中世文学会シンポジウムのお知らせ

佐伯真一
No.3617

突然ですが、中世文学会の創設50周年記念シンポジウム「中世文学研究の過去・現在・未来」のお知らせをさせてください。隣接諸分野にも関わって、多彩な内容になると思います。一般来聴歓迎ですので、ぜひお越しください。

5月29日(日曜)於青山学院大学
 分科会(九‥三〇~一二‥三〇) 
第一分科会「中世文学と資料学―学問注釈と文庫をめぐる」
(コーディネーター)名古屋大学 阿部泰郎氏
中世の冷泉家の蔵書をめぐりて  京都府立大学 赤瀬信吾氏
称名寺聖教と金沢文庫蔵書の歴史的意義 金沢文庫 西岡芳文氏
地域寺院と資料学        信州大学 渡辺匡一氏
(コメンテーター)和光大学 山本ひろ子氏
   東京大学 月本雅幸氏
 第二分科会「中世文学とメディア、媒体―絵画を中心に」
(コーディネーター)立教大学 小峯和明氏
文学メディアとしての『十界図屏風』と『箕面寺秘密縁起絵巻』 
学習院女子大学 徳田和夫氏
絵画史料と文学史料     武蔵大学(非常勤) 斉藤研一氏
室町時代の政権と絵巻制作―「清水寺縁起絵巻」と足利義稙の関係を中心に―
大和文華館 高岸 輝氏
(コメンテーター)金沢美術工芸大学 太田昌子氏
   広島大学 竹村信治氏
第三分科会「中世文学と身体、芸能―世阿弥以前、それ以後」
   (コーディネーター)大谷女子大学 小林健二氏
南都寺院の儀礼・芸能と形成期の猿楽能―世阿弥以前の身体を考える
国立歴史民俗博物館 松尾恒一氏
芸能の身体の改革者としての世阿弥   東京大学 松岡心平氏
室町後期の芸能と稚児・若衆    大阪学院大学 宮本圭造氏
(コメンテーター)東京大学 五味文彦氏
   早稲田大学 竹本幹夫氏
学習院大学 兵藤裕己氏
第四分科会「中世文学の人と現場―慈円とその周辺」
(コーディネーター)金沢大学 山本 一氏
歌壇における慈円―承元期以降を中心に― 国文学研究資料館 田渕句美子氏
慈円から慶政へ―九条家の信仰と文学における継承と展開―   天理大学 近本謙介氏
慈円の住房               京都大学 山岸常人氏
全体討論(一三‥三〇~一六‥〇〇)(司会)東京大学 三角洋一氏
山形大学 菊地 仁氏

Re: 中世文学会シンポジウムのお知らせ

No.3619

>佐伯先生  お久しぶりです。入試問題の件ですが、青学から、学長名の挨拶状と500円の図書カードをいただきました。そして、つい昨日、例の赤本屋さんから、掲載許可依頼が届きました。今度は印税・千数百余円でした。
 
 中世文学会のシンポジウム、いずれの分科会もすごい豪華メンバーですね。それぞれの会場は正門あたりに掲示されるのでしょうか。
 長村君など、第四分科会には是非行きたいところでしょう。門屋君は恩師がコメンテーターをつとめる第三分科会でしょうね。
 じつは小生、この前日に横須賀市で「三浦氏と京都-義経の時代を中心に-」と題する講演をさせていただく予定があり、ちょうど関東におりますので、行きたいとは思うのですが、たしか28・29の両日は歴史学研究会大会も行われておりまして、やはり職務上?歴史の方に行くべきかなどと悩んでおります。
 結局、起床後の体調の都合に合わせて、宿泊先に近いところなどという安易な結果に落ち着きそうです。

Re: 中世文学会シンポジウムのお知らせ

美川圭
No.3620

佐伯先生、ご無沙汰しております。
中世文学会シンポのおしらせ、ありがとうございます。
うーん、困りましたねえ。これだけ、4分科会に分かれ、
どれも聞きたい。
とくに私の興味からすると、第一と第四でしょうか。
分科会に分かれて午前中の報告があったあと、
全体討論が午後あるということでしょうか。
聞いている報告がちがうと、いったい全体討論、
どういう風にされるんでしょう。

