京大総合博物館のおばちゃん

No.5801

昨日、近藤好和先生とのコンパで、例の山科西野山古墓出土品が話題になり、
その展示が今日までというので、京大総合博物館に行ってきました。
ここは元京大文学部博物館といい、10年前?理科系も入って、
全学の博物館として、現在の体制になったようです。
なんだか、ほとんど入場料を払った覚えがなく、
それが、大学院やらODやらに長くいたり、医療短期大学部の非常勤を数年前、
改組で医学部になるまで勤めていたり、あるいは卒業生であるせいかと、
とにかく、入り口窓口の年配の女性に、小声で、
「以前、卒業生は無料だったような気がするのですが」
と遠慮がちに尋ねてみました。ところが、その女性はまったくでかい声で、
「そんなことは断じてありません。無料になるのは現役の教職員と学生だけです」
と叫んだのです。私は、まるで不正を咎められたように、萎縮。
早々に隣の自動販売機に千円札をねじこみました。
ところが、隣の自動販売機で、券を購入しようとしていた女性が、
「私、職員ですから、無料なんですね」と叫んだ。
そうすると、窓口のおばちゃん(ともう言っちゃおう)が、
「そうですよ、間違えて券を買わないように」と言ったのです。
なんだか、とても後味が悪く、だんだん腹がたってきました。
これ、なんだか、理不尽だと思いませんか。
ちなみに、案内パンフレットやホームページにも、
教職員や学生は無料とは書いていないのです。
百歩譲って、私の申し出が、400円の入場料を倹約しようとする
せこい企てであったとしても、あの大声は、納得いきません。
しばらくは、母校とはいえ、あの博物館には行きたくありません。

http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/indexj.html

京大の宝の出し惜しみ展

No.5803

なんとも、納得がいかない気分なので、少々冷静に怒りの根源を分析してみました。

他の大学も、最近、いろいろ博物館を設立していますが、東大をはじめとして、
入場料無料のところが、はるかに多数派のようなのです。
私大でも、早稲田の演劇博物館など、無料の所が多い。

市民に開かれた大学をアピールするよい機会ですし、
できるだけ、ふらっと市民に来てもらって、
ショップでその分、大学グッズのお買い物をしてくれれば、
収益にもなるし、宣伝にもなるし、なんてことなのでしょう。

ところが、400円とられると、もうショップに寄る気にはならなくなります。
しかも、入り口で、部内者へのなんだかわからないあからさまな優遇をみせつけられると、とくにです。
しっかり、あのおばちゃんは、市民に閉じられた大学をアピールしていますよね。

そもそも、1986年に文学部博物館新館ができたとき前後に、
図録作りやその他に、ある程度協力したはずなのです。
あの窓口のおばちゃんは、協力者なのでしょうか。
他の博物館でも、関係者に特別展で、招待券などを送ってくれます。
京大でも、まったく無関係な部署の職員までが無料というのは、よく理由がわかりません。
運営や展示に関係している職員が無料なのはよいと思うのですが。

総合博物館十周年記念 京大の至宝 ー蘇る宝たちー
などという企画展ですが、京大には、さらにいろいろ貴重な収蔵品が、
あることを知っている私としては、なんとも解せません。
目玉は新聞報道のされた西野山古墓関係資料だけですが、
これが坂上田村麻呂の墓、というので、行ってみると、それとの関係の
解説はまったくなく、がっかりさせられます。
どうみても、文献と考古との確執でもあるのか、と疑われます。
一般の人は、もしかすると、どの展示品が、坂上田村麻呂の墓、のものなのか、
わからない人もいると思います。はっきりいって、不親切です。
まあ、あの企画展で、400円は高すぎる。せいぜい、150円でしょう。

総合博物館創設十周年記念 京大の宝の出し惜しみ展 とでもするべきでしょう。

あの程度の展示は、常設展とすべきです。
そして、少なくとも常設展は無料とすべきです。

なんだか、独法化の良くない面、もうけなければならないが、職員の意識は変わらない、
が露呈している施設という印象を強く持ちました。

文学部博物館として発足しながら、
けっきょく危惧されていたように「ひさしを貸して母屋をとられ」
実態は科学館になったのかなあ。
思い入れがあるだけに残念なことです。
京大文学部は衰退しつつあるのかな、と思うと寂しい限りです。

ゼミ旅行参加募集中。

No.5800

佐伯です、こんばんは。
9月1日・2日のゼミ旅行の件ですが、ただいま参加者大募集中です。
福山も鞆の浦も尾道もとってもいいところですので、ぜひぜひふるってご参加下さいませ。
ご案内のチラシ・メールに書きましたとおり、さしあたっては9日(月)を締め切りに考えています。
ご参加お待ちしております。よろしくお願いしま~す。m(_ _)m

