ラボール学園日本史講座の御案内

No.6597

 ラボール学園の2009年4月開講の講座案内が届きました。夜間の講座です。
 申し込みは、3月4日(水)10時より先着順とのことです。

  日本史講座 -検証・京の事件簿<古代・中世>- 

 著名な内乱・政争から市井のささやかな事件まで、古来、京都は大小さまざまな事件の舞台となってきました。そうした事件の背後には、現代からは想像もつかない各時代固有の意識・思想や社会の在り方が見え隠れします。今年度は京都で起こった様々な事件を取り上げ、“現場検証”しながら、その背景や時代の特質に迫ります。事件を通してみた、知られざる歴史の一面。意外なところで意外な事件が起こっているのです。ラボール学園の建つこの場所でも実は…………。

開講日・回数 毎週月曜日 週1回の全14回
4月6日~7月13日
午後6時30分~午後8時30分
受講料 11,000円(資料代別途必要)
テーマ
(1) 藤原種継暗殺事件ー長岡京から平安京へー(4/ 6・山田邦和:同志社女子大学教授)
(2) たび重なる内裏焼亡の謎-「夜」化する平安京-(4/13・野口孝子:同志社女子大学非常勤講師)
(3) 菅原道真の配流と怪異(4/20・佐藤泰弘:甲南大学教授)
(4) 京の群盗ー闇の集団の正体とは-(4/27・西山良平:京都大学大学院教授)
(5) 花山天皇の出家-摂関時代の宮廷内暗闘-(5/11・美川圭:摂南大学教授)
(6) 崇徳上皇生誕の疑惑(5/18・美川圭:摂南大学教授)
(7) 京都守護伊賀光季の最期-承久の乱-(5/25・野口実:京都女子大学教授)
(8) 浅原為頼禁中乱入事件-鎌倉後期の朝廷と幕府-(6/ 1・木村英一:大阪大学大学院研究員)
(9) 神よ仏よ、御照覧あれ!-中世東寺の裁判-(6/ 8・小林保夫:元堺女子短期大学教授)
(10) 青年将軍足利義満の苦悩-花の御所と3つの事件-(6/15・山田徹:京都大学大学院生)
(11) 北野社目代捕物帖-今小路界隈の盗みと殺人-(6/22・三枝暁子:立命館大学准教授)
(12) 応仁の乱への道-御霊神社と西陣-(6/29・早島大祐:京都大学助教)
(13) 静原新井手相論をめぐるヒトとカネ-三好氏・土豪・土倉-(7/ 6・野田泰三:京都光華女子大学准教授)
(14) 「喧嘩」か「自治」か-禁裏門前の戦国-(7/13・仁木宏大阪市立大学准教授)

 ※ 詳しくは→http://www.labor.or.jp/gakuen/kouza_school/school_index.html

『紫苑』第7号、再校の締め切り近し。

No.6596

 『紫苑』第7号執筆者のみなさんへ

 再校ゲラ提出の締切が迫ってきました。原則として三校は編集サイドのみで行います。
 期限を遅れると、たいへん支障を生じますので、くれぐれも宜しくお願いいたします。

 >山本さん FAX送信、ありがとうございました。

 >諸方のみなさま お祝いのメッセージをありがとうございました。
  「門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」の心境です(笑)。  

研究所『研究紀要』第22号刊行

No.6594

 京都女子大学宗教・文化研究所『研究紀要』第22号が出来ました。目次は以下の通りです。

『教行信証』の研究-「証巻」を中心として-・・・・・・・・・・・・・小池秀章
中世前期における宇治の軍事機能について・・・・・・・・・・・・・野口 実
<宗教・文化研究所公開講座講演録>
王朝の狩猟文化-摂関・天皇・院の権力と野生-・・・・・・・・中澤克昭
武家平氏と貴族社会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松薗 斉
<仏教文化公開講座講演録>
承元の法難の思想的意味-『教行証文類』と承元の法難・・・梯 實圓

