6月2日(土) 京都では山本さんの卒論報告があります。

No.9592

 岩田君の講演と同じ日に、今春本学を卒業された山本みなみさんが卒論報告を行います。今年は会場が京都市内なので、これから卒論を書く史学科の後輩諸姉はぜひ行ってみるべきだと思います。

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  ◇ 大阪歴史学会・日本史研究会合同卒論報告会 ◇

  2012年6月2日(土)13:00~

  報告①山本みなみ氏(京都大学)「鎌倉幕府における政所執事」
   参考文献
   ・杉橋隆夫「鎌倉執権政治の成立過程―十三人合議制と北条時政の「執権」職就任―」御家人制研究会編『御家人制の研究』(吉川弘文館、1981年)
   ・盛本昌広「関東御公事と鎌倉幕府財政」(『鎌倉』93、2001年)

  報告②徳満悠氏(大阪市立大学)「中世後期における山城国木津の都市構造―十五世紀を中心として―」
   参考文献
   ・宇佐見隆之「木守と問―流通・交通業の起源を探る―」(同『日本中世の流通と商業』吉川弘文館、1999年)
   ・小林保夫「東大寺領木津木屋所の歴史的地位―発生期の問との関連で―」(上横手雅敬『古代・中世の政治と文化』思文閣出版、1994年)

  報告③川口成人氏(京都府立大学)「将軍義澄期における伊勢貞宗・貞陸」
   参考文献
   ・山田康弘『戦国期室町幕府と将軍』(吉川弘文館、2000年)
   ・萩原大輔「足利義尹政権考」(『ヒストリア』229、2011年)

  報告④大木敦史氏(神戸大学)「戦国期における勅使の地方下向―大宮伊治肥後下向の事例を中心に―」
   参考文献
   ・富田正弘「戦国期の公家衆」(『立命館文学』209、1988年)
   ・菅原正子「公家衆の在国」(『中世公家の経済と文化』吉川弘文館、1998年)
   ・渡邉大門『逃げる公家、媚びる公家』(柏書房、2011年)

  会場は機関誌会館5階 (京都市営地下鉄丸太町駅から徒歩5分)
  →http://homepage2.nifty.com/kikanshi-keiji/kaizyou.html
 
  報告順は当日変更する場合があり、また報告終了後、懇親会(自由参加)を開催するとのことです。

 岩田君の講演「平清盛と武士の時代」の御案内

No.9590

 第29回 京阪・文化フォーラム 『平清盛と平家物語』

 第一部講演
   「平清盛と武士の時代」 関西学院大学非常勤講師 岩田 慎平氏
 第二部講演と朗読 
   講演・「平家物語」万華鏡 神戸大学大学院人文学研究科准教授 樋口 大祐氏
   朗読・「平家物語」  フリーアナウンサー 馬場 尚子氏
 第三部講談
  「清盛の末期(まつご)-源平盛衰記から-」 講談師 旭堂 南陵氏
 開催日:平成24年6月2日(土)13時~16時(予定)
 会  場:中央電気倶楽部(大阪市北区堂島浜2-1-15)
 募  集:300名(先着順)  受講料:1,000円
 締  切:5月21日(月)
 くわしくは→https://www.okeihan.net/navi/culture/form.php

京阪電車で通勤・通学の方は車内の吊り広告で御確認ください。
編集:2012/05/16(Wed) 16:43

京阪電車に乗って-次回の『吾妻鏡』-

No.9591

>野口先生
 京阪文化フォーラムを宣伝していただきましてありがとうございます。
 当日はほかにいろいろなイベントもあるようですが、お時間のございます方はご来聴いただけましたら幸いでございます。
 ご来場の際には、京阪電車中之島線をご利用下さい。

 さて、次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2012年5月22日(火)午後4時すぎ~(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:建仁三年(1203)九月五日・六日・七日・十日・十二日・十五日・十七日・十九日・二十一日・二十九日、十月三日・八日・九日・十四日・十九日・二十六日・二十七日、十一月三日・六日・十日・十五日・十九日、十二月三日・十三日・十四日・十五日・十八日・二十二日・二十五日の各条

 今年度から火曜日開催となった『吾妻鏡』購読会、5月は22日(火)、29日(火)に開催予定です。

 前回(5/8)は九月二日条をすべて読めませんでしたので、次回はその続きからとなります。
 また、次回以降はわけあって開始時間を四時過ぎに変更させていただいております。メンバーのみなさんにはご迷惑・ご不便をお掛け致しますが、よろしくお願い致します。

