平重衡の鎌倉連行と大姫のことなど。

No.3955

 本日は祇園祭の山鉾巡行で、四条通の辺りは大変な賑わいだと思います。おそらく、当ゼミメンバーの何割かは、その賑わいを構成していることでしょう。楽しそうな顔が浮かびます。
 ところで、久しぶりに些かの朝寝をして新聞を開くと、テレビ欄に本日放送の大河ドラマのストーリーが出ていました。平重衡の鎌倉連行と、清水冠者義高を頼朝が殺害させるというのが、今日のお話しのようですが、驚いたのは義経が重衡を鎌倉まで連行したという筋立てになっていることです。時代劇ではなく、一応歴史ドラマなのですから、これはフィクションの度を超しています。ここで義経が京都を離れては、鎌倉方の既得勢力が失われるばかりでなく、後白河院・王朝政府にとっても、それは絶対に容認しがたいことであったからです。
 義経は鎌倉幕府の「京都守護」の初代と考えてよい存在で、一ノ谷合戦後は屋島出陣まで約一年間、在京して京中守護と畿内近国における武士の非法狼藉停止などの職務遂行にあたっていました(藤本元啓「京都守護」『藝林』30-2)。『吾妻鏡』によると、重衡の鎌倉護送は梶原景時によって行われたようです。
 なお、義経の在京活動が高く評価できることは、菱沼一憲「源義経の再評価」(『国史学』179)に指摘されています。
 もう一方の義高殺害の事件と、この時の北条政子・大姫母子の対応については、野村育代『北条政子』(吉川弘文館、歴史文化ライブラリー)に適切な叙述がされています。ぜひ、お読み下さい。
 大姫はこの事件がきっかけで精神を病み、短い生涯を終えることになったと伝えられていますが、大姫というと、1972年6月、母校・千葉県立千葉東高校で、一緒に日本史の教育実習をしたIさん(当時、早大教育学部4年、私にとって高校の一年先輩)のことを思い出します。彼は大姫の熱烈なファンで(なぜかは、想像がつくことと思います)、おりしも授業が鎌倉時代にさしかかったところでしたので、熱くこの話を生徒達に語っておられました。
 Iさんとは、もう30年も音信不通ですが、きっと今も千葉県の公立学校で(もう管理職になられたことと思いますが)、この話を生徒達に昔のように熱く語っておられるのではないかと想像します。

講読会

石井一英
No.3953

次回の『百練抄』の講読会に参加したいと、野口先生と山岡さんに言ったのですが、行けなくなりそうなのでお伝えします。
理由は13日夜半の集中豪雨でマンションの自室が床上浸水しまして14日の試験が受けれず、追試が29日前後になりそうだからです。ノートや講義資料が水没の憂き目に遭い散々でした。

お見舞い申し上げます。

No.3954

 桃山御陵のあたりで、それほどの豪雨だったとは知りませんでした。相当、悪条件が重なったのでしょう。床上浸水ということですと、後片付けも大変だったと思います。
 何かお役に立てそうなことがあったら遠慮なく連絡してください。
 『百錬抄』の方はご心配なきように。
 
 この夏は鹿児島ゼミ旅行が企画されていますが、1993年8月、私も鹿児島で豪雨災害に直面し、さらに9月、自宅が台風に被災しました。長い間断水が続いたり、降雨のたびの雨漏りに大変苦労したことを思い出します。

ありがとうございます

石井一英
No.3959

何とか部屋の片付けも終えて文化史特論のレポートも無事に今日提出できました。野口先生、心配していただきありがとうございました。

行程再掲と事前学習会日程

No.3946

 もたもたしてしまいましたが、ゼミ旅行の事前学習会を8月5日(金)14時から共同研究室で行いたいと思います。日程調整の段階で参加・不参加把握しておりますので改めてのご連絡は不要です。発表者は参加者ほぼ全員になると思いますのでよろしくお願いします。テーマ設定・担当者についてはこちらに一任していただきたく思います。詳細は明日にでも掲示板&MLで発表させていただきます。
 で、その際に必要になると思いますので行程を再掲しておきます。

         ’05野口ゼミ ゼミ旅行しろくまツアー
行き先:鹿児島 日程:8月18日~20日
行程:
0日目:大阪南港(フェリー)19:30発→宮崎港 翌8:20着
1日目:宮崎神宮→宮崎空港12:30(全体集合)→霧島神宮→鹿児島神宮・隼人塚→鹿児島市内泊
2日目:金峰町(歴史資料館・持躰松遺跡など)→川辺町(清水磨崖仏など)→知覧町(ミュージアム知覧・特攻記念館・武家屋敷群)見学→指宿市内泊 
3日目:鹿児島市内見学( ふるさと考古歴史館・黎明館・尚古集成館)→鹿児島空港18:45発(ANA552)→伊丹17:50着 解散
天候等で 変更の可能性があります。

