元木先生、安芸厳島社に立つ。

No.5927

 本日夜8時からNHK総合で放送される「探検ロマン世界遺産」のテーマは安芸厳島神社。厳島神社といえば平清盛、平清盛といえば元木泰雄先生、というわけで、元木先生が御出演のはずです。
   http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/card/cardr091.html 参照のこと。

 遠方から京都府庁の近くにお出かけの予定の方は録画の御用意が必要だと思います。

いま清盛と日本史研究会例会。

No.5928

 深夜にいたって、録画を拝見。
 清盛自身がみずからの厳島社殿造営の意図を語っているかのように思えたのは、私だけではないでしょう。
 宮島対岸にある厳島社の外宮にあたる地御前社が取り上げられなかったのが残念でしたが、これは世界遺産の対象外だからなのでしょうか。
 地御前社については http://www.enjoy.ne.jp/~yamahid1/ohanashi62.htmを参照。
 ただ、対岸に江波という地名のあることを知ったのは収穫。これは江波さんの名字の地だと思うのですが如何?

 日本史研究会の例会。気をつけてはいたのですが、いざ始まってしまうと贅言を弄すること多く、時間をオーバー。体調のこともあって、御迷惑をおかけいたしました。ただ、司会者の御配慮で討論の時間に補足させていただいたので、何とか意は尽くすことが出来たのではないかと思います。
 元木先生のコメントによって、「研究」としての位置づけをしていただいたこと、例によって大変ありがたく存じました。そして、感激したのは、上横手雅敬先生がお出で下さり、最後に貴重な御意見をいただくことができたこと。私はこの例会報告を自らの研究生活の一つの区切りのように考えておりましたので、大変うれしく、光栄に思いました。
 ご発言を頂いた美川先生・山田先生・大村先生をはじめとする研究者の方々、ご参会の皆様、企画運営を担当された研究委員のお二人にあつく御礼を申し上げます。
 なお、懇親会では、気持ちが緩んでいろいろ申し上げましたが、例のごとくお忘れ下さいますように(笑)。

 ☆ 樋口州男先生・錦昭江先生の御連名で、ことばの中世史研究会編『「鎌倉遺文」にみる中世のことば辞典』(東京堂出版)を御恵送いただきました。
 事例とともに参考文献もかがけられていて、これは史料の読解に、とても重宝しそうです。中世前期を専攻する院生・学部生はもとより研究者も必携。
 樋口先生・錦先生にあつく御礼申しあげます。

 ★ 平成20年度共同研究の参加について、御返信を頂いていない現共同研究員の方、早急に御連絡をお願いいたします。

お疲れ様でした

No.5929

 野口先生、29日はお疲れ様でした。
 圧倒的な事例によって、憶測で築かれてきた通説を根底的に否定された、まさに重厚なご報告でした。
 幕府成立史、さらに幕府の意義の再検討が不可欠になったと思います。
 当方も、武士政権、幕府成立史を検討する上で、大きな指針を得たように思われました。ご報告に準備段階も含め、立ち合わせていただいたことに心より感謝申し上げます。有難うございました。
 それにもかかわらず、何とも不十分なコメントで大変失礼しました。申しなく存じます。
 幕府成立に関する部分、やや冷静さを失してしまい、端折ってしまったのでわかりにくくなってしまったと思います。幕府に関して、「王権」との関係を説く方々がおられるのですが、一部の方はあまりに京の王権と幕府を結びつけ、また一部の方は幕府の独自性を「王権」と評価されるておられます。
 前者の場合には、東国における自力救済と調停を通して形成された幕府の相対的な自立をあまりに軽視しているし、後者の場合は本来幕府も依存してきた京の「王権」と、幕府の権力との相違・差異を見落としている、その克服という点で、野口先生のご報告は有意義であるといったことを申すつもりでした。
 この場を借りて申し添えさせていただきます。

●『探検ロマン世界遺産』
 テレビ出演の件、スポットコマーシャルみたいなものですね。おまけに早口で、何を言ってるのかわからないとばかり、字幕つきでございました(笑)。
 当初はレポーターの方との会話の形式だったのですが、話が弾ます、切れたディレクター氏が自ら矢継ぎ早に質問され、こちらもテンションが上ってきた段階でしたので、余計に早口と相成りました。
 もっともその応答もかなり食い違った部分もありまして・・・・
ディレクター氏「平氏政権が続けば、鎌倉時代とまったく異なる、海に開かれた国家になっていたのですね?」
当方「鎌倉時代も、朝廷では西園寺家が中心になって大規模な貿易をしていたし、幕府も貿易に関与しておりました。歴史には必然性がありますから、そんなに違わなかったのではないかと思います。」
D氏「でも、朝廷を挙げた国家貿易なら違ったのでは?」
元木「政治次元の交流に発展した可能性はありますね。でもそうなったら蒙古のもっと激 しい攻撃を受けたかも・・・」
D氏「・・・・・」(困惑と怒りで絶句)
元木「いやあ、これだから歴史家の話は面白くありませんね。この点が面白おかしい話を断定的に話される小説家と違うところですよ」(フォローにもならず、ただ苦笑)
 今度こそ、NHKから二度とお呼びはかからないでしょうね。
 冗談はともかく、レポーターも含め、スタッフの方々は、1ヶ月以上にわたり、厳島に滞在し、弥山の山頂に立てこもったり、社殿が最も美しく波に映える瞬間を追い、神事の展開を取材していたわけで、当方のように一日だけ参加したものはあの程度の出番になるのも当然かなと思います。ちなみにレポーターの岡田さんは、その間ずっと同じ柄の服を着て同じ髪型で通していたようです。なにごとによらずプロは大変です。
 
