歴史に学ぶ地震と津波【シンポジウム】

美川圭
No.8948

詳細は、参照先をご覧下さい。

歴史に学ぶ地震と津波【シンポジウム】

主催者

大阪市立住まい情報センタータイアップ


東日本大震災は、日本の国のあり方、人々の心を大きく変えました。この震災では平安時代の貞観地震・津波と同規模であったことが指摘されています。この講座では地震・津波をテーマに3人の研究者が講演を行います。

●日 時:平成23年12月11日(日) 14:00~16:00(受付13:30~)


●場 所:大阪市立住まい情報センター3階ホール


●定 員:200名(申込多数の場合は抽選)


●講 師:美川 圭 氏(摂南大学外国語学部 教授・日本史学)
       橋本 正俊 氏(摂南大学外国語学部 准教授・日本文学)
       宮本 裕次 氏(大阪城天守閣主任学芸員・日本史学)


●申込方法
 郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号・手話希望の有無を明記して、下記申込み先にファックスか郵便でお申し込みください。インターネットからもお申込みできます。
 申込フォームに、氏名・メールアドレス・電話番号・住所・年齢をご記入ください。自由記入欄に手話希望の有無、氏名・年齢を明記の上、お申し込みください。


●お申込、お問い合わせ先
〒530-8582(住所不要)  
大阪市立住まい情報センター 4階住情報プラザ
「歴史に学ぶ地震と津波」係
TEL:06-6242-1160 FAX:06-6354-8601

※お申込時にご記入いただいた個人情報は、主催者大阪市立住まい情報センター、摂南大学 外国語学部 国際文化教室が保管し、利用状況統計基礎データ及び今後のイベントのお知らせ等に利用させていただく場合があります。

おそるべし上野動物園 在来種の馬

美川圭
No.8947

 研究者はみな知っているのだろうか。少なくとも私は知らなかったです。

 昨晩、18:30からの会議を終えて、帰宅、遅い夕食をNHKテレビの「ブラ・タモリ」を見ながら食べていた。先週と昨日は、東京の昔、とくに江戸時代の動物についてがテーマである。ああ、昔行った浅草の「ちんや」というすき焼き屋は、江戸時代は犬の「ちん」の繁殖を営むブリーダーだったのか、とそれなりに楽しんで見ていた。

 ところが、後半が、上野動物園。そこの「こども動物園」という動物とこどもが触れあえる場所で、馬の在来種を公開しているんです。これ、知らなかった。かつて、川合康先生が、メチエの名著を出されたとき、在来種の馬の写真が手に入らずに、たいへん困っていたことをよく覚えているのです。しかも、そればかりではなく、牛の在来種も。これ牛車を牽いていた牛に近いものです。とにかく、来週、東京国立博物館に出張するので、上野動物園にも行ってきます。あの在来種の馬を近藤好和先生がかついで、一の谷を降りられるか、やってみたいなあ。近藤先生はもちろん、上野こども動物園の在来種をご存知なんですよね。

Re: おそるべし上野動物園 在来種の馬

近藤好和
No.8949

美川先生、お久しぶりです。録画してあった「ブラタモリ」をやっとみました。
恥ずかしながら、こども動物園なるものを知りませんでした。
というよりも、小学生の時を最後に上野動物園には行っていません。
東博等の博物館・美術館に行くときに前を通るだけです。
近々に上野に行く用事がありますから、寄ってみます。
なお、山梨県の小淵沢には「木曽馬牧場」といって、在来馬(木曽馬)を飼育して、
古式の乗馬法や騎射戦の方法等を実践・研究しているところがあります。
また、多摩動物園には地球上で唯一の野生馬という「蒙古野馬」が
展示されているそうです。