 事前学習会については明日また書かせていただきます。

事前学習会の内容

No.3949

 ↑にも書きましたように、事前学習会を8月5日(金)14時から共同研究室で行います。報告を以下のように割り振りますので準備をよろしくお願いします。

0.行程・交通に関する説明(八井くん) 1.島津庄について(岩田くん) 2.霧島神宮と神話に関するもの(門屋)3.鹿児島神宮・隼人塚 (山岡さん) 4.けしきの森・俊寛・為朝 (田中さん) 5.金峰町(持躰松遺跡)・川辺(清水磨崖仏)・知覧 (尻池さん) 6.鹿児島市内 (大内さん)

 一人20分程度でお願いします。一応テーマを設けてありますが、その周辺で別に興味がある場合は手を広げてもらっても構いません。その辺りは個人の判断にお任せします。持ち歩きしやすいようにサイズはB4に統一してくださるようお願いいたします。疑問点などあれば門屋に聞いてください。 
 また、事前に読んでおいてもらいたい参考文献などがあれば掲示よろしくお願いします。

決定が遅くなってしまい申し訳ありません。

事前学習会の参考文献(その1)

No.3952

 参考文献を思いつくままに、
 鹿児島の歴史について手っ取り早く理解できるのは→原口泉ほか『鹿児島県の歴史』(山川出版社)
 島津庄については多くの研究がありますが、まず読むべきは→工藤敬一『九州庄園の研究』(塙書房)
 鹿児島神宮こと大隅国一宮正八幡宮については、鹿児島大学の日隈正守先生に多くの御研究があります。
 持躰松遺跡については→『古代文化』2003年2・3月号特輯「11~15世紀における南九州の歴史的展開」
 源為朝・俊寛などについての文学からのアプローチについては、田中さんにお任せ。
 最後に、私の書いたもの。
 鹿児島・南九州地域の歴史全般について→「薩摩・琉球地域」(岡田清一ほか編『中世日本の地域的諸相』南窓社)
 薩摩社会の東国武士社会との関係→『武家の棟梁の条件』(中公新書) 
 
 ☆ 東京大学大学院人文社会系研究科研究員の秋山哲雄先生から、御高論「都市鎌倉の東国御家人」(『ヒストリア』195)と「鎌倉期の長門国守護と「長門国守護次第」」(『東京大学史料編纂所研究紀要』15)の抜刷の御恵送をいただきました。とくに前者は私の研究テーマと密接な関係を有する内容で、東国武士の在地支配と京都・鎌倉や西国所領のなどのネットワークの問題が論じられています。これまた、武士論をテーマとするメンバーは必読。
 後者は周防守護の問題もからんでいて、地元の山内さんには興味深い内容ではないかと思います。
 秋山先生、ありがとうございました。

祝・鹿児島巡見。おじゃったもんせ!

有村 芳恵
No.3942

 この掲示板に初めて投稿させていただきます。鹿児島大学人文学科日本史研究室4回生の有村芳恵と申します。薗田美和先輩の、鹿大での後輩にあたる者です。2月に京都に参りました際には、元木先生・野口先生・美川先生・近藤先生を始めとして、佐伯先輩・薗田先輩・山岡さんにお会いする機会に恵まれ、大変有意義なお話を伺うことが出来ました
。本来ならば鹿児島に帰りましてすぐさまこの掲示板にて御礼申し上げるのが筋でしたが
、ゼミ生ではない私が投稿しても良いのだろうかと気後れをしてしまい、今日まで投稿を遠慮しておりました。しかし、この掲示板は随時チェックしていたつもりでしたが、私の名前が掲示板に登場していたことに、迂闊にもつい最近気付き、「これは御挨拶しなければ!」と、慌てて参上した次第です。野口先生、私めに「再会したい」と身にあまるお言葉をかけていただきながら、書き込みが遅れまして申し訳ありませんでした。また、遅ればせながら京都にてお世話になりました諸先生方、ゼミ生の皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
 さて、今年はゼミの皆様が鹿児島に巡見にこられる!ということで、胸の高鳴りを抑えきれず(笑)、幹事の門屋先輩に、日程についてあれこれと御提案したのですが、皆様の御事情もよく知らずに的外れなことを申し上げた気が致します。あまりお力になれずすみませんでした。その後、野口先生が「鹿大生と飲みたい」とおっしゃている事をお聞きし
、是非ともと申し上げた結果、8月18日に当方ゼミ生と酒宴を共にして下さる運びとなりました。このような機会は滅多にあるものではありません。声をかけていただいて本当にありがとうございます。当方ゼミ生は全部で10名(門屋先輩、あれから一名増えたのですが、まだ大丈夫でしょうか?)で伺う事になりました。当日は紫原の「信玄」まで当方ゼミ生を連れて参上致しますので、どうかよろしくお願い致します。
 それでは、今年は台風が来ないことを祈りながら、鹿児島の地より皆様のお越しをお待ち申し上げております。

