中村修也『日本古代商業史の研究』拝受。

No.4212

 文教大学の中村修也先生から新刊の『日本古代商業史の研究』(思文閣出版)を御恵送いただきました。第七章「市人・市籍人と市の構造」・第八章「平安京市町成立の構造」・第九章「東西市の空間構造と景観」は平安京・京都都市史研究に際して、必読の研究であろうと思います。巻末の「『平安遺文』にみる支払代価物」の表は当時の物価を考える上で便利。
 ちなみに、中村先生は佐伯君・田中さんにとっては、京都市歴史資料館におけるお仕事の上で大先輩に当たる方です。中村先生にあつくお礼を申し上げます。

 ◇ 研究所教授室(野口研究室)の書架が満杯になっておりますので、共同研究室の書架の一部を提供していただけることになりました。史料講読会の際に使用する本や須田春子先生からの寄贈図書などを配架したいと考えています。移動の際は、ゼミメンバーの御助力をお願いいたします。

鈴木哲雄『中世関東の内海世界』拝受。

No.4217

 北海道教育大学の鈴木哲雄先生から『中世関東の内海世界』(岩田書院)を御恵送いただきました。相馬御厨に関する研究など詳細です。
 鈴木先生は私と同郷(下総)。公立高校教員として同業だった時期もありました。また千葉県史編さんの中世史部会で御一緒に仕事をさせていただいたこともあります。鈴木先生にあつくお礼を申し上げます。

 ※ 千葉といえば、日本シリーズにおける千葉ロッテの勝ちっぷり(3戦まで)は承久の乱における東軍の如し。「千葉」が脚光を浴びるのも久方ぶりのことで、「千葉介」の西上軍といった按排ですが、チームメンバーに京都など西日本出身の選手が多いのは、東国に下った平家の軍中に東国武士が多かったり、一ノ谷の合戦の義経軍に畿内近国の武士が多く参加していたのに似ていますね。
 <日本シリーズからの「武士論」>でした。

吾妻鏡講読会について

岩田慎平
No.4206

 遅くなりましたが、次回の『吾妻鏡』の講読会は、10月24日(月)に行います。
 
 場所:宗教・文化研究所共同研究室
 時間:15:30~17:30頃まで
 講読範囲:建保元年(建暦三年)四月十六日条、十八日条、二十四日条、二十七日条、二十九日条、

 なお当日は、後期第一回目のゼミ例会も行われます。
 発表者:前川佳代氏(京都造形芸術大学非常勤講師)
   テーマ:「都市平泉の構造」
   場所:京都女子大学宗教・文化研究所共同研究室(L校舎3F)
   時間:10月24日(月)18:00~20:00

 テーマについては「都市平泉の構造」か「宇治と平泉」か、ということでしたが、とりあえず前者をタイトルに掲げ、後者についても関説していただくということにさせていただきました。したがって、来年度の共同研究に参加されるメンバーは出来うる限り出席をお願いいたします。
 またメンバー以外の参加も歓迎いたします(ただし、事前に御連絡下さい)。

 〈参考文献〉
  斉籐利男『平泉 よみがえる中世都市』岩波書店 1992
  本澤慎輔「都市平泉の成立と構造」『中世都市研究 古代から中世へ』新人物往来社  1995
  日本考古学協会2001年度盛岡大会研究発表資料『都市・平泉-成立とその構成』  2001
  入間田宣夫・本澤慎輔編『平泉の世界』高志書院 2003(特に、羽柴直人論文)
  前川佳代「平泉の都市プラン-変遷と史的意義-」『寧楽史苑』45 2000
      「都市平泉の構造」『白い国の詩』 2002