Re: おそるべし上野動物園 在来種の馬

美川圭
No.8950

近藤先生、こちらこそ、ご無沙汰しております。
近藤先生も、上野動物園の「子ども動物園」をご存じなかったのですね。安心しました。
小淵沢の「木曽馬牧場」とは「紅葉台木曽馬牧場」のことでしょうか。毎年、7月末の土曜日に、流鏑馬なども行うショーもやっているようですね。ぜひ行ってみたいと思います。ビデオを見るところでは、昔の騎馬の姿とほぼ一致して、サラブレッドとは雰囲気が違い、わくわくします。ありがとうございました。

http://www.geocities.jp/kouyoudaikisoumabokujou/activity/activity.html

歴史と文学 …現代版『純友追討記』

No.8946

 急に寒くなってきたせいか、体調がいまひとつです。
 食事の後が特にいけません。
 これは社会生活を営む上で、なかなか辛いものがあります。

 昨年6月に國學院大學で行われた公開シンポジウム「平家物語研究の視点-歴史学の視点、文学の視点、その相互理解をめざして-」の内容もおさめた、千明守編『平家物語の多角的研究 屋代本を拠点として』が刊行されました(A5判 上製カバー装 8,500円+税 ISBN 978-4-89476-578-8)。
 本論の構成は以下のとおり。
              *****************
  序説 軍記物語古態論の行方
   軍記物語の表現の古態を考えるということ・・・・・・・・・・ 佐倉由泰

  Ⅰ 屋代本平家物語の新研究
   「屋代本平家物語」の書誌学的再検討・・・・・・・・・ 佐々木孝浩
   屋代本平家物語巻十一の性格―字形と語句の観点から・・・・・・・・・ 吉田永弘
   屋代本平家物語巻十一本文考 千明守
   『平家物語』巻一「二代后」の本文―一方系と八坂系の接近・・・・・・・・・ 伊藤悦子
   屋島合戦記事の形成・・・・・・・・・ 松尾葦江
   屋代本『平家物語』における梶原景時の讒言をめぐって・・・・・・・・・ 大谷貞徳
   屋代本『平家物語』〈大原御幸〉の生成・・・・・・・・・ 原田敦史

  Ⅱ 刀剣伝承の文学
   アーサー王のエクスキャリバーと「剣の巻」・・・・・・・・・ 多ヶ谷有子
   『剣巻』をどうとらえるか―その歴史叙述方法への考察を中心に・・・・・・・・ 内田康
   「平家剣巻」の構想―道行・生不動説話の位置づけをめぐって・・・・・・・・ 山本岳史

  Ⅲ シンポジウム「平家物語研究の視点」
   東国武士研究と軍記物語・・・・・・・・・ 野口実
   歴史学の視点と文学研究の視点―「武士的価値観」を中心に・・・・・・・・・ 佐伯真一
   「史料」と軍記物語・・・・・・・・・ 高橋典幸
   『平家物語』の生成と東国―「重衡・千手譚」を素材として・・・・・・・・・ 坂井孝一
               ******************

 私は日頃考えていることを率直に書かせて頂きました。
 歴史学・文学双方からスポイルされることを怖れるばかりです。

 ☆ 広島大学の下向井龍彦先生より、新刊の御高著『物語の舞台を歩く 純友追討記』(山川出版社)を御恵送頂きました。
 これまた、歴史学と文学のあわいにせまった御研究の成果。
 下向井先生に、あつく御礼を申し上げます。

 山陽・山陰・西海・南海道の武士にも研究の手を伸ばしたい。いま私の願うところです。

 ☆ 神奈川県立金沢文庫の永井晋先生より、御高論「建保二年の園城寺回禄及び傲訴について-柴田芳明氏所蔵本「園城寺牒状及興福寺返牒案等」の分析から-」収録の『金澤文庫研究』第327号を御恵送頂きました。
 永井先生に、あつく御礼を申し上げます。

