清文堂出版『中世の人物 京・鎌倉の時代』第2巻の構成(最終決定版)

No.9974

 昨日の「教養科目」。なんとか時間内でまとめましたが、何しろ3コマ分の内容でしたから板書もゼロというほどの駆け足。受講の諸姉は大変だったと思います(早々に諦めた方もおられましたが)。私も口は乾くし、腰は痛い。そして、授業後にはかつてない疲労感に襲われました。授業もやはり、ソフトよりハードでしょうか。
 来週は「中世のこども」をテーマに取り上げたいと思います。

 27日の月曜日、仏教学の時間に史学科一回生の半分の方たちを対象に講話をさせて頂きましたが、来月の17日にも、そののこり半分の史学科一回生を対象にした講話の御依頼を頂きました。「好評につき・・・」ならよいのですが。
 今回はゼミへの勧誘も忘れないようにしたいと思いますが・・・。

 清文堂出版から刊行予定の『中世の人物』。当初予定より作業が遅れておりますが、様々な紆余曲折を乗り越え、刊行に向けて最終段階に到達。現在、自分の原稿の再校ゲラでルビのチェックを行っております。
 私が担当させて頂いている第2巻『治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』も、元木泰雄先生編の第1巻「保元・平治の乱と平氏の栄華」とさほど間隔をあけずに刊行出来る模様です。 
 執筆者の皆さん、もう一息、宜しくお願い申し上げます。
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  『中世の人物 京・鎌倉の時代』第2巻『治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』の構成が確定致しましたので、あらためて、ここにお知らせ申し上げます。(※ 執筆者の敬称は略させて頂きました)

   治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立 … 野口 実
 Ⅰ 列島を覆う戦雲
   1 以仁王と源頼政-摂津源氏一門の宿命 … 生駒孝臣
   2 甲斐源氏-東国に成立した もう一つの「政権」 … 西川広平
   3 木曽義仲-反乱軍としての成長と官軍への転換 … 長村祥知
   4 源義経と範頼-平氏追討の戦い … 宮田敬三
   5 平宗盛-悲運の武家の棟梁 … 田中大喜
   6 平氏の新旧家人たち-相伝家人と門客 … 西村 隆
   7 藤原秀衡-奧の御館と幕府構想 … 三好俊文
コラム1 乳母と乳母子-頼朝と義仲 … 糟屋優美子
        
Ⅱ 鎌倉幕府の成立と東国武士
   1 源頼朝-天下草創の光と影 … 元木泰雄
  2 大庭景親-石橋山合戦の平家方大将 … 森 幸夫
    3 城助永と助職(長茂)-北越の「御館」武士 … 高橋一樹  
   4 千葉常胤-列島を転戦した清盛・西行と同い年の東国武士 … 野口 実
   5 和田義盛と梶原景時-鎌倉幕府侍所成立の立役者たち … 滑川敦子
   6 北条時政と牧の方-豆駿の豪傑、源頼朝からの自立 … 落合義明
   7 源頼家 -「暗君」像の打破 … 藤本頼人
 コラム2 九州の武士たち-原田種直・菊池隆直・緒方惟栄 … 清水 亮

 Ⅲ 内乱期の女院・貴族と僧たち
   1 八条院-〈鍾愛の女子〉の系譜 … 高松百香  
   2 藤原兼実-右大臣から内覧へ … 高橋秀樹
   3 源通親-権力者に仕え続けた男の虚像 … 佐伯智広 
   4 法然・貞慶と明恵-仏教改革の群像 … 平 雅行
  5 重源-王法仏法の興隆をめざして … 久野修義
  6 栄西-日本禅宗の原型 … 中尾良信
 コラム3 流人頼朝の側近たち-挙兵に加わった文官・神官 … 下村周太郎
     ◎ 主要史料一覧
    ◎ 主要系図
     ◎ 人名索引
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 * 刊行予定などにつきましては、清文堂出版(下記住所・電話)にお問い合わせ下さい。
    〒542-0082 大阪府大阪市中央区島之内2-8-5 電話06-6211-6265(代)   
編集:2013/06/01(Sat) 00:58