『禅宗寺院の古文書学的研究』拝受。

No.4207

 24日の午後は充実した時間が過ごせそうです。
 本日の『百錬抄』講読では、石井君が順調に報告デビューを果たしました。

 ところで、今年の2月末に実施した東京・千葉方面へのゼミ旅行の際、東大史料編纂所の見学で大変お世話になった保立道久先生(4月から同所所長)から、保立先生の御高論「創建期の大徳寺と王権-開堂前後の時期に視点をおいて-」など掲載の『禅宗寺院文書の古文書学的研究-宗教史と資料論のはざま-』(2002年度~2004年度科学研究費補助金研究成果報告書・研究代表者保立道久)および、御高論「都市王権と貴族範疇-平安時代の国家と領主諸権力-」(奈良女子大学「日本史の方法」研究会『日本史の方法』創刊号、2005)・「時代区分論の現在-世界史上の中世と諸社会構成」(『史海』52,2005)・「「山立」と「狩人」-西行の山立の歌について」(『南山経済研究』19-3,2005)を御恵送いただきました。
 保立先生にあつく御礼申しあげます。都市王権論は来年度から開始予定の共同研究に裨益多いものと存じます。
 メンバーや私が東大史料編纂所に調査にうかがいに行く際は、なにとぞ宜しくお願い申しあげます。

『巡礼記研究』第二集拝受。

No.4208

 巡礼記研究会(慶大文学部岩松研究室内)より『巡礼記研究』第二集をお送りいただきました。あつく御礼申しあげます。
 掲載されている牧野淳司「延慶本『平家物語』高野御幸説話の背景」、大橋直義「日本大学総合学術センター蔵『後鳥羽院御順礼記』翻刻と考察-流布本系『建久御巡礼記』の一伝本-」などは当ゼミメンバーの関心をひくものではないでしょうか。
 源健一郎先生の千葉氏の妙見信仰に関する御高論は次号に掲載になるのでしょうか。大変期待しています。

 科研の申請書類。なかなか「書けん」などと、オヤジギャグを飛ばしておりましたが、本日なんとか提出。教学課に持って行ったら「一番早い」とお褒めにあずかりました。早くても、採択されなければ話にならないのでありますが。しかし、この時期、書かなければならない書類が続々と到来いたします。
 ようやく涼しくなって、学問には最適な気候と思いきや、肩や腰が痛くなって、老い行く我が身を文字通り「痛」感する今日この頃です。
 メンバー諸姉兄もいろいろお悩みのことは多いことと思いますが、私は何しろ若い君たちが羨ましいのです。・・・先日も、こんなことを石井君に話していました。

24日の例会情報など。

No.4209

 報告者の前川さんから、資料・レジュメあわせて8~10枚になるとのメールが届きました。御出席の皆さん、相当気合いを入れないと、これはついて行けませんぞ!

 靖国神社にかんする問題が世上で議論されていますが、この問題については、京都女子学園学園長であった双葉憲香先生の『増補 親鸞のひらいた地平』(永田文昌堂、1984)に明快且つ優れた見解が披瀝されています。京都女子大の学生さんは入学時に双葉先生の著書『親鸞 仏教無我伝承の実現』(永田文昌堂、1995)を受け取っているはずですが、ちゃんとお読みになられましたか?

 山田ちさ子さんが日記blogで探しておられる佐々木紀一「桓武平氏正盛流系図補輯之彦栄」は、私もなかなか手に入れることが出来ず、窮したあげく、この掲示板に書き込んだところ、佐々木先生がこの掲示板に御返事を下さり、わざわざ郵送していただいたという経緯がございます。さて、山田さん、その書き込みNoは何番だったでしょうか?正解の暁にはそのコピーを差し上げます。

 山田ちさ子さんの御夫君で、目下、東下り中の山田邦和先生は、京都御出立の直前、御自身の日記blog「平安京閑話」に以下のような御意見を述べておられます。
 「博物館における調査研究の重要性をどうやって担保していくか、博物館にたずさわる全ての人々が考えねばならない時が来ているのではなかろうか。」
 学芸員の資格取得に追われている若い皆さん方は、こういう問題をどうお考えなのでしょうか?
 研究者や学芸員を目指す若い人たちに、博物館の研究のあるべき姿について考えてもらうために、梅棹忠夫「国立民族学博物館における研究のあり方について」(『国立民族学博物館研究報告』1巻4号)の御一読をお勧めいたします。

