◇ 年末の御挨拶
No.6055
とうとう大晦日になってしまいました。
この一年、当ゼミに御支援・御協力を頂いたみなさまに心から御礼を申し上げます。
また、来年も宜しくお願い申しあげます。
ゼミメンバーのみなさんも、ありがとうございました。本当はゼミ旅行など、もっと積極的な活動を展開したかったのですが、いきくつくところ私自身の体力不足が原因で御期待にこたえることが出来ず申し訳なく思っております。
また、ゼミ創設時からのメンバーにとっては、個々の研究や教育活動でお忙しく、とてもゼミに参加する余裕がないし、魅力も感じなくなっているという段階だと思います。一方、新しいメンバーにも加わってもらいたい。過渡的な時期を迎えているわけです。
共同研究や『紫苑』をうまく活用しながら、充実した形で過渡→発展を継続していきたいと考えているのですが、当方の非力は御承知の通りです。宜しく御協力のほど、お願い申しあげる次第です。
すでに、研究者の方たちのブログには、この一年の成果が掲出されたりしています。とくに、山田邦和先生のそれ(http://heike.cocolog-nifty.com/kanwa/参照)は「研究者の鏡」とでもいうべきものだと思います。この上に、他大学への出講も含めた授業と学内の委員会に関する仕事があるわけですから。
もとより、研究者としての「旬」を迎えられた山田先生と、耄碌した私を比較するのは無謀な話なのですが、この一年を振り返って研究面で達成感を感じるのは、やはり『源氏と坂東武士』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー)の刊行で、8月には生駒孝臣さんによる書評会も開いていただきました。このところ、坂東武士の研究からは、やや遠ざかっていたのですが、この本の執筆と9月の日本史研究会例会報告、12月の茨城大学におけるシンポジウムで報告の機会を与えていただいたこともあって、新たな展望を見出すことが出来ました。前者は元木泰雄先生の御教導の賜物、後者では高橋修先生に大変お世話になりました。
ほかに、季刊として再スタートした『古代文化』の最新号(59-3)に、「閑院内裏と『武家』」という拙文を発表させていただきました。これは、科研費による研究成果の一部です。中世前期の都市京都に対して、外からの視点で取り組む作業は、これからも継続していきたいと思います。ちなみに、この『古代文化』には、当ゼミのメンバーである岩田慎平君が研究ノート「武士発生史上の院宮王臣家・諸司-富豪層との関連について-」(59-1)、山岡瞳さんが書評「美川圭著『院政-もう一つの天皇制-』」(59-2)を発表されました。
峰岸純夫・入間田宣夫・白根靖大編『中世武家系図の史料論 上巻』( 高志書院)に収録していただいた「千葉氏系図の中の上総氏」は、35年以上も前に書いた卒業論文の一部をベースにしたもので、自らの遅々たる歩みを思い知らされました。
個人での見学ですが、特に興味深かったのは2月の神奈川県裾野市の大畑遺跡と3月の埼玉県嵐山町の大蔵館跡周辺の史跡(平沢寺など)です。また、12月の茨大シンポの翌日、岩田君・長村君とともに茨城大院生の前川辰徳さんの御案内で那珂川沿いの史跡を見学したことは記憶に新しいところです。これが、本年唯一のゼミ旅行になるのかも知れません。
まだ、年度の途中ですが、少しばかり、この一年を振り返らせていただきました。
みなさま、よいお年をお迎え下さい。
【追記】
本日、東京学芸大学の木村茂光先生より、御高論「戸田芳実氏と在地領主制論」(『歴史評論』662)・「藤原実遠の所領とその経営-私営田領主論の再検討-」(木村茂光編『日本中世の権力と地域社会』吉川弘文館)・「富士巻狩りの政治史」(『沼津市史研究』16)を御恵送いただきました。
とりわけ、「富士巻狩りの政治史」は、中世戦記研究会の輪読の際に参考にさせていただけそうで、グッドタイミングな頂戴物ものとなりました。