『河内源氏』読了の方にお勧めする論文

No.8944

 本日は私の関係者に誕生日を迎えるという方が複数あり。
 ますますの御健勝と御活躍を祈念申し上げます。

 ところで、たしかに岩田君の御著書『乱世に挑戦した男 平清盛』(新人物往来社)は「じわじわ」と売れ行きを伸ばしている模様。これは、読み終わった人からの評判がそうさせているのだと思います。
 この時代に本格的に取り組んでみようという学生さんなどにとって、現段階の研究水準を踏まえた水先案内を果たすような本です。
 なにしろ、若者が書いたという点に価値がある。若い方たちには、オヤジの語る歴史よりも、オニイサンの語る歴史の方がとっつきやすいというものでしょう。

 一方、元木先生の『河内源氏』(中公新書)はベストセラーとして、刊行後不動の地位を保ち続けています。この本によって、成立期の武士にたいする理解が大きくあらためられたという読者の方も多いようです。

 そのゆえか、「最近の研究では、木曽義仲の評価など、どのようなものなんですか?」などという御質問が、私のもとに寄せられて来たりもしております。
 そこで、そんな疑問を持っておられる方に、ぜひ御一読をお勧めしたい論文を紹介させて頂きます。

 長村祥知「木曾義仲の畿内近国支配と王朝権威」(『古代文化』63-1)

 木曾義仲に対する従来の通説的理解が、やはり『平家物語』史観に基づくものに他ならなかったことに気づかされます。

 また、これも面白い。

 長村祥知「源行家の軌跡」(『季刊iichiko』110)

 おそらく、源行家を正面から取り上げた初めての研究でしょう。
 実証研究は、かくありたいと思わせるような論文です。

 日野法界寺から醍醐寺まで

No.8942

 昨日は伏見区主催の醍醐・日野地区の歴史散歩に参加して、法界寺から醍醐寺までを歩き、醍醐寺で『平家物語』に登場するこの地域を題材にした講演をさせて頂きました。

 大学で教鞭を執っておられるお二人を含めて、史学・文学専攻の四名のゼミの関係者に御助力をいただきました。史跡の説明や、参加された市民の方たちからの御質問への応答など、様々な側面で、いろいろ活躍して下さいました。
 この場を借りてあつく御礼を申し上げます。

 会終了後、この四名の方たちと三宝院を見学、雨月茶屋前の屋台のお店で昼食の後、今度は霊宝館と仁王門内側の境内を見学致しました。おみくじを引いた後、上醍醐登山にチャレンジした方もおられましたが、地下鉄醍醐駅上のアルプラザにて解散。充実した一日でした。
 入場料を取られるようになってから、醍醐寺の中に入るのは敬遠しておりましたので、五重塔や金堂の前に立ったのは、それこそ四半世紀ぶりくらいになります。 

 しかし、醍醐寺に到着した講演の前、そして帰宅後の疲労感は異様で、かつて経験した種類のものではなく、やはり老化を痛切に自覚させられた次第です。ケータイの歩数計の数字は12373で、たいした数値ではないのですが、困ったものです。
 いまのうちに、行けるところには行っておいた方が良いということなのでしょう。

 本日は、まず宅急便で出版社にゲラを発送。それから、今度は20日に佐賀県小城市で行う講演のレジュメを作ります。講演のテーマは「千葉と小城の景観」です。

 今週のキャンパス・プラザの授業は、伊勢平氏の発展に関するお話しをすることにします。木曜のゼミはいつも通り。
 昨日、カルチャーセンターで初舞台を踏まれた岩田君からのお話しも楽しみですね。

 そういえば、今朝の『朝日新聞』に岩田君の御著書『乱世に挑戦した男 平清盛』(新人物往来社)の広告が出ていました。
 大河ドラマ云々のキャッチフレーズで売られているようですが、内容は最新の研究を集約し、これに岩田君なりの分析を加えて、分かりやすく論述したものですから、この時代のことを勉強したいと考えている学生さんには絶好の良書だと思います。

