4日は卒論と承久の乱、5日は木曾義仲 

No.5229

 なんとか原稿一件送付いたしました。
 4回生のみなさんは如何でしょうか?4日(月)は岩田君が卒論指導をしてくれるとのことですから、せっかくの機会を有効にご活用下さい。『吾妻鏡』の開始時間は遅くなりますが、共同研究室はいつものように15時から開けておくようにしたいと思います。
 なお、岩田君のお手を煩わせた伊豆旅行のCD-ROMをまだ受け取っていない人(この旅行の参加者)は私の研究室まで取りにお出で下さい。

 『吾妻鏡』講読は承久の乱の部分にかかりましたので、ここしばらくの間は研究会レベルの議論が交わされることを期待しています。
 そのため、このあたりを専門に研究している方の参加を得やすいように開始時間を変更いたしました。4日は目下、後鳥羽の軍事編成について、私の知る限り現在もっとも積極的に且つ優れた発言をされている研究者の参加がかないました。
 修論で後鳥羽関連をテーマにしている方など、論点の整理によい機会だと思いますので、ゼミメンバー以外の方でも参加を歓迎するところです。

 昨日、久しぶりに山本君にお目にかかりました。史料と格闘中とのことです。近々のうちに研究報告をしていただきたいとお願いしておきました。

 >遠藤様  『紫苑』第4号は、今春刊行されたものです。お送りするのが遅くなり、申し訳ありません。

 5日の大学コンソーシアム(キャンパスプラザⅡ講時)の授業は、「木曾義仲の上洛」をテーマに致します。

【追記】本日、東京都立大学の川合康先生より御高論「鎌倉幕府研究の現状と課題」(『日本史研究』531)を御恵送いただきました。
 川合先生にあつく御礼を申し上げます。 

久々にお邪魔いたします

遠藤明子
No.5228

>野口先生
『紫苑』第4号の発行おめでとうございます。

本日先生の玉稿の抜き刷りとあわせて拝受しました。気にかけていただきありがとうございます。興味深いテーマの論文がたくさんあって、これから読むのが楽しみです。

何かと気ぜわしい年末、野口先生もゼミの皆様もどうぞつつがなくお過ごしください。

晩秋の京都、観光シーズンはまだ続くか?

No.5226

 本日(29日)は、元木先生の研究室で研究会があったので、京女・京大の間を往復いたしましたが、相も変わらず東大路は観光客で大にぎわいでした。

 研究会では美川先生の御報告をうかがい、自らの古文書学の勉強不足を痛感。それにしても、美川先生の取り上げられたような材料で古文書学が勉強できたら、これは面白い。血の通った学問というのは、こういうことなのだろうと実感させられるものがありました。

 一方、早くも勤務先『研究紀要』の初校ゲラが届きました。私にとっては、初のカラー写真入り(「論文」)ですが、例の如く執筆・校正の並行パターンです。

 ☆ 群馬県立歴史博物館の唐澤至朗先生から御高論「中世寺院をめぐる信仰-塚」(『季刊考古学』97)、立命館大学大学院の谷昇さんから御高論「承久の乱における後鳥羽上皇の寺社政策-「四箇神領」の創出と熊野・賀茂・石清水社-」(『立命館史学』27)を御恵送いただきました。あつく御礼を申し上げます。

来週の吾妻鏡

No.5227

 遅くなってしまい申し訳ありませんでした。次回の『吾妻鏡』の予定をお知らせします。開始時間に変更がありますのでお気をつけください。

  時間:12月4日(月)16:30~(予定)
  場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
  範囲:承久三年五月二十五日条~

 次回は諸般の事情により開始時間を一時間遅らせ、16:30からの開始と致します。ご了承ください。

 なお、岩田は当日は基本的に予定がありませんので、卒論等につきまして何かご用(誤字脱字のチェックなど)がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

>野口先生
 以上のように調整致しましたので、どうぞよろしくお願い致します。頼れる「助っ人」が来てくれるそうです。

『平家物語』公演無事終わりました

No.5225

『平家物語-語りの世界ー』大阪、京都公演は無事終えることができました。
野口先生、お越し頂いた学生の皆様、ありがとうございました。
京都はお天気もよく、着物姿の若いお客さまも来て頂き、観客席も華やかでした。
今日、明日は豊橋で能楽堂ではなく、市民文化会館での公演ですので、
雰囲気もかわるかと思います。
またなにか皆様に興味をもっていただけます作品を公演の時は、
御案内させていただきます。
ありがとうございました。