こじんまりと振り返り中-次回の『吾妻鏡』-

No.9975

 『中世の人物』のシリーズも刊行に向けて着実に進展中とのこと、楽しみにお待ちしたいと思います。
 実習等の方は健康に気をつけてくださいね。

 次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2013年6月6日(木)午後3時頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:頼家・実朝期の振り返り

 ※しばらく“振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 6月も木曜の午後、6日・13日・20日・27日に開催予定です。

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、梅雨どきに何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。京都女子大の方限定ではありませんよ。
編集:2013/05/31(Fri) 21:51

公開講座の事前勉強会も

No.9976

 6月は公開講座がありますので、その事前勉強会も設定しなければならないと思います。とりあえずは、20日あたりになるでしょうか。

 そこで、講師の先生方の論文集を紹介させて頂きます。
 
 ○ 金井静香先生『中世公家領の研究』(思文閣出版,1999年)

 ○ 樋口健太郎先生『中世摂関家の家と権力』(校倉書房,2011年)

本日の教養科目・昨日の研究会・6月22日の公開講座

No.9973

 本日Ⅲ講時の「教養科目」ですが、すでに>>No.9968でお知らせしたとおり、中世の女性の位相についてお話しいたします。日本女性史も概括したいと思いますので、また時間不足が心配です。私には脱線制御装置が必要だと、自分でも思います。

 昨日は、どうも気分が晴れず、研究会では脈絡の掴みづらい発表になってしまい、申し訳なく思っています。しかし、私の頭脳はあの程度と思って頂ければ気が楽になります。
 研究会後の楽友会館での会食は美味しく。飲むより食べる方に専心して、いろいろと手を出させて頂いたので、結果的に二食分は軽くオーバーの模様で、こちらも制御機能が必要です。それに致しましても、楽しい時間を過ごさせて頂きました。元木先生およびご参会の皆様に感謝いたします。

 今年も京都アスニーで、お話をさせて頂く機会を頂きました。目下、テーマを思案中です。いつも武士の話ばかりなので、今回は昨年の「もちもちぃんウォーク」の成果を生かして「重源」でも取り上げてみようかと思案しております。

 研究所公開講座まで一ヶ月を切りました。今年も講師の先生方との懇談会・懇親会を企画したいと思います。目下、実習中にもかかわらず池嶋さんが幹事を引き受けて下さいました。これまた感謝です。

 すさみストリート

No.9972

 いささか荒みがちな心境だったのですが、消息が分からなかった数年前の卒業生が目標を達成して元気に過ごされているという情報を得て、一安心の朝です。 

 『軍記と語り物』49号が届きました。元木泰雄先生の昨年の大会での講演「平氏敗北の背景」が論文化されて掲載されています。必読。

 岩田君の博士論文は、今後の武士論ならびに鎌倉幕府論に裨益大。これが巷間に広まらないのは実に惜しいと思います。
 今後、同学の研究者の著作に対する書評などで、岩田君が大いに持論を開陳して下さることを期待しています。

 昨晩、数年前に文学部を退職された先輩の先生からお電話を頂いて暫しの四方山話。
 私が赴任したての頃、その先生がおっしゃっていたことと同じことを、今の私が語っている。歴史は繰り返す?

 昨日の講話。例によってまとまりのない話となってしまいました。研究所ゼミに加わってくれるような学生さんの出現を期待していたのですが、勧誘的な話は全くできませんでしたので、今のところ効果ゼロ。 私にはセールスマンの素質はないようです。

 その講話の感想から。
○「すごくおもしろかったです!・・・野口さんが大学生の時に子供ができたとか」
  ※ 「野口さん」か。大学という空間においては、教師と学生は市民として対等の関係にあることがよく分かっておられる。でも、教室ではどうなのか?ちなみに、事実関係に誤りがあります。「大学生の時に」→「就職する前に」。
 ○「歴史学とはどのように考えるべきなのか、ということが今まで聴いたどの先生とも違うとらえ方をしていて面白くて興味深かったです」
  ※ 私が異端であることは間違いありません。でも「面白くて興味深かった」ならよかったと思います。
 ○「昔は歴史を学ぶ時は政治史や経済史があったというのは驚いた」
  ※ いま、高校までの日本史教育では政治や経済の歴史は、あまり重視されていないのでしょうか。私も、最近の「歴史学」には、よく分からないところがあります。
 ○「自分が「よい先生だ」といいはる人よりも先生のような方のほうが好感がもてます」
  ※ 波長の合う学生さんのようです。ほかにも、ニヤリとさせられるようなお褒めを頂いたものもありましたが、それは非公開にします。

