角田文衞先生の『古代学の展開』刊行。

No.4205

 (財)古代学協会理事長・古代学研究所教授兼所長であり、わが国考古学界・歴史学界の最長老のおひとり、いわば歴史・考古学界における巨匠ともいうべき存在である角田文衞先生の『古代学の展開-THE DEVELOPMENT OF PALEOLOGICAL STUDIES FROM 1954 TO 1994-』(山川出版社、2005年)が刊行されました。昨日、(財)古代学協会より御恵送をいただきました。あつく御礼申しあげます。
 92歳の角田先生が700ページを超える大著を出されたにも拘わらず、この私の為体は何事か、と大いに反省をせまられております。 
 この大著の紹介は、角田先生の学風をもっともよく継承されている、山田邦和先生に委ねるべきものと考えます。以下を御覧下さい。

http://heike.cocolog-nifty.com/kanwa/2005/10/index.html#a0007192230

 古代学協会からは、新刊の『古代文化』第57巻第10号も届きました。巻頭の樋口健太郎「藤原師長の政治史的位置-頼長流の復権と貴族社会-」は、国文学を専攻されている方々にも是非読んでいただきたい好論です。

 『百錬抄』講読会、明日は平家都落ちのあたり。同志社2回生、石井一英君のデビュー戦です。

「都市平泉の構造」印刷しました。

No.4203

 24日例会の参考資料・前川佳代「都市平泉の構造」(『白い国の詩』553)を30部ほどプリント(モノクロですが)致しましたした。ゼミメンバーは史料講読会の際などにお持ち下さい。
 なお、前川さんが紹介してくれたこのサイトには、最近の平泉の発掘情報が満載です。是非、御覧おき下さい。
   http://www.iwate-np.co.jp/sekai/sekai.htm#051015

 「接待館」は一般に「せったいかん」と呼ばれているようですが、地元でももともとそう呼んでいたのでしょうか?「せったいだて」か「せったいたち」だったのではないでしょうか?研究者の中にも「殿」や「館」を単に「音」読みしてしまう方がおられますが、「館」も「たち」または「たて」か「かん」では、文献史学の立場からすると評価が異なってきます。この辺り、厳密にしていただきたいものです。

 ☆ 近藤先生の『源義経』(ミネルヴァ書房)の紹介が昨日の京都新聞読書欄に掲載されていました。この記事はおそらく共同通信の配信なので、全国の地方紙にも掲載されていることと思います。

>薗田さん  中学生男子のような声、ぜひ録音しておいて下さい。

>有村さん  『台記』ご購入の由。『台記』研究会に備えてでしょうか。素晴らしい心がけです。そして、難しい漢文だらけの史料が届くのを「ワクワク」して待っている大学生の存在は嬉しい限りです。そういえば、当ゼミメンバーやその周辺の学生さんや院生さんの中には、高校時代にお年玉でとか、成人祝いにお母さんから着物のプレゼントをしてもらう代わりにとかで『玉葉』を買ったとか、古本屋を歩くと腹痛が治るといった、昨今の若者には希有な存在が目立ちます。
 私も学生時代にバイトでようやく稼いだ18000円を手にして、神田の古本屋に『本朝世紀』を買いに行ったときは本当にワクワクしたものでした。高校時代は、中世の五輪塔や中世城郭の土塁に異常にワクワクしていました。今考えると不思議なのですが、このワクワク感こそが、研究の原点であったことは間違いありません。アラレちゃんのようにワクワクする心を大切にしてください。

バーゲンブックフェアのご案内

No.4201

みなさまお元気でお過ごしでしょうか。
先日の日本史研究の大会から向こう、風邪をこじらしてしまい、
中学生男子のような声になっております、臨川書店の薗田です。
大会では山田先生や佐伯さん、岩田さん、有村さん、岩川君、そして金井先生に
久しぶりにお会いでき、とても楽しい時間となりました。皆様おつかれさまでした。

さて、本日は第五回「バーゲンブックフェア」のご案内をさせていただきます。

「バーゲンブックフェア」とは、期間限定(2005年10月12日~2005年12月12日)で、
参加出版社82社、全1,200点の謝恩価格本または部分再販品を
50%引きで購入頂ける大変お得なイベントです。
(リンク→ http://www.bargainbook.jp/mlsbin/wb_sha?shac=8390