 火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

今日の講話と明日の基礎演習Ⅰ

No.9587

 本日Ⅲ講時の仏教学の講話。どうも焦点の定まらない話になってしまいました。でも、終了後、受講した学生さんが2名(史学科1回生)、研究室を訪ねてくれました。

 明日(15日)の基礎演習Ⅰ。辻田さんの「ユニクロについて」という報告です。

 ☆ 創価大学の坂井孝一先生より、御高論「源実朝にとっての和田合戦」(『創価人間学論集』4)・「源頼朝の流人時代に関する考察」(同 5号)を御恵送頂きました。
 坂井先生にあつく御礼を申し上げます。
編集:2012/05/14(Mon) 19:45

仏教学IIAにて

鳥飼真希
No.9588

野口先生、御無沙汰しております。
私たち史学科三回生は四講時に仏教学を受講しているのですが、講師がお話をされた三講時の仏教学と同じ熊谷先生なのです。四講時では野口先生の講話の事が話題に出ておりました。熊谷先生は歴史から見る女性の地位についてのお話に大変驚いたと仰っていました。
また受講した一回生が研究室を訪ねたとのこと、思えば私も野口先生の講義を受けたのが始まりでした。先生のお話はやはり私たち学生の心を動かす力がありますね。今後もこうした学生が研究室を訪れることを私も楽しみにしております。

乱文失礼いたしました。

今日は『玉葉』を読み始めます。Ⅴ講時は研究発表会。

No.9589

 >鳥飼さん どうもありがとうございます。
 今朝も研究室に昨日の講話を聴いてくれた史学科の一回生の来訪がありました。

 ところで、本日Ⅳ講時は『玉葉』。Ⅴ講時は大学院研修員粟村さんのプレ発表です。
 ゼミメンバー以外も歓迎。とくに国文の学生さんたちの主体的な参加を期待しています。

 なお、開始は16:45を目安にしたいと思います。それまで、15分くらい、いろいろ連絡をさせて下さい。

もう平清盛見ません

美川圭
No.9583

 さすがに、もう大河ドラマの平清盛を見ないことにした。

 理由は、先週の日曜日、1回見なかったら、この1週間がハッピーだったから。

 ドラマというのは、根底に見て楽しい、あるいは楽しいとはとてもいえなくても、何か重要なことを考えるヒントになる、といったことがないと、少なくとも暇をもてあましているのではなければ、見続けるのは苦痛以外の何ものでもない。それを、約4か月やったのだから、もういいだろう。いくらなんでも、こんなに出来の悪いドラマを見続けるのは限界という結論である。

 昨日の毎日新聞夕刊の一面に「「清盛」おごる日いつ」という記事が載っていた。視聴率、歴代最低に迫る、ということで、まあ、最低はやはり中世をあつかった「花の乱」だそうである。あのドラマも一応見たが、ドラマとしてひどい出来であった。それよりは視聴率は高かったということだろうが、「北条時宗」もひどかったそうである(これはほとんど見ていない)。いずれも中世を舞台にしている。そのあたり、脚本家とか演出家に、中世のイメージがない、という問題もあるような気がする。おもしろくない時代だろうから、自分たちがおもしろくしてやる、というおごりに近い雰囲気が画面から漂ってくるのである。それもとても嫌だ。

 そこまで歴史家の責任にされるいわれもないが、もう少しわかりやすいかたちで、中世のイメージを歴史家が一般に語る必要は、日頃から痛感している。とにかく、変な脚色をして、かえって作品を台無しにする例が多すぎるのである。中世は、あまり変なことをせず、そのままドラマにした方が、よほどおもしろいのである。なにしろ、変なことが実際にたくさんあった時代なのだから。

 最近、とくに思うのだが、歴史はおもしろい。だから歴史家になったのだろう、何をいまさら、と言われればどうしようもないが、以前は少し小説家とか脚本家とか、映画監督にたいしてあこがれがあった。というか、できればなってみたかったと思ったこともあるのだ。

 「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったもので、作り事には限界があるのだ。実際の人間のおこすことは、思いも掛けないことがおこるのである。