【追記】 明日の『台記』研究会の発表は、「田口成良」の実像」というテーマでお話をさせて頂きたいと存じます。どうぞ宜しくお願いいたします。

火曜日のテーマは『競馬~ギャンブルか、スポーツか~』

No.9971

 明後日の「基礎演習Ⅰ」は豊田さんの発表で、テーマは『競馬~ギャンブルか、スポーツか~』。
 いろいろな切り口から討論できると思います。
 
 明日、Ⅱ講時の仏教学の時間に講話をさせて頂くことになりました。史学科の1回生が対象とのことなので、テーマは「歴史を学ぶ若者への期待」ということにしたのですが、話がどう転んでしまうか・・・、その時にならないと分かりません。でも、仏教学の講話らしくまとめたいと思います。

 この前の木曜日に滝沢さんから頂いた御菓子は「小布施最中」です。このところ、アクセス数が激増しているので、お問い合わせを頂く前に先回りして、お知らせしておきます。

 ついでに、滝沢さんへ。木曜のⅢ講時は「特殊講義」ではなく「教養科目」であります。内容はしっかりと伝わっているようで、うれしく思いました。
 

6月22日の公開講座「中世摂関家の諸相」のポスターが出来ました。

No.9970

 公開講座のポスター・チラシを作って頂きましたので、Facebook(野口実)の方に載せておきました。御覧頂ければ幸いです。

 『日本歴史』6月号「学界消息」欄の人事異動を拝見。いよいよ世代交代の波が本格化したように思います。昭和は遠くなりにけり。一抹の寂しさを禁じ得ません。

☆ 茨城大学の高橋修先生より、先生が中世史部会長として編纂・執筆に携わられた『熊谷市史』(資料編2 古代・中世)を御恵送頂きました。
 高橋先生に、あつく御礼を申し上げます。 

 学位論文『鎌倉幕府と武士社会の研究』拝受。

No.9968

 昨日の「教養科目」。三別抄の話が十分に出来なかったのが残念。時間さえあれば「刀伊の入寇」についても、じっくりお話ししたいところでした。
 来週は、シラバスでは「板額と巴」というテーマの予定なので、やはり中世の女性についてお話ししようと思っています。

 研究所ゼミの方は、師範代に御用があり、しかも実習で不在の方が複数おられましたので、急遽、目下研究発表の準備を進めている「田口成良」について、作成途中のレジュメ草稿によって、私の話を聴いていただきました。やはり、「田口成良」の呼称はまずい。しかし、その存在形態は、今後の武士論研究において、ひとつのモデル的事例となると思います。成良のみならず、12世紀後半~13世紀前半期における阿波の武士たちの動向は、中央の政治・経済の状況に即応しています。
 聴かされる側は、さぞかし御迷惑であったと思いますが、おかげ様で、少しばかり頭の中の混乱が収拾できました。

 滝沢さんから頂いた長野のお土産は、栗の入った高級な和菓子。先週、山本さんからいただいた岡山の「藤戸饅頭」「高瀬舟羊羹」同様に美味しくいただきました。お休みの人が多かったおかげで、勝手ながら私だけ2人分を「ご馳走様」。しめしめ。

  師範代の岩田君からは、学位論文のPDFファイルをプリントアウト製本した冊子を頂きました。世界中に5冊しかないとのこと。タイトルは『鎌倉幕府と武士社会の研究』。
 最新のすぐれた武士論の研究成果が、広く行き渡らないというのは惜しんでもあまりあるものがございます。すぐに版下が作れると思うので、早々の出版を期待しています。
 よい原稿、すぐれた執筆者を求めている編集者の方々には朗報では?
編集:2013/05/24(Fri) 23:59

“質”の向上は簡単ではありません-次回の『吾妻鏡』-

No.9969

 坂額御前は私も授業で取り上げたことがあります。受講生の皆さんにもかなり興味を持っていただくことができましたが、感想カードに『(史料講読の)本題よりもおもしろかった』と書かれたときは困ってしまいました…。

