ACADEMIC GROOVE 

No.6281

 先日、洛中寺町で会食の機会を得た東京大学史料編纂所の高橋慎一朗先生より、『ACADEMIC GROOVE The University of Tokyo』を拝受いたしました。A4版のしゃれた作りで、ピンク色の帯には、「学問はどきどきするほどおもしろい!」「研究者はどきどきするほどかっこいい!!」「東大が世に贈る「学問のおもしろさ」を伝える本」などとあります。
 これが、東京大学創立130周年記念出版として、堅いイメージの東京大学出版会から出されたことにも驚かされました。
 106~107ページには高橋先生と影浦峡先生(図書館情報学)との対談「余はいかにして研究者になりしか」が掲載されています。とくに院生諸姉兄必読。高橋先生ファンには必携。研究室に配架します。
 高橋先生、ありがとうございました。

 ☆ 青山学院大学の藤本頼人先生より、御高論「松浦一族中村氏と「中村文書」」(『青山史学』26)を御恵送いただきました。
 私は、武士論研究において、肥前松浦党の成立は重要な課題だと考えております。
 藤本先生に、あつく御礼を申し上げます。

 当家パソコンの反乱について、各方面から御心配を頂き恐縮に存じます。目下、とりあえず鎮圧いたしましたので、メールの送受信は可能です。近々、常勝将軍鈴木君の御出陣をいただいて、完全なる平定をはかる予定です。

パソコンの乱(PCのLANにあらず)

No.6278

 昨日来、拙宅のPC3台が次々と不調。当家宛にメールをお送りいただいても、しばらく拝見できないケースもあることをお断りしておきます。
 PCの故障というのは、相手が「訳のわからないもの」だけに、精神衛生上よろしくありません。何とかしようと、いろいろ操作した結果、さらに心配の種を増やすしてしまうというケースが多々あります。
 最後は鈴木君頼みですが、「そのうち、なんとかなるだろう~♪」の心境です。

 >>No.6275の「人の嘲りをも恥づべからず」は、多くの方が共感して読んで下さったようで、わざわざプリントアウトして下さったという、ありがたいお話もうかがいました。
 身勝手とは思いますが、少しづつでも「何方をも捨てじと心に取り持ちては、一事も成るべからず」という至言を実践にうつしていきたいと考えています。しかし、「人の嘲り」を聞き流すというのは、なかなか辛いことになると思います。 
 
 昨日は久しぶりに野口君が愛知から上洛。「坂」で昼食をご一緒しながら、近況をうかがいました。同志社に出講していたとき、授業が終わると今出川通りに面した喫茶店で野口君をはじめ、3Y諸兄たちと歓談の時を過ごしたことが懐かしく思い出された次第です。

 ☆ 本学史学科の瀧浪貞子先生より、新刊の御編著『源氏物語を読む』(吉川弘文館)を御恵送いただきました。瀧浪先生の「源氏物語とその時代」をはじめ、加納重文先生の「源氏物語の登場」、そして元木泰雄先生の「源氏物語と王権」など、興味深い論考が並びます。元木先生の「源氏物語と王権」は、先般の『台記』研究会でその内容をお聞かせ下さったものです。
 瀧浪先生に、あつく御礼を申し上げます。

 目下、京都は「源氏物語千年紀」で大いに沸いておりますが、〈源氏〉違いながら『源氏と坂東武士』という本もございます。こちらも、未読の方はどうぞよろしく。『源氏物語』の時代の武士のお話もちゃんとカバーしてございますよ(笑)。

お帰りなさいの『吾妻鏡』

No.6279

>野口先生
 パソコンのご様子はいかがでしょうか。次々に不調に陥ってしまうとは、なかなか仲良しな(?)PC三連星ですね。

 教育実習に出ていたメンバーもそろそろ帰ってきてくれるでしょうか。またみなさんでぼちぼち読んでいきましょう。
 なお、『吾妻鏡』の講読会は新規メンバー随時募集中です。参加ご希望の方はどうぞお気軽にお問い合わせください。