 卒論で院政期・源平内乱期の政治史や『平家物語』を取り上げている(orようとしている)学生さんには、とくにお勧めします。執筆が捗ること、うけあいです。

 ちなみに、元木先生の『河内源氏』(中公新書)は、相変わらずベストセラー街道を爆走中。
 心強い限りです。

別働隊報告-次回の『吾妻鏡』-

No.8943

 「醍醐もちもちぃんウォーク」に参加された皆さま、お疲れさまでした。当日は好天にも恵まれ、暖かな一日となりましたね。
 ゼミ関係者のみなさんのご活躍はもちろんのこと、参加された地元の方々にとりましても有意義な機会となったのではないでしょうか。

 私はひとり「別働隊」と称して、大阪府堺市のよみうり堺文化センターにて「清盛・落胤説の検証そして清盛と伊勢平氏」と題されたお話しをしてまいりました。熱心な受講者のみなさんを前にしてお話しをさせていただけるというのは、至福の機会と実感した次第であります。次回以降もしっかり準備してまいりますので、よろしくお願いします。

 拙著のほうも、野口先生がさかんに宣伝して下さるおかげで、“じわじわきている”ようです。大変ありがたいことであります。

 次回の正治年間の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2011年11月17日(木)午後3時~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:正治二年(1200)正月八日・十五日・十八日・二十日・二十一日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・二十八日、二月二日・五日・六日・二十日・二十二日・二十六日、閏二月二日・八日・十二日・十三日、三月十四日、四月八日・九日・十日・十一日・十二日・二十五日、五月二十八日、六月十六日・二十一日・二十九日、七月六日・八日・十五日・二十七日、八月二日・十日・二十一日、九月二日・二十五日、十月十三日・二十一日、十一月一日・四日・七日、十二月三日・二十七日・二十八日の各条
    正治三年(建仁元年、1201)正月十二日、二月三日・五日、三月四日・十日・十二日・二十四日、四月二日・三日・六日、五月六日・十三日・十四日・十七日、六月一日・二日・二十八日・二十九日、七月六日、八月十一日・二十三日、九月七日・九日・十一日・十五日・十八日・二十日・二十二日、十月二日・六日、十一月十三日、十二月二日・三日・二十八日・二十九日の各条

 11月は17日、24日に開催予定です。

 木曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、天高く馬肥ゆる秋から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

2011,11,11=ネコには関係ない日。

No.8941

 昨日の午前、『大学通信』の取材を受けました。なにしろプロのカメラマンさんをはじめ、たくさんのスタッフがお出でになりましたので、共同研究室をお借りして対応。
 鈴さん(昨年度の「基礎演習Ⅰ」のメンバー)をはじめとする記者さんたちが、快く話を聴いてくれるのをいいことに、また例によって途方もない話をしてしまったと反省しております。
 どんな仕上がりになるのか楽しみではありますが、また写真を見て自らの老化を深刻に実感することになることは必定。ああ!、無常で無情。

 ゼミは、学園祭が終わり、出席者も多くて盛況。ドイツとフランスを回ってこられた尾田さんや、和歌山や広島にゼミの旅行などに行かれた井草さん、山本さんから、美味しく珍しい御菓子のお土産あり。

 元暦元年条については、山本さんが『玉葉』『山槐記』から関連記事を拾ってきて下さいましたので、話を深めることが出来ました。
 また、これまでの研究で指摘されていない、とても重要な発見も(誰が発表するか、争奪戦の様相か?)。
 橘大学の高橋さんからは、郷里からお持ち頂いた『臼杵市史 上巻』を見せていただくことが出来ました。

 正治元年条は、岩田君にお任せですが、ここでも粟村さんから、三浦義村の人物像について、じつに興味深い御指摘がありました。
 さすがは国文学専攻です。
 これは、来月の三浦一族研究会のシンポジウムで紹介するのに相応しいお話です。