  P.S タイトルの「おじゃったもんせ」というのは、鹿児島弁で「いらっしゃいませ」という意味の方言です。異国の言葉ではありませんので悪しからず(笑)

有村さん、ありがとうございます。

No.3943

 有村さん、こんばんは。このところ、私ばかりが書き込んでいて沈滞ムードの掲示板がパーッと景気よくなった観があります。御登場に感謝します。
 さっそくですが、来春御上洛が成りましたならば、ぜひ当ゼミ正式メンバーとして御活躍をお願いしたいものです。当ゼミメンバーが本籍を置く大学は関西の主要大学をほぼ網羅いたしております。
 鹿児島大学から10名もの方々が宴会に参加していただけるとは、嬉しい限りです。数年前、前任大学のゼミ旅行で鹿児島にお邪魔したときにも、金井先生とゼミの皆さんに騎射場で歓待していただきました。また、今回現地での引率をお引き受けいただいた新地さん(鹿大院の御出身)には、その時もお世話になりました。新地さんは私の鹿児島時代の教え子(教養部時代)を自称してくださる貴重な存在です。紫原の「信玄」、これは早々に予約しておかないといけませんね。
 私が「鹿大生と『飲みたい』」と豪語できるようなら良いのですが、アルコールも紫煙もまったくの苦手でありまして、ただ、ただ、歴史学に意気盛んに挑戦されている鹿大の若い皆さま方に久しぶりにお目にかかり、お話しをする機会を得たいという次第です。
 このところ御無沙汰していましたので、できれば、五味先生・永山先生や青学院同窓生の徳永先生をはじめ、鹿児島でお世話になった先生方にお目にかかれる機会が得られれば幸いと考えています。
 先般、有村さん御上洛の際にはお目にかかれなかった、<京都を代表する>元気で優秀な若者たちが大挙して参上致しますので、なにとぞ宜しく。スゴイですよ!
 明治以後、鹿児島は新政府を樹立した東京一辺倒の風がありますが、中世を専攻される皆さんならよく御承知の通り、島津庄は摂関家領であり、島津氏の祖の惟宗忠久は、そもそも京都人であります。このさい、京都と薩摩の<ゆかり>を再確認したいものです。
 有村さん、何卒よろしくお願いいたします。

 P.S 鹿児島大学の日本史研究室でも是非、京都旅行を御計画下さい。その際は、こちらが歓迎いたします。
 鹿児島の旧知の皆さま、当掲示板に諸情報など遠慮なく書き込みをお願いいたします。

再会間近?

No.3945

有村さん、どうもお久しぶりです!
今回のゼミ旅行は私も参加しますので、18日の酒宴でまたお会いできますね~。
うれしい限りです。待ち遠しいなあ~♪楽しみにしてます。
来春の上洛に向けて大変な時期だと思いますが、暑さに負けず頑張って下さいね。

>野口先生
島津庄は研究対象として本当に興味深いですね。
ぜひぜひいろいろと考えてみたいところなのですが、
まずはこの前の報告を早くまとめなくては…
(あのネタは半年以上寝かせっぱなしで、本当に面目ない話です)

お久しぶりです!!

山岡瞳
No.3947

>有村さん
ご無沙汰しております。メールアドレスを交換しておきながら、何もご連絡差し上げることが出来ず、すみませんでした。
今回初めて鹿児島にお邪魔をするのですが、去年の小城の暑さでばててしまったことを思いだし、心配になってきました…。台風も心配です。

またお会いできるのを楽しみにしております。

そろそろ実感がわいてきました。

No.3948

 有村さん、行程決定の際には色々とお世話になりました。土地勘がなく、所要時間もあまりわからなかったので、貴重なご意見ありがとうございました。先日メールいたしましたように様々な所属の<京都を代表する>元気で優秀な若者で訪問いたしますので18日よろしくお願いします楽しみにしております。(人数変更の件了解いたしました)まだ悩んでいる方がおられればこれからでも構いません。少しでも多くの方と交流できますことを楽しみにしております。

あいがとがした~。

No.3958

有村さん、お久しぶりです!掲示板に書き込んでいただき、ありがとうございます。
酒宴を催されるとのこと、鹿児島のおいしいお酒を用意してくださいね♪
卒論でお忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いします(って、私は行けないのですが・・・(;.;)
私の方は昨日宮崎・鹿児島より帰洛しました。
ゼミ旅行参加者のみなさま、猛暑にご期待くださいませ!