 さて、諸方に放ってある「禿(かぶろ)」(『平家物語』参照)たちからの情報によると(冗談ですよ)、田中さんは北海道旅行、八井君は繁忙期、長村君は修論報告の準備で大変な御様子ですが、それぞれ頑張ってください。 
 そんなこんなで、いろいろ書き込ませていただきましたが、この掲示板、明らかに野口の日記blog化しつつありますね。

よろしくお願いいたします

No.4210

みなさま こんにちは。山田ちさ子です。
月曜日の例会、前川さんのご発表、とても楽しみです。
明日はしっかりと予習する日にあてます。
今日はこれから、尼崎へ大物の展示を見に行こうと思います。

野口先生、563番!
よろしく、よろしくお願いいたします。
昨夜は「溢れ源氏考証」上下(「米沢国語国文」)を読みだすと眠れなくなりました。

宇治の住宅地にも猿が出没。

No.4211

 山科で猿対策が進んでいるという新聞記事が今日の朝刊に載っていましたが、山科を追われた猿が当家の周辺にも出没しだしたようです。昨日、当家の前の歩道を悠然と歩いており、犬の散歩中の住人が大騒ぎ-という目撃情報があります。

 >山田ちさ子さん  私の意地の悪い「課題」をいとも簡単にクリヤーされた御様子。流石は電脳の達人です。お約束通り、佐々木紀一先生の「桓武平氏正盛流系図補輯之彦栄」のコピー、早速用意させていただきます。
 ちなみに、私こと「溢れ源氏考証」上下(『米沢国語国文』)の拝読を逸しておりますので、24日にご持参いただければ幸いです。

 大河ドラマでは宗盛が処刑されたようですが、最近、歴史学界では宗盛再評価の機運が高まりつつあります。(以前、講談社の横山建城さんと私の二人で一時的に結成した「宗盛会」というのは多少屈折した発想が前提にあったのですが、)優れた研究成果として、田中大喜氏の「平氏の一門編制と惣官体制」(『日本歴史』661)を紹介しておきます。

 ☆ 本日は、京都では「時代祭」。また各地で多くの学会・研究会が開かれていますが、私は昨日直面した学会関係の困った事態への対応や原稿執筆などで、動きがとれないでおります。

角田文衞先生の『古代学の展開』刊行。

No.4205

 (財)古代学協会理事長・古代学研究所教授兼所長であり、わが国考古学界・歴史学界の最長老のおひとり、いわば歴史・考古学界における巨匠ともいうべき存在である角田文衞先生の『古代学の展開-THE DEVELOPMENT OF PALEOLOGICAL STUDIES FROM 1954 TO 1994-』(山川出版社、2005年)が刊行されました。昨日、(財)古代学協会より御恵送をいただきました。あつく御礼申しあげます。
 92歳の角田先生が700ページを超える大著を出されたにも拘わらず、この私の為体は何事か、と大いに反省をせまられております。 
 この大著の紹介は、角田先生の学風をもっともよく継承されている、山田邦和先生に委ねるべきものと考えます。以下を御覧下さい。

http://heike.cocolog-nifty.com/kanwa/2005/10/index.html#a0007192230

 古代学協会からは、新刊の『古代文化』第57巻第10号も届きました。巻頭の樋口健太郎「藤原師長の政治史的位置-頼長流の復権と貴族社会-」は、国文学を専攻されている方々にも是非読んでいただきたい好論です。

 『百錬抄』講読会、明日は平家都落ちのあたり。同志社2回生、石井一英君のデビュー戦です。

「都市平泉の構造」印刷しました。

No.4203

 24日例会の参考資料・前川佳代「都市平泉の構造」(『白い国の詩』553)を30部ほどプリント(モノクロですが)致しましたした。ゼミメンバーは史料講読会の際などにお持ち下さい。
 なお、前川さんが紹介してくれたこのサイトには、最近の平泉の発掘情報が満載です。是非、御覧おき下さい。
   http://www.iwate-np.co.jp/sekai/sekai.htm#051015