オーケストラ音楽による仏教音楽の製作 「追憶」・・・・・・・・・・安村好弘
建学の精神と教育計画-小学校における宗教教育(心の教育)の研究Ⅱ-
                            ・・・・・・・・・・・吉永幸司他
京都北山におけるアシウスギとオモテスギの分布調査-杉の針葉の新しい計測法の開発-
                        ・・・・・・・・・・・・・・・・高桑 進他
  (別報)下坂家に関する社会調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・綱本逸雄
                                     高桑 進
体験型環境プログラムの調査と研究(2)・・・・・・・・・・・・・・・ 宮野純次
                                     高桑 進


 ※ この『研究紀要』についてのお問い合わせは、本学宗教教育センターまで

☆ 名古屋大学の阿部泰郎先生より、先生の御編著『日本における宗教テクストの諸位相と統辞法』(「テクスト布置の解釈学的研究と教育」第4回国際研究集会報告書、名古屋大学大学院文学研究科)を御恵送いただきました。
 阿部先生にあつく御礼を申し上げます。

明日の『吾妻鏡』

No.6595

 先週末の土曜日に歴史学研究会日本中世史部会にて報告をさせていただいてきました。お忙しいなか会場までご足労いただきました皆様に厚くお礼申し上げます。奇異な報告であるにも関わらず、有益でオープンなご指摘を多くいただけたことは、今後の勉強に向けての大きな励みとなりました。
 報告・討論に充分な時間を割いていただいたのみならず、その後の懇親会も長い時間ご一緒させていただいて幅の広いお話を伺うこともできましたので、非常に充実した週末となりました。

 ところで、週末は東日本を中心に好天に恵まれたので、東京に向かう新幹線からは富士山もよく見えました。ほんとうにどうでもよいことですが、東海道新幹線の静岡付近では『「海側」の席から富士山が見える』という話を聞いたことがあるので(映画『間宮兄弟』より)、ほんとかなあと思いながら掛川を過ぎたあたりから「海側」を眺めていたのですが(「海側」に座ったのはたまたまそこが空いてたから)、果たして安倍川のやや手前付近で本当に『「海側」の席から富士山が見え』ました。雲一つない快晴だったこともあり、ほんとうに立派な富士山が見えていた数十秒間はちょっと感慨に浸ってしまいました。

 週末から一転、雨予報の明日の『吾妻鏡』のご案内です。しばらくご案内を出し忘れていてすみません。

 日時:2009年2月24日(火)13:00頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:仁治二年(1241年)六月十六日・十七日・十八日・二十八日、七月八日・二十六日、八月十一日・十五日・二十五日・二十八日、九月三日・七日・十日・十一日・十三日・十四日・二十二日、十月十三日・二十二日、十一月三日・四日・十七日・二十一日・二十五日・二十七日・二十九日・三十日、十二月一日・五日・八日・十三日・二十一日・二十四日・二十七日・二十八日・二十九日・三十日、
    仁治四年(寛元元年、1243年)七月十七日・十八日・二十日・二十九日、閏七月二日・六日・七日、八月十六日・二十四日・二十六日、九月五日・二十五日、十月七日、十一月一日・十日・二十六日、十二月二日・十日・二十二日・二十五日、
    寛元二年(1244年)正月一日・十七日、二月三日・十六日、三月二十八日、四月十日・二十一日、五月五日・十一日・十八日、六月五日・十日・十三日・十七日・二十七日・二十九日、七月五日・十五日・二十日、八月三日・八日・十五日・十六日・二十四日・二十九日、九月一日・二日・三日・十三日・十九日・二十八日、十月十三日、十二月七日・八日・二十七日の各条

 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。ご自身に合った勉強法を見つけていただけると思いますので、どなたさまでも、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。