● 近藤好和先生上洛情報
 来る10月23日火曜日、近藤好和先生が上洛されます。
 18時半より、先生ごひいきの西木屋町蛸薬師の「大漁」という魚料理店で懇親会です。
先生のごひいきということですから、ヴォリュームは推して知るべし(恐るべし)、ですね。
 そこには先生の写真・サインが飾られているそうです。
 これに関して、先ほど井上満郎先生より、「魔除けではないのか」とのご指摘を頂きました。
 参加ご希望の方は、幹事の山岡さんまで、よろしくお願いします。

Re: 元木先生、安芸厳島社に立つ。

No.5930

 野口先生のご講演も拝聴できず、元木先生のテレビ出演も見逃した、魔除けの近藤です。

 さて、大漁は、じつは私の知り合いのパワーリフティング関係者の馴染みの店で、先日、はじめて行ったときに、パワー関係者であることを告げると、色紙へのサインと写真をねだられました。店内に飾られているかどうかは定かではありません。それはともかく大漁は、新鮮で美味い魚を安く食べられる所です。刺身を中心にメニュー品目は200を越えるでしょうし、そのなかで値段も1000円を超えるものはほとんどありません。確か鱧の刺身(刺身です!)が900円ではなかったかと思います。店内も広く、大人数でも大丈夫です。

 ちなみに翌日の24日は、午前中は春日大社の武具展、午後は京都に戻って京博の狩野永徳展を見に行きます。同行したい方はご連絡下さい。

 では、山岡さん、お手数ですが、幹事よろしくお願いいたします。まずはメールをいただけませんか?

懇親会のご案内。

No.5932

>近藤先生
 御無沙汰をしております。
 今回、幹事をさせていただくことになりました。
 何卒よろしくお願いいたします。
 先程は、早速にもお返事いただき、ありがとうございました。
 お魚は大好きですので、「大漁」楽しみにしております。
 
 懇親会に参加ご希望の方は山岡までご連絡ください。
↑の名前には大学PCのアドレスを入れておきましたが、山岡の携帯電話アドレスをご 存知の方は携帯までご連絡下さい。
 来週月曜日(10月8日)までにご連絡いただければ幸いです。
 
 

『古代文化』第59巻第2号が出ました。

No.5926

 九月になって、涼しくなれば体調も整い、仕事も捗ることだろうと期待していたのですが、連日の猛暑で逆に体調は崩れ、仕事は増える一方といった有様。月末締切に音を上げているところに、さらに来年度に向けての書類が押し寄せてきました。

 しかし一方、関係者のなみなみならぬ御努力によって、困難を克服して着々と前進しているものもあります。その一つが季刊として再スタートした『古代文化』。本日、第59巻第2号が届きました。
 今号の日本文献史学関係の論文として特筆すべきは、巻頭を飾った山下克明「陰陽道の成立と儒教的理念の衰退」です。当該ジャンルの第一人者による、陰陽道に関する重要な指摘に満ちた大変な力作。江波さんは必読ですよ。
 そして、〈書評〉山岡瞳「美川圭著『院政-もう一つの天皇制-』」も掲載されています。前号の岩田君に続いて、山岡さんも学会誌にデビューされたというわけです。
 蛇足ながら、次号には拙稿「閑院内裏と「武家」」が掲載される予定。これは、科学研究費補助金による研究課題「閑院内裏の政治史的研究」の成果発表の一環です。
 なお、本日届いた『古代文化』の「書棚」の欄には、拙著『源氏と坂東武士』(吉川弘文館 歴史文化ライブラリー234)を取り上げていただきました。短文ながら、著者の意図を的確に汲み取っていただいた内容で、こういう紹介に接すると、執筆のし甲斐があったと、嬉しい気持ちになります。

