後期の史料講読会&『三田市史』拝受

No.8257

 今朝、某大学出版会宛に、原稿一本のデータを添付ファイルで送信、またプリントアウトしたものをポストに投函致しました。
 たった、400字詰9枚分ですが、書くべきこと・書きたいことを削るのが大変でした。執筆の過程で、自分の「言いたいこと」を文章化すると「まともな」論にならないことを、あらためて確認させられた次第です。
 これぞまさしく「話にならない話」。

 ところで、後期のゼミ史料講読会ですが、木曜日Ⅲ講時からの『吾妻鏡』(元暦元年)はとりあえず従来通り継続(ただし、『玉葉』などの記録も出来るだけ併読という形にレベルアップする)。15時からの『吾妻鏡』(建久十年)には学部2回生も加わる。--という形に落ち着きそうです。

 夏休み中はL校舎の改装工事があり、また、それぞれ多忙(院試も近いですし、私もいろいろ仕事をかかえています)のようなので、多くの大学で授業が再開される9月最終週の29日(木)からということになりました。

 ただし、京都女子大学は14日(水)から授業が始まりますから、学部2回生には少し前から、予習も兼ねて集まって貰おうか・・・と考えています。後日連絡致します。
 なお、学部2回生のまとめ役は、史学科の鳥飼真希さんが引き受けてくれました。宜しくお願い致します。

 28日の研究会における藪本報告は、『吾妻鏡』に対する認識を一変させるものでした。国文学からのアプローチが進んだら、とても大きな成果をあげられることを確信しました。藪本君の今後の御研究に期待しています。

 ちなみに、当日、神戸からお出でになる途中、大雨で電車が止まって足止めされてしまった方は、無事にご帰宅されたでしょうか。

 ☆ いつもたいへんお世話になっている京都大学の元木泰雄先生より、新刊の『三田市史 第一巻 通史編Ⅰ』を御恵送頂きました。
 
 元木先生は当市史編さんの専門委員をつとめられており、第2部「古代・中世の三田」の「あらまし」と、その第二章「源平の戦いと公武政権」の執筆を担当されています。当方の研究所の『研究紀要』第20号に執筆した論文の中で述べた、北条時定に関する私の見解をご採用下さり、たいへん嬉しく存じました。
 
 元木先生御執筆の部分はいうまでもありませんが、全体を通じて大変な労作。委員の先生方の意気込みが感じられます。

 そして、まず一見して驚かされたのが装丁の立派さ。掲載写真もオールカラーの豪華版です。研究の成果を市民に還元しようとする市当局の熱い意志によるものと思われます。

 元木先生にあつく御礼を申し上げます。

干しておいた洗濯物がびしょ濡れ

No.8256

 鈴木さんのお宅のみならず、当家も豪雨にやられたようです。

 今日の藪本君の御報告。『吾妻鏡』の史料としての怖さが分かりました。同時に、文学としての豊かさも。編纂した人たちの力は大したもの。

 原稿執筆の中断。頭が元に戻るまでが大変です。もう戻らないかも?

28日(木)公開研究会開催のお知らせ

No.8255

28日(木)に下記の公開研究会を開きます

  報告者:藪本勝治氏(神戸大学非常勤講師・中世文学)

  テーマ:「軍記物語として読む『吾妻鏡』野木宮合戦記事」

   時間 :午後5時~7時(予定)

  会場 :本学L校舎3F 宗教・文化研究所共同研究室

 『平家物語』を専攻されている方はもとより、中世前期政治史・武士論専攻の方、鎌倉幕府成立期の歴史に関心のある方など、多くの皆様の御来会をお待ち致しております。
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《急告》
 28日の史料講読会は、L校舎改築工事による騒音発生のため教授室で行います。
 なお、公開研究会の時間は騒音の発生がないよう、施設課に対処をお願いしてあります。

 ☆ 奈良女子大学の前川佳代先生(当研究所共同研究員)より、御高論(共著)「奈良と菓子-大学院GP文化史総合演習の成果-」(『奈良女子大学文学部 研究教育年報』7別冊)および『古代の甘味料“甘葛煎”の復元-菓子の文化史-』(「文化史総合演習」・「Web情報実習」授業成果報告会報告書)を御恵送頂きました。
 前川先生にあつく御礼を申し上げます。