補足説明

佐伯真一
No.3624

野口先生、美川先生、さっそく熱心な反応、有り難うございます。
当日、大学の教室の大部分は、いつもの日曜日のように、
どこかよその団体に貸し出すようで、シンポジウムは9号館だけでやります。
教室の割り振りは、発表者の方々の機器の使用の都合と、参加者(会員)の人数を見て決め、当日、会場付近に貼りだそうと思っています。
また、午後の全体討論は、各分科会のコーディネーターが今度はパネラーの形になってまず15分ぐらいずつ分科会について報告、
その後、質問票などを利用しつつフリー・トーキングといった形になろうかと思います。
宗教史・美術史・芸能史など、かなり多くの分野にまたがりつつ、「文学研究とは何か」という問題に関わる議論になりそうで、
また、コーディネーターやパネラーが、だいたい団塊の世代から下ぐらいですので、
一言言わねばならじと手ぐすね引いている大家も何人もいらっしゃることと思います。
どんな討論になるか、ちょっと予測できません。
是非、生の現場をご覧いただきたいと思います。
いつもよりはお金をかけたポスターも、昨日発送しました。
あちこちで話題にしていただければ嬉しく存じます。

Re: 中世文学会シンポジウムのお知らせ

No.3627

行きます、行きます、行きます。どれにしようかな、困っちゃう状態です。こういう場合、飲み屋なら、素直にお勧めはどれですかと訊くのですが、今回は……。

Re: 中世文学会シンポジウムのお知らせ

No.3628

慈円がテーマとは。しかも、横須賀市で野口先生のご講演があり、歴史学研究会の大会まで。すごい二日間ですね。
いずれも是非行きたいのですが、諸々の事情と相談して、しばらく悩むことになりそうです・・・

紫苑

天理大学研究生 大原瞳
No.3613

野口先生
 ご無沙汰しております。天理大学考古学専攻研究生大原瞳です。
 この度は紫苑をいただき、ありがとうございました。
 ますます興味が沸き、大学で文献等の講義を聴講してみようと思いました。
 来週より新現場が始まります。もしお時間あれば現場にお越し下さい。

山岡さん
 紫苑、ありがとうございます。字がとても綺麗ですね。花粉症は治りましたか?
 私は現在手続き中ですが、同大の聴講生になる予定です。これからもよろしくお願い  します。

宇治のエキスパートを目指してください。

No.3615

>大原さん 先日も申しましたように是非、宇治のエキスパートを目指してください。
 『佛教藝術』279号の特集「宇治の考古学・藤原氏別業の世界」を読んで、考古学の最新の知見を得ることが出来ましたが、宇治については文献史料もじつに豊富です。おそらく、文献からの研究が進められて考古学の成果と整合させる作業が進められれれば、平泉や鎌倉に匹敵するような(あるいは、それ以上の)成果が上がるものと考えられます。
 宇治市では立派な通史が出されていますが、史料編はありません。本格的な研究はこれからだと思います。幸い元木泰雄先生が忠実期の摂関家を複合権門と評価され、その拠点としての宇治の再評価を試みようとされておられますし、「権門都市」の概念を提示された美川圭先生も宇治には大いに関心をもっていらっしゃいます。
 鎌倉では、岡陽一郎氏のように、本来文献史学が専門の研究者が発掘を担当して大きな成果をあげています。関西でも、平安京・京都さらに福原などで、山田邦和先生が文献史学に越境して御活躍なのはよくご存じの通りです。
 宇治の市民であり、研究者の卵として前途洋々たる大原さんには、考古学と文献史学を総合しうるような実力を身につけていただいて、「権門都市」宇治研究のエキスパートに成長していただきたいと期待しています。ご近所の誼(岩田君と同じ町内)でおおいに応援いたします。
 ちなみに、小生も同志社で↓のような講義を担当しています。

http://syllabus.doshisha.ac.jp/syllabus/html/2005/5121180.html

 京女のゼミでも『百錬抄』や『吾妻鏡』の講読会がありますし、例会では院生クラスの溌剌たる研究報告もなされていますから、こちらにも、どうぞ御参加下さい。
 新しい現場はどちらでしょうか。渡辺貴代さんも一緒でしょうか?
 浜中邦弘先生に、よろしくお伝え下さい。

木幡民です

No.3621

>大原さん はじめまして。野口先生にもご紹介いただきました、関西学院大学博士課程の岩田です。宇治市木幡南山(東宇治高校の近く)に住んでいます。
 先日は市民会館の講座にも伺いたかったのですが、機会を得ず残念でした。院政期の頃を中心とした宇治の都市的機能に注目が集まっているという話を伺うにつけ、地元に対する関心だけは高めておりますが、勉強はまだまだこれからです。

 ところで、このところ引きこもり気味の生活をしていたのですが、京橋ツインタワーの古本市でこんなことがありました。↓

http://2next.net/swf/R3_temp.swf?inputStr=%96%EC%8C%FB%8E%C0%81w%92%86%90%A2%93%8C%8D%91%95%90%8Em%92c%82%CC%8C%A4%8B%86%81x%83Q%83b%83g%81I

