大河ドラマの功罪

No.304

 たびたび失礼します。
どうも芸能ネタが弾んでいるようで、ますますのめりこみそうです。美川氏が愛犬ぐるみで溝口健二の一族と関係があり、野口先生のお父上が東映にお勤めとは。
 当方、東映時代劇では、悪役にして映画で水戸黄門を定着させた月形龍之介が大好きでした。京大の北にある居酒屋「住吉」(かの杉橋先生ご愛用)のお婆さんが月形氏の隣にすんでいたとか。
 昔の時代劇は歌舞伎などと共通する型がありましたから、作りやすいし見る方も一種安心できるところがありましたね。
 最近は学問の進化や、思想の変化がありますから、制作側もどのように消化したらいいのかわからないのかもしれません。
 昨年の失敗作『時宗』も、昔でしたら、悪逆非道のモンゴルを撃退した大英雄時宗を単純に描けばよかったのですが、今はそうは行きません。さりとて、変に反戦思想を盛り込もうとすると、何とも奇怪な時代劇になってしまいます。時代の制約、今日との違いを明確にした上で、封建制の厳しさ、残忍さ、その悲劇を描かないとシーリアスな時代劇にはならないと思います。荒唐無稽な筋書きもさることながら、女性たちに安易に反戦を語らせた点に、時宗のつまらなさの原因があるように思います。
 ただ、最近の大河ドラマ、実はあまり見ていませんので偉そうなことは申せません。当方の家には一台しかテレビがなく、あの時間帯は熱狂的巨人ファンの家族に占拠されているものですから。
 そんなわけで太平記もあまり見ておりません。ただ、後醍醐が片岡孝夫では線が細すぎる、ほんとはビートたけしあたりがいいのにと思ったことでしたが、そんな演出をすれば、演出家の命が危ないことでしょう。そこに、野口先生がご指摘になった問題があると思います。
 もっとも、66年の義経では法皇の姿さえ出せず、72年の新平家では法皇は顔を出したものの、天皇は御簾の中という演出、79年の草燃えるでも、法皇が中心で、天皇はほとんど出番ナシでした。それに比べると、後醍醐が登場し、女性を抱く場面さえもあったのは大変な進歩と思いました。
 あれ以後の大河に、思想面の積極的な意味があるのかどうか。
 ちなみに、吉川英治の『私本太平記』は、幕府滅亡までは面白いのですが、そのあたりで氏が病気に倒れ、あとはエピソードを拾うような内容となってしまいました。テレビがつまらなくなった一因は原作にもあったのかもしれません。
 熊野旅行にお誘いいただき光栄です。残念ながらとても時間が取れません。お天気が気になりますが、良いご旅行になりますよう、お祈りしております。
 それはともかく、現在満仲の伝記を書いている関係で、一度多田に行ってみたいと思います。興味のある方がおられたら、ご一緒しましょう。
 多田より、帰りの梅田グルメが当方の真の目的なのですが。

帰京

No.303

 今、和歌山南部の天気を見ていたのですが、明日はともかく、あさって、しあさっての午後は雲行きがあやしそうですね。台風が通過なんてことにならなければよいのですが…。心配です。

義経役

No.301

 この場を借りるのも変ですが、元木先生、お久しぶりです。一部で弁慶役に決まった近藤です。

 ところで、『新平家物語』等のキャスティングで盛り上がっていますが、義経役は、美男子、今でいうイケメンばかりですね。しかし、『平家物語』等によれば、義経は、運動能力は優れていたようですが、小柄で出っ歯の醜男のはず。一度は、イケメンでない義経も見たい気がします。たとえば、思いつきですが、ナイナイの岡村なんかどうでしょう?

 それでは、ゼミのみなさん、楽しい熊野詣でを!