 日時:2008年6月17日(火)15:00頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』嘉禎三年六月一日、二十日、二十三日、二十五日、七月八日、十日、十一日、十九日、二十五日、二十九日、八月七日、十三日、十五日、十六日、十月十六日、十一月十七日、十二月十二日、
          嘉禎四年(暦仁元年)正月十八日、二十日、二十八日、二月六日、七日、九日、十六日、十七日、二十二日、二十三日、二十六日、二十八日、二十九日、閏二月三日、十三日、十六日、三月七日、十八日、十九日、二十二日、三十日、四月二日、七日、九日、十日、十六日、十八日、二十四日、二十五日、五月四日、五日、十一日、十六日、二十日、六月五日、七日、九日、十日、十九日、二十四日、七月九日、十一日、二十七日、八月十九日、九月九日、十三日、二十四日、二十七日、十月三日、四日、十一日、十二日、十三日、十四日、十二月七日、十六日、十九日、二十三日、二十四日、二十五日、の各条

  (※けっこう先の方まで掲出しましたが、読めるところまで読んでいきましょう。また、掲出した範囲以外に「これは」という条文があれば、その都度お知らせ下さい。)

古代史サマーセミナーで尻池さん御報告

No.6280

 岩田君、PCの御心配ありがとうございます。家族の一台は全く接続不能ですが、私の一台は時々<不気味なメッセージ>が現れるものの、メールの送受信は出来るようになりました。

 さて、今週火曜日(17日)、『吾妻鏡』講読会を間に挟んでの授業の予告です。
 まず、Ⅲ講時目の「基礎演習Ⅰ」の報告は、吉田さんの「ロスト・ジェネレーション」。最近の社会問題の底流が論じられることと思います。
 Ⅴ講時の「総合教育7B」では、中世の王権の問題を通して、「聖」と「賤」についてお話ししたいと考えています。

 
 ◎ 8月27日(水)~29日(金)に開催される「古代史サマーセミナーin広島県宮島」の28日(木)の分科会において、当ゼミ出身の尻池由佳さんが「宇治における摂関家の儀礼」というテーマの報告をなさいます。詳しくは→http://wwwsoc.nii.ac.jp/cgi-bin/jhs/wiki/wiki.cgi?page=2008%C7%AF%A5%B5%A5%DE%A1%BC%A5%BB%A5%DF%A5%CA%A1%BC
 こちらも、魅力的な御報告ばかり。体力さえあれば、是非うかがいたいところです。

 >尻池さん  御健闘を期待しています。
        準備段階での御協力は惜しみませんので、御遠慮なく。 

公開講座に向けて

No.6277

 山岡さん、懇親会の御案内をありがとうございました。
 お店については、会場からの移動が容易なこと、未成年の学生さんの参加を前提にしていること等を前提に、幹事さんと相談の上で決めさせていただきました。ご了承下さい。
 昨年も、ここでしたが、好評であったように記憶しております。
 なお、幹事さんの御迷惑にならないように、参加希望の方は早々に御連絡をお願いいたします。

 わざわざ関東から上洛のうえ御講演を頂く近藤先生からは、早くも5月の段階でレジュメ作成開始、そして先日には既に新幹線予約済みとの御連絡を頂いております。心強い限りです。
 一方、川本先生の御講演につきましては、先生の研究室に所属されている満田さんがお手伝いして下さるとのことですので、こちらも用意万端。ありがたいことです。

 それにいたしましても、レジュメの印刷、当日の会場受付、マイク・録音、研究室での懇談会の準備等々、ゼミメンバー・関係者諸姉兄には多くの御助力を仰ぐことになると思います。また、公開講座の事務処理全般(会場の設営なども含む)を担当下さっている宗教教育センターの方々にも大変お世話になっております。
 お礼かたがた、何卒よろしくお願い申し上げる次第です。

 今回の講座の内容は、これまでと些か趣向を異にする内容なので、どのように進行すべきか工夫が必要なのかも知れません。ただ、締めくくりには例年のごとく会場にお出での研究者の方に一言頂こうと考えております。


 ◎ 関幸彦先生との共編で吉川弘文館から出版予定の『入門吾妻鏡』の件ですが、本のタイトルが『吾妻鏡必携』となりました。執筆者各位には、近々、岩田君より最終校正の依頼が届くと思いますので、宜しくお願いいたします。

公開講座終了後の懇親会。

No.6276

いよいよ公開講座が今月末となりました。
例年通り、公開講座終了後、講師の先生方を囲んだ懇親会(お食事会)を開催いたします。
皆さまふるってご参加下さい。

 日時:6月28日(土)18:30~(2時間程の予定)
 場所:里(女坂の途中にあります)
 予算(飲み放題付きコース料理):学部生2000円程度,院生・社会人3000円程度