通学路で、『平家物語』を旅する。

No.3939

 京都女子大学受験生のための定期刊行のパンフレット『京女えふ』(Vol.02,2005 July)に、「【京都がキャンパス】通学路で、平家物語を旅する」という<特集>記事を載せていただきました。
 JR京都駅から、京女にいたるまでの通学路に点在する『平家物語』関係の史跡を紹介した内容です(全ページカラー・史跡地図付き)。
 七条町・八条院庁(JR京都駅)→六条河原・六波羅(七条大橋)→法住寺殿(京都国立博物館・三十三間堂)→新日吉神宮(女坂)→平重盛小松殿(馬町・積翠園)といったコースで『平家物語』の一節を紹介しながら私が案内する形になっています。
 御入用の方は、京都女子大学入学センターまで。
  ℡075-531-7054, FAX075-531-7222, E-mail:nyuushi@kyoto-wu.ac.jp

 なお、本年度も全国の高等学校からの申込みにお応えする形での出張講義を担当することになりました。ジャンルは歴史学の分野(京都学)。タイトルは「武士の都としての平安京・京都」です。詳細は下記を御覧下さい。指定の曜日にかかわらず、実施日程については出来るだけ調整したいと考えております。昨年度は福岡・兵庫・島根の高校を訪れ、多くの楽しい出会いを経験させていただきました。

 http://www2.kyoto-wu.ac.jp/nyushi/shuccho/01-rekishi.html

ゼミ旅行で島津庄・島津氏を考える。

No.3940

 昨日、宮崎県都城市から『都城市史』の「通史編中世・近世」と「史料編近現代6」を御恵送いただきました(私は古代編<刊行済み>の編纂・執筆に参加)。
 このうち「通史編中世・近世」は、島津庄・島津氏に関する最新の研究成果が満載です。島津庄というと薩摩国・鹿児島県を想起する人が多いと思いますが、そもそも島津庄は、日向国の島津駅周辺の地が大宰府の府官であった鎮西平氏の平季基によって関白藤原頼通に寄進されて成立し、やがて薩摩・大隅にまで拡大して院政期(藤原忠実の時代)に日本一の大荘園(摂関家領)に発展したものです。ですから、都城は島津庄の中核地域にあたり、市史においても当然、島津庄・島津氏の記述は大きなウェイトを占めることになります。
 さて、鹿児島ゼミ旅行(初日に都城市を通ります)に参加するゼミメンバーのみなさん。これを機に、島津庄・島津氏の研究に本格的に取り組んでみませんか?
 摂関家の爪牙としての役割を担った源為朝、島津庄の外港的機能を担ったとみられる万之瀬川河口の港津、頼朝による摂関家家人惟宗忠久の島津庄惣地頭起用の問題など・・・面白い材料だらけです。
 とくに佐伯君・岩田君には、ひと勉強していただいて、学部生への御指導をお願いしたいと思っております。

 >山田邦和先生  「都城」は、京都以外ではまず第一に山田先生に気に入って頂けそうな都市名だと思います。残念ながら条坊制の遺構はございませんが、文献史料のみならず考古学に資する遺跡も豊富で、地元の研究者の方々の御活躍はめざましいものがあります。 

研究所懸賞論文募集のお知らせ。

No.3941

 ◇ 第20回 宗教・文化研究所懸賞論文募集のお知らせ ◇

テーマ:親鸞の思想、仏教思想や宗教思想等あるいは現代社会の直面している様々な問題について、宗教の視点も加えて論評したもの(たとえば性差別や生命倫理の問題、地球環境、国際関係、ITの普及、少年犯罪やカルト宗教をめぐる問題など)に関するもの。題は自由。また、エッセイの形式でも可。

応募資格:京都女子大学大学院生・学部生・短期大学部学生

応募締切日:平成17年10月3日(月)正午

原稿枚数:15枚程度(A4・縦書き400字詰め原稿用紙、パソコン使用可)

