北陸道の義仲と鎮西武士団の反乱
野口 実
No.3783
昨日の例会発表は、私なりに概括すると、「物語」における木曽義仲が、いかなる構想のもとに、その役割を担わされているのかという視点からの報告だったと思います。歴史を専攻している側はどうしても、事実という観点からのアプローチしか出来ないのですが、その点も含めて、国文学と歴史学との問題意識の相違を相互で理解するうえで有益だったと思います。もちろん、報告の主題自体、興味深いものでした。
学会の研究発表などでは、何が何だか分からない報告を聴かされても、沈黙を余儀なくせざるを得ないことが多いのですが、ゼミ例会では一から質問が出来るので、有難い。これは報告者にとっても良いことだと思います。そういう意味からも、学部生には勉強になったのではないでしょうか。門屋君、ありがとうございました。
例会の前に開かれた『百錬抄』の講読会も充実したものでした。今回は養和元年における九州在地武士団の動向について山岡さんが記録を博捜した資料を用意してくれたので、話が盛り上がりました。その場でも申し上げましたが、工藤敬一先生の「鎮西養和内乱試論」(『荘園公領制の成立と内乱』所収)が必読文献です。
なお、発表の過程で『平安時代史事典』の問題点も再確認されました。
次回も山岡さんに担当していただきます。とくに平通盛を中心とした平家による北陸道追討体制等について触れられることでしょう。
例会は18:00からですから、若者はお腹が空きます。そこに配慮して、昨日は尻池さんから広島焼き味のジャイアントプリッツの寄進があり、そして岩田君はまた大ポットを持参で、スターバックスのコーヒーを振る舞ってくださいました。これには、一同大感謝。
さて、来月の例会ですが、一回目は6月4日(土)の『古代文化』「平家と福原」特輯号書評会をもって代えたいと思います(元木先生、美川先生、山田先生、それぞれ超御多忙のことと存じますが何卒よろしくお願いいたします。石浜さんもお待ちしております)。そして2回目は第4水曜ということで6月22日(水)になりますが、これは例年通り公開講座の事前学習会ということにしたいと思います。堤先生については末松さん、高橋先生については山内さんにお願いできればと思うのですが、如何でしょうか?また、レジュメの印刷などについての御助力もよろしく。
ちなみに、公開講座録音テープおこしのアルバイトは、堤先生分は末松さん、高橋先生分は山内さんにお願いすることになりました。
7月以降の例会についてはゼミ旅行や史料・研究文献講読会の設定とからめて考えなければいけませんが、後期以降ならということで神戸大院DC樋口健太郎氏から御了解をいだいております。さらに、自薦・他薦ともによろしくお願いいたします。
☆ 京都文化博物館の大塚活美先生から御高論「室町将軍・異国使節等の祇園祭見物-中世における首都京都の祭礼-」(京都文化博物館研究紀要『朱雀』17)・「林原美術館本洛中洛外図屏風の構図と主題の発注者-室町期・江戸期の洛中洛外図屏風との関係を通して-」(研究代表者黒田日出男『第二定型洛中洛外図屏風の総合的研究』科研研究成果報告書)を御恵送いただきました。視覚史料からせまる中近世都市論、ほとんど京都でしかできない貴重な研究であると思います。大塚先生にあつく御礼申しあげます。
また、東京学芸大学名誉教授の中村格先生から、先生を代表著者として刊行された『能の風景』(能楽出版社)をいただきました。中村先生は戦前の天皇制教育における『太平記』の利用についての御研究があり、「戦前の国文学そのものが常に体制擁護の学問であり、その国家権力との癒着が人文諸科学の中でも特殊であったこと」を論断された研究者です(こうした面における中村先生の御研究については、拙稿「近代国民道徳としての「武士」認識-軍国国家形成の前提-」京都女子大学現代社会学部『現代社会研究』1をご参照下さい)。今回刊行された御本にも「日本海の交通と文学」「『弓八幡』と源氏嫡流説」など、歴史研究者の関心を呼びそうな御高論が収録されています。中村先生にあつく御礼を申し上げます。
