新春の明と暗

No.6065

 お正月明け、連日のハードワークが続いた後、少しばかり時間がとれたので研究会の資料づくりに取り掛かろうとした矢先、いつものパターンですが、はるか大昔に書いた原稿の校正刷りが届きました。アリ地獄に落ちているようなものです。

  このところ、国内外の友人・知人からは、人種差別からイジメ・パワハラまで、嫌な話ばかりが伝わってきます。そこには、一部の人たちが自身の拠って立つところを見失い、本来なら連帯すべき人たちに刃を向けている図式が浮かび上がります。本来立ち向かうべき相手はほくそ笑んでいる。そんなことが身近なところでも感じられる悲しい時代になりました。

 とはいえ、元気に、真摯に、たくましく学問に立ち向かっている人たちも健在です。『紫苑』には素晴らしい原稿がたくさん寄せられています。最近、ゼミメンバーの中に、もう確実に自立した研究者としてやっていけるだけの実力を身に付けた人が育ってきたように思います。心強いことです。

 以前、私の二人の曾祖母の命日のことを書きましたが、今日は母方の祖母の命日です。1991年、私は鹿児島にいました。その前年の暮れに体調を崩した私は、原因不明の高熱を発し、正月二日から鹿児島大学附属病院に一週間程入院していたのですが、祖母の死はまさに病気が回復したその直後のことでした。その時は、本当に身代わりになってくれたように思いました。
 この祖母は何代か前に盲目の学者が出たという上総の名家の生まれで、幼い頃に里子に出されて苦労したり、また、娘時代には旧大名家に行儀見習いに行かされたりしたなどという話を聞いたことがあります。小学校高学年の頃だった思うのですが、ほんのちょっとのことで外出するときにも儀式に出掛けるかのようにキチンと身支度を調える祖母に、ぐうたらな私は悪口を吐いたことを覚えています。バカ孫でした。

 さて、ゼミですが、先日7日には、『紫苑』の編集の仕事や原稿の提出にみえた、山岡さん、岩田君、小野さんに、新婚ホヤホヤの鈴木御夫妻も加わって、ちょっとした新年会気分でした。山岡さん・鈴木御夫妻からは伊予松山・京都東山、それぞれ名代のお菓子のお土産をいただきました。
 ちなみに、これらのお菓子はその後の研究会などで消滅。目下、研究室には九日に元木先生からいただいた聖護院のお菓子がございます。元木先生ありがとうございました。 

 ○ 本日、高知大学の市村高男先生と茨城大学の高橋修先生の御連名で、市村高男編集・茨城県立歴史館編『中世東国の内海世界』( 高志書院)を御恵送いただきました。
 市村先生・高橋先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ※ 今年はゆえあって、年始の御挨拶が遅れております。なにとぞ、御容赦下さい。 

第2回「国家と宗教」輪読会のご案内

No.6063

 おくればせながら、新年あけましておめでとうございます。
昨年の24日にあった岩田さんのご報告は、ただ拝聴する事しかできませんでしたが、メンバーの方々のやりとりは、自分にとってとてもよい刺激となりました。
ギリギリになってしまったのですが、その時に申し上げた勉強会のお知らせをさせていただきます。

日時:1月15日(火) 18:00~

場所:大谷大学 響流館 3F マルチメディア演習室
*地下鉄烏丸線「北大路」下車、6番出口上がってすぐです。

●末木文美士氏『日本宗教史』(2006年、岩波新書)
「はじめに」「Ⅰ.仏教の浸透と神々〔古代〕」(P1~66)の輪読
担当者:青木友里(大谷大学文学部史学科 3回生)

 このような勉強会を開く目的として、「『国家と宗教』というテーマをとおして、時代や分野を越えた幅広い視点をもって自身の研究を深めていく場を皆でつくっていく」事を掲げております。学年や学校を問わず、一人でも多くの方にご参加いただければと思います。

1973年に大学を出た大学教員の感慨。

No.6064

 学部生が「新書」を対象にした読書会を自主的に開催するというのは、今から35年くらい前には各大学で普通に見られたことだったのですが、当節は絶滅かと諦めていました。

 私は大学の教育で最も大切なのは、こういう、学問に主体的にとり組もうとする意志を学生さんたちに涵養することだと考えています。その意味で、青木さんとそのお仲間の方たちの存在は嬉しい限りです。