お買い上げ恐縮です。

No.3623

 岩田君、拙著をお買い上げ下さってありがとうございました。いくらで売られていたのか。どこから流れてきたのか。知りたいところです。
 正誤表を作ってあるので差し上げます。忘れたら請求してください。また、この本の書評は、元木先生が『日本史研究』に、峰岸純夫先生が『歴史学研究』にお書き下さいました。
 ちなみに『坂東武士団の成立と発展』(>山田ちさ子様 「展開」ではなくて「発展」です)と同様にこの本も早々に絶版となっています。そして同じ様に、本を出してくれた出版社もなくなってしまったようです。もうとっくに、第三論文集を出せるだけの蓄積が出来ているのですが、どこからもお声がかからないのは、その所為でしょうかねぇ?
 しかし、パソコンを使うと、このような芸当が出来るのですね。岩田君、君は使える!
 ところで、拙宅も東宇治高校から徒歩5分のところにありますから、そのうち大原さんと岩田君とで連れだって遊びに来ませんか?
 「木幡歴史学会」でも立ち上げましょう。 

>山田先生  イメージも「ハハハハハ」と笑っているように見えます。 

すみません!

No.3626

☆野口先生、たいへん失礼いたしました。
先生の本のタイトルを間違うなんて、なんたる不手際。
さっそく訂正(._.)φ

☆大原さん はじめまして。山田ちさ子と申します。
ぜひ講読会でご一緒いたしましょう。

☆山本さん 吾妻鏡、今年度もよろしくお願いします。
☆山内さん 水曜日は仕事なので残念ながら参加できませんが、がんばってくださいね。

木幡歴史学会お茶くみ係

No.3631

>大原さん くだらないネタでおさわがせしました。
>山田邦和先生 シンプルに受けて下さってありがとうございます。大笑いして下さった山田先生を拝見したかったです。
>野口先生 「ルパン三世風タイトルメーカー」というページ
http://2next.net/swf/R3_temp.html
から、このような小細工ができますよ。じつはあんまり難しくないので、先生もルパン三世風に語ってみてください。

 『中世東国武士団の研究』ですが、京橋ツインタワーの古本市で恠異学会の戸田さんが見つけられたのを岩田が聞いて、その翌日に入手しました。どこの古本屋さんが出品していたのかは、伝票をむしり取られてしまったのでおぼえていません。すみません。
 お値段は3000円でした。破格の安さです。
 第Ⅰ部第1章・第2章と第Ⅳ部第1章、索引の平国香・維幹・繁盛・致光といったところに激しく赤ペンの跡がありますから、以前の持ち主さんは平氏に興味をお持ちだったのでしょうか。本自体は全体的にきれいです。

 ちなみに、同じ古本市で買った日本古典文学大系『義経記』には、ずいぶん丁寧な字でずいぶん丁寧な書き込みがされておりました。1972.12.18.の日付でp.170に「早く終わんないかな!面白くないね!」と(丁寧な字で)書き込まれてあったのはご愛敬でありましょう。ほかの落書きからも察するに、以前の持ち主さんは女性の方でしょうか。こちらは800円で売りに出されていたのを買い求めました。


 

新年度ゼミ活動に関する連絡事項の確認

No.3610

☆ 山内さんから今年度のゼミの大まかな活動内容について
 
  ① 例会:基本的には第二・第四水曜日に行います。
   但し発表者の都合や人数の都合に合わせて臨機応変に発表の日時は変更致します。
  ② 『吾妻鏡』講読会:昨年度と同じく、月曜日に行いたいと思います。
   但し開始時間は、少し遅れて三時半から行う予定です。
  ③ ゼミ旅行:夏のゼミ旅行はとりあえず鹿児島に行く予定です。
   また冬休みは例年のゼミ旅行違って、京都近辺の日帰りを二回ほど行う予定です。
   (これもあくまで予定なのでまた変更するかもしれません)
  ④ 『紫苑』:第三号での編集の手腕をまた存分に発揮してもらうため、昨年度に引き続き山岡さんに担当
   していただく事になりました。
  ⑤ 今年度第一回目の例会は、4月25日(月)・6時・共同研究室で行います。
   発表は、岩田さんにしていただく事になりました。発表内容はまた後日お知らせ致します。
   ※ また例会でわれこそは!という方がいらっしゃいましたら、山内まで御連絡よろしくお願い致します。
  
☆ 山本君から『吾妻鏡』講読会について 

『吾妻鏡』講読会についてですが、岩田さんとのトップ会談の結果、4月18日(月)・3時半から行う事になりました。従って11日は、お休みです(春休みができなかったので、なるべく早めにしたかったのですが)。
 講読範囲は、昨年度の『吾妻鏡』の続きから行います。
 日時:4月18日(月)・3時半
 場所:共同研究室
 範囲:承元4年(1210)①2月10日条・②2月21日条・③3月13日条・④3月14日条
    ⑤4月19日条・⑥4月22日条の以上です。
 また前回好評だった岩田さんの古文書講座も行う予定です。それも決まり次第連絡致します。