 岩田君が、ふと漏らされたように、昔はただ読むだけだった『吾妻鏡』の講読会も、ずいぶん実のあるものになってきたと思います。

 さて、明日はいよいよ「醍醐史跡散歩」の本番。
 四人の助っ人の皆さん、宜しくお願い申しあげます。
 私は講演でどんな話をすべきか、未だに考え中といった為体です。

 ☆ 明治大学の鎌倉佐保先生より、御高論「十二世紀の相模武士団と源義朝」(入間田宣夫編『兵たちの時代Ⅰ 兵たちの登場』 高志書院)・「一二世紀における熊谷市周辺の武士の所領形成-中条氏・成田氏を中心に」(『熊谷市史研究』3)・「一二世紀における武蔵武士の所領形成と荘園」(『歴史評論』727)および、御高論「多摩郡の武士と所領形成-横山氏を中心として-」掲載の『多摩のあゆみ』(143)を御恵送頂きました。
 鎌倉先生に、あつく御礼を申し上げます。

さあ、博物館・美術館に出掛けましょう。

No.8940

 ようやくよい季節がめぐってきましたが、この時期はなにしろイベントも多くて、毎年大多忙です。生活が不規則になるので胃腸の具合もことさら悪い(これは加齢が一番の原因でしょうが)。

 なにしろ、事務仕事で籠もっているばかりでは勿体ないので、時間をつくって滋賀県立近代美術館と安土城考古博物館に行ってきました。
 前者では、特別展「神仏います近江  祈りの国、近江の仏像-古代から中世へ-」、後者では同じく「武将が縋った神仏たち」が開催中。ともに、じつによい展示でした。

 私は最近、あまりモノそのもに関心がなくなってしまいましたので、博物館に行ってもざっと見わたして通り過ぎてしまうことが多いのですが、今度ばかりは違いました。
 仏像や神像の威に圧せられたのかも知れません。

 安土では、「千葉氏」をきっかけにして歴史の道に進んだにも拘わらず、ついに千葉ではお目にかかることの出来なかった妙見像との対面が叶いました。

 安土城考古博物館の特別展は20日(日)まで。行こうという方は、招待券がありますので、明日のキャンパスプラザの講義か木曜日のゼミの際にお申し出ください。

 旧稿をベースにしてまとめた著書の方は、仕事の合間に校正を少しずつ進行中。編集者の方が、非常に丁寧に作業を進めて下さっていて、ある意味、たいへん感動をおぼえています。

 何事も一流のプロは矜持ある仕事ぶりを見せてくれます。

ついに『日記で読む日本中世史』刊行!

No.8937

 いよいよ岩田君の『乱世に挑戦した男 平清盛』(新人物往来社)も、ベストセラーのランキング入り。
 良い本が売れているというのは嬉しいことです。

 ところで、さらに新刊のお知らせです。

 元木泰雄・松薗斉編著『日記で読む日本中世史』(ミネルヴァ書房 ISBN 9784623057788 定価 本体3,200円+税)

 構成は以下のとおり。
**************************************
  序 日記記主のまなざし/元木泰雄
  Ⅰ 中世前期の日記
 1 「中右記」─―宗忠の見た白河院政/佐藤健治
 2 「台記」――学問と武のはざまで/ 元木泰雄
 3 「兵範記」――筆忠実な能吏が描いた激動期の摂関家/佐古愛己
 4 「玉葉」――東国武士への視線/野口実
 5 「明月記」――激動を生きぬいた、したたかな歌人/美川圭
 6 「民経記」――「稽古」に精進する若き実務官僚/尾上陽介
 7 「花園天皇宸記」――王朝の黄昏、ミネルヴァの梟は夜飛び立つのか/市沢哲
  Ⅱ 中世後期の日記
 8 「園太暦」――最後の王朝貴族/松薗 斉
 9 「満済准后日記」―─黒衣宰相がリードした室町政治/森茂暁
 10 「看聞日記」――ある宮様のサクセスストーリー/松薗斉
 11 「蔭凉軒日録」 ――室町殿外交の舞台裏/須田牧子
 12 「親長卿記」――戦国時代の朝廷を導く/末柄豊
 13 「大乗院寺社雑事記」――門跡繁昌のための克明な記録/安田次郎
 14 「政元公旅引付」――公家の在荘直務と戦国社会/廣田浩治
 15 「言継卿記」――庶民派貴族の視線/清水克行
 16 「駒井日記」――豊臣秀次側近が記した太閤―関白関係/播磨良紀
 日本中世の日記一覧
 あとがき
 人名・史料名索引
 ジャンル テキスト
***************************
 すでに出版社から届いておりますので、近々、書店店頭にも登場することと思います。
 史学・国文学・建築史・美術史など、中世の記録に取り組もうという方には必備の書。
 記主の伝記として読んでも面白い本です。