既成のイメージ

野口実
No.302

 芸能話に花が咲き、アクセス3000も間近ですね。こうなると、直接の対話が必要で、元木先生も熊野にお出でになれれば良いのに、とつくづく思っております。明晩、那智勝浦のホテル浦島においでになりませんか?
 近藤先生のおっしゃるとおり、義経は歌舞伎役者みたいな人にはもう演じて貰いたくありませんね。しかし、人口に膾炙している既成のイメージというのは恐ろしいもので、そこからはずれると視聴率が極端に低くなるようです。『太平記』も社会史全盛の時期に、戦後歴史学のリーダー永原慶二先生の考証のもとで放映され、絵巻にあるような場面が出てきたり、出産や元服といった儀式の様子はほぼ忠実に描かれ、片岡鶴太郎の北條高時やフランキー堺の平頼綱のような適材適所の配役もあって楽しめたのですが、どうも後半からつまらなくなってしまいました。その背景には、大楠公史観とでも言いましょうか、皇国史観教育を受けた人たちのイメージとのあまりに大きな乖離のあったことが指摘できるようです。上横手先生も、以前、NHK教育テレビの太平記の講座で護良親王をモリヨシシンノウと呼んだことで、大きな反発を視聴者から受けたそうです。だから、義経も人選は難しいでしょうね。大方の義経ファンというのは、既成のイメージに乗っかっているでしょうから。こうしたことは、若い世代でも再生産されていて、その良い例が安倍晴明でしょう。この場合、皇国史観ではなくて、漫画・オカルト小説史観によるものとでも言えましょうか。ちなみに、安倍晴明展開催中の京都文化博物館は大入りで、これまで閑古鳥の鳴く中にいたコンパニオンさんたちが、かつて見せたことのない笑顔をふりまいているとの情報が元同僚から届いております。
 まあ、東国武士は無骨で粗野で純朴で、京都の公家は女々しくて白粉だらけで、気持ち悪い・・・といった既成イメージをNHKさんが、いつになったら克服してくださるのか楽しみでありますね。
 こうしたことに対して、研究者は非力ですが、でも、大河ドラマはだめでもNHKブックスがありますよね、石浜さん。おっと、藪蛇でした。
 とはいえ、再来年の『義経』、近世・近代の男社会を中世前期に引き写したかたちでホームドラマに仕立てることだけは止めていただきたいと切に願うものであります。なにしろ、今日、社会人向けの歴史教育に果たす大河ドラマの役割は甚大なのですから。
 などと、遊んでいて、ちっとも書評が進まず、焦燥にかられる毎日ですが、そんな中、熊野旅行の成功のために地道な努力をされておられる、永富さんにお詫びとお礼を申し上げたいと思います。

新平家あれこれ

No.297

 新平家の話題で盛り上がっているようなので、黙過できず一言。
 この小説の冒頭は、清盛が叔父忠正宅に借金に行く場面で始まります。吉川英治は、意図的に清盛の若年期を貧しく描いたのではなく、本気でそう思っていたとのことです。これは、小学館日本の歴史の安田元久著『院政と平氏』の月報で、安田、上横手両先生と対談した吉川門下の杉本苑子氏が証言しておられます。たしか両先生は驚かれたような発言をしておられました。
 言うまでもなく、吉川は平家物語「西光被斬」における、西光の罵詈雑言を事実と思ったのです。そういえば、当方の小学生時代の世界文化社とか言う会社が出した歴史の副読本に、清盛が壊れた門から出入りしている挿絵があったのを思い出します。
 ところで、映画の新平家で時子だった久我美子さん(彼女は久我家の嫡流で、本名は字はそのままで「こがはるこ」と、読むそうです。最近は第一線を退いたようですが、先年の久我家文書の展覧会のテープカットの姿を見せていました。やっぱり「また逢う日まで」の印象が消えませんね)は、1972年のテレビの新平家では待賢門院、中村玉緒さんは時子役になっておりました。映画で長谷川一夫が演じた義仲は、テレビでは親戚の林与一氏でした。
 テレビの新平家は大河10周年の特別企画で、すごいメンバーでした。平氏一門は以下の配役です。
清盛・仲代達矢、忠盛・中村勘三郎(勘九郎の父)、池禅尼・先代水谷八重子、経盛・少年時代・郷ひろみ、成人・古谷一行、頼盛・山本学、忠度・中尾彬(当時は二枚目だった)、時忠・山崎努、重盛・原田大二郎、宗盛・勝呂誉、知盛・松山政路、敦盛・勘九郎
祇園女御・新珠三千代、常盤・若尾文子、建春門院・村松英子、建礼門院・佐久間良子、祇王・波乃久里子。時子は上記。
王家:鳥羽・野村万之丞(万斎の爺さんか)、美福門院・小山明子、崇徳・田村正和、後白河・滝沢修、以仁王・北大路欣也、高倉・片岡孝夫(現仁左衛門)、待賢門院・上記
摂関家:忠実・森雅之、忠通・原保美、頼長・成田三樹夫(ヤクザ映画みたい、実はインテリ俳優なのだが)
源氏:為義・佐々木孝丸(築地小劇場依頼の名優)、義朝・木村功(ミスキャスト)、為朝・伊吹吾郎、頼朝・高橋幸治、頼政・芦田伸介、義経・志垣太郎、弁慶・佐藤充(東宝系ヤクザ映画で活躍)、北条時政・加藤大介、政子・栗原小巻、巴・古城都(宝塚の男役だった)、熊谷直実・岡田英次(「また逢う日まで」で久我美子の相手役)
信西・小沢栄太郎、西行・蜷川幸夫(元々は俳優なのです)、藤原秀衡・加藤嘉
麻鳥・緒形拳、妻蓬・和泉雅子(北極に行く前のまだかわいかったころ)。この夫婦が、いわば狂言回しの役でした。
 こうしてみると、物故者も多いし、30年の時の流れを痛感いたしますね。映画、歌舞伎、新劇といったジャンルの実力者がそろって折、それだけに迫力がありました。高校時代の忘れがたい思い出の作品です。