明日の基礎演習と基礎教養科目

No.8253

 Ⅲ講時の「基礎演習Ⅰ」、Ⅴ講時の「基礎教養科目」ともに明日で終了。

 「基礎演習Ⅰ」は鶴見さんの報告。テーマは「石川県の概要と地域産業」とのこと。
 時間に余裕があれば、全13回の報告の総括も。
 
 レポートは来週8月3日(水)が一応の締切ですが、出せる人は早々に。
 各報告に対するコメント票の提出もお忘れなきように。


 「基礎教養科目」は、ここで全員にレポートを提出してもらいます。学年・学科こどに回収しますので、その場での指示に従って下さい。
 講義内容(以外も可)に対する個別の質問は、レポート回収の後に受け付けます。

 なお、後期に学部生を対象とした史料講読会ないしは勉強会etcを研究所ゼミの活動の一環として開きたいと考えています。
 講読対象の史料や開催の曜日・時間設定などで、希望があれば申し出て下さい。

私は行ったことがネーデルランド。

No.8250

 いよいよ前期授業の最終週。
 なにしろ忙しいし、ようやく机に向かっても頭脳作動せず。
 一、二世代前の研究者たちの努力の跡に立ちすくむばかり。

 今日は、岩田君がオランダに旅立ってから、ちょうど一年目になりますね。
 月日の経つのは速い。

 ☆ 文教大学の中村修也先生より、新刊の御高著『日本神話を語ろう イザナギ・イザナミの物語』(吉川弘文館)を御恵送頂きました。
 中村先生に、あつく御礼を申し上げます。 

冷涼な国オランダ

No.8251

 はい、たしかにちょうど一年前、初めての海外旅行へ行ってまいりましたね。

 日本時間21:00頃というのは、乗り継ぎのモスクワに着いた頃だったのではないかと思います(その二時間後くらいに乗り継ぎに失敗してしまうわけですね)。
 昨年の日本国内は記録的な猛暑に襲われましたが、私が滞在した頃のオランダは最高でも24℃前後でしたから、大変快適な気候を堪能しました。
 冷房をガンガン動かさなくても快適な「夏休み」に勉強ができるのは心底羨ましいと思ったものです(そのかわり「冬休み」は相当寒いんだと思いますが)。

『史人』の復活を寿ぐ。

No.8249

 『史人』は広島大学大学院教育学研究科下向井龍彦研究室の機関誌である。創刊号は1997年に創刊され、翌年に第2号が出たが、それ以降、長く休刊の状態だった。99年の夏に下向井先生が病に倒れられたのが、その直接の原因で、その後も先生が講座主任などの激職にあったため、長い中断を余儀なくされたようだ。

 しかし、研究室やゼミにおける研究成果や彙報を編集する作業は、やはりその構成メンバーの活力が何よりの支えである。指導教員一人で作るようなものではない。

 2008年、宮島で開かれた古代史サマーセミナーは、まさしく下向井研究室の活況を示すものであった。参加した私は実に羨ましく思うとともに、どうして『史人』の再刊がなされないのかが不思議でならなかった。
 しかし、それは一時の杞憂であったようだ。

 あのサマーセミナーを下向井先生の下で主導した渡邊誠さんが編集を担当して、休刊されていた期間の活動状況までぎっしりつまった第3号(B5版で2段組105ページ)が、いま眼前にある。素晴らしいことだ。

 本来、研究機関としての大学においては、ゼミや研究室ごとに、このような刊行物を出していくのが、あるべき姿なのだと思う。しかし、予算・時間、そして一義的にはゼミメンバー・研究室員の意志・情熱の制約によって、その実現が左右されることとなるのである。
 而して、下向井先生はもとより、渡邊誠氏をはじめとする下向井研究室を構成する諸姉兄に深甚の敬意を表するものである。

 翻って、当ゼミの機関誌『紫苑』第10号の発刊に向けて、ゼミメンバー・関係者の御協力をお願いする。

 編集長の山本さんには、また大きな負担をお掛けすると思いますが、宜しくお願い致します。

 ☆ 広島大学の下向井龍彦先生より、上記の『史人』第3号を御恵送頂きました。
 下向井先生に、あつく御礼を申し上げます。

しんだんちゃう。まだ生きてはりますねん。

No.8248

 京都生活も通算すると、はや15年近くなるというのに、関西弁の完全マスターはできておりません。タイトルの関西弁は正しいのかどうか?