 若い人たちには、大いに学び、悩み、論じあってほしいと思います。

 多くの学部生が参加されること、そして、この勉強会の発展を期待するところです。 

正月五日

No.6062

 ようやく「承久の乱」を脱稿。先程、原稿とFDをポストに投函してきました。慈光寺本『承久記』を現代語訳して、さらにそれを圧縮したに過ぎない内容ですが、執筆中にいくつか新たな発見があり、よい勉強になりました。しかし、以前は、原稿執筆中に生じた疑問について徹底的に究明したものでしたが、最近はその辺りのエネルギーが薄れてきて、満足のいくものが書けなくなってきたように思います。そのうえ締切すら守れない。若い頃は厳守していたのですが。

 締切といえば、『紫苑』の原稿、いよいよ明後日(7日)正午までですから、万難を排して宜しくお願いいたします。実はすでに、原稿も付図もレイアウトの指示も完璧に済ませた執筆者がおられます。しかも、内容は抜群に良い。もちろん形式も整っているし、誤字脱字もない。
 研究者の卵はかくあるべしです。 

  これから、またすぐに別の原稿に取りかからなければならないのですが、とりあえず年末年始を寝込むことなく乗り切れたのは幸いでした。私は鹿児島と千葉で一度ずつ、年末年始を病院で過ごしたことがあります。ちなみに、私の幼・少年期に健在だった曾祖母二人の命日は十二月二十六日と正月五日で、私もいずれそれを踏襲するかも知れません。

 十二月二十六日に亡くなったのは母の父の母。正月五日に亡くなったのは父の母の母です。ですから、今日は父方の曾祖母の四十何回忌かにあたります。たしか、私が小学校の五年生の時だったと思いますが、母や妹と消防出初め式を見に行った千葉公園に、叔母が自ら曾祖母の死を知らせに駆けつけてくれたことを覚えています。
 曾祖母の死因は、餅を喉につまらせたことによる窒息でした。耳は遠いものの、とても元気で、杖をつきながら町内を歩き回り、いつもご近所の縁側で話に花を咲かせているというような人でした。食べることが大好きだったので、私は子供心にも殉死のような幸せな死に方だったのはないかと思ったことでした。
 それにしても、曾祖母がもう一世紀とすこし後に生まれていたら、きっとどこかの誰かさんたちのように、ブログにやたらに自分の食べたご馳走の写真をupして、ストレスに苛まれて胃腸の具合の悪くなった中高年のオジさんたちをゲンナリさせたことでしょう。
 彼女は、房総半島は九十九里の浜育ち。生まれは慶応年間。明治・大正・昭和をどのような思いで生き抜いてきたのか、今さらこれを問う術はありません。享年は九十四歳でした。

 ※ 今年はゆえあって、年始の御挨拶は松の内が開けてから、お送りするつもりでおります。なにとぞ、御容赦下さい。 

お世話になりました

元木泰雄
No.6056

 野口先生、野口ゼミ関係の皆さん、今年はお世話になり、誠に有難うございました。。 とくに今年は研究室耐震補修の関係で、研究会を宗教文化研究所で開催させていただき、誠に有難うございました。月に二回も押しかけまして、野口先生には本当にご迷惑をおかけ致しました。快く迎えてくださり、さらに、懇切なご助言まで賜りましたことに厚く御礼を申し上げます。
 野口先生が京都におられるありがたさを痛感いたした次第です。まさに「一所傍輩」の誼と感謝いたしております。
 また拙著『源義経』につきましては、ご丁重な紹介を執筆くださり、さらに書評会まで開催してくださいました。心より御礼を申し上げる次第でございます。
 しかし、その後はやっつけ仕事の原稿を数本書いたものの、手ごたえある仕事はできませんでした。研究室移転問題に足を引っ張られたり、自身の不摂生と衰えを痛感した半年でした。
 衰えといえば、当方も先日53歳を迎えました。昔、初めて岸俊男先生をお見かけしたのが、それくらいのお年でしたが、大変な威厳を感じたものでした。上田正昭先生は、その年齢で紛争の余燼さめやらぬ教養部の学部長をお勤めでした。翻ってわが身を見るに、威厳も実務能力もさっぱり。まして同じ分野の先生方と業績を比べるなどという暴挙は最初から回避いたします・・・
 集中力も著しく低下し、以前は一日で仕上げた年賀状も、何日もだらだら書き続ける始末。何人か書き忘れて届かない方が出たかもしれません。宛名と署名は自筆にこだわってきたのですが、それも今年限りみたいです。
 数年にわたった学内の激務の影響もまだ抜けず、おまけに遠距離通勤の疲労も耐え難くなりました。家庭内も病人を抱えてんやわんや。そんなこんなで、何事にも気力がわかない有様です。
 そうこうするうちに学問はどんどん進んでいってしまいます。しかも、本当にそれが良いとはいえない方向へ。何とかしたいと思います。
 今年、例会で野口先生のご報告を承り、新しい鎌倉幕府論に向けて熱い思いがわいてまいりました。来年は懸案の第二論文集を目指し、再起の年にしたいと一応(笑)決意を新たにしております。 
 何卒よろしくお願い申し上げます。
 2008年が、野口先生はじめ皆さんにとって、すばらしい年になりますように、心から祈念いたしております。

