豪雨と雷鳴

No.9694

 宇治のあたり、昨夜は一晩中雷鳴がとどろき渡り、何度も目を覚ましました。こんなに雷が続いたのを経験したことはありません。また落雷によってテレビの視聴に支障が出るかもしれないと思いましたが、それは免れました。しかし、雨量も尋常ではなかったようで、市内の低地では冠水したところもあるようです。おそらくマスコミのものと思われるヘリコプターが朝から上空を飛び交っています。
 テレビニュースなどを御覧になって、心配してお電話を下さった方もあり、恐縮しております。当家は、宇治と言っても、道長の墓所の営まれた浄妙寺よりもさらに高所、鴨長明が隠棲した日野に近い高台に位置しますので、大雨の害は被ることはありませんでした。
 岩田君の所も大丈夫だと思います。

☆ 清水眞澄先生より、御高論「「師子」と幸若舞曲-「元徳二年三月日日吉社幷叡山行幸記」を始点として-」収録の前田雅之編『もう一つの古典知 前近代日本の知の可能性』(勉誠出版)を御恵送頂きました。
 清水先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 和田琢磨先生より、御高論「『太平記』「序」の機能」(『日本文学』61-7)・「翻刻 楠妣庵観音寺蔵『楠公一代絵巻』上巻」(『亜細亜大学学術文化紀要』21)を御恵送頂きました。
 和田先生に、あつく御礼を申し上げます。

【速報】 田中さん、お母さんとなる!

No.9693

 田中さん、そうでした現姓は丸山さんに赤ちゃんが誕生しました。女の子の由。おめでとうございます。
 すでに平田(現姓山田)さん、薗田(現姓黒岩)さんがお母さん。
 そういえば、北海道の笠(現姓澤田)さんは、もうすっかりベテランのお母さんのはずです。

 ゼミメンバーがお母さんになる。こうなると、私もオジイサンらしくならないといけないようです。玉手箱を開いてしまった浦島太郎の如き心境です。

 これから、結婚話も続々の観あり。
 みんな、順序を踏んで人生を拓いていて立派です。

 なにしろ、当ゼミの主宰者は、就職する前どころか学生のうちに結婚し、二人目の子どもが生まれるという時点になってから、ようやく就職したという常道をはずれた人生を歩んでおりますから、教え子の諸姉兄にはよき反面教師になっているのだろうと思います。

 それにしても、おめでとうございます。(母に似て)次代を担う強力な女性が誕生したことを心からうれしく思っています。
 子育て、がんばってください!!
編集:2012/08/13(Mon) 17:02

ありがとうございます

田中 裕紀
No.9697

お祝いのお言葉、ありがとうございます。
お腹の中で、先日の公開講座を聞いてゴロゴロと動き回っていた人が、とうとう外に出てきました。
誰に似たのか気が強く頑固な性格がすでに見え隠れしております。
今は24時間営業で子に振り回される日々ですが、動けるようになったら、あちらこちらと連れて歩きたいなあと夢は膨らむばかりです。
次にみなさんにお会いできる日を楽しみにしています。

 最近の「批判」について

No.9692

 研究室の窓枠工事が始まりました。終了は19日とのことです。

 仕事柄、仕事(東国武士の研究など)の内容について批判の矢面に立つことはやぶさかではありませんし、反省させられるような御指摘があれば有り難い。時には、新しい発見に繋がる場合もあります。
 ところが、このところ、どうもよく分からない批判が多い。つまり、このことについて論じられていないという批判を受けている研究は、既にそのことを論じた上で語ったものであったりするのです。それから、曲解されているのか、問題意識がまったく異なるのか、どうも批判の意味が理解できないものも多いのです。
 私の頭脳の老化によるものなのかとも考えたのですが、どうやら、批判を発している方の所属にも問題があるらしいことに気がつきました。所属というのは、同じ発想とか価値観をもっているグループという意味です。そのことを踏まえて、批判の内容を考えると、「なるほど」と思えることがあります。ただし、「なるほど」というのは、批判に利があるというのではなくて、なんでそんな(私にとって)訳の分からないことを仰せになられるのかが分かるという意味においてのことです。
 人はもともと多様な考え方をするものでしょうが、ある集団に所属すると同調バイアスがかかって、その集団とは異なる発想には理解を示そうとしなくなるような傾向があるように思います。地域とか研究組織とか学統とかが、その集団にあたります。
 それを踏まえると、研究者にとっては、ある一定の年齢までに、多様な生活空間を経験することが結構意味を持つものだと思うに至った次第。若い人は動くに如かずです。