 昨日の『台記』研究会では、元木先生、美川先生をはじめ、御出席の方々から貴重なコメントを頂き、ありがとうございました。

たくさんの文献・資料をいただきました。

No.5925

 京都もようやく、長い夏を脱したような気配です。
 国立歴史民俗博物館の高橋一樹先生より、先生の関係された企画展の図録、歴博の刊行物や、御高論所収の論文集、御編著など、たくさんの貴重な文献・資料を御恵送いただきました。

 ・歴博企画展図録『西のみやこ 東のみやこ-描かれた中・近世都市-』
 ・『歴博』第142号(特集 湯屋・風呂屋)
 ・高橋一樹編『歴史研究の最前線Vol.8 史料の新しい可能性をさぐる』(総研大 日本歴史研究専攻・国立歴史民俗博物館)
  ・柳原敏昭・飯村均編『御館の時代』高志書院(総論として高橋先生の「城氏の権力構造と越後・南奥羽」を収録)
 ・矢田俊文・新潟県立歴史博物館編『新潟大学大域プロジェクト研究資料叢刊Ⅸ 越後文書 宝翰集 毛利安田氏文書』新潟大学
 ・矢田俊文・新潟県立歴史博物館編『越後文書宝翰集 古文書学入門』新潟大学人文学部地域文化連携センター

 高橋先生にあつく御礼申し上げます。

平成20年度共同研究員について

No.5922

 宇治をテーマにした研究を継続するために、来年度の研究所共同研究助成を申請したいと思います。現在、この共同研究に参加されている方で、来年度は辞退される意向の方は御連絡下さい。
 新規の参加については、当方より要請させていただく形を取りたいと思います。

 なお、継続して共同研究に参加されることを希望される方は、申請書作成のため、来年度の個々の研究の「概要」・「計画」・「方法」について、今月末までに当方の研究室あてにE・メールにてお知らせ下さいますように、お願いいたします(【情報処理】班は不要です)。間に合わない場合は、辞退扱いにせざるを得ないことになりますので、重ねて宜しくお願い申しあげます。

 ちなみに、本年度(平成19年度)の共同研究メンバー(研究所共同研究員)は、以下の方たちです(姓のみ・敬称略)。
 【文献史学】佐伯・岩田・佐藤・長村・辻・坂口・樋口
 【国文学】田中・雨野
 【考古学】大原
 【情報処理】鈴木・永富

次回の『吾妻鏡』

No.5924

 昨日は後期の再開後、最初の『吾妻鏡』でした。秋からも『吾妻鏡』講読会をどうぞよろしくお願いします。参加者随時募集中ですので、興味のある方はまずは見学からでもどうぞお気軽にご参加下さい。
 次回のご案内です。

 日時:10月1日(月)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』安貞三年(寛喜元年)正月十三日、十五日、二月二十日、二十一日、三月二十六日、九月四日、九日、十日、十七日、十月二十六日、十一月二十七日、十二月四日、十七日、二十九日の各条
 (※適宜休憩を挟みつつ、読めるところまで読んでいきましょう)

 なお、10月は1日、8日、15日、22日、29日と開催予定です。

◆それから、野口先生がご講演されます日本史研究会の九月例会につきまして、勝手ながら再度お知らせです。

        日本史研究会 九月例会
   「京都からみた東国武士の展開と鎌倉幕府の草創」

 近年の中世東国武士研究は、武士発生期以来の東国武士と京・王権との関わりに注目し、在地のみで完結しない東国武士の存在形態を明らかにした。しかし一方、鎌倉幕府に対する評価においては、京都と対立する側面のみをとらえて、公家の圧制に抵抗して成立した政権とする理解が未だに強く、それは東国国家論や二つの王権論の論拠となっているように思われる。そこで本例会では、承平・天慶の乱以後における東国武士の存在形態について、彼らが京都との間に構築した政治的な諸関係を踏まえて検証し、それを前提として鎌倉幕府成立の意義を再検討したい。

  日時:9月29日(土) 13:30~17:00
  場所:機関紙会館5階会議室(京都市上京区新町通丸太町上ル東側)
     (地下鉄丸太町駅下車2番出口より西へ徒歩五分、市バス府庁前下車すぐ)

  報告   :野口実氏(京都女子大学) 「東国武士と京都」
  コメント :元木泰雄氏(京都大学) 

後期開始・基礎演習Ⅰのコンパ。

No.5919

 本日、京都女子大学では、後期の講義が始まりました。私は、諸々の事情で終えるべき仕事を済ませないでいるうちに、とうとうこの段階を迎えてしまいました。御迷惑をおかけしている諸方には、お詫びを申し上げるばかりです。しかし、この暑さは夏本番のまま。何よりも先ず、体調の維持が肝要のようです(私は見事に失敗)。
 後期最初のイベントは、研究所ゼミのではなく、前期で終了した現代社会学部1回生の基礎演習Ⅰのコンパです。卒論ゼミでもないのに、履修期間の過ぎた後にコンパを開くというのは珍しいことだと思います。メンバーの結束の証でしょう。