 追記
 野口先生のスレッドの下につけるつもりが、上になってしまいました。老耄の所産とご容赦ください。
 

今年も、よろしくお願い申し上げます。

No.6057

 元木先生、御丁寧な御挨拶をいただき恐縮に存じます。
 元木先生あっての野口、元木ゼミあっての当ゼミであることは、自他共に認めるところであります。
 本年も何卒よろしくお願い申しあげる次第です。
 「鎌倉幕府論」、おおいに期待致しております。

・・・・・・・・・・・・・
 昨年末からとりくんでいる「承久の乱」ですが、ようやく、幕府軍に敗れた山田重忠・三浦胤義・源翔らの諸将が院御所の高陽院殿に戻ってきたのに、後鳥羽院から締め出しを食らわされるという場面に到達したところです。
 それにしても、重忠も胤義も翔も、戦場で敵に遭遇すると必ず「我ヲバ誰トカ御覧ズル」と大威張りで、この言葉が耳にこびり付いて離れなくなってしまいました。
 御先祖の誰かの口癖だったのかも知れません。
 
 ※ 今年はゆえあって、年始の御挨拶は松の内が開けてから、お送りするつもりでおります。なにとぞ、御容赦下さい。 

謹賀新年

山田邦和(同志社女子大学)
No.6058

 みなさま、あけましておめでとうございます。掲示板をお借りして、新年の御挨拶をさせていただきます。

 野口先生から過分のお言葉をいただいて恐縮の限りですが、昨年後半は論文発表のペースが落ちてしまい、このまま自焼・没落か、という感を深くしております。そうはならないように、今年は性根を入れ替えてがんばりたいと思っております。元木先生をマネしたわけではありませんが、ぜひ今年中に第2論文集を刊行したいと思っております。各先生方の驥尾に付して保元の乱についても考えなおしたいと思っておりますので、御指導御鞭撻をよろしくお願いできれば幸いです。

 それでは、皆様の御多幸をお祈りいたします。

うんの良い話

No.6061

 元木先生、野口先生、山田先生、そして野口ゼミの皆様、おくればせながら、私も掲示板をお借りして、新年のご挨拶をさせていただきます。

 こんなに遅くなりました言い訳を、最初に申し上げておきます。

 実は、年末に、風邪をひき、その後、29日に大植英次指揮、大フィルの第九の演奏がどうも気に入らず、とある友人と終演後にヤケ酒を飲んで帰りましたところ、翌朝より腹痛に悩まされ、新年に至っても復調せず、昨日ぐらいからやっとよくなりました。昨日、その友人からのメールで、その方も同様の症状になったらしく、飛び込みで入った居酒屋での食材が原因という結論に至りました。

 まったく、新年早々、うんの良い話で失礼。

>山田先生
 セルの第九で、年末をお過ごしになられたとのこと。セル・フアンの小生としては感激でございます。私は、大フィル帰りの阪急で、iPodに入れてあるカラヤン・ベルリンフィルの70年代のライブ(イタリア・メモリーズ版)。これもすばらしい演奏です。ところで、去年はやったWiiに乗っかる、のだめカンタービレのソフト(バンダイ)が年末に出て、衝動買いしました。指揮ができるのですよ。

 Wii自体、小生のゲームへの偏見を簡単に吹き飛ばしました。Wiiスポーツすばらしい。とくにテニス。かなりの運動になります。反射神経トレーニングにもなります。明らかに中高年をターゲットにしています。