清水眞澄『源氏将軍神話の誕生』の刊行

No.6590

 青山学院大学。巷間では、あまり「研究」というイメージを持たれてはいないようですが、どうして、どうして、結構すぐれた研究者が輩出している大学なのであります。

 清水眞澄先生は、青山学院大学大学院文学研究科日本文学・日本語専攻の御出身。とても積極的かつ熱心に研究に立ち向かっておられるお姿には、いつも元気をいただいております。
 今日の社会においても、女性が学問を継続していくのには、未だに障害は大きいと思うのですが(家事能力のない、私のような存在も障害の一つかも知れませんが)、それを見事にクリヤーして業績を重ねて行かれるお姿には敬意を表さざるを得ません。
 タイトルに掲げた新刊の書籍は、その最新の成果です。正式な書名は『源氏将軍神話の誕生 襲う義経、奪う頼朝』。NHKブックスの一冊として出版され、定価は本体970円+税。編集担当は御存知、石浜哲士さんです(御恵送にあつく御礼申しあげます)。
 源頼朝と義経を通じて、史実が文学へ継承されていく過程と、その要因を探っていく興味深い内容。この時代の武士を専攻する私の立場としては、いくつかの注文もありますが、歴史好きも文学好きも双方の関心が満たされること請け合いの労作だと思います。

 もうお一人。青山学院大学大学院文学研究科史学専攻の御出身で、後輩ながら陰陽道研究の第一人者として、私が(ひそかに)尊敬しているのが、山下克明先生です。
 今日は奇しくも清水先生の御著書と一緒に、山下先生の新しい御高論二点が届きました。「書評 細井浩志著『古代の天文異変と史書』」(『日本史研究』555号)と「平安初期の政治課題と漢籍-三伝・三史・『劉子』の利用-」(『東洋研究』第171号)。
 いずれも、私には難解な内容ですが、後者は、先に『古代文化』第59巻第2号に発表された「陰陽道の成立と儒教的理念の衰退」に続いて、儒学・漢籍の政治思想分野への影響を検討したものということです。
 御恵送にあつく御礼申しあげます。

※ かくして、清水先生・山下先生の「先輩」というのは荷が重い、というのが私の偽らざる心境なのであります。

【追記】 岩田君、歴研の報告は如何でしたか?

祝、修士課程修了・博士課程進学決定

No.6588

 まずは朗報。今日は、吉田にある大学の院生さん(学部の2年間は京女に在籍)から、修士課程(MC)修了と博士課程(DC)進学が認められたというお電話をいただきました。
 この大学の水準は、たとえば博士の学位論文提出を申請する条件として、多くの私学では、レフェリー制の学術雑誌に論文一本掲載の実績が求められる程度であるのに対して、ここでは三本必要・・・というように、並大抵の所ではありません。
 いろいろな困難を克服して、たゆまぬ努力を重ねた結果だと思います。ほんとうによく頑張りました。DCの院生は、もはや一人前の研究者。おおいに飛躍していただきたいと思います。

 今日は『古代文化』の編集委員会があったので、『台記』研究会に出席が叶わず、とても残念でした(>伊集君 次回の案内をありがとうございました)。一方、その『古代文化』の編集委員会に欠席された先生がおられたのですが、8時45分からのNHK京都放送局のニュースにそのお二人のお姿が。そうそう、今日は桃山御陵の立ち入り調査が研究者に許可されたのです。
 お一人はインタビューに応じておられました。この先生の脳裏を捉えていたのは伏見城の遺構か、はたまた桓武天皇陵の所在地のことなのか?
   http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090220/acd0902202318006-n1.htm
 同女の看板教授になりつつある、この先生の明日のブログを楽しみに致しております。

 『紫苑』再校。私のボンヤリで、まだ送付していないものもあるのですが(山本さん、ポストに投函するのを忘れて帰ってきてしまいました。ごめんなさい)、広島の江波編集長からは「これから作業にかかります」との力強いメッセージが届きました。

