>雨野さん 補陀落寺跡見学ツアーの告知をありがとうございました。
地理的視角から行動的に古典文学に挑まんとする試みに拍手喝采です。その成果が、博士論文に結実されることを楽しみに致しております。
ところで、雨野さんのように、大学院で国文学を研究している女性にとって、先輩格にあたる清水眞澄先生が、長年の研究成果をまとめた論文集『音声表現思想史の基礎的研究 信仰・学問・支配構造の連関』を三弥井書店から刊行されました(A5判,本文417頁,索引付き,本体8500円)。清水先生は専攻こそ異なりますが、私の母校の後輩にあたり、目下、その青山学院大学などの非常勤講師をつとめておられます。
本書は今日における音声思想史研究の到達点を示したもので、中世文学のみならず、広く中世前期の文化史を対象とする研究者には必読の文献といえます。
それにしても、女性が家庭と学問研究を両立させることの困難さは、その障害物そのものの立場を担っている私としては深く認識するところであり、その意味からも本書の刊行に敬意を表させていただくとともに、御恵送にあつく御礼を申し上げる次第であります。
なお、お送りいただいた本の間に挟まれていた添状に「本書によってこれから得るであろう未来の友を思い、前へ進むことを願っております」という一節には感銘を受けました。
当ゼミメンバーの諸姉も清水先生をお手本に努力していただければと思います。
☆ 京都文化博物館在職中に同僚だった畏友で、京都府立総合資料館の大塚活美先生から、先生のお父上である大塚勘二郎さんの御著書『村里に生きる 東近江の農村の生活』(サンライズ出版)を御恵送いただきました。著者の自分史であるとともに、地域の歴史と民俗に関する貴重な記録になっています。「この父にして、この子あり」。大塚先生が歴史学の道を志した背景がよくわかりました。
大塚先生にあつく御礼を申し上げます。
さて、その大塚先生が4月3日(木)総合資料館において、「京都の鉄道文化史」というテーマで講演をなさいます。企画展『地域をむすぶ―京都府の交通史―』の記念講演として行われるものです。
最近、当ゼミ関係者にも鉄道ファンが急増しているようなのでお知らせまで。
詳しくは→
http://www.pref.kyoto.jp/shiryokan/fuminkouza.html