木村先生に、あつく御礼を申し上げます。
この一年、当ゼミに御支援・御協力を頂いたみなさまに心から御礼を申し上げます。
また、来年も宜しくお願い申しあげます。
ゼミメンバーのみなさんも、ありがとうございました。本当はゼミ旅行など、もっと積極的な活動を展開したかったのですが、いきくつくところ私自身の体力不足が原因で御期待にこたえることが出来ず申し訳なく思っております。
また、ゼミ創設時からのメンバーにとっては、個々の研究や教育活動でお忙しく、とてもゼミに参加する余裕がないし、魅力も感じなくなっているという段階だと思います。一方、新しいメンバーにも加わってもらいたい。過渡的な時期を迎えているわけです。
共同研究や『紫苑』をうまく活用しながら、充実した形で過渡→発展を継続していきたいと考えているのですが、当方の非力は御承知の通りです。宜しく御協力のほど、お願い申しあげる次第です。
すでに、研究者の方たちのブログには、この一年の成果が掲出されたりしています。とくに、山田邦和先生のそれ(http://heike.cocolog-nifty.com/kanwa/参照)は「研究者の鏡」とでもいうべきものだと思います。この上に、他大学への出講も含めた授業と学内の委員会に関する仕事があるわけですから。
もとより、研究者としての「旬」を迎えられた山田先生と、耄碌した私を比較するのは無謀な話なのですが、この一年を振り返って研究面で達成感を感じるのは、やはり『源氏と坂東武士』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー)の刊行で、8月には生駒孝臣さんによる書評会も開いていただきました。このところ、坂東武士の研究からは、やや遠ざかっていたのですが、この本の執筆と9月の日本史研究会例会報告、12月の茨城大学におけるシンポジウムで報告の機会を与えていただいたこともあって、新たな展望を見出すことが出来ました。前者は元木泰雄先生の御教導の賜物、後者では高橋修先生に大変お世話になりました。
ほかに、季刊として再スタートした『古代文化』の最新号(59-3)に、「閑院内裏と『武家』」という拙文を発表させていただきました。これは、科研費による研究成果の一部です。中世前期の都市京都に対して、外からの視点で取り組む作業は、これからも継続していきたいと思います。ちなみに、この『古代文化』には、当ゼミのメンバーである岩田慎平君が研究ノート「武士発生史上の院宮王臣家・諸司-富豪層との関連について-」(59-1)、山岡瞳さんが書評「美川圭著『院政-もう一つの天皇制-』」(59-2)を発表されました。
峰岸純夫・入間田宣夫・白根靖大編『中世武家系図の史料論 上巻』( 高志書院)に収録していただいた「千葉氏系図の中の上総氏」は、35年以上も前に書いた卒業論文の一部をベースにしたもので、自らの遅々たる歩みを思い知らされました。
個人での見学ですが、特に興味深かったのは2月の神奈川県裾野市の大畑遺跡と3月の埼玉県嵐山町の大蔵館跡周辺の史跡(平沢寺など)です。また、12月の茨大シンポの翌日、岩田君・長村君とともに茨城大院生の前川辰徳さんの御案内で那珂川沿いの史跡を見学したことは記憶に新しいところです。これが、本年唯一のゼミ旅行になるのかも知れません。
まだ、年度の途中ですが、少しばかり、この一年を振り返らせていただきました。
みなさま、よいお年をお迎え下さい。
【追記】
本日、東京学芸大学の木村茂光先生より、御高論「戸田芳実氏と在地領主制論」(『歴史評論』662)・「藤原実遠の所領とその経営-私営田領主論の再検討-」(木村茂光編『日本中世の権力と地域社会』吉川弘文館)・「富士巻狩りの政治史」(『沼津市史研究』16)を御恵送いただきました。
とりわけ、「富士巻狩りの政治史」は、中世戦記研究会の輪読の際に参考にさせていただけそうで、グッドタイミングな頂戴物ものとなりました。
木村先生に、あつく御礼を申し上げます。