 指揮の話にもどりますと、年末年始、なんとか練習の甲斐があり、ベートーベンの3番、7番、9番、ブラームス1番あたりはさまになってきましたが、ラフマニノフのピアノコンチエルトの伴奏とか、こうもり序曲などは、まだ曲がぐちゃぐちゃになります。家内が「まあパパの指揮をしながら歩く姿を見た人がつくったソフトみたい」などとのたまわっておりました。山田先生、是非お持ちでなければ、任天堂のWii本体ともどもご購入ください。今年の年末のご業績表がさらに倍増されること請け合いと存じます。

  その他の皆様、一年、Wiiスポーツなどをなさって、運動不足を解消して、健やかにおすごしください。

 私はもう(の)だめ、でこざいます。はい。

◇ 年末の御挨拶

No.6055

 とうとう大晦日になってしまいました。
 この一年、当ゼミに御支援・御協力を頂いたみなさまに心から御礼を申し上げます。
 また、来年も宜しくお願い申しあげます。

 ゼミメンバーのみなさんも、ありがとうございました。本当はゼミ旅行など、もっと積極的な活動を展開したかったのですが、いきくつくところ私自身の体力不足が原因で御期待にこたえることが出来ず申し訳なく思っております。
 また、ゼミ創設時からのメンバーにとっては、個々の研究や教育活動でお忙しく、とてもゼミに参加する余裕がないし、魅力も感じなくなっているという段階だと思います。一方、新しいメンバーにも加わってもらいたい。過渡的な時期を迎えているわけです。
 共同研究や『紫苑』をうまく活用しながら、充実した形で過渡→発展を継続していきたいと考えているのですが、当方の非力は御承知の通りです。宜しく御協力のほど、お願い申しあげる次第です。

 すでに、研究者の方たちのブログには、この一年の成果が掲出されたりしています。とくに、山田邦和先生のそれ(http://heike.cocolog-nifty.com/kanwa/参照)は「研究者の鏡」とでもいうべきものだと思います。この上に、他大学への出講も含めた授業と学内の委員会に関する仕事があるわけですから。
 もとより、研究者としての「旬」を迎えられた山田先生と、耄碌した私を比較するのは無謀な話なのですが、この一年を振り返って研究面で達成感を感じるのは、やはり『源氏と坂東武士』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー)の刊行で、8月には生駒孝臣さんによる書評会も開いていただきました。このところ、坂東武士の研究からは、やや遠ざかっていたのですが、この本の執筆と9月の日本史研究会例会報告、12月の茨城大学におけるシンポジウムで報告の機会を与えていただいたこともあって、新たな展望を見出すことが出来ました。前者は元木泰雄先生の御教導の賜物、後者では高橋修先生に大変お世話になりました。
 ほかに、季刊として再スタートした『古代文化』の最新号(59-3)に、「閑院内裏と『武家』」という拙文を発表させていただきました。これは、科研費による研究成果の一部です。中世前期の都市京都に対して、外からの視点で取り組む作業は、これからも継続していきたいと思います。ちなみに、この『古代文化』には、当ゼミのメンバーである岩田慎平君が研究ノート「武士発生史上の院宮王臣家・諸司-富豪層との関連について-」(59-1)、山岡瞳さんが書評「美川圭著『院政-もう一つの天皇制-』」(59-2)を発表されました。
 峰岸純夫・入間田宣夫・白根靖大編『中世武家系図の史料論 上巻』( 高志書院)に収録していただいた「千葉氏系図の中の上総氏」は、35年以上も前に書いた卒業論文の一部をベースにしたもので、自らの遅々たる歩みを思い知らされました。
 個人での見学ですが、特に興味深かったのは2月の神奈川県裾野市の大畑遺跡と3月の埼玉県嵐山町の大蔵館跡周辺の史跡(平沢寺など)です。また、12月の茨大シンポの翌日、岩田君・長村君とともに茨城大院生の前川辰徳さんの御案内で那珂川沿いの史跡を見学したことは記憶に新しいところです。これが、本年唯一のゼミ旅行になるのかも知れません。

 まだ、年度の途中ですが、少しばかり、この一年を振り返らせていただきました。
 みなさま、よいお年をお迎え下さい。

【追記】
 本日、東京学芸大学の木村茂光先生より、御高論「戸田芳実氏と在地領主制論」(『歴史評論』662)・「藤原実遠の所領とその経営-私営田領主論の再検討-」(木村茂光編『日本中世の権力と地域社会』吉川弘文館)・「富士巻狩りの政治史」(『沼津市史研究』16)を御恵送いただきました。
 とりわけ、「富士巻狩りの政治史」は、中世戦記研究会の輪読の際に参考にさせていただけそうで、グッドタイミングな頂戴物ものとなりました。
 木村先生に、あつく御礼を申し上げます。