☆ 山内さんから『百錬抄』の講読会について 

  三回生主体の史料講読会について詳細が決定致しましたのでお知らせします。

 日時:第二、第四水曜日の午後4時~
    初回は4月27日(水)です。
 範囲:『百錬抄』第九、安徳天皇
    初回の範囲は最初の1ページです。
 担当:山岡さん
 
 <野口からの補足>
 例会の前の時間に設定してありますので、3回生以外でも多くの方の参加を期待しています。
 『百錬抄』安徳天皇~は、ちょうど、治承・寿永内乱期の面白いところです。
 テキストは吉川弘文館の新訂増補国史大系本を使います。普及版で出ています。ない人はコピーを用意しておいて下さい。
 『百錬抄』は、ほとんど貴族の日記の抄録ですので、記録読解の入門になると思います。
 部屋は人数に応じて共同研究室か小生の研究室か決めたいと思います。
 一応、参加希望者は山内さん、または野口まで御連絡下さい。
 
☆『古代文化』特輯「平家と福原」書評会の実施日について

 第一候補は5月11日(水)、第二候補(第一候補日に元木先生の御都合がつかない場合)は6月4日(土)でお願いいたします。

☆ ゼミ旅行・見学会について

 門屋君・八井君が検討してくれています。行き先などの希望がありましたら、門屋君に御連絡下さい。
 なお、ゼミ旅行については夏に鹿児島に行く案が浮上しています。

四月の例会について

No.3611

 大変遅くなりましたが、次回のゼミ例会を担当します岩田です。次回の例会についてお知らせします。
 >>No.3544で山内さんや上の野口先生からのご案内でお知らせいただきましたとおり、次回のゼミの例会は4月25日(月)の18:00~です。通常は水曜日に開催のところ、報告者の都合により日程を変更していただきました。

 岩田が担当いたします題は『十世紀の院家について(仮)』です。主に十世紀の「院」の存在形態から、当時の社会情勢を展望してみたいと思います。

 主な参考文献ですが、最近のもので分かりやすいと思われる
  吉川真司「院宮王臣家」(『日本の時代史5平安京』吉川弘文館.2002.)
 を挙げたいと思います。ただし報告自体は、より論点の狭い話になるであろうことをご了承下さい。
 拙い報告になること必至ですが、どうぞよろしくおねがいします。

 >山内さん 発表内容の告知が遅くなってしまってすみませんでした。
 >山本さん そういうことですので、四月中に古文書講読を行うのは難しくなりました。来月からでもいいですか?
 >元木先生 遅ればせながら、先日はありがとうございます。関学の院生はみな先生のお話に大いに触発されたようです。出席者として、きちんとした準備をして臨まなければと思いを新たにいたしました。

紀伊国根来寺から

阪本敏行
No.3609

宣伝させてください。

和歌山地方史研究会 連続講座「根来を知ろう!!」のお知らせ

 このたび和歌山地方史研究会では、これまで数十年にわたって行われてきた根来寺旧境内遺跡の発掘調査成果や建造物調査の成果、あるいは門前町の町並み調査の成果などを、地元住民の方々をはじめ、ひろく一般市民向けに分かりやすくご紹介する連続講座を企画しました。
 根来寺は、日本中世の3大遺跡などとも言われ、遺跡の価値は「国指定史跡」級と言われながらも、なかなかそれを一般市民の方に向けて分かりやすくアピールする場がなかったのですが、この機会にぜひ、多くの方々に来て頂き、根来に対する親しみをもっていただければと思います。

 【連続講座 『根来を知ろう!!』】
第1回 4月16日(土) 13:00~15:00
 根来寺遺跡発掘調査の成果
 講師:村田弘 氏(県文化財センター)
 場所:岩出町立民俗資料館2階大会議室
第2回 5月15日(日) 13:00~15:00
 根来大工と根来の建築
 講師:鳴海祥博氏(県文化財センター)
 場所:未定
第3回 6月5日(日) 13:00~15:00
 根来の門前町を歩く
 講師:鈴木徳子氏(県文化財センター)
 場所:未定(天気がよければ現地見学ツアーもあり)
第4回 7月3日(日)
 根来寺古伽藍の絵図
 講師:大河内智之氏(県立博物館)
第5回 8月6日(土) 13:00~15:00
 根来寺の石造物
 講師:北野隆亮氏(和歌山市文化体育振興事業団)
 場所:未定