『研究所だより』第45号が出ました。

No.5798

 本日、『京都女子大学 宗教・文化研究所だより』第45号(平成19年7月5日(木)発行)が、印刷された発行日どおりに刊行されました。

 この号には、昨秋開催された公開講座『天下人と京都』の講演要旨が掲載されています。すなわち、
 
 瀬田勝哉「秀吉が伐らせた木-東山大仏殿材木と富士山-」

 野口 実「頼朝の六波羅邸-鎌倉幕府と都市京都-」

の2本です。
 また、本年度の研究員研究助成の「研究計画」、また昨年度の事業報告中の研究助成の中に「摂関家の空間における政治と文化(中世前期の宇治に関する総合的研究Ⅰ)」の「研究協力者」(「研究協力者」は研究所共同研究員の中に位置づけられます)一覧が掲げられておりますので、関係者はご確認下さい。
 『研究所だより』は、宗教教育センターで配布されます。 

【追記】本日、入間田宣夫先生(東北芸術工科大学)・保立道久先生(東京大学史料編纂所)・七海雅人先生(東北学院大学)の連名で、入間田宣夫編『平泉・衣川と京・福原』( 高志書院)を御恵送いただきました。2006年6月24日に開催されたシンポジウム「日本史のなかの衣川遺跡群」における講演・報告をベースにした出版です。
 入間田先生の「衣川と平泉館」、保立先生の「義経・基成と衣川」、七海先生の「平泉藤原氏・源義経研究の新しい動向」など、興味深い論文が盛りだくさんです。
 入間田先生・保立先生・七海先生にあつく御礼を申し上げます。
 ちなみに、昨年の6月24日は、当方の公開講座「東山から発信する京都の歴史と文化 8」が開催された当日でありました。

『源氏と坂東武士』初版暫定正誤表

No.5797

 著者の校正ミスによるものです。

『源氏と坂東武士』(吉川弘文館歴史文化ライブラリー234)初版暫定正誤表

 p  3  6行目 「奉られる」→「たてまつられる」(用法が不統一なため)
 p 30 13行目 (誤)「これが一条天皇に」→(正)「これが後一条天皇に」
 p 32  5行目 (誤)「この時、一条天皇は」→(正)「この時、後一条天皇は」
  p 63   最終行 (誤)「清原清衡」→(正)「藤原清衡」
 p103  7行目 「御厩」のルビ(誤)「みうまや」→(正)「みまや」
 p104 13行目  (誤)「専仕」→(正)「専使」
 p121  6行目  「女院」のルビ (誤)「にょいん」→(正)「にょういん」
 p133 10行目 (誤)「千田・」→(正)「千田庄・」

【追加】
 p182 7行目 (誤)「相模山内庄」→(正)「相模国山内庄」
 p 92 6行目 (誤)「された、すなわち、長年御厨」→(正)「された。すなわち、長年、御厨」
 p 49   2行目 「公」のルビ(誤)「きみ」→(正)「きん」(他と不統一なため)

御恵送御礼。

No.5796

 本日もたくさんの御高著・御高論を御恵送いただきました。
 
 ☆ 奈良大学の河内将芳先生より、新刊の御高著『祇園祭と戦国京都』(角川叢書)を御恵送いただきました。祇園祭が冬に行われたことのあったことを初めて知りました。時宜にかなった御出版だと思います。
 河内先生に、あつく御礼を申し上げます。

 千葉県南房総市の早川正司さんより、御高著『房州誕生寺石造三層塔と九州千葉氏 伝日蓮聖人供養塔とその周辺』(青娥書房)を御恵送いただきました。定年退職を機に執筆に取りかかられた由の御労作。
 早川さんにあつく御礼を申し上げます。

 大阪市史料調査会の生駒孝臣先生より、御高論「天正本『太平記』の近江八重山蒲生野合戦について-軍記と系図の利用をめぐって-」(『史敏』3,2006年)・「中世前期の畿内武士と公家社会-鎌倉後期の摂河泉武士の事例を中心に-」(『ヒストリア』203)、「鎌倉期における摂津渡辺党と公家社会-渡辺党の内部構造の再検討を通じて-」(『年報中世史研究』31)を御恵送いただきました。
 渡辺党研究の最新最高の研究成果。畿内武士についておおいに学ばせていただきたいと思います。
 生駒先生にあつく御礼を申し上げます。