日本史関係の本ばかりではございませんが、趣味の本などお安くお求め頂けます。
臨川書店も出品しておりますので、ぜひご覧下さいませ。

Re: バーゲンブックフェアのご案内

有村芳恵
No.4204

薗田先輩
日本史研究会ではお会いできて嬉しかったです。風邪をこじらされたとのことですが、その後具合はいかがでしょうか。悪化されていないか心配です。どうかお体を大事にされて下さい。そういえば先日の日本史研究会の書籍販売コーナーで購入した「台記」(続群書類従完成会)が今日宅急便で届く予定なので、今からわくわくして待っている所です。やはり日本史研究会に行くメリットの一つは、普段買えないような書籍が安くで手に入ることですね。今度は臨川書店の書籍もぜひ購入させて頂きたいです。

百練抄講読会について。

山岡 瞳
No.4199

先日の講読会、お疲れ様でした。早速にも次回と次々回のお知らせです。

次回の百練抄講読会ですが、
   日時:10月19日(水)16:30~
   場所:L校舎3F 共同研究室
   範囲:寿永二年七月八日~七月二十七日
   担当:石井君
  *参考文献は下↓の野口先生の書き込みをご覧ください。 

次々回は
   日時:11月2日(水)16:30~
   場所:L校舎3F 共同研究室
   範囲:寿永二年七月三十日~十月十四日
   担当:山岡

        以上のようになっております。多くの方の参加をお待ちしております。 

衣川遺跡群の現地説明会は15日

前川佳代
No.4196

 野口先生が中尊寺の菅野成寛氏から情報を得られた、平泉の北に隣接する衣川遺跡群の現地説明会が15日に開かれます。私は9月上旬に見学してきました。
 今回の調査対象は六日市場・細田・接待館・衣関道遺跡で、北上川遊水池計画による衣川堤防建設のための事前発掘調査です。つまり調査経緯は、現在国史跡となった柳の御所遺跡と同じ緊急発掘調査で、調査面積は3万7千㎡、東西700㍍に及ぶ広大な範囲となります。
 特に注目されているのが、調査前から「かわらけ」が採集され、土塁が残存していた接待館遺跡で、幅8mの堀が遺跡を囲むと想定され(去年度の試掘で検出)、内側にコの字状の溝が(堀?)も検出されて、多量のかわらけが出土しています。二重堀と称しているのは、外郭を廻る不整形な堀と、内郭を形成すると考えられる方形の溝(堀?)のことで、いわゆる堀が二重に外郭を成すという意味ではありません。残念ながら遺跡の中心域は調査対象外と衣川の浸食によって削られています。
 さらに、六日市場・細田・接待館遺跡がのる段丘の下段にある衣関道遺跡では池状遺構が検出されており、州浜の地形石が見られました。おそらく庭園を形成していたと思われます。
 他遺跡では柱穴や区画溝らしき溝も検出され、平泉中心域の街区に類似した遺構が展開しているとイメージしていただいていいかと思います。
 また11世紀代の遺物や遺構もみられるとのことでした。つまりは安倍氏の時代と重なります(これは大変重要です。接待館の調査成果だけが注目されますが)。
 接待館遺跡は、藤原秀衡の母が旅人を慰労した館跡と伝承されてきたのですが、大規模な堀と、京風かわらけの出土から、源義経が自刃した藤原基成の館・「衣河館」に比定しようとする見解も出ています。平泉には義経最期の地という高館がありますが、『吾妻鏡』には「藤原基成の宿館衣河館」で死んだとみえ、義経最期の地が特定できない状況なのです(これらの整理と私の見解は『歴史群像シリーズ76 源義経』に「未だ定まらぬ義経最期の地」としてまとめましたので、参照ください)。

 以上のような多大な調査成果があがっている遺跡群なのですが、堤防建設の緊急調査であり、遺跡は消滅する可能性があります。既に衣関道遺跡の西隣には堤防が建設されて周囲の景観が一変しています。現地説明会を開くという経緯にはおそらく、平泉の世界遺産登録を前提とした遺跡保護の方向性が見えたということだろうと推察しております。それならば、調査側も、体制を立て直し、目的意識を明確にした発掘調査へ切り替えて欲しいものです。そして、多くの研究者を含めての議論でもって、本当に「衣河館」なのか否かを結論つけるべきなのです(柳の御所でさえ「平泉館」かどうかという議論は終わっていません)。遺跡の性格を決定するにはあまりにも材料不足であると感じます。また詳しくは例会の時にでもお話いたします。