◇ 中世戦記研究会例会のお知らせ

No.6048

  日時:2008年1月27日(日)13:30~18:00

  場所:千代田区立九段中等教育学校(旧都立九段高校)
  
  輪読:『真名本曾我物語』巻八 野口実氏

  研究発表:鈴木啓子氏「『平家物語』における徳大寺実定説話 ―左大将就任をめぐって― 」

         生駒孝臣氏「治承・寿永内乱期の渡辺党(仮)」

  ※ 巻八は各地に展開した東国武士のリストのような内容ですので、輪読をお引き受けいたしました。個々の武士の系譜や存在形態を説明するようなことになると思いますが、準備はこれからです。報告内容について何かアドバイスをいただけたら幸いです。
 今回の報告テーマは、いずれも当ゼミメンバーの専攻領域に深く関係するものだと思いますので、ふるって御出席下さい(すでに、鎌倉見学とセットにして旅行計画を立てている方もいます)。
 また、関東で武士論を専攻されている方にとっては、畿内武士研究の第一線におられる生駒孝臣氏の御報告は、大いに有益なものと存じます。
 いずれも、御出席の場合は、当方にお知らせください。事務局に連絡して了解をいただきます。(自由参加の研究会ではありません)。

 なお、私は28日に入試業務の説明会があるため、当日京都に戻る予定です。

来年の『吾妻鏡』

No.6052

 今年も残すところあと僅かとなりました。今年はみなさんにとってどのような一年でしたか。良かったことも良くなかったことも、全て来年以降に向けての糧となればいいですね。
 さて、次回の『吾妻鏡』は新年の開催となります。

 日時:2008年1月21日(月)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』貞永元年十一月九日、十三日、十六日、二十八日、二十九日、十二月五日、二十三日、二十四日、二十九日の各条
 (※掲出した範囲以外に「これは」という条文があれば、随時お知らせ下さい。)

 なお、1月7日(月)は13:00が『紫苑』の原稿締切ですので、執筆者のみなさんは遅れないように気を付けましょう(私も気を付けます)。

年頭の行事

No.6053

 岩田君、ありがとうございました。

 『紫苑』の原稿、年度予算による定期刊行物であり、また、この時期の編集作業は本当に大変ですので、宜しくお願いいたします。
 すでに、編集者に迷惑をかけないようにと、わざわざ研究室に図版を持参してくれた執筆者もおられます。見習いたいものです。

 ともあれ、『紫苑』が原因で「私怨」が発生しないことを祈るばかりです(笑)。

 新年、京都女子大の授業開始は15日ですが、7日は『紫苑』の原稿を持ってこられるメンバーも多いと思いますので、午後のティータイムに、新年の方針などについて相談できればと考えています。新日吉神社に参詣という提案もありましたね。
 なお、大学コンソーシアムの講義「平安~鎌倉時代の京都」は8日から行います。

 ☆ 平泉郷土館の千葉信胤先生より、御高論「平泉余話 その民俗を知る手がかりとして」(『アジア遊学』102)および、主に菅江真澄と平泉に関連した御講演記録などの資料を御恵送いただきました。
 千葉先生に、あつく御礼を申し上げます。

 それにしても、ゼミの「平泉遠征」は、いつになったら実現できることやら?

仕事納めのない年末

No.6054

 今年を一日あまりしかのこさない段階に立ち至って、ようやく少しばかり日常から解放され、いつもよりちょっと冷めた頭で考えてみると、積み残した仕事の量はあまりに大きく、「今年度末」という当面の終点までの時間の不足を厳しく感じているところです。
 目下、承久の乱に関する文章をまとめています。

 ☆ 鶴見大学の関幸彦先生より、11月に開催された「第7回韓・日歴史家會議」で報告された御高論「「武威」と「征夷」-東国王権の可能性をさぐる-」を御恵送いただきました。
 関先生にあつく御礼を申し上げます。
 なお、関先生と共編の『入門吾妻鏡』(吉川弘文館)ですが、刊行予定は来年5月頃になるとのことです。