ふたたび『義経』の話題にて。

No.3604

 「もう、義経の話はしないのか」という苦言が殺到していますので、少しばかり。
 昨日の放送で取り上げられた時期は、これまでの小生の研究の主要部分に該当します。とくに頼朝の挙兵の政治・社会的背景や安房上陸から鎌倉入部の経過などがそれなのですが、サラッと扱われてアッという間に話が終わってしまい、これは文句を言う筋合いではありませんが、さみしい思いを致しました。
 ただ、三浦一族の軍事力を三千といっていたのは、何か軍記物にでも記事があるのかもしれませんが、前に北条氏の軍事力を数騎としたのに比しては多すぎでしょう。
 丹波哲郎いや源頼政も、橋合戦もないままにアッという間に討死にを遂げてしまいましたが(※)、あの場面に出てきた武士の着用していた大鎧の甲(かぶと)の「しころ」(首の後ろ側を防御するための扇のような形をした部分)は12世紀末のものにしてはやや広がりすぎているように思えました。近藤先生のコメントを期待いたします。
 それから、義経が頼朝のもとに参向した際に率いていた兵力ですが、事実ではとてもあんなに少ないとは考えられません。『源平闘諍録』には「二十騎ばかり」、古態本の『平治物語』には、何と「其の勢八百騎」と見えます。

 ※ 拙宅至近のバス停は「頼政道」。この地名は、以仁王を奉じた源頼政の一行が三井寺から南都に向かう逃亡路だったことに由来します。

Re: ふたたび『義経』の話題にて。

美川圭
No.3605

すいません。先週から2回分見ていません。ビデオには録ってあるのですが、
新学期はじまったばかりで授業の準備もあるし、書かねばならない原稿はあるし、
読みたい本はあるし。
話題のネタに見ておいた方がいいとは思いつつ、楽しくないので、見たくない。
楽しくなくても学ぶところがあればいいのだが、それもなさそうなので。
つらいなあ。なんとか、そのうち、と思いながらも、根が不真面目なので、
苦痛なことはやりたくないのです。やはり野口先生はえらいです。
元木先生も、けっきょく先週は御覧になっていたし。
前の中世舞台の「北条時宗」はほとんど第1回で挫折したので、
それよりもがんばった方なのですが。

とにかく苦痛だあ。

Re: ふたたび『義経』の話題にて。

No.3607

確かに笠じころでしたね。それだけでなく、袖に笄金物付いていたり、化粧板に八双金物が付いていたり、みな南北朝期以降の様式です。しかし、それは仕方のないことです。前にも書いたように、甲冑一領を製作するのに一千万も懸かるわけですから、新たな甲冑など簡単に作れません。こういうのは、業界用語で「アリモノ」と言って、既存のものを使用するしかありません。

そんなことよりも、問題なのは、今回のドラマでは、武将すべてが乱髪になえ烏帽子を被り、鉢巻をしていたことです。これも前にも書きましたが、源平時代にはあり得ない風俗です。これでは室町時代です。甲冑ばかり考証しても、こういう直そうと思えば簡単に直せる部分の考証がいい加減では、どうしようもありませんね。

義経一行については、兵力の少なさはともかく(私自身は少なかったと思っていますし)、問題なのは、戦闘員だけということでよ。兵粮や、また義経は小具足姿で甲冑を着ていませんでしたが(その点は良い)、その義経の甲冑は、誰が運んだのでしょうか?私はそれが気になりました。

Re: ふたたび『義経』の話題にて。

No.3608

 当方もビデオで見ました。何ともあわただしい話でしたね。

 それにしても、何で頼政は敵のまん前に立ってすぐに討たれるのですかね。何とも間抜けですな。それを知盛が射てるのを誰も気づかないというのも御伽噺ですな。ついでに言えば、彼がこもった建物はどこなんでしょうか。
 よく見てもいませんでしたが、頼朝が以仁王が討たれたのに、ことさら生きていることにして挙兵するのも説明不足でしょう。それに、いきなり「目代」なんて言葉が出てくるのもどうかな。
 瑣末な研究に没頭して、授業では学生のレベルも関心も考えないで、学術用語を濫用する学者みたいな感じですね。
 以仁王令旨だけで挙兵が成功したかのような描き方も、あまりに単純化しすぎです。
せめて、東国でも平氏方の横暴に多くの武士が怒っていたといった説明がほしいところですね。
 いきなり梶原景時が、平家の満月にかげりが出たと言って頼朝を助けるのも唐突過ぎます。土肥実平が舟を手配することを、どうして景時が頼朝に伝えるのでしょうね。まあ、折角有名人が演じているのと、あとのからみで出番を多くしたのでしょうが。

 福原遷都後の飢饉は何のことでしょう?養和の飢饉は翌年ですがね。たしかに福原遷都後に日照りは起こりますが、直ちに飢饉になるわけではありません。
 そういえば、『その時歴史が動いた』でも、還都の原因は飢饉であり、帰京後に頼朝の挙兵が起こったという、信じがたい再現ビデオとナレーションが流れておりました。それよりはマシですが、飢饉重視に変わりはありません。
 NHKの歴史番組のネタはどこにあるのでしょうか。せめて、年表くらい見ろ!
 