「締切間近」に晩秋の京から新刊のご紹介

No.5223

 >美川先生  『院政』再版の由、ご同慶の至りです。一般の読者には難解な部分もあろうかと思いますが、中世前期政治史に関する今日の研究水準を反映した最高の一般向けの書物として各層に受け入れられているのだと思います。そろそろ新聞の読書欄に登場しても然るべきだと思うのですが。

 さて、私はあと二日半。卒論執筆中の4回生のみなさんは、あと三週間ほどで、いよいよの締切です。しっかりやりましょう。
 もっとも、私は締切をとっくに過ぎてしまって御迷惑をおかけしている仕事が複数有りますから(こういう時に(汗)という記号を使うのでしょうか?)、当分は明日が締切のつもりで精進しなければ大方の指弾を受けることになるでしょう。

 つぎに、先般、お誘いを頂いた苦集滅路越えについて。
 日曜日に雨の中を決行されたとのことです(天候は主催者のお名前の故かも知れません)。ちなみに、『明月記』によれば、定家がここを歩いたのも雨の日だったので、絶好の?苦集滅路日和(?)ということになるのだそうです。
 「苦しみを集めて滅する(!)ことができたかは分かりませんが、頭の中で、初めて平安京と山科が、点ではなく線でつながり、ひいては平安京から東国への道の一つがつながりました」という御感想をいただきました。とても有意義な「実習」だったのだと思います。
 ちゃんとオチもついていて、「歩いて1日を経た現在、大変な筋肉痛という「苦」だけは、滅することも減じることもなく発生したことをお伝えしておきます…」
とのことでした。

 ☆ 愛知学院大学の福島金治先生より新刊の御高著『安達泰盛と鎌倉幕府-霜月騒動とその周辺』(有隣新書)を御恵送いただきました。さすがにあらゆる文献史料に通暁された著者の手になる本だけあって、たとえば藤九郎盛長に関係する事実についても、私には新発見が満載。『吾妻鏡』講読会の参加者には座右の書とすべき本だと思います。
 福島先生にあつくお礼を申し上げます。
 なお、有隣新書にはほかにも、恩師貫達人先生監修の『実朝と波多野』をはじめ、貫達人・石井進『鎌倉の仏教』・湯山学『波多野氏と波多野庄』・安田元久『武蔵の武士団』・永井路子『相模のもののふたち』といった優れた内容で且つ面白い本がたくさんあります。

 今日の京都は空気が澄み切って四周がきれいに見渡せ、しかも寒くありません。そういえば、私の初上洛となった高校の修学旅行は、ちょうど38年前の今頃でした。あのとき、清水寺の舞台の上から、「あの辺りが鳥部山か」と眺めた辺りが今の職場。「諸行無常」であります。

明日28日『平家物語』公演 京都にて

No.5222

以前にもご案内しましたが、『平家物語ー語りの世界ー』昨日大阪公演があり、明日がいよいよ京都
公演です。
平家物語の原典といえる覚一(かくいち)本を語りの台本として、
語り芝居「俊寛」、語り合わせ「祇王」、岩佐鶴丈による琵琶語り「義経」の3部構成です。

日時 11月28日(火)14時開演と18時30分開演(開場 各30分前) 場所 京都 金剛能楽堂

俊寛と清盛を演じます岡橋和彦は、『役者が語り演じることで原文を立ち上げ肉づけて、エネルギーを感じてもらえる舞台にしたい』と意気込んでいます。
他の出演は、祇王役松田典子、仏御前役桜井明美ら。笛は藤舎理生。案内びとの解説もあります。

料金は一般前売4000円ですが、学生の方は学生団体割引として、3000円にさせて頂きます。
(お一人でお申込でも)
E-mail:natu-i3@kcc.zaq.ne.jp までお申し込み下さるか、直接、会場の受付の乾までお越し頂き、
掲示版をご覧になった事をお申し出下さい。

では、皆様の御来場をお待ちしております。

Re: 明日28日『平家物語』公演 京都にて

山田ちさ子
No.5224

本日、昼の部を見せていただきました。
舞台にひきこまれ、2時間があっという間に過ぎてしまいました。
パンフレットをみますと、日本全国を公演して回られているとのこと、機会があればぜひとも他の演目も拝見したいものです。
掲示板での告知、ありがとうございました。