 最近、うれしかったのは研究所ゼミメンバーのお一人が、治承・寿永内乱史研究において、大きく欠落していた重要なテーマについての、大変優れた論文をまとめられたことです。一年以内に公表されることになると思います。対象が対象なだけに、国文学の『平家物語』研究のみならず、市民一般の歴史認識にも大きなインパクトを与えることは必定。お楽しみに。

 ☆ 神奈川大学の鈴木彰先生より、御高論「斎宮歴史博物館蔵「源平盛衰記画巻」について」・「明治期の〈義経〉」収録の三重県立斎宮歴史博物館特別展『「ヒーロー伝説」-描き継がれる義経-』図録を御恵送いただきました。
 史実をはなれて伝説の中でヒーローとなっていく義経の物語。この展覧会の会期は9月15日~10月14日。国文の方たち(とくに伊藤さん)には必見の展覧会なのではないでしょうか。
 http://www.pref.mie.jp/saiku/HP/gyouji/h19gyouji/tokubetsuten.htm 参照。
 鈴木先生にあつく御礼を申し上げます。

>広島の尻池さん  先日は約束不履行となり、申し訳ありませんでした。再上洛されるまでには、立て直したいと思っております。

>出雲高校出身の伊藤さん  多伎町特産の美味しいイチジクを、たくさん、ありがとうございました。これで、健康を取り戻したいと思います。

>伊藤さん・小野さん  元木先生より、書評会の時の写真をお預かりしています。ついでのおりに、取りに来てください。

Re: 後期開始・基礎演習Ⅰのコンパ。

伊藤千春
No.5920

お久しぶりです。
出雲高校出身の伊藤です。
出雲でも暑い日が続いております。
私はといえば、イチジクの出荷もピークを少し過ぎ、それでも慌しい毎日です。
大学の生活にも少し慣れて参りましたので、そろそろ図書館の郷土資料に手が出てしまいそうです。
暑い日が続いておりますが、お体の方、ご自愛ください。

幸せな一日

No.5921

 少しばかり体調が悪くても、良いことが重なると幸せな気分に浸れるものです。今日(20日)はそんな一日でした。

 久しぶりに山内さんが来室。着実に前進中。広島からのお土産「もみじまんじゅう」をいただきました。これは、24日の『吾妻鏡』講読会で、大原さんから頂いた健康飲料・食品とともに供出の予定。お楽しみに。

 前期・基礎演習Ⅰのコンパ。わざわざ、安本さんと村松さんが会場前で待っていてくれたのに感激。そして、なにしろ、みんな楽しく賑やかで元気なのが嬉しい。全員が京都女子大に入って幸せだと言っている。そんな学生さんばかりの大学に勤務している私も、とても幸せです。ありがとう。

 そういえば、彼女たちは伊藤千春さんと同学年ではありませんか。伊藤さんも岡山大学で充実した学生生活を過ごされているとのこと。この世代にはとても期待が持てるように思います。

 前期・基礎演習Ⅰのメンバーとは、卒業するまで、これからも月に一回程度、定期的に会を催すことに相成りました。一人くらい、歴史で卒論を書いてくれるようにならないかなぁ、と思っております。

 ある筋からの情報によると、刊行直後に比べると、このところ低迷気味だった、拙著『源氏と坂東武士』(吉川弘文館・歴史文化ライブラリー)の売れ行きが、いきなり且つ急速に息を吹き返している由。何があったのでしょうか?

 >伊藤千春さん  今年のイチジクは大当たりのようで、とても美味しく。ほとんど私が一人占めして頂いてしまいました。本当に、ごちそうさまでした。
 岡山の方にメールを送らせていただきました。
 近いうちに、ぜひ京都に遊びにお出で下さい。 

平維良と平維茂

No.5917

 元木先生、昨日はありがとうございました。

☆ このところ 高志書院からシンポジウムの成果をまとめた論文集が精力的に刊行されていますが、その最新版である柳原敏昭・飯村均編『御館の時代』を編者の御連名で御恵送いただきました。
 「白河御館」と呼ばれた越後城氏、巨大な二重堀遺構の検出された陣ヶ峰城跡、源義経のもとで活躍した佐藤継信・忠信兄弟を生んだ信夫佐藤氏などをテーマにした論文がならび、興味津々の内容です。
 柳原先生・飯村先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ちなみに、越後城氏の祖は系図上、『今昔物語集』に登場し「余五将軍」の名でおなじみの平維茂なのですが、この維茂は一次史料にはまったくあらわれない。大学院生の頃、これを不審に思っていろいろ調べてみると、どうやら鎮守府将軍になった平維良に同定できそうだということになりました。
 当時、立正大学におられた桃裕行先生のもとで『小右記』の講読会が開かれており、それに参加させていただいていた私は、先生との雑談の中で、この話を申し上げたところ、先生も以前からそのように考えておられたとのこと。あわせて、その傍証となる近世の地誌などもお教えいただいたのです。それに力づけられて一気に執筆したのが、本書の総論(高橋一樹「城氏の権力構造と越後・南奥羽」」)でもとりあげていただいている「平維茂と平維良」(『史友』10,のち『中世東国武士団の研究』に収録)です。
 論文の掲載誌を桃先生に差し上げたところ、たいへん喜んでくださったことが思い出されます。
 桃先生は、ちょっとした事実関係について質問しても、「そのことは『大日本史料』の第何編のいくつの何頁に載っていますよ」と仰って、即座に書棚から取り出してその頁を開いて下さるという、たいへんな碩学でいらっしゃいました。
 
