傍らに人無きがごとし。
No.9655
雨上がりの日曜の夜。また、京都郊外の狭い建て売りの住宅地に住んでいる友達の家の隣人がバーベキューを始めたとのことです。まさに「傍若無人」。
かつては、共生こそ京都都市民の文化であったはず。それを現代の京都人、しかも近郊住宅地の住民の意識にまで敷衍するのは無理な話でしょうか。
平治の乱の評価は平清盛と源義朝の戦いに矮小化されるべきものではありませんが、その部分だけを取り上げるのなら、昔から、興味津々に思っているのは、上総広常ら義朝配下の東国武士がどのようなルートで帰東を果たしたのかということ。
広常の場合、のちに尾張の原氏(良峯氏)と姻戚関係にあったことが知られるから、その援助を得たものか。いずれにしても、かれらは既に東海道や東山道の各所にネットワークを張っていたのでしょう。当時の東国武士は人生のかなりの時間、在京生活を送っており、歌も詠めるし、ドラマに描かれるほどに粗野ではありませんでした。
平治の乱について勉強したい人は、元木泰雄先生の『保元・平治の乱を読みなおす』(NHKブックス)を図書館で借りてくるか、近く刊行される『保元・平治の乱 平清盛 勝利への道』(角川ソフィア文庫)を待つのがベスト。それ以外の関連書籍をお読みになっても、必ず最後は元木先生の御著書でしめて下さい。
政治史的評価云々よりも、義朝の東国への逃走など、枝葉末節な合戦話にこそ関心があるという向きには、拙著『武門源氏の血脈』(中央公論新社)で十分かと存じます。
それから、私が現在校正中の本というのは、山川ブックレットの『源義家』です。副題はいろいろ迷ったあげく『中右記』の一節から「天下第一の武勇の士」といたしました。順調に進めば、9月末頃には世に出ることになります。
それにしても、近藤好和先生が今回の大河ドラマを御覧になっていなくて本当に良かったと思います。
なにしろ、とくに合戦の場面は、専門外の私が見てもあんまりですから。
【追記】 先ほど、「日本の古本屋」を見ておりましたら、早稲田の古本屋さんに(幻の)拙著『坂東武士団の成立と発展』(弘生書林)が出ておりました。
かつては、共生こそ京都都市民の文化であったはず。それを現代の京都人、しかも近郊住宅地の住民の意識にまで敷衍するのは無理な話でしょうか。
平治の乱の評価は平清盛と源義朝の戦いに矮小化されるべきものではありませんが、その部分だけを取り上げるのなら、昔から、興味津々に思っているのは、上総広常ら義朝配下の東国武士がどのようなルートで帰東を果たしたのかということ。
広常の場合、のちに尾張の原氏(良峯氏)と姻戚関係にあったことが知られるから、その援助を得たものか。いずれにしても、かれらは既に東海道や東山道の各所にネットワークを張っていたのでしょう。当時の東国武士は人生のかなりの時間、在京生活を送っており、歌も詠めるし、ドラマに描かれるほどに粗野ではありませんでした。
平治の乱について勉強したい人は、元木泰雄先生の『保元・平治の乱を読みなおす』(NHKブックス)を図書館で借りてくるか、近く刊行される『保元・平治の乱 平清盛 勝利への道』(角川ソフィア文庫)を待つのがベスト。それ以外の関連書籍をお読みになっても、必ず最後は元木先生の御著書でしめて下さい。
政治史的評価云々よりも、義朝の東国への逃走など、枝葉末節な合戦話にこそ関心があるという向きには、拙著『武門源氏の血脈』(中央公論新社)で十分かと存じます。
それから、私が現在校正中の本というのは、山川ブックレットの『源義家』です。副題はいろいろ迷ったあげく『中右記』の一節から「天下第一の武勇の士」といたしました。順調に進めば、9月末頃には世に出ることになります。
それにしても、近藤好和先生が今回の大河ドラマを御覧になっていなくて本当に良かったと思います。
なにしろ、とくに合戦の場面は、専門外の私が見てもあんまりですから。
【追記】 先ほど、「日本の古本屋」を見ておりましたら、早稲田の古本屋さんに(幻の)拙著『坂東武士団の成立と発展』(弘生書林)が出ておりました。