 「接待館」は一般に「せったいかん」と呼ばれているようですが、地元でももともとそう呼んでいたのでしょうか?「せったいだて」か「せったいたち」だったのではないでしょうか?研究者の中にも「殿」や「館」を単に「音」読みしてしまう方がおられますが、「館」も「たち」または「たて」か「かん」では、文献史学の立場からすると評価が異なってきます。この辺り、厳密にしていただきたいものです。

 ☆ 近藤先生の『源義経』(ミネルヴァ書房)の紹介が昨日の京都新聞読書欄に掲載されていました。この記事はおそらく共同通信の配信なので、全国の地方紙にも掲載されていることと思います。

>薗田さん  中学生男子のような声、ぜひ録音しておいて下さい。

>有村さん  『台記』ご購入の由。『台記』研究会に備えてでしょうか。素晴らしい心がけです。そして、難しい漢文だらけの史料が届くのを「ワクワク」して待っている大学生の存在は嬉しい限りです。そういえば、当ゼミメンバーやその周辺の学生さんや院生さんの中には、高校時代にお年玉でとか、成人祝いにお母さんから着物のプレゼントをしてもらう代わりにとかで『玉葉』を買ったとか、古本屋を歩くと腹痛が治るといった、昨今の若者には希有な存在が目立ちます。
 私も学生時代にバイトでようやく稼いだ18000円を手にして、神田の古本屋に『本朝世紀』を買いに行ったときは本当にワクワクしたものでした。高校時代は、中世の五輪塔や中世城郭の土塁に異常にワクワクしていました。今考えると不思議なのですが、このワクワク感こそが、研究の原点であったことは間違いありません。アラレちゃんのようにワクワクする心を大切にしてください。

バーゲンブックフェアのご案内

No.4201

みなさまお元気でお過ごしでしょうか。
先日の日本史研究の大会から向こう、風邪をこじらしてしまい、
中学生男子のような声になっております、臨川書店の薗田です。
大会では山田先生や佐伯さん、岩田さん、有村さん、岩川君、そして金井先生に
久しぶりにお会いでき、とても楽しい時間となりました。皆様おつかれさまでした。

さて、本日は第五回「バーゲンブックフェア」のご案内をさせていただきます。

「バーゲンブックフェア」とは、期間限定(2005年10月12日~2005年12月12日)で、
参加出版社82社、全1,200点の謝恩価格本または部分再販品を
50%引きで購入頂ける大変お得なイベントです。
(リンク→ http://www.bargainbook.jp/mlsbin/wb_sha?shac=8390

日本史関係の本ばかりではございませんが、趣味の本などお安くお求め頂けます。
臨川書店も出品しておりますので、ぜひご覧下さいませ。

Re: バーゲンブックフェアのご案内

有村芳恵
No.4204

薗田先輩
日本史研究会ではお会いできて嬉しかったです。風邪をこじらされたとのことですが、その後具合はいかがでしょうか。悪化されていないか心配です。どうかお体を大事にされて下さい。そういえば先日の日本史研究会の書籍販売コーナーで購入した「台記」(続群書類従完成会)が今日宅急便で届く予定なので、今からわくわくして待っている所です。やはり日本史研究会に行くメリットの一つは、普段買えないような書籍が安くで手に入ることですね。今度は臨川書店の書籍もぜひ購入させて頂きたいです。

百練抄講読会について。

山岡 瞳
No.4199

先日の講読会、お疲れ様でした。早速にも次回と次々回のお知らせです。

次回の百練抄講読会ですが、
   日時:10月19日(水)16:30~
   場所:L校舎3F 共同研究室
   範囲:寿永二年七月八日~七月二十七日
   担当:石井君
  *参考文献は下↓の野口先生の書き込みをご覧ください。 