紫苑 第10号、アップロードしました

No.9690

お待たせいたしました。
紫苑 第10号 をアップロードしました。
http://donkun.ath.cx/organ/ から閲覧可能です。

 『紫苑』第10号の読みどころ。

No.9691

 鈴木君、お忙しいところ、ありがとうございました。

 『紫苑』第10号 (2012年3月)の構成は以下のとおり。
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 論文
 ・鎌倉幕府における政所執事…山本みなみ
 ・『平家物語』小督条に見られる漢詩文及び『源氏物語』の影響…尾田沙祐里
 研究ノート
 ・北条泰時執権期の鎌倉幕府に関する一試論…岩田慎平
 研究余禄
 ・建春門院陵はもと後白河院陵か?…佐伯智広
 
 ・『紫苑』第十号に寄せて―歴代編集長から―…鈴木絵里子・山岡瞳・江波曜子
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 論文2編は、史学科と国文学科の4回生の手になるもの。学部生は卒論の指標にして下さい。

 ☆ 東洋大学の森公章先生より、科研報告書『平安・鎌倉時代の国衙機構と武士の成立に関する基礎的研究』(研究代表者:森公章)研究成果報告書と御高論「古代阿波国と国衙機構-観音寺遺跡と出土木簡を手がかりに-」(『海南史学』50)・「古代常陸の相撲人と国衙機構」(『白山史学』48)を御恵送頂きました。
 森先生にあつく御礼を申し上げます。

 ☆ 國學院大學の細川重男先生より、御高著『頼朝の武士団 将軍・御家人たちと本拠地・鎌倉』を御恵送頂きました。
 細川先生に、あつく御礼を申し上げます。

 67年目の夏に。

No.9689

 美川先生の御意見には同感です。
 しかし、にもかかわらず、あの日は女子マラソンがありましたから、録画にした人が多かったのでは。それにBSの放送もありますから、やはり視聴者は多いと思うのですが。
 先日、海津先生から頂いた書信によると「和大の周辺では80%」とのことでした。

 さて、ようやく夏休みということで、早朝の涼しいうちに原稿執筆などに取りかかろうとしたところ、近所で車の盗難よけの警報が鳴り響きました。実はこの二三日連続。毎朝自動車泥棒が出没するほど治安の悪い地域ではないと思うのですが。友人宅と同じような状況になりつつあるものか?(>>>>>>No.9666・9678・9686)

 そんなわけで大学に退避。ところが、学生が夏休みに入った大学は各所で工事が行われており、私の研究室も窓枠工事のために足場の設置中。

 かの植木等氏曰く「どこに行こうたって、行くところがないじゃないか」。
 しかし、この御時世。「みんなまとめて面倒見るよ」と、言ってくれるような奇特な方はおられません。こうなると、考えないで済む作業あるのみ。「いつか使うだろう」「歳をとってから、昔を偲ぶ縁(よすが)になるだろう」などと考えて後生大事に溜め置いていた書類や本をボンボン譲渡・廃棄することに致しました。
 勿体ないような気も致します。千葉県の近世や近現代史関係の報告書類など、必要な方がおられましたら、差し上げますのでどうぞ。

 ☆ 神奈川県立金澤文庫の永井晋先生より、先生御担当の企画展『鎌倉密教-将軍護持の寺と僧-』図録を御恵送頂きました。
 永井先生に、あつく御礼を申し上げます。

平清盛視聴率最低の理由

美川圭
No.9688

平清盛が、大河ドラマはじまって以来の7.8%の視聴率となってしまったそうである。
ロンドンオリンピックたけなわとはいえ、さすがにびっくりしたと同時に、当然だろうなという気がする。私も、講演などの話題にする必要上、ときどきは義務的に見ているのだが、もう歴史的うんぬん、以前にドラマとしてのできが悪すぎるのである。

その根本原因は、脚本が最低であることによる。

「新平家物語」のように吉川英治の原作があって、それにある程度脚色を加えた形なら、1年の長丁場もなんとかなるが、大河ドラマを、オリジナル脚本でやるのはもう難しいのではないか。そんなことも感じている。