書庫に籠もって、遥か昔の都の西北を想う。

No.5220

 原稿に追われる中、書棚で当面の課題と無関係な論文に引き込まれてしまうことがあります。
 最近の例では『歴史教育』第11巻第6号(1963年)の【特集1】鎌倉政権の成立に収められた論文。
 水戸部正男「鎌倉時代政治の基調」、曾根地久「鎌倉幕府成立期における社寺」、田中稔「鎌倉初期の政治過程」、八幡義信「鎌倉幕政における北条時政の史的評価」、飯田久雄「鎌倉時代における朝幕関係」、上原栄子「鎌倉時代摂関家の経済的基礎」
いずれも今読んでも示唆的な内容です。
 もう一本は、わが恩師の論文。
 貫達人「鎌倉幕府と御家人」(『郷土神奈川』第10号、1980年)。鎌倉幕府の創立時期を承久3年まで引き下げた上での考察。小侍所の成立や北条氏による御家人対策を簡潔に述べる。
 若いみなさんも、時に図書館の書庫に籠もって古い学術雑誌を広げてみてください。これからやろうと思っていた研究を既に片付けていた先輩に出会えることがままあります。

 このところ、私の周囲では早稲田大学の話題が豊富です。23日の関東の大学ラグビー対抗戦では慶應に勝利。24日、同志社の受講生のSさんは、2回生は早稲田大学で過ごし、早大生の大学に対する思い入れに感心したとのこと(彼女も私も自分の大学のカレッジソングはちゃんと歌えませんが、早稲田のなら歌えます)。そして、25日にNHKBSで放送された『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』は、あたかも早稲田大学(とくに国文と露文)の宣伝映画のごとき有様でした。
 久しぶりに早稲田に行ってみたくなりました。
 1969年、あの東大入試のなかった年の雪の日に、私も早大文学部を受験したのですが、発表は見に行けませんでした。
 ちなみに、『男はつらいよ』といえば、前作の「寅次郎物語」の終末部で寅さんが商売をやっていたのは、美川先生も参加されたゼミ伊勢旅行で行った二見浦。みんなで記念写真を撮っていた辺りでした。
 ゼミ旅行の行き先は、やたらに寅さんの旅先と重なりますが、とくに意図しているわけではありません(?)。

 ☆ 『平安時代史事典』のCD-ROM版、ようやく購入いたしました。

Re: 書庫に籠もって、遥か昔の都の西北を想う。

No.5221

美川です。

 私も、毎週、BSで『男はつらいよ』を見ています。終了後の山本晋也らによるトークがおもしろいので、見たことのある作品までも、再度見てしまっています。

 『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』ははじめてでした。教室で寅さんが、産業革命について質問するシーン、あれもう笑えませんよね。寅さんみたいに質問してくれればいいですが、私なんて、受講生のどれくらいが、産業革命知っているのか、疑心暗鬼です。私の発する名詞のかなりの部分がわからない、しかし質問する勇気はない、めんどくさい、板書だけしておけ、ということではあるまいか。それで、授業アンケートで、匿名で不満足にマークされたにゃ、もう教員と学生互いの不信感が増すばかりです。

 いまの大学教育なんとかしないといけません。やはり、せめて高校1年程度の基礎知識は身につけて、大学に進む制度にしないと、「高等教育」にはとうていなりません。

 とぶつぶつ愚痴をこぼしていると、拙著が再版となりました。ご協力していただいた方々に感謝いたします。担当の編集者の「ぜったい売れますよ」という言葉にそれこそ疑心暗鬼であった著者ですが、予想外のできごとでした。軽い新書が横行する中で、あれほど重たるい本の健闘は、正直、意外でした。

本年度宇治共同研究メンバーのみなさんへ

No.5216

 本日、15時35分に本年度の宇治共同研究のメンバー宛に重要なメールを送信いたしましたが、いかなる理由によるのか分かりませんが、数通が届かなかったようです。
 メール受信をご確認の上、もし届いていないようでしたら、野口宛にメールを送信下さいますようにお願いいたします。返信に貼り付けて再送いたします。