 さて明日は、岩田君が歴史学研究会の日本中世史部会例会で研究報告。何はともあれ、同学の関東の若い方々と、仲良しになってきてくれれば良いと思っています。

 ☆ 静岡文化芸術大学の二本松康宏先生より、新刊の御高著『曽我物語の基層と風土』(三弥井書店)を御恵送いただきました。
 下野宇都宮氏の周辺は、文学と歴史学の協業の対象とすべき問題が山のようにありそうです。 
  「曽我物」を研究テーマにしている学習院の伊藤さんには必読の論文集ですね。
 二本松先生に、あつく御礼を申し上げます。

『紫苑』第7号の発送について(お願い)

No.6585

 『紫苑』第7号は、本日再校ゲラが届く予定です。刊行に先立って、目下送付先リストの作成を進めておりますが、昨年お送りした方で、住所などの変更がございましたら、御連絡いただきたく、宜しくお願い申し上げます。

 また、ゼミメンバー・関係者で、新たに発送すべき機関・個人について心当たりのある方も、お知らせ下さいますようにお願い致します。

 『紫苑』第7号の内容は以下の通りです。

 【論 文】
 延慶本『平家物語』における頼長・師長・・・田中裕紀(同志社大院DC・京女宗文研共同研究員)
 九条頼経上洛をめぐる政治構造―近衛兼経の宇治入りを関連させて―
                        ・・・岩田慎平(関学大院研究員・京女宗文研共同研究員)
 【研究ノート】
 かどで考―『蜻蛉日記』を手がかりにして―・・・江波曜子(本学文学部国文学科4回生)
 【特別寄稿】
 [追悼]米谷豊之祐先生を送る(付、伊勢平氏庶流に関する先生からの書信)・・・野口実
 【活動記録】
 見学記 二〇〇八年四月十九日
    宇治・木幡・・・井草温子・桒原香・船津丸幸起・山本みなみ(本学文学部史学科1回生)


 >第7号執筆者各位
 再校ゲラは本日中に投函するつもりです。早急かつ念入りに校正をお願い致します。

☆ 立命館大学大学院の谷昇さんから、御高論「大嘗会和歌地名に見る王権と在地-後鳥羽天皇大嘗会を中心に-」(『立命館文学』第609号)を御恵送いただきました。
 谷さんは、校長御退職後、立命館大学大学院で10年の研究生活を送られ、いよいよ今春、博士論文を提出されるとのことです。

今夜は再校(若い人には分からないか?)

No.6586

 本日(19日)、予定通りに印刷屋さんから再校ゲラを受け取りました。執筆者には早速、速達で送付させて頂きましたが、一部の方に返信用の封筒を入れるのを忘れてしまいました。申し訳ありませんが、その分は自己負担でお願いいたします。

 相も変わらず年度末の仕事に追われておりますが、本日はその合間を縫って「京博に行ってきました」(これは音声言語では「脅迫に行ってきました」となり、京女周辺では、こんなセリフがしょっちゅう聞こえて参りますので、時に、誤解を生む場合があります)。
 その「京博」(特別展「京都御所ゆかりの至宝」)は大盛況で、駐車場に入れない車が七条通に並び、見学者は20分待ちの有様。人混みをかき分けての見学でしたが、一番の成果はようやくにして藤原行成筆『白氏詩巻』に出会えたことでした。
 拙稿「京都七条町の成立と展開」(京都文化博物館研究紀要『朱雀』第1集)で取り上げた、七条町に住む在俗の経師の妻が保延6年(1140)、藤原定信に売りつけ、高価で売れたので「太成悦気」で帰って行ったというメモ書きが巻末に記されているもので、その部分もしっかりと見ることが出来ました。 
 この展覧会は日本の王権について示唆される部分が多いので、美術の観点からだけではなく、政治史や国文専攻の方たちにも大いに見るべきものがあると思います。
 