原稿提出先:宗教教育センター

入選発表・表彰式:平成17年12月5日(月)「心の学園記念式」
         入選者には、下記の賞金と賞状を授与
          特選10万円  優秀作7万円  秀作5万円  佳作3万円
          また、平成17年度「宗教・文化研究所だより」第42号(平成18年2月下旬
         発行予定)に掲載されます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 募集要項については、学内掲示板で必ず確認してください。また、不明な点があれば、宗教教育センターにお尋ね下さい。
 ☆ 親鸞あるいは性差別について歴史学からアプローチを試みるなど、ゼミメンバーによる積極的な参加を期待します。

「陵墓研究の新地平」の御案内。

No.3944

 土曜日にはNO.3935で御紹介した女性史総合研究会例会と同じ時間帯に、山田邦和先生の御発表を含む日本史研究会の例会も開かれます。
 「祇園祭の宵山の前に、ちょっと学問を」という方は、どちらかにどうぞ。

【日本史研究会 七月例会「陵墓研究の新地平」】
日本史研究会と京都民科歴史部会が共同編集した『「陵墓」からみた日本史』(青木書店、1995年)の出版から十年が経った。その間、宮内庁所蔵資料(文献史料・出土遺物)の部分的公開の実現とも相まって、文献史学・考古学両分野からの陵墓研究は格段の進捗を遂げることになった。そのような新しい研究動向を踏まえつつ、陵墓研究の現状を整理し、そこに内在する問題点を明らかにしたいと考える。

【日 時】7月16日(土)午後1時~5時
【場 所】機関紙会館5階会議室
   (京都市上京区新町通り丸太町上ル春帯町)
(地下鉄丸太町駅下車2番出口より西へ徒歩5分、市バス府庁前下車すぐ)
【報告者】
外池 昇氏(田園調布学園大学短期大学部)「近代における陵墓政策の展開と矛盾」
今尾文昭氏(奈良県立橿原考古学研究所) 「考古学から見た律令期陵墓の実像」
山田邦和氏(花園大学文学部)        「平安時代陵墓研究の展望」
討論 (司会)高木博志氏(京都大学人文科学研究所)

  入場無料 一般来聴歓迎
お問い合せは、日本史研究会 075(256)9211

武士の家と武士団の構造に関する御高論

No.3950

 学習院大学文学部助手の田中大喜先生から、御高論「一門評定の展開と幕府裁判」(『歴史学研究』786)および「南北朝期武家の兄弟たち-「家督制」成立過程に関する一考察-」(悪党研究会編『悪党と内乱』岩田書院)を御恵送いただきました。
 私が学生だった頃、武士団研究においては「惣領制」研究が活況を呈していたのですが、それが「家」の問題に還元されて今日に至っているように思います。そうした研究の流れの中での最新の研究成果として位置づけられるものでしょう。
 田中先生にあつくお礼を申し上げます。武士論をテーマにしているゼミメンバーは必読です。とくに山内さん・山本君。
 千葉氏における『源平闘諍録』のような一族意識を支えるイデオロギー装置や武士の心性との関わりでの展開が今後の課題となることと思います。

Re:「陵墓研究の新地平」の御案内。

No.3951

野口先生
宣伝ありがとうございます。
今、明日の報告の準備をしている最中ですが、なかなかまとまりません。こんなので間に合うのでしょうか? え~い、後は野となれ山となれ、という不遜な気持ちになりつつあります。

ご興味のある方はどうかご参集くださいませ。

百練抄の講読会について。

山岡 瞳
No.3937

次回の百練抄の講読会、日時変更のお知らせです。
 8月4日(木)13:00からとなっていましたが、
          ↓
 7月29日(金)16:30からに変更になりましたので、お間違いのないようにお願いします。場所は共同研究室ではなく、野口先生の研究室になりますので、こちらもお間違いのないようにお願いします。範囲は前回の続きと、寿永元年です。        
 
テスト・レポートに追われていると思いますが、多くの方の参加をお待ちしております。 
 
  

「女性史総合研究会」例会の御案内。

No.3935

 今週末に開催される女性史総合研究会例会の御案内です。専攻の時代・ジャンル(歴史学・国文学など)を問わず、ゼミメンバー・京都女子大学在学生諸姉(もちろん、それ以外の方も)の積極的な参加を期待いたします。目標にしうる先輩に知り合えるチャンスになるものと思います。すこし無理してでも、一度出掛けてみることから全てはスタートするのです。