 私は、ここぞとばかりに、京都の貴族と中世前期の武士のあり方について、最近考えていることを書かせて頂きました。 御一読頂ければ有り難く存じます。

 一方、(事情通の方はお分かりのことと思いますが、)差し出していた「人質」がいなくなってしまいましたので、困ってもおります。

今週の『吾妻鏡』

No.8939

 拙著『乱世に挑戦した男 平清盛』(新人物往来社)がご好評をいただけるのも、野口先生がこちらで宣伝して下さったからでではないでしょうか。信頼できる方に、どこよりも好意的な評価をいただいたと思います。
 さて木曜日の『吾妻鏡』の次回は再来週11月10日の開催となります。

 日時:2011年11月10日(木)午後3時~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:建久十年(正治元年、1199年)十月二十八日、十一月七日・八日・十日・十二日・十三日・十八日、十二月九日・十八日・二十九日の各条
    正治二年(1200)正月八日・十五日・十八日・二十日・二十一日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・二十八日、二月二日・五日・六日・二十日・二十二日・二十六日、閏二月二日・八日・十二日・十三日、三月十四日、四月八日・九日・十日・十一日・十二日・二十五日、五月二十八日、六月十六日・二十一日・二十九日、七月六日・八日・十五日・二十七日、八月二日・十日・二十一日、九月二日・二十五日、十月十三日・二十一日、十一月一日・四日・七日、十二月三日・二十七日・二十八日の各条

 11月は10日、17日、24日に開催予定です。

 木曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、天高く馬肥ゆる秋から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

11月2日。

No.8936

 昨日は「歴史グループ早雲」で活躍された山口博史さんの御命日でした。
 あれから、もう6年が過ぎ去ってしまいました。あらためて、御冥福をお祈り申し上げる次第です。
 山口さんに、いま出版を進めている新著を見て頂けないのがとても残念です。

 昨日の朝、ある地方紙から連載執筆の御依頼を頂きました。
 何を書くのかは御想像の通りです。
 掲載は来年3月からとのことなので、お引き受けしました。新聞への連載寄稿は『南日本新聞』以来のことになります。

 新著の方は、目下、系図の校正中です。
 元木先生の『河内源氏』(中公新書)が、新刊書なのに新刊書店では手に入らないほどの売れ行きの様子。
 やはり、本は中味です。
 ありがたいことに、編集の方が一生懸命に取り組んで下さっています。
 なんとか、元木先生の御著書の驥尾に付せるようなものを作りたいと思います。

 今月は年末・年度末、そして新年度に向けて、様々な用務が重層しています。そのため、研究室に不在がちなことが多く、御迷惑をおかけしています。申し訳ありません。

 ☆ 滋賀県立安土城考古博物館の山下立先生より、現在開催中の特別展「武将が縋った神仏たち」の図録を御恵送いただきました。
 山下先生にあつく御礼を申し上げます。
 この展覧会には、千葉氏研究者にはよく知られている千葉県東庄町公民館所蔵の妙見菩薩像も出展されています。

10月も今日でおしまいですね。

No.8935

  11月はほぼ毎週末にイベント続きだ。と、おそれていたのですが、時は容赦なく過ぎ去っていってしまいました。

 今週は学園祭(藤花祭)がありますので、木曜日のゼミはⅢ講時からのもの(元暦元年条)もお休みです。