 現地説明会は15日午後1時から。見学希望者は衣川村の調査事務所プレハブ前集合。問い合わせは調査事務所(0197-52-4640)へ。

平泉と宇治。24日がいよいよ楽しみです。

No.4197

 前川さん、早速の御教示、ありがとうございました。
 接待館遺跡の二重堀は、神戸大学附属病院敷地検出のようなものではなく、内堀と外堀の意味ですね。菅野先生から頂いた資料によると外堀の上幅は8㍍とのことで、衣川の北岸から柳之御所遺跡がもう一つ発見されたという観があります。
 さらに衣関道遺跡で庭園遺構まで出ているとなると、平泉の都市としての評価はだいぶ変わらざるを得ないのではないかと思います。衣川の南北に二つの都市域が形成され、それが有機的に結合していた。山田邦和先生が京都で指摘されている「巨大都市複合体」に似たものを思い描きたくなります。
 安倍・清原氏の時代からの連続性の問題も含めて、また平泉が面白くなってきましたね。15日の現説は無理ですが、ぜひ現地に行ってみたいと思います。
 しかし、宇治の都市域が平泉を上回るかと思っていたところ、実にタイミング良く情報が届いたものです。もっとも、宇治も宇治川右岸にも都市域が展開していたと思われますし、岡屋・木幡・伏見との関係はまさしく都市複合体の様相を呈していたのではないかと考えられるのではないでしょうか。
 このあたりの問題についても、24日、前川さんに御意見をいただきたいと思っております。
 文献の方からも、宇治と武士の関係など面白い様相が見えて来つつあります。宇治は決して「雅やかな貴族たちの別業」のみのイメージで語るべき空間ではありません。

24日参加させてください

No.4198

平泉のこと、知らないことだらけなので、24日の前川さんのご報告、ぜひ参加させてください。現地の遺跡になかなか行けそうもないので、状況もお教えください。

24日の例会は面白くなりそうです。

No.4200

 美川先生、うれしい限りです。コメントをよろしくお願いいたします。
 
 24日の例会には、田中さん(「気の利いた面白いことを言えるタイプの人間」という雨野さんによるイントロダクションは適切)をはじめ、教職に就かれているメンバーも大挙集まってくれるとのことですから、盛会が期待されていよいよ楽しみです。

☆ ゼミメンバーの皆さん
 購入希望の図書や消耗品など早々に御連絡下さい。できるだけ善処したいと思います。
 11月7日の例会で御発表いただくことになっている樋口健太郎氏の論文「藤原師長の政治史的位置-頼長流の復権と貴族社会-」が巻頭を飾る『古代文化』第57巻10号は既に納本済みとのことです。
 ちなみに、この号には内田好昭氏の「<図版解説>亀山殿(史跡名勝嵐山)の発掘調査」も掲載されています。去年、山田邦和先生・ちさ子さん御夫妻、京樂真帆子先生、平田さんと見学に行った、あの南北の壕の気になる遺跡です。

>八井君  同志社の後輩である石井一英君を是非紹介したいと思っております。

美川先生、よろしくお願いいたします。

前川佳代
No.4202

 例会に美川先生がご来場くださるとのこと、今から緊張しております。どうぞよろしくお願いいたします。

 今朝、平泉から新聞記事のファックスが届きました。それには、衣川堤防の工事見直しを協議する方向性が示され、また当初、今月末で終了予定だった衣川遺跡群の発掘調査が来年度も継続されるとありました。詳しくは岩手日報の「平泉世界遺産への道」をご参照ください。
 