 たまたま、7時30分のBSでの朝ドラの前に、以前放送していた「ゲゲゲの女房」の再放送をやっている。今の「梅ちゃん先生」と続けてやっているので、ドラマの出来不出来がほんとうによくわかる。「ゲゲゲの女房」は水木しげるのほぼ実話だろうが、「梅ちゃん先生」は完全なフィクションのようである。「ゲゲゲの女房」はきちんと毎回見ていたにも関わらず、2度目でもおもしろい。「梅ちゃん先生」の方は、たった15分が長くてしょうがなく感じる程度の出来である。こちらももう見ないことにする。ちなみに、この3月までやっていた「カーネーション」も実におもしろかったが、これもコシノ三姉妹の母親の話であり、ほぼ実話である。実話だからおもしろく、完全なフィクションだからつまりないなどというセオリーはありえないが、しかし、そのことが影響する場合もかなりあるような気がする。

 さて、毎日新聞の記事にもどると、人間関係の複雑さなどをとりあげながら、低視聴率の原因をけっきょく視聴者の知識量の少なさ、時代へのなじみのなさに帰している。

 しかし、この分析は完全に誤っている。

 私をはじめ、この時代の歴史家の多くが、このドラマをつまらないと言っているからである。ここに描かれている複雑な人間関係をよく知っていても、つまらないのである。わかりにくいから視聴率が低いのではなく、つまらないドラマだから低いのである。このことを、前の朝日新聞の記事もまったく書いていない。

 考えてみれば、出来の悪いドラマなど山のようにあり、むしろ秀作の少ないのはあたりまえである。民放のドラマだと、視聴率低迷により、スポンサーが離れて打ち切りになる。この点、NHKは地味な、しかし重要な報道番組などを、スポンサーの意向を考慮せず、放映できる有利さはあるが、娯楽ドラマとなると逆にどうなのだろうか。とくに大河ドラマは1年間も続くという慣例になっている。評判が悪ければ、打ち切りとなってもいいと思う。少なくとも、私はもうこのできの悪いドラマに付き合う気はおこらなくなった。

 最初から見ていない近藤好和先生の決断を尊敬している。私は、それに踏み切れず、ずいぶん損をしてしまった気がする。毎回、批判を書いたら、「誹謗中傷」だなどと、私に対する人格攻撃までなされているサイトがあることも知っている。そんな言われ方をするのも、もうこりごりである。

 もう終わります。

 残念ですが、お気持ちはよく分かります。

No.9585

 今回もつまらなかったですね。
 なんで、ああいう風にしか描けないのか、分かりかねます。

 美川先生のコメントは同感させられることばかりで、とても楽しく、かつ勉強になりましたので、御退場は残念です。これを読んで溜飲を下げていた方もさぞかし多かったことだろうと思います。
 私は関連する市民向けの講座がいくつかございますので、これからも執拗に視聴を続けようと思います(もっとも、耄碌ゆえに半分は寝てしまいそうですが)。
 昨夜も京都の経済を下支えされている方々に「平家・平清盛とその時代」というテーマで、楽しく食事をともにしながら、お話をさせて頂きました。みなさん、とても熱心に聴いてくださいました。読むべき本の推薦を求められましたので、元木先生と岩田君の御著書を紹介させて頂きました。ついでに東国武士と源氏については拙著も(抜け目なく)。

 ドラマを御覧になられて、「キャラ萌え」したりせず、「こんなはずではない」と思われている方には、(何度も申し上げますが)元木泰雄先生の『平清盛と後白河院』(角川選書)をお勧めいたします。ちなみに、本日付の神戸新聞「ひょうご選書」欄に紹介文を載せて頂きました。

 さて、今週もコメントに替えて、『平清盛の時代(通学路の歴史探索)』を掲載致します。
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 第2回「八条院の御所」

 源平内乱のころ、現在京都駅のある一帯には、八条院(暲子内親王)の御所や院庁(役所)・御倉町(工房や倉庫群)が立ち並んでいました。八条院は鳥羽院の皇女。母はその皇后であった美福門院(藤原得子)で、弟の近衛天皇の死後、女性ながらも新帝の候補にあげられたほどに王家正統の血を引く存在でした。ですから、本来中継ぎ役として即位したにもかかわらず、院政の担い手となった後白河院(八条院の異母兄)も、彼女が父母から莫大な所領を受け継いで富裕であったこともあいまって、その力を頼むところがあったようです。