参加をご希望の方は、20日(金)までに山岡まで(上記PCアドレスもしくは携帯まで)ご連絡下さい。
諸事情により、参加人数の正確な把握が必要です。参加をお考えの方は、必ず!!ご連絡を下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
 *なお、当日の飛び入り参加は可能ですが、別メニューとなります。ご了承下さい。

来週の授業と耳寄りな情報

No.6271

 教育実習中の皆さん、元気で頑張っておられるでしょうか?
 教える立場の大変さと喜びをしっかり経験してきて下さい。

 いよいよ公開講座も3週間後にせまり、お手伝いをお願いしているゼミメンバー・関係者の皆さんには、いろいろとお手数をおかけしていますが、宜しく御協力のほど、お願い申し上げます。
 例によって、終了後に講師の先生を囲んでの茶話会と懇親会(お食事会)を計画していますので、ふるってご参加下さい。なお、懇親会は幹事さんに事前の申し込みが必要です。今年は元木先生もお出で下さるはずですので、さぞかしの盛況が期待されます。

 さて、来週の授業ですが、まず基礎演習Ⅰ。今週は吉市さんが、国際的な大きな問題について報告されましたが、今度は吉川さんの「テレビの影響力」という報告です。私は小学校低学年からテレビ漬けの日々を送ってきましたから、まさにテレビの功罪を体現した存在かも知れません。
 総合教育科目7Bの今回のテーマは「イジメと差別-聖なるもの 賤なるもの-」。平安京・京都の都市問題から話をスタートさせます。山下克明先生の御研究に依拠しつつ、陰陽道(おんようどう)にも触れたいと思っています。

 京都文化博物館の横山和弘先生から、今月10日から来月13日まで、同博物館2階の歴史展示室の一番奥(特別陳列コーナー)で「七条令解」と「後白河法皇院宣」(どちらも古代学協会所蔵)が展示されるとの御案内をいただきました。
 「後白河法皇院宣」は『鎌倉遺文』未収録の六条油小路地に関するもの。また「七条令解」も滅多に展示しないものだそうです。ぜひ、この機会に見学しておきたいと思います。
 横山先生、お知らせ、ありがとうございました。

 今月末は、28日(土)に当方の公開講座、翌29日(日)に樋口健太郎氏が御報告される大阪歴史学会大会があります。それに、この特別展示が加わるとなると、全国の中世前期を御研究の皆さんの脚は、梅雨の時候など関係なしに、自ずと関西に向けられることになろうかと思います。
 御上洛をお待ち申し上げる次第です。

Re:

米澤隼人
No.6273

野口先生・野口ゼミの皆様、ご無沙汰しております。
私の教育実習も残すところ1週間となりました。幸いにして体調は概ね良好です
。慣れないことをすると大概不調になりますが、今回は最後まで頑張ることがで
きそうです。これというのも、毎日接する生徒の笑顔のほか、遠くからお気遣い
下さる野口先生ならびにゼミのみなさま、それからやさしい某先輩のおかげと存
じます。
2週間後には京都にもどりますので、また宜しくお願い申します。

2008-1972=36 

No.6274

 米澤君、お元気で充実した毎日を過ごされているようで何よりです。きっと、学校の人気者になっていることでしょう。

 自分のことを思い出してみたら、教育実習をしてから、もう36年も経ってしまっていたのでした。まさに「夢、幻の如くなり」です。
 私の実習先は母校の千葉東高校で、クラスは3年□組(担任は吉野先生)、担当科目は3年生の日本史。進度がちょうど平安末期から鎌倉幕府成立の辺りだったので、最初の授業では卒論執筆中の材料をそのままお話ししたのですが、これが一番好評で、後輩たちの優秀さに感動したものでした。
 彼ら彼女たちも、あの時17歳だとすると、もう53歳。何人かの名前を思い出すことが出来ますが、どうしておられることやら。会ってももう分からないでしょうが、一人ぐらいこの掲示板を見てくれていないかなぁ。
 実習の最終日は土曜日でしたので、その日の午後、大勢の生徒さんたちと加曽利貝塚の博物館に出掛けました。私はこの時、連日の疲労が蓄積したためか高熱を発しており(本当に若い頃から虚弱体質でした)、あまりに身体が熱いので、スーツ姿なのに裸足で歩いていたことを記憶しています。
 体調が回復したのは、二週間後に実習生仲間と国鉄千葉駅裏の飲み屋の二階で開いた打ち上げの時。ここでビールを飲んでからのことです。あれ以来、私にとってビールとは薬なので、大量の摂取は憚られるわけです。
 
