京都と平泉
No.779
本日午前、ようやく京博の「金色のかざり」展を見てきました。一言で言って「圧巻」でした。新聞社などがかんでいないので、あまり宣伝はされていないようですが、日本史をやっておられる方は必見です。とくに京都法住寺殿跡と平泉志羅山遺跡出土の同時代の鏡轡が並べて展示してあったのには感激しました。この比較は、拙論「列島ネットワークの中の平泉」(入間田・本澤編『平泉の世界』)において図面で試みてはあるのですが、実物でそれがなされていました(もっともこの二つの轡について、両者の比較や製作者の推定に至るまでの御研究は京博の久保智康先生がされたことです→志羅山遺跡の報告書「岩手県文化振興事業団埋蔵文化財調査報告312集」参照)。これを見れば、すくなくとも12世紀段階における、京都と平泉の文化的関係は一目瞭然だと思います。「京都の研究者は、常に京都を地方の上位において、水が高いところから低いところに落ちるのと同じように文化を評価する」だとか、「『首都論』ですか、どうせ京都の話でしょ」などと仰っておられる(関東の)研究者の方の気持ちも分かるのですが(一部同意します)、これを御覧になれば、すこしはお考えが変わるかも知れません。日本史研究会で御上洛のさいに、ぜひ御覧頂きたいと思います。幸い24日までです。なお、NO.697で御案内申し上げた、小生主催の「法住寺殿跡見学会」は目下、参加者ゼロのようです。文字通り「余計なお世話」だったのかも知れません。
ちなみに、「金色のかざり」には、春日大社の国宝「金地螺鈿毛抜形太刀」が出ていましたが、これには螺鈿で猫が描かれており、たしか『台記』に頼長が猫を飼っていた話があったのを思い出しました(間違いでしたら、御指摘下さい)。それ以上の思いつきは申しません。
ほかにも、中尊寺経・平家納経などが出品されており、12世紀末のことしか頭にない小生にも存分に楽しめました。
それにしましても、常設展の方にも「一遍上人絵伝」やら美福門院寄進の阿弥陀経やらが盛りだくさんで、こんな具合ですから、小生は、徒歩5分のところに職場があるのだから、月に一度は必ず京博に行かなければいけないのだという義務感にさいなまれるのです。
これを称して「キョウハクカンネン」と申します。お後がよろしいようで。
ちなみに、「金色のかざり」には、春日大社の国宝「金地螺鈿毛抜形太刀」が出ていましたが、これには螺鈿で猫が描かれており、たしか『台記』に頼長が猫を飼っていた話があったのを思い出しました(間違いでしたら、御指摘下さい)。それ以上の思いつきは申しません。
ほかにも、中尊寺経・平家納経などが出品されており、12世紀末のことしか頭にない小生にも存分に楽しめました。
それにしましても、常設展の方にも「一遍上人絵伝」やら美福門院寄進の阿弥陀経やらが盛りだくさんで、こんな具合ですから、小生は、徒歩5分のところに職場があるのだから、月に一度は必ず京博に行かなければいけないのだという義務感にさいなまれるのです。
これを称して「キョウハクカンネン」と申します。お後がよろしいようで。