次々回は
   日時:11月2日(水)16:30~
   場所:L校舎3F 共同研究室
   範囲:寿永二年七月三十日~十月十四日
   担当:山岡

        以上のようになっております。多くの方の参加をお待ちしております。 

衣川遺跡群の現地説明会は15日

前川佳代
No.4196

 野口先生が中尊寺の菅野成寛氏から情報を得られた、平泉の北に隣接する衣川遺跡群の現地説明会が15日に開かれます。私は9月上旬に見学してきました。
 今回の調査対象は六日市場・細田・接待館・衣関道遺跡で、北上川遊水池計画による衣川堤防建設のための事前発掘調査です。つまり調査経緯は、現在国史跡となった柳の御所遺跡と同じ緊急発掘調査で、調査面積は3万7千㎡、東西700㍍に及ぶ広大な範囲となります。
 特に注目されているのが、調査前から「かわらけ」が採集され、土塁が残存していた接待館遺跡で、幅8mの堀が遺跡を囲むと想定され(去年度の試掘で検出)、内側にコの字状の溝が(堀?)も検出されて、多量のかわらけが出土しています。二重堀と称しているのは、外郭を廻る不整形な堀と、内郭を形成すると考えられる方形の溝(堀?)のことで、いわゆる堀が二重に外郭を成すという意味ではありません。残念ながら遺跡の中心域は調査対象外と衣川の浸食によって削られています。
 さらに、六日市場・細田・接待館遺跡がのる段丘の下段にある衣関道遺跡では池状遺構が検出されており、州浜の地形石が見られました。おそらく庭園を形成していたと思われます。
 他遺跡では柱穴や区画溝らしき溝も検出され、平泉中心域の街区に類似した遺構が展開しているとイメージしていただいていいかと思います。
 また11世紀代の遺物や遺構もみられるとのことでした。つまりは安倍氏の時代と重なります(これは大変重要です。接待館の調査成果だけが注目されますが)。
 接待館遺跡は、藤原秀衡の母が旅人を慰労した館跡と伝承されてきたのですが、大規模な堀と、京風かわらけの出土から、源義経が自刃した藤原基成の館・「衣河館」に比定しようとする見解も出ています。平泉には義経最期の地という高館がありますが、『吾妻鏡』には「藤原基成の宿館衣河館」で死んだとみえ、義経最期の地が特定できない状況なのです(これらの整理と私の見解は『歴史群像シリーズ76 源義経』に「未だ定まらぬ義経最期の地」としてまとめましたので、参照ください)。

 以上のような多大な調査成果があがっている遺跡群なのですが、堤防建設の緊急調査であり、遺跡は消滅する可能性があります。既に衣関道遺跡の西隣には堤防が建設されて周囲の景観が一変しています。現地説明会を開くという経緯にはおそらく、平泉の世界遺産登録を前提とした遺跡保護の方向性が見えたということだろうと推察しております。それならば、調査側も、体制を立て直し、目的意識を明確にした発掘調査へ切り替えて欲しいものです。そして、多くの研究者を含めての議論でもって、本当に「衣河館」なのか否かを結論つけるべきなのです(柳の御所でさえ「平泉館」かどうかという議論は終わっていません)。遺跡の性格を決定するにはあまりにも材料不足であると感じます。また詳しくは例会の時にでもお話いたします。