「業務の分担から見た鎌倉幕府」

No.6045

 新しい「鎌倉幕府論」構築の先駆けとなる報告。
 多くの方々の御参集をお待ちするものです。

 日時  :12月24日(月)16:00~ 
 場所  :京都女子大学L校舎3F宗教・文化研究所共同研究室
 報告者 :岩田慎平(関西学院大学大学院研究員,京都女子大学宗教・文化研究所共同研究員)
 報告内容:「業務の分担から見た鎌倉幕府-頼家・実朝将軍期の検討-」
 参考文献:黒田俊雄「鎌倉幕府論覚書」『日本史研究』70、1964年(のちに、『日本中世の国家と宗教』岩波書店、1975年 に収録),岩田慎平「草創期鎌倉幕府研究の一視点―奉行人を中心に―」『紫苑』4、2006年。

 ※ 『吾妻鏡』講読会は15:30までと致します。

 【書評会の企画について】
 以前、話の出ていた髙橋昌明『平清盛 福原の夢』(講談社選書メチエ)の書評会ですが、来春にも実現をはかりたいと思います。そこでまず、自薦・他薦を問わず、報告者を求めたいと思いますので、よろしくお願い致します(複数での分担という形でもよいと思います)。 

「千里の道も一歩から!」

No.6047

 クリスマス。
 幼稚園(千葉教会附属幼稚園→今はありません)の時(すでに半世紀以上も前)、学芸会で、まだ元気だった曾祖母(江戸時代・慶応年間の生まれ)の杖を借りて「羊飼い」の役を演じたことを思い出します。

 昨日は、岩田君、『吾妻鏡』と御報告、おつかれさまでした。
 伊藤さんのお誕生日に近いこととクリスマス・イブの開催ということで、岩田君はいつものスタバのコーヒーに加えて、わさわざ立派なバースデー兼クリスマス・ケーキを用意してくれました。こんなサービスの良い報告者の前例を知りません。
 研究会においては、報告者がこのような暖かい心を示すことで、論旨と関係のない揚げ足取りのイジメないしはストレス発散に類するような質問を抑止する効果が期待できるかも知れません。
 また、小野さんのお持ちいただいたプリンも美味しくいただきました。青木さんの甘春堂のお菓子(「焼き栗」?)、伊藤さんのカントリー・マアムもありがとうございました。

 岩田君の報告ですが、黒田俊雄氏の権門体制論における鎌倉幕府の評価を、実証的に裏付けたものとして受け取ることの出来る内容でした。役割分担以前に、実質的な幕府運営の担い手が京都出身者・関係者で占められていたことを史料に即して具体的に明らかにされただけでも高く評価されるものと思いました。岩田君には、正月の日本史研究会中世史部会報告に向けてさらに御精進下さるようにお願いいたします。

 さて、知り合いの裕福で健康にも恵まれた幸せな皆様方は、海外旅行にクリスマス・ディナショー、あるいは○△スペシャル公演やら、と楽しい年末をお過ごしのようですが、財力も時間も体力もない当方といたしましては、のこされた僅かばかりの気力をふりしぼりながら、ひたすら負債返済のための作業(?)に取り組んでおります。本日、不本意な出来ながら二年越しの原稿を一つ片付けたところです。
 「千里の道も一歩から!」。

 ☆ 過日の茨大シンポで御一緒させていただいた古河第二高校の内山俊身先生より、御高論「征夷事業における軍事物資輸送について-関東の二大河川水系の問題から-」(『茨城県歴史館報』25)と『総和町史 通史編 原始・古代・中世』における御執筆部分のコピーを御恵送いただきました。ともに、私のこれからの研究に裨益するところ大。
 内山先生にあつく御礼を申し上げます。

 ※ 昨日届いた『日本史研究』544号の「部会ニュース」欄に、本年5月に開かれた卒論報告会(日本史研究会・大阪歴史学会共催)で発表された報告の要旨と討論の概要が掲載されています。
 当ゼミ関係者の報告としては、目下、ゼミ機関誌『紫苑』編集長として奮闘している山岡瞳さん(現、京大院生)の「『侍長』小考-院政期を中心に-」と、しばらく『吾妻鏡』講読会に参加していた鍛冶利雄君(現、京都府立大院生)の「醍醐寺三宝院領の研究-正長二年安堵目録をめぐって-」がありますので、御紹介いたします。