   ◇女性史総合研究会 7月総会・例会のお知らせ◇

日 時: 2005年7月16日(土) 総会 PM12:00~13:00 例会13:00~17:00
場 所: 京都アスニー 3F研修室
    ≪京都アスニ-≫ 〒604-8401 京都市中京区丸太町通七本松西入ル ℡(075)802-3141
  http://web.kyoto-inet.or.jp/org/asny1/about/institution/honkan/honkan_map.html
   
報 告:「『戦争・暴力と女性』(西村汎子・早川紀代編)をめぐって」(全三巻 吉川弘文館刊 2004~2005年)
      大利 直美氏  ( 一巻担当 ) 荒井とみよ氏  ( 二巻担当 )
      曽根ひろみ氏 ( 三巻担当、神戸大のゼミ討論より )
 ※当日は一巻ご著者の西村汎子氏、2巻ご著者の喜多村理子氏にご出席いただき、書評・討論会にしたいと思っております。皆様のご意見をお待ちしております。

「一ノ谷」を往復した手前、一言。

No.3938

 本日、姫路で講演があり(次回は近藤好和先生)、JR西日本の新快速で一ノ谷(須磨臨海公園のあたり)を東西に往復いたしました。大河ドラマに口出しするのは、なるべく遠慮すべきなのでしょうが、一ノ谷の合戦がテーマの放送の前後に現場を二度も通ったのも何かのご縁ということで一言。
 まず、「一ノ谷の戦い」という呼称に大きな問題があります。この合戦の戦場は、この呼称から「一ノ谷」(現、神戸市垂水区)に限定されて認識されがちですが、事実の上からは福原・輪田・須磨の全域が戦場になっているのですから、『兵庫県史』第二巻のいうように「福原兵庫合戦」とでも呼ぶのが相応しく、「一ノ谷の合戦」は地理的に戦場を圧縮したもので、鈴木彰先生の指摘されるように、『平家物語』における一ノ谷は、物語によって創出された架空の空間なのです(「「平家物語」と<一ノ谷合戦>」『古典遺産』50)。
 したがって「鵯越」を一ノ谷の後山とするのはフィクションであり、鵯越の逆落としを実行した主体も『玉葉』2月8日の記事から、義経ではなく摂津源氏の多田行綱であったことが明らかといえましょう。
 ちなみに、本来の「一ノ谷」というのは、鉄拐山・鉢伏山の南東急斜面に形成された三筋の浸食谷の一つで、南は海が迫り、その間を山陽道が貫通しており、北と西からの敵を遮断するための城郭を構築するには適切な場所であることは確かで、平家がそれなりの防御施設を構築し、主要な戦場となったことは間違いありません。
 つとに喜田貞吉氏は、大正10年に刊行された『歴史地理』第38巻3・4号所載の論文「鵯越と一ノ谷」において、『延慶本平家物語』第五本十五の「こゝは究竟の城なりとて城廓を構て、・・・一谷は口は狭て奧広し、南は海北は山岸高して屏風を立たるか如し、馬も人もすこしも通へき様なかりけり、誠にゆゝしき城也」という描写が、福原・輪田一帯の地を一ノ谷方面から見たものと捉える限りにおいて現況地形と整合することを論じているのですが、こうした先学のすぐれた見解が、最近に至るまで、学界においてすら常識的な共通認識とされていなかったようです。
 なお、一ノ谷に関する私の見解について、詳しくは、『古代文化』57-4掲載の拙稿「平家の本拠をめぐって」を御参照いただければ幸いです。

有難うございました

山口博史
No.3933

野口先生
昨日はお忙しいなか、私ども歴史グループ早雲の例会に来ていただき有難うございました。お陰様で30名を超える参加者が集まり盛況のうちに終了しました。参加者の皆様は新鮮な感動を得られたのではないかと思いつつ拝聴いたしました。昨日拝聴しましたテーマに関係する先生の論文「源範頼の軌跡ーその政治的立場と縁戚・家人に対する覚書」を読み返し理解を深めることができました。
歴史グループ早雲では今後も何かとお世話になるかと思いますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

なお歴史グループ早雲は次の要項で例会を行います。ゼミ生の皆様でご興味のある方はご参加下さいますよう御案内申し上げます。

日 時  平成17年8月6日(土) 午後6時15分~8時15分
テーマ  清盛と平氏政権
講 師  元木泰雄氏(京都大学教授)
場 所  ラボール京都6F(中京区四条通御前角)
参加費  800円(資料代など)