怪奇!妖怪丹後局!

No.3612

 繰り返しかもしれないが、夏木マリの丹後局、どんどん怪奇になってきている。後白河法皇が丹後局に膝枕をしてもらっているシーンがありましたが、どう見てもこの
法皇サマ、魔性のモノに憑かれて正気を失っているようにしか見えません。大河ドラマはいつからホラー映画になったんでしょうか? この丹後局ならば、正体が九尾の狐か“ろくろ首”だったとしても全然驚きませんね。

養和の飢饉

佐伯真一
No.3618

 あわただしかったですよね、先日の義経。
 早く義経の活躍場面に入りたいから、この辺はもうすっ飛ばす、という感じがはっきり出ていました。橋合戦なんかセットを作って撮影したら大変だというのはわかりますし、史実かどうかは怪しいからいいのですが、頼政の最期は、元木先生がおっしゃるとおり、あんまりだと思いました。頼朝の挙兵も、先日は慎重だった頼朝が、何で突然その気になるのか、わかりませんでした。理屈はどうでもいいや、というところでしょうか。
 ところで、養和の飢饉は、治承四年にはもう始まっていたのではないでしょうか。延慶本『平家物語』(第三本=巻六―廿五)では、治承四年に飢饉が始まって餓死者が多く、翌年は立ち直るかと思ったら、疫病まではやって飢死・病死数を知らず…と描いています。治承四年の干魃は、やはりその年の収穫に影響を与えたのではないでしょうか。飢饉が福原遷都の原因だというのは、明らかに無理だと思いますが。

紫苑御恵与いただきまして有難うございます

山口博史
No.3598

野口実先生
 この度は、『紫苑』並びに玉稿「慈光寺本『承久記』の史料的評価に関する一考察」を御恵与下さり、誠にありがとうございました。「源義経の奥州下向」を拝読いたし勉強させていただきました。
 また、昨日は歴史グループ早雲の例会に野口先生のパートナーである野口孝子先生、ゼミ生である山岡瞳さんが来られグループの雰囲気を感じていただけたと思います。昨日の京樂真帆子先生のお話は、あまり研究が進んでいない分野を披露してくださったように感じました。
 さて、小生は体調が悪く、事務局を他の方にお願いしておりますが、歴史グループ早雲のホームページは、私が少しずつ更新をしたいと思っております。今後とも歴史グループ早雲を宜しくお願いいたします。
 

くれぐれもお大事に。

No.3600

 山口さん、御無沙汰いたしております。
 拙文をお読み下さり、ありがとうございました。
 御体調の方、心配いたしておりましたが、昨日、早雲の学習会にお出でになられたと聞いて少し安心いたしました。しかし、くれぐれもお大事になさって下さい。
 歴史グループ早雲のHPも掲示板が復活されて、良かったと思います。以前、当ゼミの永富さん・鈴木君・末松さんが書き込ませていただいたことがあったように記憶します。
 早々に御体調を快復されて、歴史グループ早雲の活動をさらに広げていただきますことをお願い申しあげる次第です。
 昨日の学習会には当ゼミメンバーの山岡さんが初参加させていただきました。

>山岡さん  パソコンの修理中で、書き込みにくいかも知れませんが、お暇があったら歴史グループ早雲学習会の感想など、お願いいたします。

お礼

京樂真帆子
No.3593

野口さま
 昨日は、山岡さんにお会いし『紫苑』も頂戴いたしました。ありがとうございました。また、玉稿「慈光寺本『承久』の史料的評価に関する一考察」も頂戴し恐縮でございます。昨日は思わぬ「伏兵」(あるいは貴ゼミの最終兵器でしょうか?)にもお出あいし、うれしくも緊張の時間を過ごしました。嬉しさのあまり時間を忘れて遅くまでおしゃべりをしてしまいました。よろしくお伝え下さいませ。
 また、大阪の某案件、ご迷惑をおかけいたしましてもうしわけございません。一部には新聞に載った私の写真が悪かったのでは、とささやかれておりますが。別の見方をすると、ある種の「歴史学の危機」の表れかとも思います。この掲示板で議論になっていますテレビ番組のあり方にも象徴されるように、「歴史学」への(歴史的事実や日本史や楽しい歴史などではなく、歴史「学」への)リスペクトが社会から消えつつあるのだと危機感を抱いております。