 やはり個々の人間の思考を支配する言葉というのは子ども時代のものだと、つくづく思います。

 もはや当ゼミでは伝説的存在になりつつある山本陽一郎君が中心になってはじめた『吾妻鏡』講読会。岩田君によって上級編として引き継がれ、昨日、ついに文永三年の巻を読み終えました。
 私もこれで「『吾妻鏡』は完全に読破した」と大見得を切ることが出来ます。
 しかし、何度読み返しても新しい発見がある。
 史料をデータ化して、検索をかければ論文が書けるというものではありません。

 PCが普及したお蔭で、レポートも安直なものが多くなりました。我々の世代なら、よく分かることだと思いますが、そもそも手書きとワープロ入力では、思考回路がまったく異なります。私の論文など、手書き時代の方がまともだったかもしれません。もっとも、若くて頭がまだクリヤーだったことも考慮しなければなりませんが。

 さて、そういうわけで次回の上級編は建久十年に戻るとのことです。初級編(もう初級ではなくなりましたが)の方は元暦元年を継続します。
 なお来週は、初級編はこれまで通りの13時からですが、上級編はやらずに17時から公開研究会開催ということになります(詳細は>>No.8241参照)。

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  報告者:藪本勝治氏(神戸大学非常勤講師・中世文学)
  テーマ:「軍記物語として読む『吾妻鏡』野木宮合戦記事」
   日時 :7月28日(木)午後5時~7時(予定)
  会場 :本学L校舎3F 宗教・文化研究所共同研究室

 『平家物語』を専攻されている方はもとより、中世前期政治史・武士論専攻の方、鎌倉幕府成立期の歴史に関心のある方など、多くの皆様の御来会をお待ち致しております。
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 ところで、「けんこうしんだん」の結果、行く必要の生じた精密検査ですが、逡巡と躊躇を経て、意を決して行って参りました。受付から会計が済むまで3時間。いろいろ検査をして頂いた結果、幸いにも「異常ナシ」の結論。しかし、検査結果のデータによると明らかに老化は進行。お医者さんの説明によると、白髪が増えるのと同じなのだそうです。個人差も大きいということなのでしょう。

 ☆ 青山学院大学の藤本頼人先生より、新刊の御高著『中世の河海と地域社会』( 高志書院)を御恵送頂きました。
 藤本先生は私の大学の後輩。博士論文をベースにした論文集です。
 藤本先生にあつく御礼を申し上げるとともに、さらなる御活躍を祈念するところです。

「くすし」に友なく、兼好しんだん?

No.8246

 今日は台風のために午前の講義が休講になりました。
 私が大学に入った頃、もう40年以上も前のことですが、帰宅してから近くの祖母の家に遊びに行ったとき、「休講だから早く帰れた」と言ったら、同居の叔母に「急行だから早く帰れた」と誤解されたことを思い出しました。
 私の脳は。変なことを覚えているものです。

 ところで、昨日、先月に受診した健康診断結果の書類を受け取りました。
 ひどく体調が悪い時でしたし、また、急に受診を決めたので、結果は良くはないだろうと予想していたのですが、案に相違せず、「精密検査を要する」とのお達し。眼底検査でひっかかりました。
 病院とか役所というのは、心底行くのが嫌なのですが。それにしても、以前、眼科の医院に行ったのはいつのことか。
 聞くところによると、当節はだいぶ患者さんが多いのだそうです。

 ちなみに、私の母方の御先祖様の中には盲目の学者がいたそうで、その子孫で学問を生業?とする至ったのは、私がはじめてのことのようです。
 学者といっても、どのようなジャンルが御専門だったのか分かりませんが、眼病の遺伝子はお断りです。
 まぁ、そのうち検査だけはちゃんと受けに行くつもりです。

 なお、お楽しみの「メタボ診断」ですが、これは腹位だけ基準値オーバーですが、ほかはクリヤーいたしましたので、大丈夫でした。
 しかし、どんどんズボンがウェストの部分だけきつくなっていくのには参っています。

 「腹位」というと「ふくい」で、今度は、昔、関西テレビで天気予報を担当された福井敏雄さんを思い出しました。
 あんな楽しい天気予報は関東では絶対に見られません。カルチャーショックでした。

 ☆ 立命館大学の杉橋隆夫先生と佐古愛己先生の御連名で、立命館大学京都文化講座 京都に学ぶ」シリーズのブックレット『京の公家と武家』(白川書院)を御恵送頂きました。杉橋先生は第2章「京都の朝廷と関東の府」、佐古先生は第1章「平安貴族の「雅」と「武」」の御執筆を担当されています。
 杉橋先生、佐古先生に、あつく御礼を申し上げます。