以上宣伝をさせていただきました。
野口先生重ね重ね有難うございました。

山口さん、こちらこそ、有難うございました。

No.3936

 ちょっと歴史的に不遇な役回りを負わされている「源範頼」の話。参会の皆様方に熱心に聴いていただいて、とても嬉しく存じました。
 山口さんには、療養中のところお出で頂き、また帰りも、いつもと同じようにお世話になってしまい、本当にありがとうございました。
 次回の元木先生のお話は、まさに元木先生の「十八番」ですから、最新・最高の研究成果を楽しく分かりやすく、きっと大河ドラマや芸能談義を交えながら例の熱の籠もった名調子でお話しいただけるものと思います。ぜひ、また元木先生の御講演について、このbbsに御感想を頂ければ幸いとするところです。
 なお、当ゼミの鈴木君・永富さんの同窓生である山口夏子さんにも、ぜひ当ゼミ例会での御報告をお願いできないものかと考えております。『年中行事絵巻』のお話しなどお願いできないでしょうか。よろしくお伝え願います。

夏の学習会・要項、など

No.3928

 本日、相談会にて決定したことをお知らせします。

◆夏の学習会の題材は、「保元新制」と「文覺四十五箇条起請文」を取り上げることにしました。史料を講読しつつ、その史料に関する研究史上重要な論文などを取り上げるなどして、総合的に検討したいと思います。よろしくお願いします。
 「保元新制」:『平安遺文』2851、2876、
 「文覺四十五箇条起請文」:『平安遺文』4892、

 「保元新制」は公家新制の一つに位置付けられるもののなかでも、後白河親政を考える上で重要な史料であるかと思います。「文覺四十五箇条起請文」は勧進僧としての文覺自身の活動を語った前半部と、膨大な寺院法をなす後半部から構成される史料です。〈宗教・文化〉を冠する当ゼミにはぴったりな素材ではないでしょうか。
 夏の学習会には多くの方のご参加をお待ちしております。
 三~四日間のあいだに、それぞれの史料を二名ほどの方に分担して講読していただき、さらに研究史の整理でも二名ほどの方に分担をお願いしたいと思います。

 この学習会で、発表を受け持ってもよいという方は、岩田宛にご連絡ください。
 分担していただきたいのは、史料講読(それぞれ二名ずつほど、計四名ほど)と研究史(それぞれ二名ずつほど、計四名ほど)ですので、合計八名ほど募集します。

 「発表してもよい」という方の都合に合わせて日程を調整したいと思いますので、どうぞ奮ってご担当ください。

◆ゼミ旅行の事前勉強会ですが、八月第一週の開催ということで門屋くんが調整してくれています。詳しくは門屋くんからご連絡を、…お願いします。

◆後期のゼミ、吾妻鏡講読会の日程の調整も夏休み前にできればいいと思いますので、九月以降のスケジュールも各自でぼちぼちご確認をお願いします。

>佐伯さん こんな感じのメニュー↑になりました。いかがですか。
>石井くん ゼミへようこそ。またいろんな催しにご参加下さい。

文覚関係の論文。付、「範頼は凡将か?」

No.3929

 岩田君、ありがとうございます。メンバー諸姉兄、よろしくご確認下さい。
 今日は、『百錬抄』講読会に同志社の石井君の他に、京女史学科2回生3人が参加してくれました。また、例会の方は、ゼミ旅行参加者で都合がつかない人が多かったのが少し残念でしたが、久しぶりの(先生になった)永富さんや職員会議から駆けつけてくれた鈴木君(教諭)、修論に没頭中で『大日本史料』づけ(?)になっている平田さんも参加されて賑やかで楽しいものになりました。 
 
 ちなみに、文覚関係・起請文の内容に関係する論文として気のついたところで、以下の4論文を紹介しておきます。
  上横手雅敬「院政期の源氏」(『御家人制の研究』)
  赤松俊秀「文覚説話が意味するもの」(『平家物語の研究』)
  山田昭全「僧文覚略年譜考」(『立教大学日本文学』12)
  平雅行「中世寺院の暴力とその正当化」(『九州史学』140) 

 それから、自ら書き込むのはいささか気が引けるのですが、先に歴史グループ早雲の例会で源義経の兄・範頼の話をすると書き込んだところ、いくつか問い合わせがありましたので、以下に貼り付けさせていただきます。

 <例会〉 平成17年7月9日(土)
 テ ー マ 源義経と兄範頼
 講 師 野口 実氏(京都女子大学教授)
 時 間 午後6時15分~8時15分
 場 所 ラボール京都6階会議室(京都市中京区四条御前角)
 参 加 費 800円(資料代)