大阪の某案件をめぐって。

No.3594

 >京樂先生  大阪の某案件は、明らかに京樂先生のお写真が原因ではありません。じつは、主催者の異なる別の某案件についても中止に追い込まれたという事実がございます。小生にとっても主催者にとっても、かかる事態は初めてのことで、お互いにそれぞれの立場から当惑した次第です。
 博物館を民間委託に委ね、テーマパーク化を図ろうとする行政のみならず、個々の市民レベルでも科学・学問への忌避が急速に進行しているのではないかという懸念を感じております。これはおそらく、出版の世界にも及ぶのではないかと存じます。
 私ごときが申し上げるのは僭越なことなのですが、このところ歴史学の世界も長い研究蓄積の上に築き上げられた従来の枠組みが取り払われ、なにか魑魅魍魎の世界に迷い込んでしまっているような感想をもっています。平安時代は陰陽師が裏の世界を取り仕切り、戦国時代は忍者が勝者の帰趨を決定したというような、テレビゲーム的歴史認識に、研究者までが、結果的に加担しているのではないか感じることがあるのです。
 大河ドラマの『義経』もそうですが、正当な真摯なものに対する謙虚さが失われた文化状況が確実に進行している。それも、かなりの速度をもって。そう、思わざるを得ません。某案件もその一環の現象だと考えています。
 一方、行政主体の無料の「某案件」にはたくさんの人たちが押し寄せます。もちろん主体的意志をもって参加されている方が大半だと思いたいのですが、一部には「暇の消化」を目的とする方もおられるようです。こうした状況を総合すると、御指摘のごとく、恐ろしいことになりそうに思います。
 かかる状況に対処するためにも、正当な「歴史学」を継承してくれる若い人たちの育成は急務だと思います。学問を志す若い女性にとっては、元気で情熱に満ちた同性の研究者の活躍は大いなる励みになることと思います。当ゼミに於いても「老廃物のごときオヤジ」たる小生の指導には自ずから限界が御座います。ときに当ゼミ生にたいする御指導をお願い申しあげる所以です。今後とも、なにとぞ、よろしくお願い申しあげます。 

ありがとうございました。

山岡 瞳
No.3602

>京樂先生
昨日、今日とお世話になりました。

「平安時代の建築指図」というお話でしたが、こういった分野には全くと言っていいほど触れたことがなく、私にとって新鮮でした。指図が当時の人々の記録となることや、故実の蓄積になるなど大変興味深いお話でした。また、先日、見学会で訪れた浄妙寺(跡)がお話のなかにでてきたときは、おもいっきり反応してしまい、なぜか浄妙寺に親近感を持っていることに気付きました。

御所の隣に住んでいながら、今日初めて御所に足を踏み入れました。日曜日ということもあり、人の多さには疲れましたが、場所毎に起きる山口さんとの問答で、抱いた疑問が一つ一つ解決していきました。
家に帰ってテレビを見ると、今年一番の暑さだったとか、日焼け対策を怠ったことを後悔しましたが、本当に有意義な時間を過ごすことができました。お誘い頂き本当にありがとうございました。
また、大変丁寧なレジュメをありがとうございました。


土曜日は以前薗田さんが書き込まれた府立大のシンポジウムにも参加しました。
自分に理解できるか心配でしたが、どの先生もわかりやすいお話で、紫式部の時代がどんなものであったのか、様々な視点から見ることができるものでした。
特に、朝廷が夜化していった背景について考えさせられました。当時の時間感覚については全く考えたことがなかったので…。
移動をご一緒させて頂いた野口孝子先生からは、講義で読むことになっている本のおもしろい着目点を教えて頂き、講義で生かしたいと思います。ありがとうございました。

お久しゅうございます。

No.3603

京樂先生、お久しゅうございます。お元気そうなご様子で、大変嬉しく存じます。あまり多くを語ることなく、本日はご挨拶のみで、失礼させていただきます。

Re: お礼

京樂真帆子
No.3616

石浜様
 ひ~い!どろんどろん(消える音)