 現地説明会は15日午後1時から。見学希望者は衣川村の調査事務所プレハブ前集合。問い合わせは調査事務所(0197-52-4640)へ。

平泉と宇治。24日がいよいよ楽しみです。

No.4197

 前川さん、早速の御教示、ありがとうございました。
 接待館遺跡の二重堀は、神戸大学附属病院敷地検出のようなものではなく、内堀と外堀の意味ですね。菅野先生から頂いた資料によると外堀の上幅は8㍍とのことで、衣川の北岸から柳之御所遺跡がもう一つ発見されたという観があります。
 さらに衣関道遺跡で庭園遺構まで出ているとなると、平泉の都市としての評価はだいぶ変わらざるを得ないのではないかと思います。衣川の南北に二つの都市域が形成され、それが有機的に結合していた。山田邦和先生が京都で指摘されている「巨大都市複合体」に似たものを思い描きたくなります。
 安倍・清原氏の時代からの連続性の問題も含めて、また平泉が面白くなってきましたね。15日の現説は無理ですが、ぜひ現地に行ってみたいと思います。
 しかし、宇治の都市域が平泉を上回るかと思っていたところ、実にタイミング良く情報が届いたものです。もっとも、宇治も宇治川右岸にも都市域が展開していたと思われますし、岡屋・木幡・伏見との関係はまさしく都市複合体の様相を呈していたのではないかと考えられるのではないでしょうか。
 このあたりの問題についても、24日、前川さんに御意見をいただきたいと思っております。
 文献の方からも、宇治と武士の関係など面白い様相が見えて来つつあります。宇治は決して「雅やかな貴族たちの別業」のみのイメージで語るべき空間ではありません。

24日参加させてください

No.4198

平泉のこと、知らないことだらけなので、24日の前川さんのご報告、ぜひ参加させてください。現地の遺跡になかなか行けそうもないので、状況もお教えください。

24日の例会は面白くなりそうです。

No.4200

 美川先生、うれしい限りです。コメントをよろしくお願いいたします。
 
 24日の例会には、田中さん(「気の利いた面白いことを言えるタイプの人間」という雨野さんによるイントロダクションは適切)をはじめ、教職に就かれているメンバーも大挙集まってくれるとのことですから、盛会が期待されていよいよ楽しみです。

☆ ゼミメンバーの皆さん
 購入希望の図書や消耗品など早々に御連絡下さい。できるだけ善処したいと思います。
 11月7日の例会で御発表いただくことになっている樋口健太郎氏の論文「藤原師長の政治史的位置-頼長流の復権と貴族社会-」が巻頭を飾る『古代文化』第57巻10号は既に納本済みとのことです。
 ちなみに、この号には内田好昭氏の「<図版解説>亀山殿(史跡名勝嵐山)の発掘調査」も掲載されています。去年、山田邦和先生・ちさ子さん御夫妻、京樂真帆子先生、平田さんと見学に行った、あの南北の壕の気になる遺跡です。

>八井君  同志社の後輩である石井一英君を是非紹介したいと思っております。

美川先生、よろしくお願いいたします。

前川佳代
No.4202

 例会に美川先生がご来場くださるとのこと、今から緊張しております。どうぞよろしくお願いいたします。

 今朝、平泉から新聞記事のファックスが届きました。それには、衣川堤防の工事見直しを協議する方向性が示され、また当初、今月末で終了予定だった衣川遺跡群の発掘調査が来年度も継続されるとありました。詳しくは岩手日報の「平泉世界遺産への道」をご参照ください。
 
http://www.iwate-np.co.jp/sekai/sekai.htm#051015

山口博史さんと「歴史グループ早雲」

No.4192

 畏友・山口博史さんから『私の歴史ノート-歴史グループ早雲と共に歩んだ二十三年』を御恵送いただきました。
 前にも書いたことがありますが、歴史グループ早雲というのは、本当に市民による歴史研究サークルとしては希有な存在で、趣味に偏しているわけでもなく、行政に主導されているわけでもなく、一般の市民によるきちんと学問的基盤に立ったこのような研究会はほかに見たことがありません。山口さんが、その歴史グループ早雲と共に歩んでこられた足跡とそこで発表された研究の成果をまとめられたのが、この本です。
 今まで知らなかった大学時代からの山口さんの日本史との関わりを知ることが出来ました。山口さんとは同じ学年なので、自分の経歴と照らし合わせて、いろいろ思うところ、感ずるところがありました。
 山口さんが歴史グループ早雲との関わりの中で一番印象に残っている先生は戸田芳実先生だと書かれていますが、私が山口さんと面識を得ることが出来たのも、戸田先生のおかげでした。京都労働学校の日本史の講座のうち、鎌倉時代を一緒に担当しないかと戸田先生からお誘いいただいたのがその契機です。あれから、もう20年近く経ち、鹿児島・千葉にいたときも山口さんからは機関誌『早雲』を送っていただき、京都のことを思い出させていただいておりました。
 市民参加の「歴史学」が失われつつある現状を顧みると、歴史グループ早雲の存在はとても大きいと考えます。最近では当ゼミのメンバーも時々学習会に参加させていただいております。
 山口さん、御本の御恵送、ありがとうございました。また、「あとがき」に御紹介を頂いて恐縮至極です。御闘病の中でも歴史に情熱を傾けておられる山口さんに顔向けできるように、私も研究に立ち向かいたいと思っております。