 京都駅には毎日たくさんの旅客が降り立っていますが、八三〇年の昔も、この空間は、全国各地の八条院領荘園から上洛した人々で、今と同じように、賑わっていたことでしょう。

 ちなみに、治承四年(一一八〇)平家打倒の兵を挙げた高倉宮以仁(もちひと)王(後白河院の皇子)は彼女の猶子(ゆうし)であり、八条院に仕える女房三位局(さんみのつぼね)との間に一男一女をもうけています。そして、平家打倒の挙兵を呼びかけた以仁王の令旨(りょうじ)を全国の反平家勢力に伝えたのは、八条院蔵人の源行家(頼朝・義経の叔父)でありました。さらに、挙兵の軍費は八条院領から調達されたとも考えられています。

 彼女は大変おっとりとした性格であったと伝えられ、政治の動きに直接介入した形跡も見られませんが、その存在そのものが、源平内乱の展開に大きな影響を与えたといえましょう。
 平成六年(一九九四)、現在の京都駅ビルが新築された際に行われた発掘調査では、この時代の遺構・遺物が大量に検出されました。まさに、京都は文献と考古の両面から歴史に迫ることの出来る希有な空間なのです。
編集:2012/05/15(Tue) 12:40

無題

元木泰雄
No.9586

美川先生、お疲れ様でした。ただでさえ面白くない上に、話もよくわからないドラマを、コメントをしようと熱心にご覧になれば、体調も悪くなることでしょう。先生の4月23日付けのコメントで、このドラマの基本的な問題点は解明されており、もはや毎回のコメントは不要ではないかと思います。
 先生のコメントを誹謗中傷などとするサイトがあるとは呆れたものです。
 きっとドラマ関係者のそれじゃないですかね。
 幼稚な誹謗中傷を浴びせられるのは、有名税のようなもの、御気になさることではありません。当方も某掲示板で「複合権門などというくだらないことを言う元木は殺してやる」とか書き込まれました(笑)
 
 昨日も相変わらず。鳥羽が危篤になって崇徳が対面に訪れる、ところが両者を融和させるとか言っていたはずの清盛が、剣を抜いて崇徳を追い返す。いったいなんじゃこりゃー????
 前後の脈絡もなにもあったものではありません。それに、やっぱり清盛は無法者のまま。こんな場面を見せられたのでは、病気になる人が出るのも仕方ありません。
 前回、鳥羽は崇徳と融和しようとしていたのに、信西が「大乱を防ぐため」と称して崇徳の皇子重仁の即位をやめさせる場面がありました。崇徳を忌避したからこそ、大乱が起こったとだれもが認識しているのですが、これでは視聴者が混乱するだけです。
 以前、殿上闇討ちの話が、源為義が忠盛を襲うというトンデモ話になっておりました。高校生でも古典でならう国民の共通認識を破壊したわけですから、視聴者が困惑し、怒り、離れてゆくのは当然です。
 脚本家は。朝ドラ「ちりとてちん」を手掛けた方とのこと。あれにははまりました。その人がなぜ?としか言いようがありません。史実や古典より面白いものを目指しているのかもしれませんが、国民に深く浸透している共通認識を否定するのは、慎重でなければならないと思います。
 従来の大河ドラマは、史実をきちんと料理した原作があり、それを脚本家が味付けしていったのですが、原作がないまま、いきなり脚本家に筋書きを描かせたのでは、どうしてもこうした問題を生じるのではないでしょうか。

 様々な面で大河ドラマの恩恵を被っているのは事実ですから、打ち切りは避けてもらいたいところ。また、講演会のたびに大河の悪口で爆笑を招き、「ツカミ」にさせてもらえるのは便利ではあります。しかし、あとから「あんたの話で溜飲が下がった」「ひどいドラマに腹がたつ」といった声をたびたび聴かされると、莫大な受信料を費やしてあんな番組を作っていいのかと、考えさせられますね。
 平清盛が取り上げられることで、ドラマはともかく、この時代に関心を持つ人が増えたらいいと思ったのですが、これでは嫌いになる人が増えそうです。NHKには反省してもらいたいのですが、例の批判を浴びた薄汚いぼけた画面も依然としてそのままのようです。汚いというだけではなく、視力の衰えた高齢者には見にくい画面であり、それが視聴者離れにつながっていると思います。
 NHKに反省を求めるのは、音戸の瀬戸ではないが西から太陽を昇らせるようなもの、あるいはワンマン理事長の大学に民主的運営を求めるようなものでしょうか?