日本史研究会中世史部会で岩田君報告

No.6049

  日本史研究会中世史部会のご案内〈1月〉

  1月15日(火)18:30~ 機関紙会館3F
  岩田慎平氏「頼家・実朝将軍期における鎌倉幕府の運営形態について」
  《参考文献》
   黒田俊雄「鎌倉幕府論覚書」(『日本史研究』70、1964年。『黒田俊雄著作集第一巻 権門体制論』(法蔵館、1994年)に再録)

おそまつでした

No.6050

 >野口先生、ご出席のみなさん
 先日はお祭りムードの日にわざわざ私の拙い報告を聞いて頂きまして、ありがとうございました。頂戴した貴重なご意見から学ばせていただき、更なる精進に励みたいと思います。

 ところで昨日(12/25)はバイトをしておりましたが、どうもフランス人らしき観光客の方が大勢ご来店でした。ツアー客のみなさんなのかもしれませんが、彼の国の方々は昨今の日本国内の「クリスマスムード」をどのようにご覧になったのか、ちょっと気になるところです(もちろんフランス語は話せないので尋ねてみることもできませんでしたが)。

 本年も『吾妻鏡』の講読会や公開講座、例会、その他の催しにて、野口先生には格別の御高配を賜りました。篤く御礼申し上げますとともに、来年も何卒よろしくお願い申し上げます。ちなみに、私の幼稚園(奈良市立平城幼稚園)での学芸会のときは、「あなたたちはだれ」(←おまえこそ誰やねん、と思わないではない)という台詞を何人かで唱えるうちの一人、という役だったように記憶しています。何の劇で、どういう役だったのかも全く憶えていないのですが。

 また、今年の『吾妻鏡』の講読会は全日程を終了しました。来年も一月から開催してまいりたいと思いますので「何か新しいことをはじめよう」とお考えの方は、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。新年の予定はまた随時当掲示板にてご案内致します。

明けましておめでとうございます。

鍜治 利雄
No.6059

新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

先月24日は参加できずに、申し訳ありませんでした。
今月15日の部会は、授業が延びなければ、参加できそうです。
当日は、よろしくお願いします。


≫野口 実先生
ご紹介に与り、光栄です。ありがとうございます。

研究が進むにつれ、修正したい点が多々出てきまして、本当に拙い
論考になってしまいましたが、大目に見ていただければ幸いです。

『古代文化』第59巻第3号の刊行案内

No.6042

 季刊として再スタートした『古代文化』の第59巻第3号が刊行されました。
 内容は以下のとおりです。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 國下多美樹:長岡宮城と二つの内裏
 飯塚 武司:農耕社会移行期の木工における技術継承と革新
 古市  晃:四月・七月斎会の史的意義―七世紀倭王権の統合論理と仏教―
 古藤 真平:延喜式部式拠才叙位条について
 野口  実:閑院内裏と『武家』
 徳留 大輔:中国初期王朝期二里頭時代淮河支流域の土器動態から見た地域間関係
        
 〈研究ノート〉鈴木 忠司:岩宿時代の台石とその意義について―植物食をめぐる基礎的研究―
 〈研究ノート〉若松 博恵:三品神話学の再検討―その異伝研究方法論の成立背景と発展的継承―
 〈研究ノート〉馬場理恵子:劉音欠の災異解釈に関する一試論
 〈研究ノート〉江谷 寛:ポンペイ出土のカメオガラス
 〈註 釈〉植村真知子:『御堂関白記』(222)
 〈書 評〉森部 豊:森安孝夫著『シルクロードと唐帝国―唐代聴政制度の展開―』
 〈新刊紹介〉豊田 裕明:松本保宣著『唐王朝の宮城と御前会議』
 〈図版解説〉引原茂治・竹原一彦:最近の京都府内の発掘調査事例
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 拙稿「閑院内裏と『武家』」は科学研究費による研究成果に基づくものです。ゼミメンバーで読んでやろうという方には抜刷を差し上げますので、お申し出下さい(但し、抜刷は28日以降に届きますから、お渡しできるのはお正月以降になります)。

紫苑6号の締切。

No.6040

 今日の台記研究会、お疲れ様でした。

>紫苑執筆者の皆さま
 今年も残すところあと僅かとなりましたね。
 紫苑の原稿の進み具合はいかがでしょうか。
 ご連絡が遅くなりましたが、紫苑の原稿提出期限は、
      締切:1月7日(月)13:00
      場所:京都女子大学宗教・文化研究所共同研究室
 と致しますので、共同研究室に直接お持ちいただくか、もしくは、↑名前にありますアドレスまで添付ファイルで送信してください。
 よろしくお願い致します。 