http://www.iwate-np.co.jp/sekai/sekai.htm#051015

山口博史さんと「歴史グループ早雲」

No.4192

 畏友・山口博史さんから『私の歴史ノート-歴史グループ早雲と共に歩んだ二十三年』を御恵送いただきました。
 前にも書いたことがありますが、歴史グループ早雲というのは、本当に市民による歴史研究サークルとしては希有な存在で、趣味に偏しているわけでもなく、行政に主導されているわけでもなく、一般の市民によるきちんと学問的基盤に立ったこのような研究会はほかに見たことがありません。山口さんが、その歴史グループ早雲と共に歩んでこられた足跡とそこで発表された研究の成果をまとめられたのが、この本です。
 今まで知らなかった大学時代からの山口さんの日本史との関わりを知ることが出来ました。山口さんとは同じ学年なので、自分の経歴と照らし合わせて、いろいろ思うところ、感ずるところがありました。
 山口さんが歴史グループ早雲との関わりの中で一番印象に残っている先生は戸田芳実先生だと書かれていますが、私が山口さんと面識を得ることが出来たのも、戸田先生のおかげでした。京都労働学校の日本史の講座のうち、鎌倉時代を一緒に担当しないかと戸田先生からお誘いいただいたのがその契機です。あれから、もう20年近く経ち、鹿児島・千葉にいたときも山口さんからは機関誌『早雲』を送っていただき、京都のことを思い出させていただいておりました。
 市民参加の「歴史学」が失われつつある現状を顧みると、歴史グループ早雲の存在はとても大きいと考えます。最近では当ゼミのメンバーも時々学習会に参加させていただいております。
 山口さん、御本の御恵送、ありがとうございました。また、「あとがき」に御紹介を頂いて恐縮至極です。御闘病の中でも歴史に情熱を傾けておられる山口さんに顔向けできるように、私も研究に立ち向かいたいと思っております。

Re: 山口博史さんと「歴史グループ早雲」

No.4193

 山口さん、私にもご恵送いただき、ありがとうございました。

 日頃、歴史になんの関心もない若い学生を相手に講義をすることが多く、
「なにがおもしろうておっさん、そこでしゃべっているの」という態度に、自分の存在意義、にさえ自信がなくなることもしばしばあります。関心がない若者にも、歴史のおもしろさを知らせるのが仕事、とはいいながら、自分がもともと歴史が好きだっただけに、歴史に関心がない人間をひきつける魅力を発散する方法が、どうしても見出せないのです。

 そんなとき、山口さんや歴史グループ早雲の方々の熱心な方々の存在は、たいへん励みになります。私も微力ながら、日本史学の発展につくしたいという思いがわいてまいります。山口さんの一日も早いご快癒を祈るばかりです。

共同研究の申請書類について。

No.4188

 昨日、来年度の共同研究に参加してくださる皆さん宛に申請書類の原稿を二度にわたってメールで送信いたしましたが、文字化けしていたとのことなので再度添付ファイルで送信いたしました。とくに問題はないと思いますが、一応ご確認下さるようにお願いいたします。
 提出は12日正午が締切です。

 ちなみに、目下、科学研究費補助金の申請書類にも悪戦苦闘いたしております。両面コピーは必ず失敗いたしますし、そのうえ今年から電子申請システムが導入されたので、旧人類の私には却って面倒このうえなしです。昨年まで手伝っていただいた永富さんは卒業してしまいましたし・・・。
 「手書きの文化を失って、これからの学問・文化は大丈夫なのでしょうか」とは、悔し紛れの弁です。

Re: 共同研究の申請書類について。

No.4191

佐伯(京大人環)です、こんにちは。
野口先生、色々とご尽力いただきありがとうございます。
大会終了後呆けておりまして、御礼が遅くなり申し訳ございません。
なかなか普段お役に立てることがありませんが、なるべくお手伝いできるようにしたいと思います。

また、野口先生をはじめ、本ゼミやこの掲示板に関わるたくさんの方が、日本史研の大会にご参加下さいました。
どうもありがとうございました。
懇親会にもたくさんの方に参加していただくことができました。
(予約人数を大幅に上回ったので、みなさんに窮屈な思いをさせてしまったのが心残りですが…すいませんでした)
今回の大会が、みなさまの今後の研究に資するところがありましたら、準備に関わった研究委員としても幸いです。
ありがとうございました。

例会は共同研究の開始。付『百錬抄』講読会申請書類について。

No.4195

 佐伯君、お疲れ様でした。部会の懇親会は幹事さんは大変だったと思いますが、盛況だったようで何よりでした。思い起こしてみますと、私も多くの素晴らしい研究者の方たちとの出会いの機会を得たのは日本史研究会の大会でした。懇親会の幹事を引き受けられたというのは、思いの外の学界に対する大きな貢献だったのかもしれません。