 というわけで、米澤君も、何十年か後に、きっと今回の教育実習を懐かしく思い出すことになるでしょう。

『吾妻鏡』のごあんない

No.6270

 毎度遅くなって申し訳ありませんが、次回の『吾妻鏡』のご案内です。
 来週(6/10)はお休みとしまして、その次の予定です。

 日時:2008年6月17日(火)15:00頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』:『吾妻鏡』嘉禎三年六月一日、二十日、二十三日、二十五日、七月八日、十日、十一日、十九日、二十五日、二十九日、八月七日、十三日、十五日、十六日、十月十六日、十一月十七日、十二月十二日、

 なお、その先も六月は毎週火曜日15:00頃~開催の予定です。
 『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。どなたさまでも、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。

人の嘲りをも恥づべからず

No.6275

 岩田君、告知をありがとうございました。
 『吾妻鏡』講読会、来週からはメンバーもほぼ復帰して平常通りに進められることと思います。私は学生時代は内乱期の記事(ほとんど『平家物語』の異本の如し)ばかり読んでいましたが、頼経将軍期のあたりは別の面白さがありますね。

 先に、教育実習の思い出話を書かせて頂きましたが、今度は自分が高校生だったときの話です。
 当時(1960年代末)、千葉東高校普通科のカリキュラムでは、女子生徒が家庭科の授業を受けている間に男子生徒は国語の授業をうけるということがありました。通称「増国」。週に一時間ですが、私はこれが大変楽しみでした。
 体育の授業の次の時間に、2クラスの男子生徒が一緒に詰め込まれ、男の体臭がすさまじい教室で、その授業は行われました。担当は古沢未央先生。この先生は職員室などにはおられず、図書館の司書室を本拠にされて悠然と過ごしておられ、御隠居のお爺さんのような風情の方でした(こういう先生の存在は、最近の高校では見られなくなったと思います)。最近になって知ったことですが、地元の文学の世界では著名な先生だったようです。
 この先生の授業のテキストは兼好の『徒然草』。文法の話などほとんどせずに、ひたすら内容に踏み込んだお話しを聞かせて下さいました。先生自身の人生体験を盛り込んだ解説もあって、私は『徒然草』の世界にのめり込んだものです。女子生徒の皆さんは、お料理の腕を上げられたことでしょうが、あの授業に出られなかったのは本当にお気の毒様でした。ただし、古沢先生は、旧制中学のような男子ばかりの教室での授業を楽しまれていた節があります。
 私は、この時間には大張り切りで、謡曲「鉢の木」の話を知っているかという先生の問に即座にお応えしたりして、体育の時間における屈辱の埋め合わせに労を惜しみませんでした。そんなわけで、この科目での成績のトップは、柔道部所属の親友K君(現在、千葉県の公立高校の英語教諭)と私が張り合っておりました。
 さて、その『徒然草』の第百八十八段には、こんなことが書かれています。
 「若き程は、諸事につけて、身を立て、大きなる道をも成じ、能をもつき、学問をもせんと、行末久しくあらます事ども心にはかけながら、世を長閑に思ひて打ち怠りつゝ、先づ、差し当りたる、目の前の事のみに紛れて、月日を送れば、事々成す事なくして、身は老いぬ。終に物の上手にもならず、思ひしやうに身をも持たず、悔ゆれども取り返さるゝ齢ならねば、走りて坂を下る輪の如くに衰へゆく」。
 古沢先生と同じ世代になってしまった私は、学生さんたちから見れば、まさしく、この「走りて坂を下る輪の如くに衰へ」てしまったお爺さんに他なりません。 兼好法師は、こう続けます。
 「されば、一生の中、むねとあらまほしからん事の中に、いづれか勝るとよく思ひ比べて、第一の事を案じ定めて、その外は思ひ捨てて、一事を励むべし。一日の中、一時の中にも、あまたの事の来らんなかに、少しも益の勝らん事をいとなみて、その外をば打ち捨てて、大事を急ぐべきなり。何方をも捨てじと心に取り持ちては、一事も成るべからず」、また、「一事を必ず成さんと思はば、他の事の破るゝをもいたむべからず、人の嘲りをも恥づべからず。万事に換へずしては、一の大事成るべからず」。
 今さらながら、私はこの兼好の言葉の意味の重大さを実感しているところです。