研究紀要の校正もよろしく。

No.6041

 研究紀要の再校が出ました。執筆者(佐伯君・田中さん・大原さん)には、即、お渡しないしは送付いたしましたので、期日厳守にてよろしくお願いいたします。正月の期間ですので、必ず拙宅宛に返送してください。

 昨日は京女文学部の卒論提出締め切り日。前日から史学科の学生さんが何人か、提出の報告に来てくれました。お疲れ様でした。
 小野さんは、院試もあって大変でしょうが、『紫苑』原稿の執筆、もう一頑張りしてください。

 24日(月)で当ゼミの今年の活動は大団円を迎えます。
 岩田君の報告はとても楽しみです。あたらしい「鎌倉幕府論」がここから構築されていくのではないかと、私はひそかに期待するところがあるからです。
 多くの方たちの御参集を期待するところです。

 ☆ 新宿歴史博物館の今野慶信先生より、御高論「関東御祈祷所について」掲載の多摩地域史研究会編『シンポジウム 幻の真慈悲寺を追う』および、今野先生御執筆の諸資料を御恵送いただきました。
 最近、関東の博物館では中世史関係のイベントが目白押しのようですね。
 今野先生にあつく御礼を申し上げます。

(財)古代學協會のHP開設

No.6037

(財)古代學協會のHPがupされました。『古代文化』の投稿規定など、ここで確認できます。
   →http://www.kodaibunka.com

 昨日の例会、まさに「還ってきた山本君」の感あり。
 出席の面々からの指摘を活かして、修論の完成まで、もう一頑張りです。

 『吾妻鏡』の講読会では、岩田君が鎌倉将軍御所の侍所について、文献史学の立場から鋭い切り込みを入れました。こちらは、建築史専攻の満田さんとの共同研究の実現を期待したいところです。

 伊藤さんのマスカットティー、岩田君のコーヒー、ともにとても美味しくいただきました。

 >美川先生  2003年夏、ゼミメンバーとともに、「熊野」参詣に供奉させていただいたことが、懐かしく思い出されます。
 あの時、学部生だった人のうち、かなりの部分が現在「院生」です。
 あの旅行でも、私は胃腸の具合が悪く、太田「胃散」を飲んでおりました。

Re: (財)古代學協會のHP開設

No.6038

 野口先生。熊野参詣懐かしいですね。なんだか、この数年で忙しさがましています。また野口ゼミといっしょに旅行したいです。

 自己宣伝ですが、

 『文藝春秋』最新号で、茨城大学の磯田道史先生が、拙著『院政』を、
 「語り下し日本史「必読の百冊」」としてとりあげていただいています。
 近世史の専門家が読んでいただいているのに喜ぶとともに、
 もっと他に読むべき本があるのに、とも。汗顔ものです。
 でも、何はともあれ、うれしいです。

年末の『吾妻鏡』

No.6039

 月曜日の例会では山本さんにご報告いただきました。山本さん、ありがとうございます。お体を気遣いつつ、無事に修論をご提出されますことを。

 さて17日の『吾妻鏡』の時間は私が遅刻してしまったために開始が遅れてしまいました。すみません。来週は祝日でなおかつクリスマスイブという日なのですが、顰蹙を顧みずに、開催致します。
 日時:12月24日(月)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』貞永元年九月一日、十一日、二十八日、閏九月一日、四日、五日、六日、八日、十七日、十八日、二十一日、十月二日、五日、二十二日、十一月九日、十三日、十六日、二十八日、二十九日、十二月五日、二十三日、二十四日、二十九日の各条
 (※掲出した範囲以外に「これは」という条文があれば、随時お知らせ下さい。)

 ついでに例会ということで報告もさせていただきます。当日特に予定がないという方(できれば、予定のある方もお時間の許す限り)はご出席いただけると幸いです。
 日時  :12月24日(月)16:00~(予定) 
 場所  :京都女子大学L校舎3F宗教・文化研究所共同研究室
 報告者 :岩田慎平
 報告内容:「業務の分担から見た鎌倉幕府-頼家・実朝将軍期の検討-」
 参考文献:黒田俊雄「鎌倉幕府論覚書」『日本史研究』70、1964年。など