※ 研究室宛の迷惑メールがあまりに多いので、このBBSにおけるメールアドレスの表示をやめることに致しました。御了承下さい。
学会の研究発表などでは、何が何だか分からない報告を聴かされても、沈黙を余儀なくせざるを得ないことが多いのですが、ゼミ例会では一から質問が出来るので、有難い。これは報告者にとっても良いことだと思います。そういう意味からも、学部生には勉強になったのではないでしょうか。門屋君、ありがとうございました。
例会の前に開かれた『百錬抄』の講読会も充実したものでした。今回は養和元年における九州在地武士団の動向について山岡さんが記録を博捜した資料を用意してくれたので、話が盛り上がりました。その場でも申し上げましたが、工藤敬一先生の「鎮西養和内乱試論」(『荘園公領制の成立と内乱』所収)が必読文献です。
なお、発表の過程で『平安時代史事典』の問題点も再確認されました。
次回も山岡さんに担当していただきます。とくに平通盛を中心とした平家による北陸道追討体制等について触れられることでしょう。
例会は18:00からですから、若者はお腹が空きます。そこに配慮して、昨日は尻池さんから広島焼き味のジャイアントプリッツの寄進があり、そして岩田君はまた大ポットを持参で、スターバックスのコーヒーを振る舞ってくださいました。これには、一同大感謝。
さて、来月の例会ですが、一回目は6月4日(土)の『古代文化』「平家と福原」特輯号書評会をもって代えたいと思います(元木先生、美川先生、山田先生、それぞれ超御多忙のことと存じますが何卒よろしくお願いいたします。石浜さんもお待ちしております)。そして2回目は第4水曜ということで6月22日(水)になりますが、これは例年通り公開講座の事前学習会ということにしたいと思います。堤先生については末松さん、高橋先生については山内さんにお願いできればと思うのですが、如何でしょうか?また、レジュメの印刷などについての御助力もよろしく。
ちなみに、公開講座録音テープおこしのアルバイトは、堤先生分は末松さん、高橋先生分は山内さんにお願いすることになりました。
7月以降の例会についてはゼミ旅行や史料・研究文献講読会の設定とからめて考えなければいけませんが、後期以降ならということで神戸大院DC樋口健太郎氏から御了解をいだいております。さらに、自薦・他薦ともによろしくお願いいたします。
☆ 京都文化博物館の大塚活美先生から御高論「室町将軍・異国使節等の祇園祭見物-中世における首都京都の祭礼-」(京都文化博物館研究紀要『朱雀』17)・「林原美術館本洛中洛外図屏風の構図と主題の発注者-室町期・江戸期の洛中洛外図屏風との関係を通して-」(研究代表者黒田日出男『第二定型洛中洛外図屏風の総合的研究』科研研究成果報告書)を御恵送いただきました。視覚史料からせまる中近世都市論、ほとんど京都でしかできない貴重な研究であると思います。大塚先生にあつく御礼申しあげます。
また、東京学芸大学名誉教授の中村格先生から、先生を代表著者として刊行された『能の風景』(能楽出版社)をいただきました。中村先生は戦前の天皇制教育における『太平記』の利用についての御研究があり、「戦前の国文学そのものが常に体制擁護の学問であり、その国家権力との癒着が人文諸科学の中でも特殊であったこと」を論断された研究者です(こうした面における中村先生の御研究については、拙稿「近代国民道徳としての「武士」認識-軍国国家形成の前提-」京都女子大学現代社会学部『現代社会研究』1をご参照下さい)。今回刊行された御本にも「日本海の交通と文学」「『弓八幡』と源氏嫡流説」など、歴史研究者の関心を呼びそうな御高論が収録されています。中村先生にあつく御礼を申し上げます。
※ 研究室宛の迷惑メールがあまりに多いので、このBBSにおけるメールアドレスの表示をやめることに致しました。御了承下さい。