『古代文化』再刊の情報

No.5218

 上記のメール確認の件、届いていないと思われたメンバーからも受信確認の御報告を頂き、安心いたしました。お手数をおかけしました。

 ところで、昨年来刊行が止まっていた『古代文化』の最新号が刊行されたとのことです。編集委員としてすでに掲載を決定していた論文がどうなってまうのか、とくに若い執筆者にとっては将来にも拘わることなのでヤキモキしていたのですが、ひとまず安心といったところでしょうか。
 しかしながら、これまで古代学協会の会友・『古代文化』編集委員ということでお送りいただいていた私のもとには、まだ届いておりません。
 そのような次第で、今後どうなるのか、まだまだ先が見えないところがあるようですし、それにも増して古代学協会の旧職員の方たちが今どうされているのか、本当に気になるところです。

 本日は、同志社の講義(中山法華経寺日蓮遺文紙背文書の「こてう陳状」を取り上げました)の後、例のごとく「維盛入水」で有名なところで受講生たちとお話を致しましたが、そこは煙草のけむりが充満していてすっかり喉をやられてしまいました。風邪で体調を崩していた人もいたのですが、大丈夫だったでしょうか。
 喫煙は個人の嗜好かもしれませんが、是非とも周囲に煙を出さないようにしてお楽しみ願いたいものです。本当に苦しい思いをさせられます。

 NO.5212に書きました系図の論文ですが、何とか形になってきました。締切までにはお送りできそうです。

 >ゼミメンバー、とりわけ院生諸兄 
    『日本史研究』最新号掲載の川合康先生の御高論をしっかりと精読しておいて下さい。

次回の『吾妻鏡』講読会

No.5213

 本日は素晴らしいおもてなしをいただきまして、ほんとうにありがとうございます。山岡さん、尻池さん、伊藤さん、それに野口先生、山田さん、米澤くんもありがとうございました。素敵な仲間と史料講読ができて幸せです。

 さて次回の吾妻鏡講読会は、以下の通り予定しております。
  時間:11月27日(月)15:30~(予定)
  場所:京都女子大学L校舎 3階 宗教・文化研究所共同研究室
  範囲:承久三年五月二十一日条~

 本日もなかなか遅くまでお付き合い頂きましたが、次回以降も時間の許す限り読んでまいりましょう。

>今年二月の伊豆調査旅行へ参加されたみなさん
 先週も少しご案内しましたが、みなさんに撮っていただいた写真の画像データを一枚のCD-Rに収録し、それを参加人数分用意しました。すでに野口先生・山岡さん・尻池さん・山田さんには直接お渡ししましたが、調査旅行に参加された方は、お手数ですが野口先生の研究室までお受け取りにおいでください(岩田に直接ご連絡下さっても結構です→必要とあらばお届けに上がります)。

承久の乱

No.5215

 『吾妻鏡』、いよいよ承久の乱の幕が切って落とされましたね。
 
 おっと!その前に、岩田君へ。28歳のお誕生日おめでとうございます。
 私の28歳(1979年)は、高校への就職、息子の誕生、博士論文の執筆等々で大きな転機となった大変な一年になりましたが、まだまだ前途は霧の中でした。その後の紆余曲折は御承知の通りで、この年齢では未来への可能性は無限に近いと思います。御精進下さい。

 昨日の史料講読会では、山岡さん・尻池さん・伊藤さんから岩田君にお祝いのケーキが用意されており、ご相伴に与ることが出来ました。ごちそうさまでした。また、クラッカーを我慢してくれてありがとうございました。
 それにしても、みなさん、美味しいケーキ屋さんをよく御存知ですね。食べるものは、「和」も「洋」も「中華」も、関東は関西にかなわないように思います。

 それもあるのかもしれませんが、紅葉の京都には全世界から観光客が大挙押し寄せているらしく、今日の京都駅では、電車を降りてから改札口を突破するまで、普段の倍以上の時間を要しました。人が奈良線のホームに殺到していたのは、お目当てが東福寺だからでしょう。
 
 ところで、つとにエスカレーターで左に立つのは東京。右に立つのが関西という現象が見られることが指摘されていますが、このところ京都の東京化は著しく、これは東国勢の大挙上洛の成果だと思います。あたかも、承久の乱後、「我また武士なり」と豪語する貴族が現れたかの如き現象といえましょうか。

 優雅で穏和でやさしくて、個を大切にしながらも他を顧みることを忘れなかった人たちが減り、日常的に周囲の迷惑を顧みずに手前勝手なことを事とする「凶徒」と呼ぶにふさわしいような「京都」人が増加している今日、従来の自説を覆すようですが、その東京化(相対的な管理社会化)は良き方向と言えるのかも知れません。