☆ 京都市埋蔵文化財研究所の上村和直先生から、御高論「平安京の変容と「京都」の成立」(『都城 古代のシンボリズム 飛鳥から平安京へ』青木書店)ならびに「平安宮の衰微」(京都市埋蔵文化財研究所『研究紀要』10)を御恵送いただきました。後者に掲載されている白河・宇治・法住寺殿などの地図は、考古学の最新の知見によるものとして貴重です。
 上村先生にあつく御礼を申し上げます。  

>田中さん 紀要原稿の註の件、宜しくお願いいたします。

【追記】拙著『坂東武士団の成立と発展』、早稲田の古本屋さんに出ているとのことです。

院試の季節

No.5914

 かつて、九月は「恋の季節」などといわれておりましたが、このところの異常気象で、昨今は如何なものなのでしょうか。
 さて、今年も当ゼミメンバーの何人かが各地の大学院の秋期入試にチャレンジします。
 ふだんの実力を発揮してくれることを祈るのみです。しっかりやってきて下さい。
 試験を通過すれば、目標に近づける立場というのは幸せだと思います。

 ところで、夏の暑さでパワー不足を感じているゼミメンバーに朗報です。一昨日、拙宅に見えた共同研究員の大原さんが、栄養ドリンクとコラーゲンウエハースをたくさん寄進して下さいました。さすがは考古学!!研究室にて先着順にどうぞ。

 宇治共同研究の紀要掲載分の原稿は、目下、整理中です。執筆者には表記の統一などで問い合わせが行くかも知れませんが、宜しくお願いいたします。

 私は例の例会報告や一年以上遅れの原稿やら・・・やらで、相変わらずの混乱状態を続けております。ひとつひとつ片付けているのですが、三つ四つずつ、まとめて新しい仕事が入ってきます。同世代の親友たちもみんな同じ状況のようです。
 50代のおとうさんを大切に!

後期からの『吾妻鏡』と、日本史研究会九月例会

No.5915

 九月が「恋の季節」というのは、なんとなくわかるような気がします。が、季節の変わり目につき、どうかみなさまご体調にはお気を付けを。

◆さて、二ヶ月近く中断しておりました『吾妻鏡』の講読会も、ぼちぼち再開致します。

 日時:9月24日(月)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』安貞二年七月二十四日、二十九日、九月二十日、十月七日、八日、十四日、十八日、十九日、十二月三日、四日、二十九日、
         安貞三年(寛喜元年)正月十三日、十五日、二十七日、二月二十日、二十一日、三月二十六日、
  (※適宜休憩を挟みつつ、読めるところまで読んでいきましょう)

 当日は振り替え休日となるのですが、京都女子大は通常通り授業の行われる日であるということですので、開催日とさせていただきました。普段はお仕事などでなかなかゼミにはお出でになれないみなさんも、この機会にぜひともお運び下さい。

◆それから、野口先生がご講演されます日本史研究会の九月例会につきまして、勝手ながらお知らせです。

        日本史研究会 九月例会
   「京都からみた東国武士の展開と鎌倉幕府の草創」

 近年の中世東国武士研究は、武士発生期以来の東国武士と京・王権との関わりに注目し、在地のみで完結しない東国武士の存在形態を明らかにした。しかし一方、鎌倉幕府に対する評価においては、京都と対立する側面のみをとらえて、公家の圧制に抵抗して成立した政権とする理解が未だに強く、それは東国国家論や二つの王権論の論拠となっているように思われる。そこで本例会では、承平・天慶の乱以後における東国武士の存在形態について、彼らが京都との間に構築した政治的な諸関係を踏まえて検証し、それを前提として鎌倉幕府成立の意義を再検討したい。

  日時:9月29日(土) 13:30~17:00
  場所:機関紙会館5階会議室(京都市上京区新町通丸太町上ル東側)
     (地下鉄丸太町駅下車2番出口より西へ徒歩五分、市バス府庁前下車すぐ)

  報告   :野口実氏(京都女子大学) 「東国武士と京都」
  コメント :元木泰雄氏(京都大学)