 本日、研究室には山岡さん、ついで岩田君が来て下さり、いろいろ手助けをいただきました。いつも乍ら、ありがとうございました。

 ☆ 東北大学の佐倉由泰先生より、御高論「文学からみた将門記」収録の川尻秋生編『将門記を読む』(吉川弘文館)を御恵送いただきました。
 佐倉先生にあつく御礼を申し上げます。
 ちなみに、将門追討における最大の功労者は藤原秀郷ですが、その秀郷を取り上げた拙著『伝説の将軍 藤原秀郷』(吉川弘文館)は、初版の誤りを訂正した二版が好評(?)発売中であります。

 ☆ 東北芸術工科大学の入間田宣夫先生より、御高論「中世奥羽における系譜認識の形成と在地社会」(九州史学研究会編『境界のアイデンティティ 『九州史学』創刊五〇周年記念論文集 上』岩田書院)・「岩木山と花岩殿・安寿姫の物語」(東北芸術工科大学東北文化研究センター『真澄学』第4号)・「津軽一統志における系譜認識の交錯(覚書)」(東北芸術工科大学歴史遺産学科『歴史遺産研究』4)を御恵送いただきました。
 入間田先生にあつく御礼を申し上げます。

 ☆ 神戸大学の樋口健太郎先生より、御高論「「氏寺」から見た王家・摂関家の成立」(『ヒストリア』第213号)を御恵送いただきました。
 樋口先生にあつく御礼を申し上げます。

2月も、もう半ば、年度末の風景。

No.6577

 新しい人生を切りひらくための関門に果敢に立ち向かった人。迎えの家族に伴われて懐かしい故郷に帰って行った人。今日(17日)も人様々な一日であったようです。みんなに幸多からんことを。

 さて私こと、今月は、兵庫県の浄土寺・有馬温泉、京都府南部の蟹満寺・山城郷土資料館・浄瑠璃寺・岩船寺、奈良県の法華寺など、好景気だった頃のトヨタの工場で生産された愛車を駆って走り回っております。

 一方、年度末が近いので、研究成果の整理やら書類の作成やらを、ゼミの諸姉兄の御助力をいただきながら、自らの事務能力の欠落にウンザリしながら、なんとか進めております。
 「書類書きで一日終わるような生活だけは送りたくありませんね(泣)。」という元木先生のお言葉が頭をよぎります。

 それにしても、年度末というこの時期には、ときにカッカ、カッカと頭に血が上るような事件に遭遇することもあり、今日は通院中の医院のお医者さんに「いつもより血圧が高い」との御指摘をいただいてしまいました。おまけに、肥満への警告も受けました。

 今日の『吾妻鏡』講読会。仁治四年の条に入りました。泰時死後の幕府政治のあり方にについて、いろいろ検討すべき問題のあることに気づかされました。岩田君の用意してくれた『民経記』の記事にも興味津々たるものがありました。
 なお、小野さんからはケーキ、米澤君からは豆餅の、ともにとても美味しいお土産をいただきました。

 神戸大学からおいでの小野さん・藪本君は追いコンがあるとのことで、再び神戸に戻られました。
 遠路・所用を厭わず参加してくれている、かかるゼミメンバーに、グウタラ学生のなれの果てである私としては頭が下がるばかりであります。

最終講義の季節

No.6567

 今日(14日)は同志社女子大学で朧谷寿先生の最終講義があった由。「摂関家の確立-道長と望月の歌」というテーマもさることながら、朧谷先生は平安博物館における私の前任者という御縁もあることなので、拝聴したかったのですが、このことを知ったのがあまりに直前のことであったために行くことが出来ず、残念なことをしてしまいました。
 そういえば、昨年の3月9日には神戸大学で髙橋昌明先生の最終講義がありました。そんな季節になりました。
 ところで、私の最終講義は、恐らく、結果的に「あれが最終講義だったのか」というようなことになると思いますので、毎回毎回、気を引き締めて教壇に立たなければ、と考える次第です。
 いずれにしても、今は「別れ」の季節です。

 26日開催の中世史研究会2月例会で、親鸞の後半生の歴史的背景についての御報告があるとのことなので、名古屋に出掛けてみることに致しました。来年度から共同研究員に加わって頂くことになっている畠山さんも参加されるとのこと。旧交を温めるよい機会ともなりそうです。
 ところで、元木先生の提起された「安楽寿院見学会」の幹事さんは、お決まりなのでしょうか?