Re: 山口博史さんと「歴史グループ早雲」

No.4193

 山口さん、私にもご恵送いただき、ありがとうございました。

 日頃、歴史になんの関心もない若い学生を相手に講義をすることが多く、
「なにがおもしろうておっさん、そこでしゃべっているの」という態度に、自分の存在意義、にさえ自信がなくなることもしばしばあります。関心がない若者にも、歴史のおもしろさを知らせるのが仕事、とはいいながら、自分がもともと歴史が好きだっただけに、歴史に関心がない人間をひきつける魅力を発散する方法が、どうしても見出せないのです。

 そんなとき、山口さんや歴史グループ早雲の方々の熱心な方々の存在は、たいへん励みになります。私も微力ながら、日本史学の発展につくしたいという思いがわいてまいります。山口さんの一日も早いご快癒を祈るばかりです。

共同研究の申請書類について。

No.4188

 昨日、来年度の共同研究に参加してくださる皆さん宛に申請書類の原稿を二度にわたってメールで送信いたしましたが、文字化けしていたとのことなので再度添付ファイルで送信いたしました。とくに問題はないと思いますが、一応ご確認下さるようにお願いいたします。
 提出は12日正午が締切です。

 ちなみに、目下、科学研究費補助金の申請書類にも悪戦苦闘いたしております。両面コピーは必ず失敗いたしますし、そのうえ今年から電子申請システムが導入されたので、旧人類の私には却って面倒このうえなしです。昨年まで手伝っていただいた永富さんは卒業してしまいましたし・・・。
 「手書きの文化を失って、これからの学問・文化は大丈夫なのでしょうか」とは、悔し紛れの弁です。

Re: 共同研究の申請書類について。

No.4191

佐伯(京大人環)です、こんにちは。
野口先生、色々とご尽力いただきありがとうございます。
大会終了後呆けておりまして、御礼が遅くなり申し訳ございません。
なかなか普段お役に立てることがありませんが、なるべくお手伝いできるようにしたいと思います。

また、野口先生をはじめ、本ゼミやこの掲示板に関わるたくさんの方が、日本史研の大会にご参加下さいました。
どうもありがとうございました。
懇親会にもたくさんの方に参加していただくことができました。
(予約人数を大幅に上回ったので、みなさんに窮屈な思いをさせてしまったのが心残りですが…すいませんでした)
今回の大会が、みなさまの今後の研究に資するところがありましたら、準備に関わった研究委員としても幸いです。
ありがとうございました。

例会は共同研究の開始。付『百錬抄』講読会申請書類について。

No.4195

 佐伯君、お疲れ様でした。部会の懇親会は幹事さんは大変だったと思いますが、盛況だったようで何よりでした。思い起こしてみますと、私も多くの素晴らしい研究者の方たちとの出会いの機会を得たのは日本史研究会の大会でした。懇親会の幹事を引き受けられたというのは、思いの外の学界に対する大きな貢献だったのかもしれません。

◇共同研究
 懸案の共同研究「摂関家の空間における政治と文化(中世前期の宇治に関する総合的研究Ⅰ)」の申請書は無事に提出いたしました。「研究協力者」候補の皆様にはいろいろ御手数をおかけいたしました。

