熊本での「出張講義」のご報告
No.6900
書き込みの間隔がずいぶん空いてしまいました。このところ、ほんとうに忙しくて叶いません。なにしろ、いろいろと締め切りの多い時期なので、自転車操業を繰り返しています。
そんな最中、24日の土曜日は熊本まで出張講義に出かけてきました。集合が午前なので前泊。23日の夕刻に熊本市に着き、諸所を見学。24日も、講義終了後、新幹線を使えば僅か1時間で行ける鹿児島に脚を伸ばし、翌日は日曜なので一泊して、知覧に行ってまいりました。地元の方々と旧交を温めることが叶った上に、研究上の収穫も多大でした。
いろいろ御報告したいことがあるのですが、今は時間がないので、出張講義のみについて。
呼んで下さった高校は、校地全体が中世から近世初頭にかけて存在した城郭に立地します。しかも一部だけというのではなく、ほぼその全域を占めるというのですから、すごい。もちろん、校地の回りには石垣や堀ものこります。早めに出かけて、『新修熊本市史』掲載の図面を広げながら城跡の周囲を一回り。講義前の昼食の時間にも、図書館裏の船着き場跡を見学。校地内にも石垣がのこっていました。
近世には熊本藩の大身の家臣の屋敷が並んでいたようですが、そのうち3500石取りの松井家は、私の研究テーマの一つである上総氏にゆかりのある家であり、何かの因縁を感じました。
ちなみに、この城域を南端にとりこんだ巨大な近世城郭が、この城の最後の城主となった「虎退治の話で有名な武将」によって構築されるのですが、その巨大城郭の北東部にとりこまれた中世の城郭は「千葉城」という、私を歴史の道に誘い込んだ城跡と同じ名をもつことも因縁じみていると思った次第です。
さて、話を元に戻して、この城跡に立つ高校ですが、男女共学でありながら、生徒は女子だけというユニークな学校でした。生徒さん(みんな礼儀正しいのに感動しました)の話では、学校説明会には男子も2、3人は来るのですが、結果的にはゼロになるとのこと。また、ちゃんと男子トイレも用意されているのだそうです。まあ、名門女子校の伝統を引いているので、男子は入りにくいのかも知れません。
講義(テーマは「武士の都としての平安京・京都」)はとても楽しく行うことが出来ました。なにしろ、生徒さんが意欲満々、興味津々で臨んでくれたので、話のし甲斐がありました。六波羅や七条町の地図や法住寺殿跡から出土した鏡轡を載せた資料にも目を輝かせてくれて、与えられた時間はあっという間に過ぎてしまいました。
出張講義は、こういう喜びがありますので、出掛ける甲斐があるのです。
最後の城主が加藤清正で、島津氏征討の際に豊臣秀吉も在陣したことのある「隈本城」跡にある熊本県立第一高校で私の講義を聴いてくれた皆さん、ありがとうございました。
【追記】
☆ 髙橋昌明先生より、新刊の御高著『平家の群像 物語から史実へ』(岩波新書)を御恵送頂きました。
新書ながら、新知見が随所に盛り込まれていて、読み応えがあります。
ライフワークを着実に結実させている髙橋先生に敬意を表しつつ、あつく御礼を申し上げます。
☆ NHK出版の石浜哲士さんから、新刊のNHKブックス、山本博文『江戸に学ぶ日本のかたち』を御恵送頂きました。もちろん、本書の編集作業を担当したのは石浜さん。
石浜さんに、あつく御礼を申し上げます。
熊本・鹿児島を旅して、九州武士団をテーマにしたNHKブックスの執筆。大いに意欲を喚起させられました。
なお、私の前に、某著者による「平安時代の夜」をテーマにした本を宜しくお願い致します。
そんな最中、24日の土曜日は熊本まで出張講義に出かけてきました。集合が午前なので前泊。23日の夕刻に熊本市に着き、諸所を見学。24日も、講義終了後、新幹線を使えば僅か1時間で行ける鹿児島に脚を伸ばし、翌日は日曜なので一泊して、知覧に行ってまいりました。地元の方々と旧交を温めることが叶った上に、研究上の収穫も多大でした。
いろいろ御報告したいことがあるのですが、今は時間がないので、出張講義のみについて。
呼んで下さった高校は、校地全体が中世から近世初頭にかけて存在した城郭に立地します。しかも一部だけというのではなく、ほぼその全域を占めるというのですから、すごい。もちろん、校地の回りには石垣や堀ものこります。早めに出かけて、『新修熊本市史』掲載の図面を広げながら城跡の周囲を一回り。講義前の昼食の時間にも、図書館裏の船着き場跡を見学。校地内にも石垣がのこっていました。
近世には熊本藩の大身の家臣の屋敷が並んでいたようですが、そのうち3500石取りの松井家は、私の研究テーマの一つである上総氏にゆかりのある家であり、何かの因縁を感じました。
ちなみに、この城域を南端にとりこんだ巨大な近世城郭が、この城の最後の城主となった「虎退治の話で有名な武将」によって構築されるのですが、その巨大城郭の北東部にとりこまれた中世の城郭は「千葉城」という、私を歴史の道に誘い込んだ城跡と同じ名をもつことも因縁じみていると思った次第です。
さて、話を元に戻して、この城跡に立つ高校ですが、男女共学でありながら、生徒は女子だけというユニークな学校でした。生徒さん(みんな礼儀正しいのに感動しました)の話では、学校説明会には男子も2、3人は来るのですが、結果的にはゼロになるとのこと。また、ちゃんと男子トイレも用意されているのだそうです。まあ、名門女子校の伝統を引いているので、男子は入りにくいのかも知れません。
講義(テーマは「武士の都としての平安京・京都」)はとても楽しく行うことが出来ました。なにしろ、生徒さんが意欲満々、興味津々で臨んでくれたので、話のし甲斐がありました。六波羅や七条町の地図や法住寺殿跡から出土した鏡轡を載せた資料にも目を輝かせてくれて、与えられた時間はあっという間に過ぎてしまいました。
出張講義は、こういう喜びがありますので、出掛ける甲斐があるのです。
最後の城主が加藤清正で、島津氏征討の際に豊臣秀吉も在陣したことのある「隈本城」跡にある熊本県立第一高校で私の講義を聴いてくれた皆さん、ありがとうございました。
【追記】
☆ 髙橋昌明先生より、新刊の御高著『平家の群像 物語から史実へ』(岩波新書)を御恵送頂きました。
新書ながら、新知見が随所に盛り込まれていて、読み応えがあります。
ライフワークを着実に結実させている髙橋先生に敬意を表しつつ、あつく御礼を申し上げます。
☆ NHK出版の石浜哲士さんから、新刊のNHKブックス、山本博文『江戸に学ぶ日本のかたち』を御恵送頂きました。もちろん、本書の編集作業を担当したのは石浜さん。
石浜さんに、あつく御礼を申し上げます。
熊本・鹿児島を旅して、九州武士団をテーマにしたNHKブックスの執筆。大いに意欲を喚起させられました。
なお、私の前に、某著者による「平安時代の夜」をテーマにした本を宜しくお願い致します。