 東京都葛飾区立郷土と天文の博物館の谷口榮先生より、御高論「鎌倉武士と城館-吾妻鏡を素材として-」(『東京考古』25)を御恵送いただきました。考古学者による文献史料への果敢な取り組みです。
 谷口先生にあつく御礼を申し上げます。

朗報2件。

No.5795

その1。 長くお世話になっている編集者の方から、待望のポジション異動の御連絡。これはまさしく、「徳政」。
 「水を得た魚」のごとき御活躍を期待する次第。

その2。 拙著『源氏と坂東武士』を読了された中堅研究者の方々から、概ね肯定的な評価を頂戴していること。
 また、書評会を計画して下さっているという情報も。有り難し。

◆ ご注文いただいた拙著『源氏と坂東武士』ですが、本日(3日)に取りに来てくださった雨野さんをもって、研究室在庫分がゼロになりました。もし、注文したにもかかわらず、まだ受け取っていないという方がいらっしゃいましたら、当方までお知らせ下さい。

☆ 本日(3日)、前川佳代さんから、工藤雅樹・前川佳代・入間田宣夫・赤坂憲雄「【やまや文化フォーラム】“黄金都市”平泉-今あかされる中世都市の秘密-」掲載の『東北文化友の会会報 まんだら』30、中西望介さんから「川崎市域の中世の古道について」(『川崎市文化財調査収録』42)を御恵送いただきました。
 前川さん・中西さんにあつく御礼を申し上げます。

普及版第三巻の読み方-次回『吾妻鏡』-

No.5793

 本日も長時間にわたる『吾妻鏡』にお付き合い頂きまして、ありがとうございます。今日の範囲ではとりわけ、満田さんが自作の図を用いて方違の要・不要を説明して下さったところがとても勉強になりました(嘉禄三年六月十七日条)。それと同時に、幕府の記録としての『吾妻鏡』に対しても、大いに認識を改めさせられました。満田さん、ありがとうございます。今後もメンバーみなさんそれぞれの得意分野を、講読会に還元していきましょう。

 さて来週の『吾妻鏡』は以下のとおりです。
 日時:7月9日(月)13:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』嘉禄三年七月十二日、九月二十二日、十一月四日、十二月十四日
    安貞二年正月一日、十三日、十九日、二十九日、二月三日、四日、十三日、十九日、四月二十二日、二十六日、二十七日、五月七日、八日、十六日、二十二日、
  (※適宜休憩を挟みつつ、読めるところまで読んでいきましょう)

 尚、七月は九日・二十三日・三十日の開催を予定しております。
 吾妻鏡講読会は、貴重なお時間を割いて自主的にお集まりくださる参加者のみなさんによって支えられております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。新規メンバーは随時募集中ですから、まずは見学からでもお気軽にご参加下さい。

本日の『吾妻鏡』、明日の演習と講義。

No.5794

 本日の『吾妻鏡』講読会。建築史専攻の満田さんの存在が光りました。こういうところがキチンと分かると史料講読の意義は増大します。私自身、おおいに蒙を啓かれました。
 ぜひ、何らかの形での御発表を期待しております。

 また、岩田君には水無月をいただき、ありがとうございました。
 ゼミ旅行の案内のためにお出で下さった佐伯君にも御礼を申し上げます。

 さて、明日のⅢ講時の基礎演習Ⅰですが、森山さんが「CMの影響力」、安田さんが「老人虐待と孤立化」をテーマに報告される予定です。
 Ⅴ講時の総合教育科目は「中世社会の罪と罰」というお話し。「悪口罪」とか「死体損壊」について触れたいと思います。

出講・執筆分担・文書調査・ステレオetc.

No.5792

 土曜日は関東で「鎌倉幕府と「京都」」をテーマにお話しをさせていただく機会を得ました。
 熊谷隆之さんの六波羅探題に関する御研究や上横手雅敬先生が常々言われている「鎌倉時代史は鎌倉幕府史にあらず」ということを紹介・力説して参りました。やや、奇を衒うような話しぶりになってしまいましたが、もともと関東人である私が話したところに、意味と面白さを見出していただければ、これ幸いだと思っています。
 なお、いくつかの大きな本屋さんに立ち寄ったのですが、いずこにも拙著『源氏と坂東武士』は見つからず、置いていないのか、売れてしまったのか。後者ならば嬉しいのですが。
 こういう「観察」が本を出した後の楽しみです。
 ちなみに、ある日記ブログに、『源氏と坂東武士』を読了され、「なかなかに満足でした」という評を書いてくださった方がおられるとのこと。九州にお住まいの方のようだという情報ですが、ありがたいことであります。