◇共同研究
 懸案の共同研究「摂関家の空間における政治と文化(中世前期の宇治に関する総合的研究Ⅰ)」の申請書は無事に提出いたしました。「研究協力者」候補の皆様にはいろいろ御手数をおかけいたしました。

◇例会
 なお、24日の例会は前川佳代さんの「都市平泉の構造」ですから、共同研究参加のメンバーにはできるだけの御出席をお願いいたします。前川さんは、宇治の研究を開始するにあたって相当よい刺激を与えてくださることと思います。なお、ゼミメンバー以外でもこの分野に関心をお持ちの方々の参加も歓迎いたします(恐縮ですが、事前に私かゼミのメンバーに御連絡下さい)。
 すでに、共同研究のメンバーでは、佐藤さん、大原さん(ともに宇治市民)が出席を表明されておられ、また臨川書店の薗田さんもお出で頂けるとのことで、盛況が期待されます。
 なお、参考文献については前川さんから書き込みを頂いていますが、山岡さんに一部現物が渡されているとのことですから、コピーの必要な方は早々に山岡さんに御連絡下さい。

◇史料講読会
 『吾妻鏡』は毎週月曜日午後、『百錬抄』も隔週くらいのペースで水曜の午後に実施されています。『百錬抄』の方には同志社院DCの雨野弥生さん(田中さんの「御」学友)と同学部2回生の石井一英君が後期から加わりました。早く全メンバーに御紹介の機会を得たいものです。
 『吾妻鏡』の方は岩田君と山本君にお任せです。
 『百錬抄』、次回は早くも石井君の担当ですが、クライマックスは平家都落ち。参考文献として以下の3論文を紹介しておきますから、石井君、上級生の鼻をあかしてやってください。
 ・上横手雅敬「小松殿の公達について」(安藤精一先生退官記念論文集『和歌山地方史の研究』清文堂出版、1987)
 ・佐々木紀一「小松殿の公達の最期」(『国語国文』67-1、1998) 
 ・拙稿「法住寺殿と小松家の武将たち」(京都女子大学宗教・文化研究所『研究紀要』
15,2002)

佛教史学会のお知らせ

山岡 瞳
No.4186

龍谷大学の坂口太郎さんより以下のご案内をいただきましたので、書き込ませていただきます。

            佛教史學會第56回學術大會

       ◆日時:2005年10月22日(土)
       ◆会場:龍谷大学大宮学舎
        〒600-8268 京都市下京区七条大宮 TEL.075-343-3311(代)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
研究発表(10:00~15:00)
<午前の部>
○東洋部会 於 南黌104教室
1.Ratnakirti著『刹那滅論』「否定的遍充篇」研究(2)  COE研究員 白石竜彦氏
2.ポラネー伝に見る十八世紀チベット王権論  佛教大 手塚利彰氏
3.唐代蔵経考(仮題)            立正大 手島一真氏

○日本部会 於 清和館3階ホール
1.覚一本『平家物語』が語る暴力と宗教    種智院大 江上琢成氏
2.陰陽道祭祀の性格(仮題)          日本学術振興会 梅田千尋氏
3.明治前期における僧侶の学校教員兼務
    ―近代日本の教育と宗教の関係に向けて―  京都大 谷川 穣氏
<午後の部>
合同部会 於 清和館3階ホール
1.飛鳥池遺跡出土木簡と仏教事業       早稲田大 新川登亀男氏
2.新羅中古における僧侶の社会的活動     滋賀県大 田中俊明氏
3.近世における熊野比丘尼の存在形態     龍谷大 根井 浄氏

特別講演(15:10~16:40) 於 清和館3階ホール
  村の神さま―「山野川海」理解における戸田的と網野的―
                       立命館大教授 大山喬平氏

総  会(於 清和館3階ホール 16:30~17:30)

懇 親 会(於 清和館1階食堂 17:45~19:30  会費5,000円)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
佛 教 史 學 會
事務局:京都市下京区七条大宮 龍谷大学 岡村研究室
郵便番号 600-8268 電話 075-343-3311(代表)内線5229