『吾妻鏡事典』と『入門吾妻鏡』

No.5918

 岩田君からの御案内にもあったように、24日はふだん参加できないメンバーも、時間が空いていたら是非御参集下さい。
 (ついでに、岩田君、昨日は梨をありがとうございました。)

 ところで、『吾妻鏡』といえば、葛飾区郷土と天文の博物館の谷口榮先生より、佐藤和彦・谷口榮編『吾妻鏡事典』(東京堂出版)を御恵送いただきました。講読会で活用させていただきたいと思います。
 谷口先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ちなみに、実は、目下、鶴見大学の関幸彦先生と私の共編で『入門吾妻鏡』という本の刊行準備が進められています(出版社は吉川弘文館)。私の担当は、人名と系図で、その執筆は、岩田君をチーフとして当ゼミに所属する日本中世史専攻の院DC生を主体とする方たちにお願いしています。『吾妻鏡事典』に対して、強烈な主体性が主張できるものになるか、完成が楽しみです。

☆ 立命館大学の松本郁代先生より、御高論「室町期における「鎮護国家」の社会的展開-「洛中洛外」と鴨河原をめぐって-」(『巡礼記研究』第四集)を御恵送いただきました。
 松本先生にあつく御礼を申し上げます。

☆ 広島大学の下向井龍彦先生より、御高論「徒歩の実資、乗車の実資-『小右記』長和二年二月十二日条から-」(『日本歴史』712)を御恵送いただきました。車にばかり乗って、運動不足の私には身につまされる内容。京女に至る「女坂」も「路遠甚苦々々」なのであります。
 下向井先生にあつく御礼を申し上げます。

『伝説の将軍 藤原秀郷』第二刷刊行。

No.5911

 >>No.5821でお知らせした拙著『伝説の将軍 藤原秀郷』第二刷が出来上がり(奥付の発行日は十月一日です)、先ほど手もとに届きました。
 ゼミのみなさんに御指摘いただいた初版の誤植(>>No.5836)が完璧に訂正されていて、著者として胸のつかえがとれたような気持ちです。

 古書は一般に初版本に高値がつけられるようですが、それはモノとしての話で、研究書の場合は中味が問題ですから、誤植訂正済みの版に価値があります。
 この本は歴史学以外の、特に中世の軍記や説話文学を専攻されている国文の方たちにも御高覧いただければ有り難いと思っています。
 御批判・御叱正をいただければ更に幸いとするところです。
 なお、出版元は吉川弘文館、定価は本体2,300円+税です。

『中世武家系図の史料論』刊行の御紹介

No.5913

 もうひとつ、拙文掲載の論文集が刊行されますので、これも紹介させていただきます。
 私が紅顔?の「鼻持ちならない」歴史少年だった頃、心をときめかせていたのは、一に系図、二に中世城郭、三に中世の五輪塔でした(相当な変わり者です)。
 しかし、本格的に歴史の研究に参入してみると、文献史料の中で系図ほど厄介な史料はないということに気づかされたものです。しかし、しっかりと史料批判を行えば、多くの情報が引き出されることは確か。また、国文学のジャンルに於いても、軍記や説話研究の対象として重要だと思います。
 2年ほど前のことでしょうか。下記の論集へ執筆の御依頼を頂きました。それでなくても、執筆遅延の原稿をたくさん抱えている中で、お引き受けするのを一瞬躊躇したのですが、少年時代の「系図」への熱き情熱を思い起こし、大昔に書いた卒論の付論をベースにして何とかまとめ上げたのが拙文です。そういう次第で、拙文は中味の薄い内容ですが、諸先生方の御高論には興味津々なテーマが多く、刊行が大変楽しみです。

 峰岸純夫・入間田宣夫・白根靖大編『中世武家系図の史料論』上・下巻
【上巻】
日奉氏小川系図                         峰岸純夫(元・中央大学)
横山氏系図と源氏将軍伝承                    川合康(東京都立大学)
鎌倉期成立の「結城系図」二本に関する基礎的考察    市村高男(高知大学)
藤原南家武智麿四男乙麻呂流鎌倉御家人の系図     今野慶信(新宿歴史博物館)  
三浦氏系図にみる家の創造神話                高橋秀樹(文部科学省)
千葉氏系図の中の上総氏                    野口実(京都女子大学)
薩摩国阿多郡地頭鮫島氏系譜考               柳原敏昭(東北大学)
系図の裏面にさぐる中世武士団の成立過程         入間田宣夫(東北芸術工科大学)
【下巻】
中世古系図に見る公家と武家                 白根靖大(中央大学)
『玉燭宝典』紙背文書中の那須系図をめぐって        江田郁夫(宇都宮北高校)
留守氏と「奥州余目記録」                    七海雅人(東北学院大学)
武田氏系図の成立                        西川広平(山梨県立博物館)
秋田県公文書館所蔵「古本佐竹系図」に関する一考察  佐々木倫朗(松江市歴史資料館)
山内上杉氏・越後守護上杉氏の系図と系譜          片桐昭彦(練馬区教育委員会)
相馬中村藩の系図編纂について                岡田清一(東北福祉大学)
戸沢氏系図の成立と中世の戸沢氏              金子拓(東京大学史料編纂所)
 (上巻 定価4200円,下巻 定価5250円 税込)
 10月10日、 高志書院より刊行の由。