とにかく毎回それぞれの人物が、その特徴を変えてしまうので、俳優も一貫した人物像を演じられない。その最たる者が、主人公の清盛である。久しぶりにみると、まったく別人格になっている。あれほど、単細胞であった保元・平治の乱のときまでの清盛が、前回などまるで、鈍感力いっぱいの今の某総理のようなおもしろみのかけらもない人間になっている。これでは登場人物にまったく共感できない、感情移入できないので、かってに早く死んじまえ、ということになるのである。こうなると、どうにも次回が見たくなくなる、というか、視聴自体が苦痛になるのである。

そもそも、藤本有紀という脚本家が実在かどうかさえ、インターネット上で噂されているのである。高橋昌明先生が会ったと証言しているので、いることはいるんでしょうが。それほど、プロの脚本家が書いた脚本とはとうてい思えない稚拙さということである。もう、歴史を知らない方とか何とかの次元ではないと思う。

あと何ヶ月もあるけれど、一体どうするんだろうと思う。そして、少なくともこの時代に愛着を感じて研究をしている私としては、ここまでひどいとかえって寂しさもいっぱいである。

 『玉葉』の講読会について

No.9687

 昨夜の放送も、小道具には凝っていても、身分秩序などを無視した設定で興を削がれることひとかたならず。
 伊豆の武士の存在形態や、かの流人の境遇も近年の成果は反映されておらず、・・・
 卒論を書くときのイメージづくりには、『草燃える』の方が遥かにベターですよ、4回生のみなさん。
 ちなみに、当時の流人の配所における生活については、
 平雅行「親鸞の配流と奏状」(早島有毅『親鸞門流の世界-絵画と文献からの再検討-』法蔵館)
をお読みになるとよいと思います。 

 前期に火曜日のⅣ講時に実施していた『玉葉』の講読会ですが、当方の授業担当の都合と、これまで科目履修上出席が不可能であった学生が複数存在することを考慮して、後期は別の曜日に設定することに致しました。
 当方の都合もありますが、これまでの出席者にも出来るだけ迷惑のかからない形で、多くの方たちの希望にそえる曜日・時間帯に設定したいと考えています。
 学部生諸姉には、すでに個別に連絡しておりますが(3回生は池嶋さんにとりまとめをお願いしています)、宜しく御協力の程、お願い申し上げる次第です。
 なお、曜日・時間が決定致しましら、あらためて告知します。その段階で、さらに新規参加者を受け付けたいと考えております。

『紫苑』原稿募集についての補足

No.9685

こんにちは。試験も終わり、ようやく夏休みです。

今回はタイトル通り、『紫苑』第11号の原稿募集についての補足です。前回(7月30日)の書き込みで原稿を書いて下さる方を募集したのですが、その原稿立候補の締め切りを9月30日にしたいと思います。よろしくお願いします。

積極的な参加をお待ちしておりますので、原稿を執筆して下さる方は池嶋(上記PCアドレスもしくは携帯)までご連絡下さい。

 書きたいとも思わないし、締切も守れない君へ。

No.9686

 私も書きたいことが山ほどあるのですが、時間がないのが辛いところです。
 
 院生くらいの頃は、自分が書いたものを発表する場が無くて困ったものでした。締切もきちんと守りました。
 いま、あの頃のモチベーションと体力があったなら、依頼原稿は一挙に片付くと思うのですが・・・。
 最近、院生や若手の研究者が論文を書こうとしないし、引き受けても締切を守ってくれないという話を複数聴くことがありましたが・・・、なんでだろう?。

  京郊友人宅の災禍(>>>>No.9666・9678)は、昨・本日も発生したとのこと。どうやら複数の家が発生源らしく、トランペットは注意に出掛けたが、実に後味の悪い思いをしているとのことです。
 まったく、授業中の私語の注意も同様。同情、切なるものがございます。
 とはいえ、黙っていてはいけないのでしょうね。
 もはや、大都市近郊の新興住宅地は「地域共同体」たり得ないということなのでしょうか。
 嗚呼、懐旧の「昭和」。

