新平家あれこれ
No.297
新平家の話題で盛り上がっているようなので、黙過できず一言。
この小説の冒頭は、清盛が叔父忠正宅に借金に行く場面で始まります。吉川英治は、意図的に清盛の若年期を貧しく描いたのではなく、本気でそう思っていたとのことです。これは、小学館日本の歴史の安田元久著『院政と平氏』の月報で、安田、上横手両先生と対談した吉川門下の杉本苑子氏が証言しておられます。たしか両先生は驚かれたような発言をしておられました。
言うまでもなく、吉川は平家物語「西光被斬」における、西光の罵詈雑言を事実と思ったのです。そういえば、当方の小学生時代の世界文化社とか言う会社が出した歴史の副読本に、清盛が壊れた門から出入りしている挿絵があったのを思い出します。
ところで、映画の新平家で時子だった久我美子さん(彼女は久我家の嫡流で、本名は字はそのままで「こがはるこ」と、読むそうです。最近は第一線を退いたようですが、先年の久我家文書の展覧会のテープカットの姿を見せていました。やっぱり「また逢う日まで」の印象が消えませんね)は、1972年のテレビの新平家では待賢門院、中村玉緒さんは時子役になっておりました。映画で長谷川一夫が演じた義仲は、テレビでは親戚の林与一氏でした。
テレビの新平家は大河10周年の特別企画で、すごいメンバーでした。平氏一門は以下の配役です。
清盛・仲代達矢、忠盛・中村勘三郎(勘九郎の父)、池禅尼・先代水谷八重子、経盛・少年時代・郷ひろみ、成人・古谷一行、頼盛・山本学、忠度・中尾彬(当時は二枚目だった)、時忠・山崎努、重盛・原田大二郎、宗盛・勝呂誉、知盛・松山政路、敦盛・勘九郎
祇園女御・新珠三千代、常盤・若尾文子、建春門院・村松英子、建礼門院・佐久間良子、祇王・波乃久里子。時子は上記。
王家:鳥羽・野村万之丞(万斎の爺さんか)、美福門院・小山明子、崇徳・田村正和、後白河・滝沢修、以仁王・北大路欣也、高倉・片岡孝夫(現仁左衛門)、待賢門院・上記
摂関家:忠実・森雅之、忠通・原保美、頼長・成田三樹夫(ヤクザ映画みたい、実はインテリ俳優なのだが)
源氏:為義・佐々木孝丸(築地小劇場依頼の名優)、義朝・木村功(ミスキャスト)、為朝・伊吹吾郎、頼朝・高橋幸治、頼政・芦田伸介、義経・志垣太郎、弁慶・佐藤充(東宝系ヤクザ映画で活躍)、北条時政・加藤大介、政子・栗原小巻、巴・古城都(宝塚の男役だった)、熊谷直実・岡田英次(「また逢う日まで」で久我美子の相手役)
信西・小沢栄太郎、西行・蜷川幸夫(元々は俳優なのです)、藤原秀衡・加藤嘉
麻鳥・緒形拳、妻蓬・和泉雅子(北極に行く前のまだかわいかったころ)。この夫婦が、いわば狂言回しの役でした。
こうしてみると、物故者も多いし、30年の時の流れを痛感いたしますね。映画、歌舞伎、新劇といったジャンルの実力者がそろって折、それだけに迫力がありました。高校時代の忘れがたい思い出の作品です。
この小説の冒頭は、清盛が叔父忠正宅に借金に行く場面で始まります。吉川英治は、意図的に清盛の若年期を貧しく描いたのではなく、本気でそう思っていたとのことです。これは、小学館日本の歴史の安田元久著『院政と平氏』の月報で、安田、上横手両先生と対談した吉川門下の杉本苑子氏が証言しておられます。たしか両先生は驚かれたような発言をしておられました。
言うまでもなく、吉川は平家物語「西光被斬」における、西光の罵詈雑言を事実と思ったのです。そういえば、当方の小学生時代の世界文化社とか言う会社が出した歴史の副読本に、清盛が壊れた門から出入りしている挿絵があったのを思い出します。
ところで、映画の新平家で時子だった久我美子さん(彼女は久我家の嫡流で、本名は字はそのままで「こがはるこ」と、読むそうです。最近は第一線を退いたようですが、先年の久我家文書の展覧会のテープカットの姿を見せていました。やっぱり「また逢う日まで」の印象が消えませんね)は、1972年のテレビの新平家では待賢門院、中村玉緒さんは時子役になっておりました。映画で長谷川一夫が演じた義仲は、テレビでは親戚の林与一氏でした。
テレビの新平家は大河10周年の特別企画で、すごいメンバーでした。平氏一門は以下の配役です。
清盛・仲代達矢、忠盛・中村勘三郎(勘九郎の父)、池禅尼・先代水谷八重子、経盛・少年時代・郷ひろみ、成人・古谷一行、頼盛・山本学、忠度・中尾彬(当時は二枚目だった)、時忠・山崎努、重盛・原田大二郎、宗盛・勝呂誉、知盛・松山政路、敦盛・勘九郎
祇園女御・新珠三千代、常盤・若尾文子、建春門院・村松英子、建礼門院・佐久間良子、祇王・波乃久里子。時子は上記。
王家:鳥羽・野村万之丞(万斎の爺さんか)、美福門院・小山明子、崇徳・田村正和、後白河・滝沢修、以仁王・北大路欣也、高倉・片岡孝夫(現仁左衛門)、待賢門院・上記
摂関家:忠実・森雅之、忠通・原保美、頼長・成田三樹夫(ヤクザ映画みたい、実はインテリ俳優なのだが)
源氏:為義・佐々木孝丸(築地小劇場依頼の名優)、義朝・木村功(ミスキャスト)、為朝・伊吹吾郎、頼朝・高橋幸治、頼政・芦田伸介、義経・志垣太郎、弁慶・佐藤充(東宝系ヤクザ映画で活躍)、北条時政・加藤大介、政子・栗原小巻、巴・古城都(宝塚の男役だった)、熊谷直実・岡田英次(「また逢う日まで」で久我美子の相手役)
信西・小沢栄太郎、西行・蜷川幸夫(元々は俳優なのです)、藤原秀衡・加藤嘉
麻鳥・緒形拳、妻蓬・和泉雅子(北極に行く前のまだかわいかったころ)。この夫婦が、いわば狂言回しの役でした。
こうしてみると、物故者も多いし、30年の時の流れを痛感いたしますね。映画、歌舞伎、新劇といったジャンルの実力者がそろって折、それだけに迫力がありました。高校時代の忘れがたい思い出の作品です。