 拙稿の冊子ですが、いまは簡易製本もほんとうに簡単にできるようになりましたね。ありがたいことです。

 ところで、前回は都合により早退させていただき、失礼致しました。また次回以降もよろしくお願いします。次回もひきつづき、『吾妻鏡』頼家・実朝期の記事を抜粋して振り返りを行っていきたいと思います。史料を挙げながらいろいろな問題について意見交換していきますので、とくにこれといった予習もなくご参加いただけると思います。

 日時:2013年5月30日(木)午後3時頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:頼家・実朝期の振り返り

 5月も木曜の午後、30日に開催予定です。

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、早くも夏の訪れを思わせる季節に何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。京都女子大の方限定ではありませんよ。

 研究教育者の矜恃

No.9965

 『京都大学大学院文学研究科専攻(専修)案内』(平成24年7月)に、こんなことが書いてありました。
 「本専修では,大学院生の独自性を重んじて,できる限り指導しないように努めている。必要な場合には最良,最少限の助言を与えることもある。」

 本日の「基礎・教養科目」。
 先週の授業の際に申し上げたので、ここには書きませんでしたが(もう書いたような記憶があるのですが・・・)、シラバスどおり、テーマは「ムクリ・コクリ」、元寇のお話です。
編集:2013/05/23(Thu) 11:46

 問題とすべきは大学院生の矜持でしょうか?

No.9967

 人文系の大学院生が、ひたすら所属する大学に閉じこもって履修要綱に沿って単位を取り、手取り足取りの指導を受けて修論・博論を仕上げるという受身の態度では困ります。

 近年は、資格を取るための、昔でいえば専門学校とか各種学校に類するような存在に見える大学院もありますから、そんな院生も実在するかも知れません。とはいっても、人文系のジャンルの研究は、そんなわけには行かないはずですので、その辺りのことを確認する意図が、上掲案内の文言に反映されているのかもしれません。でもそれは、最近問題になった高等教育院設立の発想などとは齟齬するようにも思えるのですが。

 一方、必要な場合には「最良」の助言を与える-というところには、自負と迫力を感じました。これは、なかなか出来ることではありませんから。


 ちなみに、自分の話で恐縮ですが、私は院生時代には授業料を払っていないところばかりで勉強させて頂いておりました。
 安田元久・土田直鎮・桃裕行・豊田武・田中久夫といった錚々たる先生方には、授業や研究会で、ずいぶんお世話になりましたし、そこで知り合いになった同学の方たちとは、今に至るまで長いお付き合いをさせて頂いております。
 そういえば、史料編纂所に行って、新田英治先生に青学の研究室で欠号になっていた『日本史研究』所載の論文のコピーお願いするという、思い出すと冷や汗の出るような、図々しい所行をしでかした事もありました。

 もっとも、ほとんどの場合、こうした先生方の所にお邪魔するにあたって、仲介の労を執って下さったのは、指導教官である貫達人先生だったのです。

昔は「平常服」も「たいらのつねふく」と脳内変換されるほどだったのですが・・・。

No.9964

 昨日、熊本学園大学の小川先生や若き碩学の坂口君から、いろいろ御教示を頂きましたが、今日も京都文博の長村君に、書かれているのに見つけられなかった記事の御教示を頂きました。『六代勝事記』の記事です。
 書いてあっても見つからないとは、もう情けないこと限りなし。昔は、史料を読むと記事の方から目に飛び込んできたものです。なのに・・・、もはや神通力は失せたか。

 本日は、本学に出講してくださっている中村武生先生にA地下で昼食をともにさせて頂きました。先生はここに入られたのは初めてとのこと。そういえば、私も現・長村夫人に連れて行って頂くまで、逡巡のあげく5年かかりましたっけ。

 ☆ 青山学院大学の佐伯真一先生と国立歴史民俗博物館の菱沼一憲先生の御連名で、新刊の延慶本注釈の会編『延慶本平家物語全注釈 第三末(巻七)』(汲古書院)を御恵送頂きました。
 両先生に、あつく御礼を申し上げます。
 