三回生主体の史料講読会について

山内 梓
No.3587

三回生主体の史料講読会について詳細が決定致しましたのでお知らせします。

日時:第二、第四水曜日の午後4時~
   初回は4月27日(水)です。
範囲:『百錬抄』第九、安徳天皇
   初回の範囲は最初の1ページです。
担当:山岡さん

※場所はおそらく共同研究室か、先生の研究室になると思いますが、確認が取れ次第、追って連絡致します。

『百錬抄』講読会について。

No.3588

 例会の前の時間に設定してありますので、3回生以外でも多くの方の参加を期待しています。
 『百錬抄』安徳天皇~は、ちょうど、治承・寿永内乱期の面白いところです。一昨年度、同志社大学の演習でやったところですから、当時の受講生である田中さん・長村君・野口君・山本君たちの作ってくれたレジュメを、ありがたく活用させていただきたいと思います。
 なお、テキストは吉川弘文館の新訂増補国史大系本を使います。普及版で出ています。ない人はコピーを用意しておいて下さい。
 『百錬抄』は、ほとんど貴族の日記の抄録ですので、記録読解の入門になると思います。
 部屋は人数に応じて共同研究室か小生の研究室か決めたいと思います。
 一応、参加希望者は山内さん、または野口まで御連絡下さい。

薗田さんへ

No.3586

返信遅くなってごめんなさい!
全然オッケ~です。参加という事で名簿に加えさせてもらいますね~。

桜が強敵

No.3595

 >末松さん
 お手数おかけしてしまい、申し訳ありません<(_ _)>
 仕事で近世文学の史料にふれる機会も多く、遅まきながら勉強していきたいな♪と思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたしますね。 
 
 さて、先日お伝えしました府立大学文学部講演会。天候がよく桜も満開ということで会場のにぎわいを心配しておりましたが、盛況のうちに終えることができました。
 お忙しいところ足をはこんでくださったみなさん、ありがとうございました。

 >野口孝子先生
 だいじなご本をありがとうございました!ひとりの時間にじっくりと味わっております。

紫苑届きました

国方茉伊
No.3577

お久しぶりです。皆さんお元気ですか?
春の京都を特集した番組をよく目にする今日この頃。京女周辺は観光客で溢れかえっているのでしょうか。
私は自宅と会社の往復だけで1日が終わるといった感じの日々を過ごしております。そのうち慣れるかなぁ…。
今日仕事から帰ると、机の上に紫苑が!!ありがとうございます。
皆さんとても学術的なことを書かれているのに、私の活動記録といったら…あぁ~(ToT)
恥ずかしいです。
瞳ちゃんおつかれさま!新生活、お互い楽しみましょう♪
宗教文化ゼミのますますの発展を四国から応援しておりま~す。
それでは、また。


Re: 紫苑届きました

No.3579

 國方さん、こんばんは。
 小生、今日は同志社の新年度初講義だったのですが、烏丸今出川のあたりは御所見物や花見の人たちでいっぱいでした。まさに「都の春」です。
 お仕事、慣れるまでは、すこし大変かも知れませんが、國方さんなら、すぐに克服されて、職場で大活躍される事と確信しています。
 『紫苑』の國方さんの書いてくれた旅行記ですが、↓にも書きましたように、先日、小城の村岡総本舗の社長さんからお電話があり、大変喜んでおられました。河上神社で撮った写真をみると、あの時のことをはっきり思い出せますね。
 ↓に書いたのと同じことを言いますが、また、御上洛の時はお立ちより下さい。こちらからも、香川に出掛ける機会を作りたいものです。それでは、お元気で。

 ☆ 明日、小生の畏友である山口博史さんが事務局を担当されていた「歴史グループ早雲」の例会があります。以前、大阪市立大学の仁木宏先生が講師をされた時に、永富さんと鈴木君が参加させていただいたことがありましたね。今回は仁木先生のパートナーである京樂真帆子先生のお話です。府立大のシンポに行く人も、その後にお暇があれば、ぜひ参加されたらよいでしょう。以下に詳細を記します。  
 
   <例会〉 平成17年4月9日(土)
    テ ー マ: 平安時代の建築指図
    講  師 :京樂真帆子氏(滋賀県立大学助教授)
    時  間 :午後6時15分~8時15分
    場  所 :ラボール京都6階の会議室(京都市中京区四条御前角)
    参 加 費:800円(資料代)

Re: 紫苑届きました

京樂真帆子
No.3580

野口様
 ひ~ぃ!今資料を作っています。明日(あ、今日だ)はコピーしたてのほかほかのレジュメを使うことになるでしょう。徹夜はお肌に悪いので避けたいのですが。

なにとぞ、よろしくお願いいたします。

No.3581

 京樂先生、こんばんは。
 学習会には当ゼミから山岡瞳さん(同志社大学3回生・元京都女子大学2回生)が参加の予定です。どうぞ、よろしく、お願い申しあげます。
 そういえば、17日には仁木先生と山田邦和先生が中心になって進めておられる中世都市史研究会京都大会の準備委員会が予定されていて、事前報告をしなければならないのでした。分不相応のことをお引き受けしたので、こちらは徹夜で何とかできるものでもありません。とるべきみちは居直りのみです。