 ☆ 山下克明先生より、御高論「陰陽道信仰の諸相-中世初期の貴族官人・都市民・陰陽師-」(上杉和彦編『生活と文化の歴史学Ⅰ 経世の信仰・呪術』竹林舎)・「密教修法と陰陽道」(大橋一章ほか編『「仏教」文明の受容と君主権の構築-東アジアのなかの日本-』勉誠出版)・「書評 赤澤春彦『鎌倉期官人陰陽師の研究』」(『歴史学研究』895)を御恵送頂きました。
 「陰陽道信仰の諸相」では、中世陰陽道信仰の転換期が院政期にあったこと、「密教修法と陰陽道」では、大きくみると陰陽道の神々の信仰が顕密仏教のコスモロジーの枠内に位置づけられていたことが指摘されています。書評は、鎌倉幕府の御家人・文士を研究している人は必読です。

 山下先生に、あつく御礼を申し上げます。 

『中世の人物』第一巻 元木泰雄編『保元・平治の乱と平氏の栄華』のお知らせ

No.9684

 以前、この掲示板で「元木プロジェクト」の構想について書き込んだことがありますが、それは着々と実現の方向に向かいつつあります。
 具体的には、今秋から順次刊行される予定の清文堂出版『中世の人物 京・鎌倉の時代』に結実致します。
 第一巻『保元・平治の乱と平氏の栄華』は元木泰雄先生、第三巻は平雅行先生、第二巻は私が編者となります。
 すでに、三巻とも原稿の締め切りは過ぎており、執筆者の皆様の積極的な御助力も頂いて、編集作業も順調に進んでいるとのことです。
 元木先生ならびに出版社の御許諾を頂きましたので、ここに第一巻のラインナップを御紹介させて頂きます(執筆者敬称略)。

『中世の人物 京・鎌倉の時代』第一巻『保元・平治の乱と平氏の栄華』

 1 鳥羽院・崇徳院                          佐藤健治
 2 後白河院~暗主の波瀾万丈の生涯~             高橋典幸
 3 美福門院と藤原家成                       高橋一樹
 4 藤原忠実~辛酸を嘗めて中世を切り開いた摂関家家長~  佐古愛己
 5 藤原忠通と基実~院政期摂関家のアンカー~        樋口健太郎
 6 藤原頼長                              横内裕人
 7 信西                                 木村真美子
 8 藤原信頼と成親                          元木泰雄
 9 藤原経宗~拷問を受けた有職の公卿~            元木泰雄
 10 藤原邦綱とその娘たち~平清盛の盟友/近衛家の忠臣~  佐伯智広
 11 源為義                                須藤 聡   
 12 源義朝~最初の武士の棟梁~                 近藤好和
 13 平忠盛~都鄙で広がる京武者の舞台~            守田逸人
 14 平清盛                                川合 康
 15 平重盛                                平藤 幸
 16 平時忠と信範~「日記の家」と武門平氏~           松薗 斉
 17 池禅尼と平時子~平家の後家たち~              栗山圭子
 18 西行~秀郷流故実の継承者~                   近藤好和
 19 覚仁と信実~悪僧論~                      久野修義
 20 阿多忠景と源為朝                         栗林文夫

  コラム
   王家の乳母                             野々村ゆかり
   京武者たち                               元木泰雄
   院と芸能者たち                           辻浩和

 ※ 私の担当させて頂く第二巻『治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』についても、追ってお知らせしたいと思います。  

拙稿「流人の周辺-源頼朝挙兵再考-」へのお問い合わせ

No.9683

 大河ドラマがらみのようですが、拙稿「流人の周辺-源頼朝挙兵再考-」の収録されている本を教えて下さいというご質問を頂きました。

 初出:安田元久先生退任記念論集刊行委員会編『中世日本の諸相』上巻(吉川弘文館,1989)
 再録:拙著『中世東国武士団の研究』(髙科書店,1994)

 なお、上記拙論を踏まえて一般向けに書き下ろしたのが、拙著『武門源氏の血脈』(中央公論新社,2012)の第三章「起ちあがる頼朝-軍事権門「鎌倉殿」の誕生-」1「伊豆配流」です。
 また、拙著『源氏と坂東武士』(吉川弘文館,2007,来月重版予定)も御参照下さい。

 ちなみに、伊豆配流中の頼朝については、最近、創価大学の坂井孝一先生が『曽我物語』に対する御研究を前提にした新知見を提示されています。

 本日の京女A地下は食事の人よりも、試験待ちらしい学生さんで満席です。
 私はカツカレー(320円)を食しました。