 まあ講演会のネタ用に毎回見させてもらいますが、見てる人がいなくなりそうです。そうなったら無理して見続ける必要もなさそうですね。

 研究所公開講座(6月23日開催)の御案内

No.9582

 本日付の各新聞(地域限定と思いますが)朝刊に京都女子大学の公開講座案内が掲載されております。しかし、そこには当研究所公開講座については記載されていませんでした。そこで、あらためて、6月23日に開催される当研究所公開講座の御案内を掲載させて頂きます。

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   シリーズ「東山から発信する京都の歴史と文化」⑭
       『平家・王権・儀礼』
     元木泰雄氏(京都大学大学院教授)「平清盛と後白河院」
     服藤早苗氏(埼玉学園大学教授)「院政期の五節」

日時:6月23日(土)13:00~17:00
会場:京都女子大学J校舎525教室
(受講料・事前申込不要)
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  ◇ 元木泰雄先生「平清盛と後白河院」
 鹿ケ谷事件に関する新解釈も含め、事件に至る重盛・成親と後白河の関係、清盛や時子一門との関係といったことに焦点を絞り、平氏の内部分裂に触れて、組織の弱体をとりあげ、当時の平氏の実態を述べる。

  ◇ 服藤早苗先生「院政期の五節」
 先生は、現在、五節舞姫と遊女・白拍子・傀儡女等の研究をすすめておられるとのこと。そこで、「殿上の闇討ち」等も含めて、五節舞姫や童女御覧等の五節儀礼のジェンダー分析をしたいと思っておられるとのことです。

『石川町史 第一巻 通史編1』の刊行を祝す

No.9581

 福島県石川郡石川町から『石川町史 第一巻 通史編1 原始・古代・中世・近世』が刊行されました。
 執筆者のほとんどが福島・宮城県在住のの研究者の方たちで、直接間接に地震・津波・原発による災禍に遭遇されたのではないかと思います。この時期における町史の刊行は、東北地方のみならず各地の地域史の研究にたずさわる人たちに大きな勇気を与えるものとなるのではないでしょうか。
 編纂室長の小豆畑毅先生をはじめとする関係者の皆様の御努力に敬意を表するとともに、心より刊行をお祝い申し上げる次第です。
 中世前期の武士論を研究する立場からは、大和源氏系石川氏に関する最新の研究成果を概観できるのがありがたく、これまで石川氏の存在があまり評価されていなかったことが却って不思議に思えてしまいます。ちなみに、私も短いコラムで参加させて頂きました。
 本の体裁はB5版 447ページ、オールカラーで定価は3000円(税込み)。
 発行は、福島県石川町教育委員会 石川町史編さん室(〒963-7851 福島県石川郡石川町字新町80-1 ℡0247-26-9138)。