 ☆ 明治大学兼任講師の西山美香先生より、御高論「鑑翁士昭の事績をめぐって」(大取一馬編『中世の文学と思想』龍谷大学仏教文化研究所、2008年)、「禅語録をめぐって」(『日本歴史』第728号)を御恵送いただきました。
 西山先生に、あつく御礼を申し上げます。

『紫苑』第7号初校

No.6562

2月?というほど過ごし易い日でありました。梅も見ごろでありましょうか?
さて、本日無事『紫苑』第7号の初校を提出いたしました。
3月、に向けて順調に進んでおりますのも、皆さまのご支援・ご協力のおかげであります。
まだまだこれからですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

>『紫苑』執筆者のみなさま
 二校は19日(木)受領予定です。以降の予定は追ってまたご連絡申し上げます。

免許皆伝

No.6564

  『紫苑』第7号。江波編集長が全体にしっかり目を通され、遺漏なく入稿できたものと思います。出版の成否は編集者の力量によるところが多いのですが、お陰をもって学術面での面目を保つことが出来ました。
 それにしても、修正が多い(これは執筆者の責任)。印刷屋さんに御負担をお掛けすることになりました。

 本日(12日)は、『小右記』講読会の最終日。どうしても四月三十日条まで読み終えたいという江波さんの希望で、正午開始。大森さんと私を含めて三人での講読会となりましたが、江波さんは読み下し、語釈などの資料をしっかり用意され、目的を達成。この「やる気」には敬意を表したいと思います。
 私流の「記録講読<術>」は大旨伝授し尽くしましたので、江波さんには免許皆伝の証として、私が学習院大学大学院で受講した土田直鎮先生の『小右記』演習のノートの「写」をお渡しいたしました。つぎの勉強の場は広島に移りますが、しっかり頑張ってください。
 >尻池さん 後輩の御指導を宜しく。 

浄土寺・建築史シンポ・『紫苑』・『吾妻鏡』

No.6561

 先週末は兵庫県小野市にある浄土寺を見学してきました。高速道路(京滋バイパス→名神→中国→山陽自動車道)をとばすと、宇治から一時間半ほど。近いのに驚きました。
 阿弥陀堂の建築は、考え抜かれ、計算され尽くしたもので、自然を前提にした造形の素晴らしさに感じ入りました。
 またまた「日本建築史」に関心を深めた次第ですが、昨日、江波さんとL校舎の一階を歩いていると、建築史専攻の満田さんが教務課に修論を提出されているのに遭遇(江波さんの千里眼による)。
  その後、研究室においでになった満田さんから、最近発表された御高論「仁寿殿・紫宸殿・清涼殿の空間構成と儀式-平安宮内の空間構成と儀式に関する歴史的研究1-」(『日本建築学会計画系論文集』第73巻 第634号)を拝受。また、今月28日に本学で開催されるシンポジウム「東アジアの宮殿と宮殿儀式」の御案内をいただきました。
 詳細はこちらを御覧下さい。→http://www.aij.or.jp/jpn/symposium/2008/20090228.pdf

 さて、『紫苑』ですが、明日(12日)、校正済みの初校ゲラを印刷屋さんにお渡しする段取りです。それにしても赤字が多すぎる。

 今週前半。月曜日、初校ゲラを届けに、田中さんが来室。A地下で昼食をとっていると、そこに修論の口頭試問を済ませた山岡さんが(「音無の構え」で)合流。久しぶりのことでした。
 火曜日。江波さんにとっては京女で最後の『吾妻鏡』講読会。例によって5時間にも及ぶ長丁場となりましたが、仁治二年を読了。最後の十二月三十日条は江波さんに読んで頂きました。
 その場にいた人にしか分からないことですが、藪本君、年賀状、失礼いたしました。