土佐日記と紫式部日記

No.5903

 土佐日記、面白く読ませていただきました。
特に一条氏のこと。いずれ戦国期の下向公家のことを考えてみたいと思っていますので、勉強になりました。高知には、私も何年か前に、鎌倉仏教研究会で初めて行きましたが、山中で台風と遭遇、大変スリル万点の旅となり、その印象ばかりが強くて、見学したものをあまり覚えていない有様で、またじっくり廻りたいと思っております。

 以下、紫式部とあまり関係ないのですが、私のゼミの女性4人に、家司のごとく私と野口君がお供して、石山参詣を果たしました。 

 初日は、四条河原町に出て、建仁寺から六道珍皇寺を経て、清水坂に入り(そこで四葉のタクシーを発見)、清水寺まで行かず、途中で北へ降り(いのだの支店で休憩)、八坂の塔に寄りました。たまたまなのか、塔の中が見れるということで(二層までですが)、久しぶりに五重塔の中を登り、心柱の構造など直に見ることができました。
 そこから六波羅蜜寺に行き、清盛公にごあいさつ(女性陣は、どちらかというと、髪の毛をつかんだ地蔵様の方に驚いていました)、宮川筋を北上、花見小路を通って、団栗橋を渡り、「フランソワ」で休憩(夕食前ですが、チーズケーキが美味しいと召されてました)、高島屋で買い物して、京阪で西院に行き、そこからタクシーで仁和寺に辿り着きました。
 2日は、天候が心配されましたが(明け方、雷と激しい雨)、幸い持ちそうでしたので、当初の予定通り、京都駅から石山寺へ。恥ずかしながら、小生は行ったことがなく、前々から行きたいと思っていたのですが、今回やっと果たせました。
 JR石山駅を降りると、とにかく涼しく助かりました。
 石山寺は、長谷寺のように急斜面なところかと思っていましたが、石段も多くなく、これなら女房衆でも大丈夫と納得。本堂の「源氏の間」のレプリカは、式部が暇な時、受付のアルバイトをしているかの印象で、ほほえましいですね。
 山上の「豊浄殿」で紫式部展をやっていました。あまり期待せず入ったのですが、さすが石山寺、直接式部に関係するものばかりではないものの、いいものが並んでいました(拝観料200円です)。古い式部像は、暗い色調のうえに剥落があることもあって、原稿に行き詰って煩悶している女流作家の鬼気のようなものが感じられ、面白かったです。
 見終わって出てくると、20人くらいの学生(ほとんど女子学生)を連れた同業者の方とすれ違い、明後日の自分の姿を想像し、おかしいやら、一方でやれやれご苦労様という思いにかられました。今年は4年生が20人と多いので、4日より、院生とは別に仁和寺に卒論の合宿に参ります。初日と最終日の見学、どこに連れて行こうか、思い悩みます。
 昼過ぎ、浜大津で昼食、その後、久しぶりに三井寺を訪ね、その広大さを実感しました。しかし、観音堂からの琵琶湖の眺めが、高層マンションに遮られており、残念ですね。
 今年も野口君の名ガイドもあって、充実した合宿でした(まだ半分だけですが)。
 

「飲む」と言えばお茶

No.5904

 松薗先生、お久しぶりです。先日の公開講座ではお世話になりました。まだまだ(本日は特に)暑い京都へようこそおいでになりました。松薗先生と野口くんが「家司」役とは、なんとも贅沢なご参詣だったのですね。
 土曜日の東山周辺はかなりの人混みで、ご見学なさるのも一苦労ではなかったでしょうか。イノダやフランソワにお立ち寄りでいらっしゃったことから察しますと、みなさんずいぶんお茶好きのようですね。宇治にも良いお店がありますから、宇治市内をご見学の折には、どうぞいちどご利用下さい。

 こちらのゼミでは、明日・明後日と長村くんの主催による勉強会(「日蓮遺文紙背文書」)ですから、参加者(私も含めて)はその準備のため自宅や図書館に「参籠中」かと思います。先生のゼミのみなさんも準備に大わらわでしょうか。みなさん実りある合宿となりますように。

 
 