 ☆ 前近代における武士神格化の御研究で多大な成果をあげておられる九州大学大学院比較社会文化研究院の高野信治先生より、最近の御高論「「士族反乱」の語り」(『九州史学』149)・「外様大名領の東照宮-鍋島佐賀藩の場合-」(『九州文化史研究所紀要』51)・「近世大名家〈祖神〉考-先祖信仰の政治化-」(『明治聖徳記念学会紀要』復刊44)の3編を御恵送頂きました。
 中世と近世の武士論の接合は大変重要な課題だと思います。
 高野先生にあつく御礼を申し上げます。

公開講座のポスター・チラシが完成しました。

No.6266

 事務方のお力によって、なかなかセンスのよい公開講座のポスター・チラシが完成しました。
 各大学や諸機関の皆様に順次送付させて頂きます。
 御面倒ですが、よろしく周知方、お願い申しあげる次第です。


 ◇「王の装いと武家の空間」(シリーズ「東山から発信する京都の歴史と文化」⑩)
 
 日時:2008年6月28日(土)13:00~17:00 

 講演テーマと講師:
   ①「寝殿造と六波羅泉殿~総柱大型建物の意味~」
                     川本重雄(京都女子大学家政学部教授)

   ②「天皇と装束」
                     近藤好和(神奈川大学経済学部特任教授)

 会場:本学J校舎(文学部棟・渋谷通りに面した茶色の建物)525教室
    ※ 京都駅からは市バス206系統「馬町」下車、または八条口からプリンセスライン(赤いバス)「京都女子
     大学前」行きが便利です。  

差し上げます...

No.6267

 ゼミメンバーおよび関係者のみなさんへ
 
 ① 学術文献刊行会編『日本史学文献目録 2005年版』(朋文出版 2008,5)

 ② キャノン純正インクタンク BCI-24 3色カラー・ブラック

 ともに複数、余分があります。必要な方、あるいは必要な方をご存じの方は遠慮なくお知らせ下さい。

ラボール学園聴講生より

No.6264

昨夜は、「東京学派」主導の鎌倉「幕府」過大評価に対するアンチテーゼを興味深く拝聴しました。休憩時間に「(啓蒙的)歴史全集」比較論をお伺いした西野と申します。授業後の質問タイムでは少々大きい問題かと思い、(他に通信手段が思い浮かばなかったので)本欄に投稿させて頂きました。もとより文献渉猟などとは無縁の一アマチュア歴史愛好家の幼稚な疑問とてご寛恕下さい。

中央政界の力学がそのようであるなら、地方の実態はどうだったのでしょうか。教科書的「正史」では、「鎌倉」時代には、守護が国衙の地方行政権を、地頭が荘園の経済権益を、漸進的に蚕食し、古代的社会経済秩序の変質が昂進して「中世」が完成したと教わりました。いわば、最終形態としての戦国大名の領国体制に向けて大きく梶を切ったのがこの時代だという位置付けです。仮に「上から」は貴族や宗教勢力が旧来の権威を保持したとしても、「下から」は武士階級が社会の実権を掌握して行ったと言えるのでしょうか。

また、京都の朝廷が依然として圧倒的なヘゲモニーを維持し続けていたのなら、あたかも「覇権を賭けて争った」かの如く教科書で記述されている承久の変が理解できません。鎌倉方が関東・東北地方の軍事・警察を司るだけの一介の軍司令官(これぞ征夷大将軍の本義)を自他共に認めるなら、後鳥羽上皇一派の挑発的な動きに何故あれほどまでに過剰反応したのでしょうか。あるいは鎌倉方は、この機を利用して乾坤一擲、昨夜のお話のような劣等的力関係を逆転させようという明白な政治的意図を自覚していたのでしょうか。

PS:30年余り昔、大学教養課程の頃、講義一覧にあった当時気鋭の歴史学者だったろう上横手先生のお名前の珍しさに惹かれただけで、ついぞ聴講しなかったことが今となっては悔やまれます。

