺分野の諸業績を積極的に活用するとともに、つねに平泉や鎌倉などと比較する視角をとる。
 情報処理担当の研究協力者は、この研究で得られた情報の整理や研究過程における情報機器の活用について技術協力を行う。研究成果については個人および研究ジャンルごとに積極的に論文化をはかっていく。
【18年度実施した見学・調査地】浄妙寺跡・頼政道・宇治神社・宇治上神社・平等院(阿弥陀堂・鳳翔館など)・白川(白山神社・寛子供養塔など)
【18年度実施済みの研究報告テーマ】野口実「「権門都市」としての宇治」,大原瞳「宇治市域における土器様相~平等院創建前後を中心に~」,佐伯智広「後白河院の保元三年宇治御幸」,長村祥知「承久の乱における宇治川合戦」,岩田慎平「都市宇治形成試論-道長期を素材に-」,佐藤英子「平等院宝蔵・経蔵と摂関家家司~『玉葉』に見る九条兼実家司を中心に~」,田中裕紀「「文学における宇治」を考える諸前提」
 
5.備考
 研究協力者の多くは宗教・文化研究所ゼミナールの活動に参加するなかで、研究者への道を志し、すでに各ジャンルの第一線で活躍中の若手研究者たちである。ゼミナール活動との連携、あるいは今後の研究所の研究活動の一つの主体的方向をこの研究の中でつかみたいと考えている。なお、この共同研究に関わる現地調査および研究報告会などの具体的な活動には、当該ジャンルの研究者や研究所ゼミメンバーのみならず本学および他大学の院生・学部生の参加を積極的に奨励している。