在「東京」活動

No.9580

 第14回中世戦記研究会

 日時:2012年5月19日(土) 14:00~18:00
 場所:学習院大学 西2号館 504教室
 研究発表
 粟村亜矢氏(京都女子大学大学院研修者):「『平家物語』の遺言」
 梶川貴子氏(創価大学大学院博士後期課程):「得宗被官の歴史的性格」
 志立正知氏(秋田大学教授):「太平記研究の現在」
~~~~~~~~~~~~~~~~
 鎌倉遺文研究会第180回例会

 日時:2012年5月24日(木)18:00~
 場所:早稲田大学文学部第2研究棟6階第7会議室
 報告者:長村祥知氏
 題目:木曾義仲の発給文書
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 ※ 来週の火曜Ⅴ講時のゼミ講読会の時間には粟村さんのプレ発表が行われる予定です。
>岩田君 『吾妻鏡』も少しやりましょうか?
会員以外で中世戦記研究会に参加希望の方は当方にお知らせ下さい。
編集:2012/05/11(Fri) 09:00

『吾妻鏡』はお休みでいいのではないでしょうか

No.9584

>野口先生
 みなさんの在「東京」活動のご案内、ありがとうございます。
 15日は粟村さんのプレ発表で、『吾妻鏡』の講読は次週以降でよろしいかと存じます。

 そういうわけですので、22日(火)のご案内です。

 日時:2012年5月22日(火)午後4時すぎ~(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:建仁三年(1203)九月五日・六日・七日・十日・十二日・十五日・十七日・十九日・二十一日・二十九日、十月三日・八日・九日・十四日・十九日・二十六日・二十七日、十一月三日・六日・十日・十五日・十九日、十二月三日・十三日・十四日・十五日・十八日・二十二日・二十五日の各条

 今年度から火曜日開催となった『吾妻鏡』購読会、5月は22日(火)、29日(火)に開催予定です。

 前回は九月二日条をすべて読めませんでしたので、次回はその続きからとなります。
 また、次回以降はわけあって開始時間を四時過ぎに変更させていただいております。メンバーのみなさんにはご迷惑・ご不便をお掛け致しますが、よろしくお願い致します。

 火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

求人情報

No.9579

 信頼の出来る方から、広報関係のパートタイマー求人の情報を頂きました。
 卒業生などで、応募を希望する方がおられましたら、私まで御連絡下さい。

「比企氏の乱」の再検討

No.9578

 昨日、Ⅳ講時に『玉葉』の講読会がスタートしました。
 とは言っても、まだ本文は読んでおりません。一回目は文献史料について、お話をさせて頂きました。
 来週は治承四年五月の条から。3回生主体の講読会になりそうです。まずは「記録」の読解。

 Ⅴ講時以降は、岩田師範や山本さんが草津や吉田山の麓から駆けつけてくれて『吾妻鏡』の講読会を継続。今読んでいるのは比企氏の乱の辺り。山本さんの用意してくれた『愚管抄』なのど関連史料を読み合わせていくと、どうやら事件の本質は通説的理解とは異なるものがありそうです。
 柏美恵子「比企氏の乱と北条時政」(『法政史論』7)は、1980年に刊行されたものでした。

 ☆ 東北芸術工科大学の入間田宣夫先生より、御高論「骨寺村・本寺地区における中心の変遷について」(『平成19年度~平成23年度文部科学省私立大学学術高度化推進事業「オープン・リサーチ・センター整備事業」東北地方における環境・生業・技術に関する歴史動態的総合研究 研究成果報告書Ⅰ』)および、先生の御講演録「安倍、清原、藤原政権の成立史を組み直す 北方諸地域の差異に関する考古学的所見学んで」掲載の『まんだら』49(東北芸術工科大学東北文化研究センター)を御恵送頂きました。
 入間田先生に、あつく御礼を申し上げます。

 相馬中村城三の丸堀跡の保存問題

No.9577

 今日は渋谷通りの坂をキャリーケースを引っ張って歩く学生さんを多く見かけました。帰省先から沢山お土産をもって帰ってこられたのでしょう。私は腰痛対策のために貼るカイロを買いに出掛けたところでした。もう店頭には並べていないので、店の奥から探し出してきてもらいました。
 学会誌の誌代の払い込みやら雑用に追われているうちに、アッという間に一日が過ぎてしまいました。『玉葉』の準備が出来ていませんが、明日は書誌解説ということに致しましょう。

 Ⅲ講時の「基礎演習Ⅰ」ですが、寺義さんの報告テーマは「名字について」とのこと。
 これなら、私も口を挟むことが出来そうです。それぞれのルーツを考える糸口にもなりそう。共同研究室に置いてある『姓氏家系大辞典』が大活躍しそうです。

 ☆ 上横手雅敬先生より、御懇書とともに先生の連載されている「平家物語を読み解く」掲載の『京都新聞』(5月6日付) を御恵送頂きました。
 ちょうど西光の登場する部分。院政期には、この西光のように、諸国の在庁官人クラスの人物が京都で立身の機会を得るケースが多く、三浦氏の例(為俊)なども前提に、すこし検討を加える価値がありそうです。
 上横手先生に、あつく御礼を申しあげます。

☆ 東北福祉大学の岡田清一先生より、御懇書とともに御高論「小高から中村へ-戦国武将相馬義胤の転換点-」(『東北学院大学経済学論集』177)を御恵送頂きました。
 岡田先生に、あつく御礼を申し上げます。

 福島県相馬市では中村城三の丸堀跡に市民会館を建設する計画が、急速な動きで進行しており、岡田先生はこの問題に心を痛めておられるとのことです。
 中村城は慶長三陸地震による津波によって疲弊したこの地域の復興の具体的な証であるとのこと。その遺構を破壊した上に市民会館というのは、後世に禍根を残すのではないかと先生は切実に訴えておられます。