Re: ラボール学園聴講生より

No.6265

>西野様 昨日はありがとうございました。

 ご質問の件ですが、武士と貴族を対立的に捉える発想を様々な側面から相対化する必要があるだろうということです。その点、将軍御所の空間構造や、幕府の女房の機能について、触れる時間が不足したのが残念でした。
 二点目の公武が覇権をかけて争ったという発想も同様だと思います。承久の乱の実態については近年、多くの研究がかさねられておりますので、昨日のレジュメに掲載した文献の注などを手がかりに検索、参照していただければと存じます。
 疑問に思われている点は、おそらく上横手雅敬先生の御著書をお読み下されば、ほとんど解消されるのではないかと思います。 

六月の『吾妻鏡』

No.6262

 あっという間に六月となりました。そろそろ梅雨の季節ですが六月初日の京都は快晴となりました。次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2008年6月3日(火)15:00頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』所収の建築関連の記事を中心に、過去の条文に遡って読みます

 なお、その先も六月は毎週火曜日15:00頃~開催の予定です。
 『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。どなたさまでも、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。

『新訂 吉記 索引・解題編』 拝受

No.6263

 昨日は、仁和寺の法師よろしく、「年寄るまで拝まざりければ」だった石清水八幡宮に、ちゃんと山上まで行ってお詣りを果たしてまいりました。教訓は「『先達はあらまほしきもの』だが、究極的にはカーナビは決してアテにならない」ということでした。

 さて、今週の予定。
 明日はラボール学園の日本史講座へ出講です。「歴史のなかの京都と他所-古代・中世-」の第7回目で、「京都と鎌倉-王権の行方-」というテーマでお話しを致します。『紫苑』掲載の岩田君・満田さん・小野さんの御論考を活用させて頂くつもりです。
 明後日のⅢ講時の「基礎演習Ⅰ」は、「国家間格差」についての御報告。大きなテーマなので、様々な切り口が用意できそうです。今回も活発な議論を期待します。
 Ⅴ講時の「総合教育科目7B」は「日本史の中の老人」の二回目。導入部分で、『延慶本平家物語』に描かれた相模の老武士・三浦義明の最期の場面を取り上げます。
 木曜日のⅣ講時『小右記』とⅤ講時の『吾妻鏡』は、いつもの通り。しっかり予習をしておいて下さい。

 ☆ 高橋秀樹先生より、先生の御編になる『新訂 吉記 索引・解題編』(日本史史料叢刊,和泉書院)を御恵送頂きました。『吉記』に関する一連のお仕事はこれをもって一段落だと思います。大変な作業だったことと拝察致します。いただいた学恩ははかり知れません。高橋先生に、あつく御礼を申し上げます。 

科研費研究成果報告書

No.6261

 早稲田大学の海老澤衷先生より『東アジア村落における水稲文化の儀礼と景観』(平成16~19年度 科学研究費補助金 基盤研究(A)(2)研究成果報告書)を御恵送頂き、また本学家政学部の川本重雄先生からは『中世アジアの住居と集落に関する総合的研究』(平成18年度科学研究費補助金(特定領域研究)及び平成19年度科学研究費補助金(特別研究促進費)研究成果報告書)を拝受致しました。
 ともに、質量とも重厚な報告書で圧倒されました。海老澤先生・川本先生にあつく御礼を申し上げる次第です。

 ちなみに、当方も『閑院内裏の政治史的研究』(平成18年度~19年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書)を作成したことはすでにお知らせしたとおりですが、ようやく関係各位への発送を開始する段階に至りました。とはいえ、暇をみての少しづつの作業になると思いますので、もし早めに必要な方は御連絡頂ければ幸いとするところです。

 ☆ 論文集を頂いたばかりの加納重文先生より、今度は『清張文学の世界 砂漠の海』(和泉書院)という御著書を御恵送頂きました。松本清張の11の代表作についての文芸評論集です。
 加納先生にあつく御礼を申し上げます。

 ☆ 日本学術振興会特別研究員の和田琢磨先生より、御高論「『難太平記』研究史の検証-『太平記』作者「恵珍」「玄恵」説をめぐって-」(『古典遺産』57)を御恵送頂きました。
 和田先生にあつく御礼を申し上げます。