中山法華経寺所蔵日蓮遺文紙背文書

No.5905

 松薗先生、京都は猛暑のままですから、史跡見学にさいしては、ときどきの御休息、最善のことと存じます。野口君が御活躍とのこと、嬉しい限りです。

 こちらは京都にいながら、京都を歩かず、引き籠もりの毎日です。しかし、本日開始の史料講読会は、たいへん充実した内容で、当たり前のことのようですが、みんなで史料に取り組むと、得られるものは一人よりも遥かに大きいことを実感させられました。
 なお、鞆の浦(広島県)に旅行された辻君から、美味しいお土産を頂きました。ありがとうございました。
 ちょうど、辻君がお見えになる直前に、広島の尻池さんから近況報告のメールが届きました。壱岐で開かれたサマーセミナーで鹿児島の永山先生とお目にかかった由。列島規模で張りめくらされたネットワークは着々と拡大し、再生産されているようです。

 ☆ 本日、大阪工大の大村拓生先生より御高論「都市史における一四世紀の位置」(『日本史研究』540)・「中世前期の高野参詣と宿所」(『密教文化』218)・「書評 松薗斉著『王朝日記論』」(『史学雑誌』116-7)を御恵送いただきました。
 大村先生にあつく御礼を申し上げます。

 史料講読会、明日も楽しみましょう!

Re: 土佐日記と紫式部日記

No.5909

 夕方、京都からもどりました。20人を引き連れての合宿はさすがに大変でしたが、何とか楽しんでもらえたようです。男子9人・女子10人で、メンバーが多いと、ラグビー部の猛者から可憐なお嬢さんまで、キャラクターがいろいろで、最後の打ち上げも異常に盛り上がり(御室会館の他のお客様、すみません)、私自身も楽しみました。
 初日の午後の見学は、野口君に教わった嵐電の一日乗車券を買い(20枚購入したので、帷子ノ辻の駅員さんが苦労してました)、嵯峨野界隈を散策。
 今日の午前中は、青蓮院を訪ねました。なかなかすてきなお庭ですね。間一髪、女子高生(学生たちに言わせると、J・Kだそうですが。私が、J・Kって「授業来てない」の略じゃないの、といったら苦笑いしてました)の大集団とかち合わず、静かに楽しめました。
 お昼は、修学旅行生よろしく、新京極をうろついて、お昼を取り解散。私は一人「ラ・フォーレ」に立ち寄り、台風でとまりかけた新幹線(初めて700系に乗れました)で名古屋にもどりました。蒸し暑さと寝不足で(昨日2時ごろ寝て、今日朝6時の勤行に出たためです)、さすがにくたびれました。

松薗先生、お疲れ様でした。

No.5910

 松薗先生、無事にお帰りの由、祝着に存じます。
 それにしても、京都は連日の猛暑で、さぞかしお疲れのことと思います。
 たしかに、若い学生さんたちとのコミュニケーションは歳を重ねるにつれて難しくなりますね。自分の子どもの世代までは何とかなるのですが、それより下になると、時に「異星人との遭遇」の如きことになりかねません。もっとも、○○君のように、「若いのに何でこんなことを知っているんだ、本当は同世代なのではないのか」、と思わせるような人もおられないことはありませんが。

 当ゼミの史料講読会は、充実した都合10時間をもって終了。佐賀県小城町・小城町教育委員会による『肥前千葉氏シンポジウム 小京都小城のルーツをさぐる 肥前千葉氏と小京都小城-歴史資産を活かしたまちづくり- 講演録』(2003年)に掲載された1999年10月の小城町立歴史資料館開館記念講演会における故石井進先生の講演記録がたいへん役に立ちました。
 この講演記録は、『千葉県の歴史 資料編』収録の中山法華経寺所蔵日蓮遺文紙背文書の一部について、釈文の訂正が行われるなど、とても貴重な資料だと思います。

☆ 神奈川県立金沢文庫の永井晋先生より、埼玉県春日部市郷土資料館夏季展示「中世の武士~春日部氏と浜川戸遺跡~」図録と春日部氏教育委員会文化財保護課編『春日部市文化財マップ』を御恵送いただきました。
 永井先生にあつく御礼を申し上げます。

『延慶本平家物語全注釈』第二本 拝受

No.5902

 佐伯真一先生・平藤幸先生・大橋直義先生・菱沼一憲先生の御連名で、延慶本注釈の会編『延慶本平家物語全注釈 第二本(巻三)』(汲古書院)を御恵送いただきました。
 内乱期を研究対象にしている歴史研究者の一人として、この注釈の刊行によって、恩恵を蒙らせていただくこと多大なものがあります。
 それに致しましても、軍記を研究されている方たちの、地道にして精力的な取り組みには、いつも感心させられます。
 四人の先生方に、あつく御礼を申し上げます。

 『吾妻鏡』についても、国文学(とくに『平家物語』)の研究者が、正面から研究対象として取り上げてくださることを期待しております。