*なお、非会員の参加費は500円です。

京都女子大学で日本史研究会大会。

No.4185

 プリンセスラインの赤いバス(今夏のゼミ旅行で鹿児島の街にもそっくりなバスが走っているのを発見)がオジサン・オニイサンたちで満員になっていたそうです。ちなみに、私はまだ乗ったことがありません。
 研究委員の山田先生、佐伯君、また、京女史学科の先生方をはじめ、大会の準備・運営に携わった皆様、お疲れ様です。
 初日は天候に恵まれませんでしたが、昼には鹿児島から有村さん・岩川君、名古屋から野口君、それに在京メンバーが研究室に集まってくれました。
 メンバーは出版社の割引販売で沢山の本を購入した模様(しばらく宴会は不可?)。
 ところで、当ゼミの出版物?である『紫苑』ですが、編集長山岡さんの御尽力で、国会図書館にISSNの申請をいたしました。2ヶ月ほどで番号の取得が叶うはずです。というわけですから、執筆者には是非とも気合いを入れていただきたいと思います。
 野口君からは例によって沢山のお菓子の他、研究室のマスコットにと愛地球博でお馴染みのキッコロのお手玉の人形をいただきました。野口君は京都検定1級に挑戦する由です。京都ではありませんが、そのうち彼には湖北の歴史案内をお願いしたいと思っています。
 大会会場で平泉中尊寺の菅野成寛先生からいただいた資料によると、衣川の接待館遺跡で大規模な二重堀が検出された由、詳細については先日平泉に行かれた前川佳代さんに御教示をいただきたいものです。
 なお、会場では久しぶりに杉橋先生や滑川さん・大根田君にお目にかかることが出来、また元木先生の御紹介で報告者の一人である横内裕人先生に御挨拶することがかないました。
 こうした大会に出てみると、1980年代、私が日本史研究会の部会にせっせと通っていた頃、まだ童顔の院生だった方々が今や学会の中堅を担っておられることを実感します。そのうち、当ゼミメンバーも・・・と楽しみにしております。
 
 ☆ 私の尊敬する現役の研究者のうちのお一人(僭越な言い方で恐縮です)である樋口州男先生から、御高著『日本中世の伝承世界』(校倉書房)を御恵送いただきました。
 国文学(軍記・伝承文学)を専攻されている方も必読です。さしあたり、『吾妻鏡』講読会に参加しているメンバーには第一部「中世文芸の伝承世界」の第二章「頼朝の死と橋供養」、山岡さんには第二部「絵巻・絵図の伝承世界」の第三章「伊予河野氏の史実と伝承」の御一読をお勧めしておきます。
 樋口先生にあつくお礼を申し上げます。

 ☆ 源義経の同母兄、乙若こと卿公円済(きょうのきみえんさい)と彼が戦死した墨俣合戦に関する論文の御紹介。
  佐々木紀一「『平家物語』「墨俣合戦」考」(『山形県立米沢女子短期大学紀要』第40号、2005年)

お疲れ様でした。

山岡 瞳
No.4187

今年の日本史研究会大会の会場は京都女子大学で行われることを知り、近くてよかったと思っていたのですが、雨のため(登り慣れていたはずの)女坂を登るのが大変でした。去年は確か台風の動きを気にしていたような気がします。
今回の大会報告は、ちょっと東洋史だった私にとっては興味深いものがありました。久々に京女の先生方にもお会いすることができ、とても懐かしく思いました。
大会の運営に携われた皆様、本当にお疲れ様です。

>野口先生
 本のご紹介ありがとうございます。伊予国出身であるにもかかわらず、地元の歴史には疎いため、これを機会に勉強したいと思います。

>紫苑執筆中の皆様
 締め切りだけは守ってください。

大会会場でお会いした前川佳代さんより、次回例会の参考文献である「都市平泉の構造」(『白い国の詩』2002)をいただきました。コピーをご希望の方は山岡までご連絡ください。前川さんわざわざありがとうございました。


速報・佐伯真一先生、角川財団学芸賞受賞!

No.4174

野口ゼミでもお馴染みの佐伯真一先生が角川財団学芸賞を受賞されました。昨夜、角川財団より学芸賞受賞のお電話があったとの由。学芸賞は平成15年の新設で、今回は三回目。第一回が『口語訳 古事記 完全版』の三浦佑介先生が本賞で、『芭蕉の方法』の宮脇真彦先生が奨励賞。第二回は瀧井一博先生が『文明史のなかの明治憲法』で受賞されています。担当編集者としては、心より佐伯先生にお祝い申し上げるとともに、出会いの場を作っていただいた野口先生にも御礼申し上げる次第です。

Re: 速報・佐伯真一先生、角川財団学芸賞受賞!

