過分のお言葉有難うございます。
元木泰雄
No.5443
野口先生、ゼミ関係の皆様、今年もよろしくお願い申し上げます。
今年初めての書き込みです。何せ、「五十肩」以降、右肩に力が入らず、少し動かすと鋭い痛みが入る始末。すっかり滅入って、ものを書こうとする気力がなえてしまいました。情けない・・・
さらに、ネコの大喧嘩をとめに入って、右手首付近をざっくり引っかかれ、見る人が刃傷沙汰かと驚くほどの(というのはオーバーですが)傷跡ができてしまいました。誰かネコの喧嘩のとめ方を教えてくだされ・・・
そこに拙著は校正ミスのオンパレード。もう、回収したいくらいです。
というわけで、すっかり落ち込んでいる時に、このようなお言葉を頂くと、「地獄で仏」の気分です。
あちこち色々なミスがあると存じます。ご指摘いただければ幸いです。
つまらない本ですが、幕府は最初から強かったという固定観念を否定するところから議論を始めてみたのは、これまでにあまり見られなかった方法かと思います。
その根底には、結果論ではなく、その時代をリアルタイムで考えるべきであるという近年の政治史の見方があります。そのことを最初に痛感させてくださったのは、今はなき近代史家、高橋秀直先生でした。御著書『日清戦争への道』に結実する御論文の中で、日清戦争勃発の偶発性、思わぬ戦勝と日本の政治、思想の大きな変貌といったご指摘を拝見し、日本が明治維新以来一貫して帝国主義路線を歩んだといった見方がいかに非実証的な「結果論」だったのかを厳しく認識させられたことでした。
ちなみに先生は以前、私に対し「軍人は勝ったら政治的地位が上がるだけでなく、強大な権力を握るのに、なんで義経は滅んじゃったの?」と質問されました。
そのとき、どのように答えたのかは覚えていませんが、自分でも納得できる答えではなかったように思います。その一応の解答を提示したつもりですが、如何でしょうか。
治承寿永の内乱の問題で言えば、坂東を中心に在地の抗争を綿密に復元され、内乱は単なる源平の抗争ではなく武士団相互の厳しい対立の所産だったことを明らかにされた野口先生のお仕事なくして、新しい展望はなかったと思います。
また、同様に内乱と在地武士の行動を結び付けられ、さらに内乱という戦争状況が予想もできなかった幕府を築いたとされた川合康先生の一連のお仕事からも、大きな影響を受けました。
もちろん、執筆に際し、他にも多くの方々のお仕事に啓発されております。
この場をお借りして、厚く御礼を申し上げます。
書評会、糾弾集会になるかもしれませんが、首を洗ってお待ちしております。
今年初めての書き込みです。何せ、「五十肩」以降、右肩に力が入らず、少し動かすと鋭い痛みが入る始末。すっかり滅入って、ものを書こうとする気力がなえてしまいました。情けない・・・
さらに、ネコの大喧嘩をとめに入って、右手首付近をざっくり引っかかれ、見る人が刃傷沙汰かと驚くほどの(というのはオーバーですが)傷跡ができてしまいました。誰かネコの喧嘩のとめ方を教えてくだされ・・・
そこに拙著は校正ミスのオンパレード。もう、回収したいくらいです。
というわけで、すっかり落ち込んでいる時に、このようなお言葉を頂くと、「地獄で仏」の気分です。
あちこち色々なミスがあると存じます。ご指摘いただければ幸いです。
つまらない本ですが、幕府は最初から強かったという固定観念を否定するところから議論を始めてみたのは、これまでにあまり見られなかった方法かと思います。
その根底には、結果論ではなく、その時代をリアルタイムで考えるべきであるという近年の政治史の見方があります。そのことを最初に痛感させてくださったのは、今はなき近代史家、高橋秀直先生でした。御著書『日清戦争への道』に結実する御論文の中で、日清戦争勃発の偶発性、思わぬ戦勝と日本の政治、思想の大きな変貌といったご指摘を拝見し、日本が明治維新以来一貫して帝国主義路線を歩んだといった見方がいかに非実証的な「結果論」だったのかを厳しく認識させられたことでした。
ちなみに先生は以前、私に対し「軍人は勝ったら政治的地位が上がるだけでなく、強大な権力を握るのに、なんで義経は滅んじゃったの?」と質問されました。
そのとき、どのように答えたのかは覚えていませんが、自分でも納得できる答えではなかったように思います。その一応の解答を提示したつもりですが、如何でしょうか。
治承寿永の内乱の問題で言えば、坂東を中心に在地の抗争を綿密に復元され、内乱は単なる源平の抗争ではなく武士団相互の厳しい対立の所産だったことを明らかにされた野口先生のお仕事なくして、新しい展望はなかったと思います。
また、同様に内乱と在地武士の行動を結び付けられ、さらに内乱という戦争状況が予想もできなかった幕府を築いたとされた川合康先生の一連のお仕事からも、大きな影響を受けました。
もちろん、執筆に際し、他にも多くの方々のお仕事に啓発されております。
この場をお借りして、厚く御礼を申し上げます。
書評会、糾弾集会になるかもしれませんが、首を洗ってお待ちしております。