◇例会
 なお、24日の例会は前川佳代さんの「都市平泉の構造」ですから、共同研究参加のメンバーにはできるだけの御出席をお願いいたします。前川さんは、宇治の研究を開始するにあたって相当よい刺激を与えてくださることと思います。なお、ゼミメンバー以外でもこの分野に関心をお持ちの方々の参加も歓迎いたします(恐縮ですが、事前に私かゼミのメンバーに御連絡下さい)。
 すでに、共同研究のメンバーでは、佐藤さん、大原さん(ともに宇治市民)が出席を表明されておられ、また臨川書店の薗田さんもお出で頂けるとのことで、盛況が期待されます。
 なお、参考文献については前川さんから書き込みを頂いていますが、山岡さんに一部現物が渡されているとのことですから、コピーの必要な方は早々に山岡さんに御連絡下さい。

◇史料講読会
 『吾妻鏡』は毎週月曜日午後、『百錬抄』も隔週くらいのペースで水曜の午後に実施されています。『百錬抄』の方には同志社院DCの雨野弥生さん(田中さんの「御」学友)と同学部2回生の石井一英君が後期から加わりました。早く全メンバーに御紹介の機会を得たいものです。
 『吾妻鏡』の方は岩田君と山本君にお任せです。
 『百錬抄』、次回は早くも石井君の担当ですが、クライマックスは平家都落ち。参考文献として以下の3論文を紹介しておきますから、石井君、上級生の鼻をあかしてやってください。
 ・上横手雅敬「小松殿の公達について」(安藤精一先生退官記念論文集『和歌山地方史の研究』清文堂出版、1987)
 ・佐々木紀一「小松殿の公達の最期」(『国語国文』67-1、1998) 
 ・拙稿「法住寺殿と小松家の武将たち」(京都女子大学宗教・文化研究所『研究紀要』
15,2002)

佛教史学会のお知らせ

山岡 瞳
No.4186

龍谷大学の坂口太郎さんより以下のご案内をいただきましたので、書き込ませていただきます。

            佛教史學會第56回學術大會

       ◆日時:2005年10月22日(土)
       ◆会場:龍谷大学大宮学舎
        〒600-8268 京都市下京区七条大宮 TEL.075-343-3311(代)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
研究発表(10:00~15:00)
<午前の部>
○東洋部会 於 南黌104教室
1.Ratnakirti著『刹那滅論』「否定的遍充篇」研究(2)  COE研究員 白石竜彦氏
2.ポラネー伝に見る十八世紀チベット王権論  佛教大 手塚利彰氏
3.唐代蔵経考(仮題)            立正大 手島一真氏

○日本部会 於 清和館3階ホール
1.覚一本『平家物語』が語る暴力と宗教    種智院大 江上琢成氏
2.陰陽道祭祀の性格(仮題)          日本学術振興会 梅田千尋氏
3.明治前期における僧侶の学校教員兼務
    ―近代日本の教育と宗教の関係に向けて―  京都大 谷川 穣氏
<午後の部>
合同部会 於 清和館3階ホール
1.飛鳥池遺跡出土木簡と仏教事業       早稲田大 新川登亀男氏
2.新羅中古における僧侶の社会的活動     滋賀県大 田中俊明氏
3.近世における熊野比丘尼の存在形態     龍谷大 根井 浄氏

特別講演(15:10~16:40) 於 清和館3階ホール
  村の神さま―「山野川海」理解における戸田的と網野的―
                       立命館大教授 大山喬平氏

総  会(於 清和館3階ホール 16:30~17:30)

懇 親 会(於 清和館1階食堂 17:45~19:30  会費5,000円)

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佛 教 史 學 會
事務局:京都市下京区七条大宮 龍谷大学 岡村研究室
郵便番号 600-8268 電話 075-343-3311(代表)内線5229

*なお、非会員の参加費は500円です。