『水戸黄門』も終わってしまうらしい。

No.8243

 京都は雨です。
 大きな台風が南から接近中とのことですが、定年後、鹿児島に移住した高校時代からの親友からは、これから硫黄谷温泉に出掛けるなどというメッセージが届きました。
 羨ましいことです。

 原稿一件落着。本来4月末締切のものです。明日、ひかえを取って発送致します。
 論文を一本仕上げるたびに発熱して寝込むという先生を存じ上げておりますが、私はそれほどのものは書けません。
 脱稿したのだから「脱肛」くらいですか?と問われた方がおられましたが、私はせいぜい胃腸の具合を普段より悪くする程度です。
 
 さて、明日の授業ですが、Ⅲ講時の基礎演習Ⅰは、辻さんの「ダイエットの心理」という報告。今回は私にとって「ストラ~イク!」のテーマです。

 Ⅴ講時は「中世の仏教と女性」の続き。
 一条尼の往生について、『中右記』の記事を引いてお話しするところから始めます。

 先週実施した学生による授業アンケート。回収して即、教務課に提出致しましたが、きっといろいろお叱りやら注文が書かれていたことでしょう。
 ただし、板書が不親切とか、書き順が違うなどと、小中高の授業と同じようなモノサシで評価されると、これはゴメンナサイとお詫び申し上げるしかありません。

軍記物語として読む『吾妻鏡』

No.8241

28日(木)に下記の公開研究会を開きます

  報告者:藪本勝治氏(神戸大学非常勤講師・中世文学)
  テーマ:「軍記物語として読む『吾妻鏡』野木宮合戦記事」
   時間 :午後5時~7時(予定)
  会場 :本学L校舎3F 宗教・文化研究所共同研究室

 『平家物語』を専攻されている方はもとより、中世前期政治史・武士論専攻の方、鎌倉幕府成立期の歴史に関心のある方など、多くの皆様の御来会をお待ち致しております。
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 もう締切はとっくに過ぎているのですが、ある論集に掲載予定の原稿がようやく形になってきました。それにしても、最近は頭の回転が以前に増してぎごちなくなり、まったく満足のいかない内容です。

 昨夜、NHKで祇園祭の宵山が中継されていました。菊水鉾に上がってから、もう二十余年。猛暑の中、ちょっと出掛けるのが億劫になってきました。お祭に行くのも若いうちです。

 東京の大学の中には、もう授業が終わったという所もあるようですね。ゴールデン・ウィーク後に前期授業開始という所もあったようですが。
 私の授業は今月の最終週まであります。

 月末には昨年度前期「基礎演習Ⅰ」のコンパ。参加者は有志のみと思っていたら、全員とのこと。みんな一年で、どう変わったのか、楽しみです。

 ☆ 国立歴史民俗博物館の髙橋一樹先生より、御高論「中世成立期における王権の宝蔵とその歴史的性格-蓮華王院宝蔵を中心に-」収載の小野正敏・五味文彦・萩原三雄編『中世人のたからもの 蔵があらわす権力と富』( 高志書院)を御恵送頂きました。
 髙橋先生に、あつく御礼を申し上げます。

真夏の『吾妻鏡』

No.8242

 ほんとうに暑い日が続いていますが、みなさまどうぞお大事にお過ごし下さい。
 次回の『吾妻鏡』(文永年間)のご案内です。

 日時:2011年7月21日(木)午後3時~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:文永三年(1266年)六月五日・十九日・二十日・二十三日・二十四日・二十六日、七月一日・三日・四日・二十日の各条
    建久十年(正治元年、1199年)二月六日、三月二日・五日・六日・十二日・二十三日、四月一日・十二日・二十日、五月七日・八日・十三日、六月八日・二十五日・二十六日・三十日、七月十日・十六日・二十日・二十五日・二十六日、八月十八日・十九日・二十日、九月二十六日、十月七日・二十四日・二十五日・二十七日・二十八日、十一月七日・八日・十日・十二日・十三日・十八日、十二月九日・十八日・二十九日の各条

 7月は21日、28日に開催予定です。
 文永年間の『吾妻鏡』は、頼家将軍期の建久十年(正治元年)に戻っていきたいと思います。一気に70年近く遡りますが、よろしくお願いいたします。

 木曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。