No.4178

 すばらしいですね。佐伯先生、おめでとうございます。石浜さんが担当編集者ということは、該当業績は『戦場の精神史-武士道という幻影』(NHK出版 2004年)ですね。石浜さんにもあわせて御祝いを申し上げます。
 これは、京都でもそれをネタに宴会をやれというお告げですかね・・・
〈何かといえば仕事をさぼって呑むことばかり考えている山田でした・・・(^_^;)〉

『戦場の精神史』の著者・編集者に乾杯!

No.4179

 佐伯先生、石浜さん、おめでとうございます。
 今日、尼崎市の公民館で義経の話をしたのですが、そこでもサムライ論に話が及んでしまい、日本人の文化的自己認識に占める武士理解の重要性に思いをいたしておりました。
 いずれにせよ、佐伯先生の『戦場の精神史 武士道という幻影』は、これまでの武士道論ないしはサムライ論の最高の水準を示すものであり、それが一般向けの書物の形で出版されたことに重要な意義があると考えます。
 最近の政治・社会的風潮を見ていると、「サムライは嘘つきだ」と黄色い帯が叫んでいるこの本こそ、これからの日本国民の教科書たるべきものだと私は心底思っております。
 このところ、佐伯先生をはじめとする国文学の研究者の方々に教えられるところ多大なものがあり、歴史学の研究会より軍記関係の研究会の方が面白いというのが今の私の正直な感想です(国文学の先生方の迷惑そうなお顔が浮かびますが、さもありなん)。今後、古典文学と歴史学の研究交流はいよいよ盛んになることでしょう。そのような場で、佐伯先生はますます御活躍下さるものと期待いたしております。
 当ゼミにとって佐伯先生は、国文学関係のメンバーの多くの大学の大先輩であるばかりでなく、私にとっても母校の先生であるという深い縁故がございます。今後とも宜しくお願い申しあげる次第です。

 >石浜さん  久しぶりのお書き込みが大変な朗報で、うれしい限りです。ムシのいい話で恐縮ですが、このことで負債を少しばかりでも帳消しにして頂ければありがたいのでありますが、如何?

Re: 速報・佐伯真一先生、角川財団学芸賞受賞!

No.4180

数日前に、家内が学校で借りてきたビデオを見ていました。
のぞき込むと、平家物語の解説で、なんと佐伯先生出演。
私は不埒であるので、内容よりも、佐伯先生の御頭に目が。
「あれ、佐伯先生、カツラだねえ」などと、述べてしまいました。
ところが、15年前のビデオだったのです。
私は、なんと、失礼なことを、と心の底から反省いたしました。
そういうくだらぬ我が家での一こまがあったので、
今回の受賞はほんとうにうれしいです。
あわせて、石浜さんがひさしぶりにご登場されたことも、
うれしいです。
山田先生、お祝い会、ぜひ京都でやりましょうねえ。

有り難うございます

佐伯真一
No.4181

石浜さん、皆様、有り難うございます。
本日、詳細な連絡のFAXもいただいたので、どうやら本当らしいです。
電話を頂いた段階では、どんな賞だかわかっていなくて、
せっかくお電話くださった方には申し訳なかったのですが、
いろいろとわかってきたら何とも過分なもので、恐縮しています。
編集者というより、幾分かは著者かもしれない石浜さんには、改めて感謝の一言です。
また、該当の拙著の「あとがき」にも書きましたが、
野口先生や近藤先生をはじめ、当掲示板の皆様には、さまざまなご教示を頂いたことは言うまでもなく、
それ以前に、そもそも拙著誕生のきっかけを作って頂いています。
改めて御礼申し上げる次第です。

ところで、えらく古いビデオを御覧になった美川先生。
原稿を見るために、うつむき加減になりがちな私に、
「先生、あんまり下向くと頭映しちゃいますよ!」と言う不埒なディレクターに脅されて、
私が必死で顔を上げてしゃべっていることまではお気づきではありますまい。ふっふっふ。
(いや、いばらなくてもいいのですが)。

Re: 速報・佐伯真一先生、角川財団学芸賞受賞!

No.4182

佐伯先生、受賞、おめでとうございます。また、私の名前まで出していただいて恐縮です。関東でもお祝いの会を開かなければなりませんね。