 注に挙げられているのに、見つけられない話。

No.9962

 目下、来週の研究会で報告するために、12世紀末の阿波の有力武士「田口成良」に関するレジュメを作成しています。その中で、 久安二年(1146)七月十一日「河人成俊等問注申詞記」(『愚昧記』裏文書,『平安遺文』2583)を取り上げたいのですが、ある論文に、これに触れた先行研究として戸田芳実「初期中世武士の職能と諸役」(『日本の社会史』4)が注に示されていました。書架を見たところ、あいにく『日本の社会史』のこの巻だけが見当たらないので、この論文が再録されている戸田先生の論文集『初期中世社会史の研究』で参照したところ、この文書に触れた記述は全く見つかりませんでした。
 また、老人呆けであることをおそれますが、もし戸田先生あるいは地元以外の研究者がこの文書に関説した論文を御存知の方がおられましたら、御教示いただければ幸いとするところです。

 当時の阿波一宮の比定とか、なかなか厄介で頭が混乱しております。そもそも、「田口成良」という呼称も問題があり、如何様に表記すべきか迷っております。しかし、どうして田口成良(重能)という名で一般に流布してしまったのでしょうか。
 それにしても、中世前期の西国武士団の研究は、一次史料が多くて(あくまでも、東国との比較において)、なかなか新鮮です。

 ☆ 高知大学の市村高男先生より、御高論「四国における中世城館と交通」収録の、橋口定志編『中世社会への視角』( 高志書院)を御恵送頂きました。
 市村先生に、あつく御礼を申し上げます。

【追記】 戸田先生の論文の件、Facebookに同じことを書いたら、すぐに熊本の小川先生から御教示をいただけて、解決致しました。こんなとき、Facebookというのは便利なのですね。
 小川先生には、本当に感謝あるのみです。

 なお、ほかにこの文書に関説した論文を御存知であったり、「田口成良」の表記についてのお考えをお持ちの方がおられましたら、よろしく御教示頂きたくお願い申し上げます。

【追々記】 坂口君から1892年~2005年の間に発表された 7件の関係論文を教えて頂きました。
      ありがとうございました。
      そういえば、坂口君の御高論が『史学雑誌』最新号の巻頭を飾っております。とても重厚な内容です。
編集:2013/05/21(Tue) 20:05

早退させていただきますが…-次回の『吾妻鏡』-

No.9963

 前回から、『吾妻鏡』頼家・実朝期の記事を抜粋して振り返りを行っております。史料を挙げながらいろいろな問題について意見交換していきますので、とくにこれといった予習もなくご参加いただけると思います。

 日時:2013年5月23日(木)午後3時頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:頼家・実朝期の振り返り

 5月も木曜の午後、23日・30日に開催予定です。

 23日は私(岩田)は都合により4:00過ぎには退場させていただきますが、ご了承ください。

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、早くも夏の訪れを思わせる季節に何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。京都女子大の方限定ではありませんよ。

 ♪ 向こう意気なら焼津の半次~

No.9961

 最近、京都テレビで「素浪人花山大吉」が放送されるようになりました。私が大学に入った頃に毎週土曜夜8時から放送されていた番組で、私はこれの大ファンでした。近衛十四郎演じる花山のダンナと、品川隆二の焼津の半次の掛け合いがとても楽しい。こういう軽妙なやりとりは今どき聴くことがなくなりました。

 ところで、Facebookなるものをはじめて20日ほどになります。ゼミのページでは、昔の写真をたくさん見ることが出来て便利で有り難いのですが、コミュニケーションの場としては、なかなか難しいところもあるようです。お会いしたこともない方と「友達」というのも、なんか気の引けるところがありますし、「いいね!」の応酬ばかりでは意に反する。書き込んだ内容を思うように修正できないし、人間関係の構築という面からも、少し面倒ですね。
 「やろうかな、と思いはするものの、何度も逡巡します」という、ある知人の意見は尤もだと思います。

 私もそうですが、突き詰めると、情報収集に便利であることから、仕事上・生活上の必要に迫られて使っているという人が多いのではないかと思います。若い人は、すでにこれが当たり前のコミュニケーション手段なのかも知れませんが。それにしても、これを始めたことで、40~50代の同業の方でも私とは相当に価値観が違うのだということを痛いほど認識させられました。これは厳しい現実を知ったと思っています。
 しかしまぁ、私の頑迷さに自ら呆れる日が来るかも知れません。

 明日は、降誕会で大学の授業はありません。