Re: 夏の学習会・要項、など

No.3930

「保元新制」と「文覺四十五箇条起請文」ですか~。
なかなかおいしい史料が並びましたね。
できるだけ参加させてもらいます(発表はさすがに無理だと思いますが)。

保元新制の方は、『兵範記』保元元年閏九月十七日条・保元二年十月八日条も史料ですよね?
(手元に『兵範記』の現物がすぐ見当たらなかったので、日付が違ってたらすいません)

もう一つの「夏の学習会」御案内。

No.3931

 昨日、山田邦和先生から「花園大学2005年京都学公開講座」の御案内をいただきました。これは、夏休みの学習に最適。講師の一人、前川佳代さんはご存じのように当ゼミ創生期(神話時代)に活躍された大先輩です。諸姉兄も後に続いてください。
 講座の概容は以下のとおりです。

「源義経とその時代」
開催日時 : 2005年 8月1日(月)~ 3日(水)
会  場 : 花園大学 無聖館ホール(入場無料・申込み不要)
内  容 :
  1日(月) 14:40~16:00 「声で読む 平家物語の京都」
      <平家詞曲の実演および解説> 鈴木まどか氏(前田流平家詞曲伝承者)
   16:20~17:40「平清盛の夢の都-福原京」 山田 邦和氏(花園大学文学部教授)
  2日(火) 14:40~16:00「義経と京都-義経が最も輝いた瞬間<とき>」前川佳代氏(京都造形芸術大学非常勤講師)
   16:20~17:40「鴨長明と源平争乱の時代」 新間 水緒氏(花園大学文学部教授)
  3日(水) 14:40~16:00「中世文学の義経像」 池田 敬子 氏(京都府立大学文学部教授)
   16:20~17:40「源平の争乱と念仏」 今堀 太逸 氏(仏教大学文学部教授)

 ☆ 山田邦和先生から『花園大学考古学研究報告第14輯 京都府与謝郡野田川町 幾地地蔵山遺跡現状調査報告書』(野田川町教育委員会・花園大学考古学研究室)をいただきました。編集・執筆は先日の書評会に来てくださった花園大院生の鎌田久美子さんと山田先生が担当されたものです。山田先生にあつくお礼申し上げます。

夏の学習会・要項、追加

No.3932

 野口先生から早々に参考文献についてご教示いただきましたので、遅ればせながら岩田からもいくつかお知らせします。
 >保元新制
  水戸部正男『公家新制の研究』創文社.1961.
  棚橋光男『中世成立期の法と国家』塙書房.1983.
  五味文彦『院政期社会の研究』山川出版社.1984.
  今正秀「保元荘園整理令の歴史的意義-平安後期荘園整理政策をめぐる政府と権門-」『日本史研究』378.
 >文覚と神護寺
  西岡虎之助『荘園史の研究』岩波書店.1953.

 担当ですが、すでに保元新制の史料解釈についてはお一人名乗り出ておられます。引き続きみなさんからの立候補をお待ちしております。

 >佐伯さん おっしゃるとおり、『兵範記』にも史料あります。保元元年閏九月十八日条がそれにあたるかと思います。でも史料大成本では「出作」と思われる部分が「土作」になってたりしました。

はじめまして

石井一英
No.3923

はじめまして。同志社大学2回生の石井という者です。
前期に「文化史特論」の講義を通して野口先生にゼミに誘って頂きまして、明日の例会から参加させていただく事になりました。とは言っても2回生のうちは講義が京田辺中心なので、あまり参加出来ないと思いますが、どうぞよろしくお願いします。

Re>はじめまして

鍜治 利雄
No.3925

はじめまして。立命館大学3回生・鍜治と申します。

去年の10月頃から、当ゼミに参加させて頂いています。
今は長期休暇を頂いてますけど(笑)

もしお会いする機会がございましたら、ヨロシクお願いします。

石井君、お待ちしています。

No.3926

 石井君、明日は『百錬抄』の講読会が4:30から、その後6:00から例会です。例会は、夏休みの活動についての打ち合わせ会です。場所はL校舎3Fの共同研究室です。時間があるのなら、『百錬抄』の始まる少し前にでも私の研究室(共同研究室の並び)にお出で下さい。もちろん、例会からでも構いませんが。
 同志社の先輩方も沢山見えるはずです。
 ちなみに、今日、研究室にお出でになったゼミ代表の山内梓さんが貴兄の参加におおいに期待しておられましたよ。
 
 >ゼミメンバー諸姉兄
 石井君は相模国、それも頼朝挙兵の地・伊豆に近い辺りの御出身です。ぜひ、旗揚げをしてもらいたいと考えております。