大河ドラマの功罪
No.304
たびたび失礼します。
どうも芸能ネタが弾んでいるようで、ますますのめりこみそうです。美川氏が愛犬ぐるみで溝口健二の一族と関係があり、野口先生のお父上が東映にお勤めとは。
当方、東映時代劇では、悪役にして映画で水戸黄門を定着させた月形龍之介が大好きでした。京大の北にある居酒屋「住吉」(かの杉橋先生ご愛用)のお婆さんが月形氏の隣にすんでいたとか。
昔の時代劇は歌舞伎などと共通する型がありましたから、作りやすいし見る方も一種安心できるところがありましたね。
最近は学問の進化や、思想の変化がありますから、制作側もどのように消化したらいいのかわからないのかもしれません。
昨年の失敗作『時宗』も、昔でしたら、悪逆非道のモンゴルを撃退した大英雄時宗を単純に描けばよかったのですが、今はそうは行きません。さりとて、変に反戦思想を盛り込もうとすると、何とも奇怪な時代劇になってしまいます。時代の制約、今日との違いを明確にした上で、封建制の厳しさ、残忍さ、その悲劇を描かないとシーリアスな時代劇にはならないと思います。荒唐無稽な筋書きもさることながら、女性たちに安易に反戦を語らせた点に、時宗のつまらなさの原因があるように思います。
ただ、最近の大河ドラマ、実はあまり見ていませんので偉そうなことは申せません。当方の家には一台しかテレビがなく、あの時間帯は熱狂的巨人ファンの家族に占拠されているものですから。
そんなわけで太平記もあまり見ておりません。ただ、後醍醐が片岡孝夫では線が細すぎる、ほんとはビートたけしあたりがいいのにと思ったことでしたが、そんな演出をすれば、演出家の命が危ないことでしょう。そこに、野口先生がご指摘になった問題があると思います。
もっとも、66年の義経では法皇の姿さえ出せず、72年の新平家では法皇は顔を出したものの、天皇は御簾の中という演出、79年の草燃えるでも、法皇が中心で、天皇はほとんど出番ナシでした。それに比べると、後醍醐が登場し、女性を抱く場面さえもあったのは大変な進歩と思いました。
あれ以後の大河に、思想面の積極的な意味があるのかどうか。
ちなみに、吉川英治の『私本太平記』は、幕府滅亡までは面白いのですが、そのあたりで氏が病気に倒れ、あとはエピソードを拾うような内容となってしまいました。テレビがつまらなくなった一因は原作にもあったのかもしれません。
熊野旅行にお誘いいただき光栄です。残念ながらとても時間が取れません。お天気が気になりますが、良いご旅行になりますよう、お祈りしております。
それはともかく、現在満仲の伝記を書いている関係で、一度多田に行ってみたいと思います。興味のある方がおられたら、ご一緒しましょう。
多田より、帰りの梅田グルメが当方の真の目的なのですが。
どうも芸能ネタが弾んでいるようで、ますますのめりこみそうです。美川氏が愛犬ぐるみで溝口健二の一族と関係があり、野口先生のお父上が東映にお勤めとは。
当方、東映時代劇では、悪役にして映画で水戸黄門を定着させた月形龍之介が大好きでした。京大の北にある居酒屋「住吉」(かの杉橋先生ご愛用)のお婆さんが月形氏の隣にすんでいたとか。
昔の時代劇は歌舞伎などと共通する型がありましたから、作りやすいし見る方も一種安心できるところがありましたね。
最近は学問の進化や、思想の変化がありますから、制作側もどのように消化したらいいのかわからないのかもしれません。
昨年の失敗作『時宗』も、昔でしたら、悪逆非道のモンゴルを撃退した大英雄時宗を単純に描けばよかったのですが、今はそうは行きません。さりとて、変に反戦思想を盛り込もうとすると、何とも奇怪な時代劇になってしまいます。時代の制約、今日との違いを明確にした上で、封建制の厳しさ、残忍さ、その悲劇を描かないとシーリアスな時代劇にはならないと思います。荒唐無稽な筋書きもさることながら、女性たちに安易に反戦を語らせた点に、時宗のつまらなさの原因があるように思います。
ただ、最近の大河ドラマ、実はあまり見ていませんので偉そうなことは申せません。当方の家には一台しかテレビがなく、あの時間帯は熱狂的巨人ファンの家族に占拠されているものですから。
そんなわけで太平記もあまり見ておりません。ただ、後醍醐が片岡孝夫では線が細すぎる、ほんとはビートたけしあたりがいいのにと思ったことでしたが、そんな演出をすれば、演出家の命が危ないことでしょう。そこに、野口先生がご指摘になった問題があると思います。
もっとも、66年の義経では法皇の姿さえ出せず、72年の新平家では法皇は顔を出したものの、天皇は御簾の中という演出、79年の草燃えるでも、法皇が中心で、天皇はほとんど出番ナシでした。それに比べると、後醍醐が登場し、女性を抱く場面さえもあったのは大変な進歩と思いました。
あれ以後の大河に、思想面の積極的な意味があるのかどうか。
ちなみに、吉川英治の『私本太平記』は、幕府滅亡までは面白いのですが、そのあたりで氏が病気に倒れ、あとはエピソードを拾うような内容となってしまいました。テレビがつまらなくなった一因は原作にもあったのかもしれません。
熊野旅行にお誘いいただき光栄です。残念ながらとても時間が取れません。お天気が気になりますが、良いご旅行になりますよう、お祈りしております。
それはともかく、現在満仲の伝記を書いている関係で、一度多田に行ってみたいと思います。興味のある方がおられたら、ご一緒しましょう。
多田より、帰りの梅田グルメが当方の真の目的なのですが。