 一方、これに対して、先日たまたま乗り換えのために下車した阪急十三駅のエスカレーターでは、乗客の方たちは見事に右に並び立たれていました。大阪では「伝統文化」がしっかり守られているようです。

元木先生・市澤先生御登壇の講演会

No.5207

◆ 新修神戸市史歴史編「古代・中世」調査成果中間報告 歴史講演会 ◆

1.日時  平成18年11月26日(日)  午後2時~5時 (開場1:30)
2.場所  兵庫公会堂(兵庫区役所地階)
 (交通: 市営地下鉄「湊川公園」駅前・神戸電鉄「湊川」駅前)
3.プログラム内容 (敬称略)
 午後2時00分より 開会
 講師・演題 
 新修神戸市史編集委員・京都大学大学院教授
  元木泰雄「福原京と源平の争乱」
 同委員・神戸大学助教授
  市澤 哲「南北朝期から摂播平氏勢力圏を考える-石峯寺調査からみえてきたこと-」
4.主催  神戸市(文書館)・新修神戸市史編集委員会
5.協力  神戸市(兵庫区・教育委員会)・神戸大学文学部地域連携センター

※申込方法など
1.参加費  無料 ・申込先着順300名
2.申込み方法 往復はがき申込み(住所,氏名など返信先を明記のこと)
【宛先:〒651-0056 神戸市中央区熊内町1-8-21 神戸市文書館】
3.参加募集人数 300人(申込み先着順) 募集定員人数に達した時点で締
切り
4.問い合せ先  神戸市文書館  ℡078-232-3437

 詳細はホームページ http://www.city.kobe.jp/cityoffice/06/014/top.htmlで御確認下さい。

佐伯君の論文の紹介

No.5210

 新刊の『鎌倉遺文研究』第18号の巻頭に、
 苅込一志・佐伯智広「「筑後鷹尾文書」年月日未詳後鳥羽院庁下文について-筑後国瀬高下庄と徳大寺家-」が掲載されています。

 ☆ 東北芸術工科大学の入間田宣夫先生から、御高論「鹿角四頭と五の宮の物語」(『真澄学』第3号、東北芸術工科大学東北文化研究センター)を御恵送いただきました。中世の奥羽地方に於ける「京都」認識を考える上で興味深い内容です。
 入間田先生にあつく御礼を申し上げます。

「悪口」と「口実」そして「苦集滅路」

No.5212

 静岡文化芸術大学の山本幸司先生より、新刊の御高著『〈悪口〉という文化』(平凡社)を御恵送いただきました。
 以前、宮崎産業経営大学法学部で担当していた「日本法制史」の授業で、中世の「悪口罪」を取り上げたことがあり、その際、山本先生の「恥辱と悪口」(『ことばの文化史 中世2』平凡社)に大変お世話になりました。今度のご本はそれをさらに発展させた内容のようで、興味津々です。
 「悪口」のプラス面も指摘されている模様。「悪口」は一見「野口」と読み違えてしまいそうですし、つねづね悪口ばかり吐いている私には救いになるような有り難いことが書かれているのかも知れません。
 山本先生にあつくお礼を申し上げます。

 ちなみに、本を読んでいて「口実」という文字に出くわしたときも、私は時に自分のことかとギョッと致します。野口実こと「悪口実」。
 ひとさまの悪口を並べながら、何かと口実を作っては逃げ回る。たしかに、その通りかも知れません。
 その悪口ならぬ私、野口ですが、目下、仕事の合間をぬって某出版社から刊行予定の系図に関する論集の原稿を執筆中。締切を過ぎると他の執筆者の方に大変御迷惑をおかけすることになりますので最優先にしています(これも「口実」か?)。それにしても、急いで仕上げた原稿が一向に形にならず、逆に後回しにしてしまったものが本来は優先されるべきものであったというケースが最近やたらに多くなっていてやりきれません。
 
 京都女子大のあたりから山科に抜ける「渋谷越」は古くは「苦集滅路」とも呼ばれました。ここを踏破しようという提案が次年度共同研究のメンバー2名からなされています。問題は日程ですが、苦を集め、その全てを滅することが出来るのなら、ぜひ参加したいものです。