「在[東]京活動」報告
No.6516
本年最初の「在[東]京活動」を「勤仕」して参りました。今回は、立川の国文学研究資料館で、今年6月に当研究所の公開講座で御講演をいただく小川剛生先生にお目に掛かり、また学習院大学で開催された第7回「中世戦記研究会」に出席して、例の如く知見を深め、さらに短時間ながら、高校時代以来の親友たちと旧交を深める機会も持って参りました。
小川先生とは初対面と思っていたのですが、先年、五味文彦先生率いる『明月記』研究会の方々の宇治見学を御案内した際に、お目に掛かっていたということで、本当に耄碌も極まるところが無く、恐縮に存じた次第でした。御多忙の所、お時間を割いて頂いて、図書館の御案内までして下さり、大変有り難く存じました。久しぶりの立川は思いの外、遠いところだと思ったのですが、行った甲斐がありました。ゼミメンバーにも、早いうちに訪問の機会を得られることを勧めます。
「中世戦記研究会」。とても寒い中での開催でした。報告は、清水眞澄先生の「簒奪と落魄の間―醍醐寺をめぐる義経像の再検討から―」、樋口州男先生の「中世江戸の将門伝説再考」、志立正知先生の「『承久記』研究の現状と課題」の三本。
清水先生の御報告は、九条兼実による摂関(九条家)家の権威確立のためのイデオロギー操作に関するお話しでしたので、この方面に業績のある高松百香さんが出席されていなかったのが残念でした。私はひそかに、資料に、平家による京郊からの軍事動員について、手がかりとなる史料が示されていたのを喜んでおりました。
樋口先生の御報告では、在地支配におけるイデオロギー操作の問題として、江戸氏による将門信仰がとりあげられました。ここでは資料に示されていた江戸氏の系図の記事に着目された坂井孝一先生の御発言などから、幕府成立以前における地方武士の「在京活動」や広域的なネットワークにも話が及び、私も御迷惑を顧みずに調子に乗っていろいろ申し上げさせて頂きました。
志立先生の御報告は『承久記』に関する研究史を適切に整理された内容で、たいへん勉強になりました。やはり承久の乱以降、『太平記』が書かれる頃までの政治思想にたいする理解がポイントになりそうです。この点、長村君の参加がなかったのがとても残念でした。歴史学の方からの知見ということで、すこし発言させて頂いたのですが、会場に若手の優れた研究者の方々がおられたのに、分際をわきまえずに出しゃばりすぎの観少なからず、あとで反省した次第です。
この研究会は、いつ行っても得るところが多く(久しぶりに石浜さんにもお目にかかれましたし)、私のような存在には本当に有難い研究会だと思います。ちなみに、今回は、休憩時間、藪本君の年賀状に話題が集中しておりました。
高校・大学生の頃、ともに暴れ、悩み、挫折と達成を分かち合った親友達も、いよいよ人生の秋の世代となり、話の中味も隔世の感ありといったところでした(まさに「色即是空」)。
さて、本日の女子駅伝、さすがに「京都の女子」は強い!
>岩田君 「在[京]」の分業、ありがとうございました。明後日から、また『吾妻鏡』講読会を宜しくお願いいたします。
>江波さん 「在京活動」の再開、まずは「見積書」から宜しくお願いいたします。
>山本さん 例の書類、12月分とあわせて提出して下さい。
小川先生とは初対面と思っていたのですが、先年、五味文彦先生率いる『明月記』研究会の方々の宇治見学を御案内した際に、お目に掛かっていたということで、本当に耄碌も極まるところが無く、恐縮に存じた次第でした。御多忙の所、お時間を割いて頂いて、図書館の御案内までして下さり、大変有り難く存じました。久しぶりの立川は思いの外、遠いところだと思ったのですが、行った甲斐がありました。ゼミメンバーにも、早いうちに訪問の機会を得られることを勧めます。
「中世戦記研究会」。とても寒い中での開催でした。報告は、清水眞澄先生の「簒奪と落魄の間―醍醐寺をめぐる義経像の再検討から―」、樋口州男先生の「中世江戸の将門伝説再考」、志立正知先生の「『承久記』研究の現状と課題」の三本。
清水先生の御報告は、九条兼実による摂関(九条家)家の権威確立のためのイデオロギー操作に関するお話しでしたので、この方面に業績のある高松百香さんが出席されていなかったのが残念でした。私はひそかに、資料に、平家による京郊からの軍事動員について、手がかりとなる史料が示されていたのを喜んでおりました。
樋口先生の御報告では、在地支配におけるイデオロギー操作の問題として、江戸氏による将門信仰がとりあげられました。ここでは資料に示されていた江戸氏の系図の記事に着目された坂井孝一先生の御発言などから、幕府成立以前における地方武士の「在京活動」や広域的なネットワークにも話が及び、私も御迷惑を顧みずに調子に乗っていろいろ申し上げさせて頂きました。
志立先生の御報告は『承久記』に関する研究史を適切に整理された内容で、たいへん勉強になりました。やはり承久の乱以降、『太平記』が書かれる頃までの政治思想にたいする理解がポイントになりそうです。この点、長村君の参加がなかったのがとても残念でした。歴史学の方からの知見ということで、すこし発言させて頂いたのですが、会場に若手の優れた研究者の方々がおられたのに、分際をわきまえずに出しゃばりすぎの観少なからず、あとで反省した次第です。
この研究会は、いつ行っても得るところが多く(久しぶりに石浜さんにもお目にかかれましたし)、私のような存在には本当に有難い研究会だと思います。ちなみに、今回は、休憩時間、藪本君の年賀状に話題が集中しておりました。
高校・大学生の頃、ともに暴れ、悩み、挫折と達成を分かち合った親友達も、いよいよ人生の秋の世代となり、話の中味も隔世の感ありといったところでした(まさに「色即是空」)。
さて、本日の女子駅伝、さすがに「京都の女子」は強い!
>岩田君 「在[京]」の分業、ありがとうございました。明後日から、また『吾妻鏡』講読会を宜しくお願いいたします。
>江波さん 「在京活動」の再開、まずは「見積書」から宜しくお願いいたします。
>山本さん 例の書類、12月分とあわせて提出して下さい。