 ○ 本と言えば、岩田君より『入門 吾妻鏡』の執筆分担の御報告をいただきました。人名項目を、山岡さんと山本君が15人程度、佐伯・坂口・長村・岩田の四君がそれぞれ35人程度ですが、専攻や諸事情を適切に踏まえた割り振りだと思います。執筆者の皆さんは宜しく執筆に取り掛かって頂きたいと思います。
 岩田君、御苦労様でした。

 ○ つぎは、寺院の文書調査に参加を希望された長村君・雨野さん・伊藤さんに。
 『醍醐寺聖教目録』(勉誠社)を御覧の上、拝見させていただきたい資料などありましたら、7月上旬までにお誘いいただいた先生に、直接御連絡下さるようにお願いいたします。

 ○ 松薗先生はフォン・カラヤンの全レコードを収集されている由。
 とするならば、レコードプレーヤーもお持ちのはず。
 当家には30年ほど前の4チャンネルステレオがリビングに鎮座しているのですが、動力伝達用のゴムベルトが劣化してしまい、機能しなくなっています。また、これと接続したカセットデッキも同様に動きません。
 この布張りスピーカーのステレオ(ビクター製)は、とても音質が良いので、ついに手放せないでいたものですし、また思い出深いレコード・カセットテープがこのままでは死蔵ということになってしまいます。
 どなたか、古いステレオやカセットデッキの修理を依頼できるところを御存知でしたら、お知らせいただければ幸いです。

 ● 先日、長野県のある高校から出張講義の御依頼をいただいたのですが、当方の都合が合わず、残念ながらお断りをせざるを得ない仕儀となり、申し訳なく存じております。
 期末の時期は、通常と時間設定が異なり、また研究上の所用も多く予定されますので、宜しくご了解いただきたく、お願い申しあげる次第です。

 ☆ 木村英一さんより、御高論「【書評】川合康著『鎌倉幕府成立史の研究』」(『ヒストリア』205)を御恵送いただきました。研究史にのこるような大著、しかも論文集の書評はとても大きなエネルギーを要するものです。
 木村さんにあつく御礼を申し上げます。
 ちなみに、私もお引き受けしたものの、なかなかハードルを越せない論文集が2冊あり、学会誌編集委員の方にたいへん御迷惑をお掛けしています。こういう状況は本当に憂鬱です。

Re: 出講・執筆分担・文書調査・ステレオetc.

No.5802

大阪にテクニカルオーディオというステレオ修理専門の会社があります。ホームページがありますよ。

オーディオセット.

No.5806

 >松薗先生
 御教示ありがとうございます。
 拙宅のオーディオセット(ビクター SSL-66MS)で問題なのは、レコードプレーヤーです。これについては、モーター回転を伝えるゴムベルトを交換すれば確実に直ると思いますので、探してみたいと思っています。
 なお、柳原先生からいただいた情報によれば、最近、レコードプレーヤーは新製品が作られているとのことですので、交換針(ST・LP DT-29)とともに見つかるだろうと思います。
 ステレオカセットデッキは、ビクター製の(KD-25SA ANRS)です。これについては、アンプに接続できれば(接続端子が同じなら)どんなものでも良いので、中古品を探したいと思っています。

『芬陀利華』第290号が出ました。

No.5788

 京都女子大学宗教部の広報誌『芬陀利華』に「傍らに人無きが若し」という奇妙なタイトルの拙文を書きました。これにも誤植があるかもしれず、それ以前に内容に問題があるかとも思われますが、御笑覧いただければ幸いです。京都女子大学の各校舎の入り口に置かれているはずです。なお、顔写真は『源氏と坂東武士』のカバーにあるものと同じものです。

 ☆ 京都文化博物館の横山和弘先生より、御高論「後宇多王権による空海「聖跡」の興隆-槇尾平等心王院我宝と土佐国室戸金剛頂寺・最御崎寺をめぐって-」(京都文化博物館研究紀要『朱雀』19)を御恵送いただきました。
 横山先生にあつく御礼を申し上げます。
 ちなみに、『朱雀』の名付け親は山田邦和先生です。

『源氏と坂東武士』の反省と訂正(2) 

No.5786

 P30 13行目 (誤)これが一条天皇に→(正)これが後一条天皇に
 p32  5行目 (誤)この時、一条天皇は→(正)この時、後一条天皇は

 ※ ちょっとヒドイ誤りですので、取り急ぎ訂正させていただきます。三校までさせていただいたのに、この有様です。