Re: 新平家あれこれ

No.299

元木先生はじめまして。同志社大学の山本と言います。
以前もぐらせてもらった先生の授業(木曜日)の時に挨拶はしたのですが、緊張して上手く自己紹介できなかったのでご記憶にないかもしれません。先生の火曜日と木曜日の授業の両方にもぐらせてもらっていました。その授業の際に時々、時代劇風の解説もしくは
セリフみたいなのが出てくるのが気になっていたのですが、それは
やはり大河ドラマの影響なんでしょうか?
『新平家』の清盛の家が貧しいというのは、吉川英治の創作かと思っていました。下書き込みの発言は訂正させていただきます。
あと一つお伺いしたいのですが、自分にとっての生涯忘れられない大河ドラマは91年の『太平記』です。未だに引きずってますが、
元木先生をはじめ、野口先生や美川先生がたは、あの大河ドラマの評価はどうなんでしょうか?一度歴史学者の諸先生方にお聴きしたかったのです。
いろいろおききして申し訳ございません。
後期も先生の授業に出席させていただくことになりますがよろしくお願いします。

よしつね、ヨシツネ、義経。

滑川敦子
No.296

元木先生
書き込み、楽しく読ませて頂きました。とても豪華なキャスティングですね。66年の大河ドラマ『源義経』は、祖母からも話を聞いた
ことがあります。確か弁慶が緒方拳でしたでしょうか??

野口先生
『義経』キャスティング検討が本格化してきましたね。
もし先生が映画監督でしたら、どのような映画を作っていらっしゃったでしょうか??

私は小学生の時、正月に、源義経や平清盛を主人公にした時代劇スペシャルを見た記憶があります。
覚えている方はいらっしゃいますでしょうか?
源義経
義経:野村宏伸(今では懐キャラ)静御前:安田成美(憲武の奥さん)頼朝:榎木孝明(第二の故郷・鹿児島出身の俳優、絵が上手い)弁慶:里見浩太朗(最近は黄門さま)後白河院:平幹二郎(シブイ)政子:高橋ひとみ(口元のホクロが素敵)富樫:高橋英樹(特別出演)宗盛:あおい輝彦(実はジャニーズ事務所)
平清盛
清盛:松平健(暴れん坊将軍。今度、先輩よりマツケンサンバのMDを借りる予定)時子:かたせ梨乃(ナイスバディ。憧れ)後白河院:高橋英樹(ちょっと以外でした)忠盛:丹波哲郎(霊界の人)
義朝:夏八木勲(大好きな俳優さんの一人です)清盛の恋人・阿耶
(厳島の巫女):名取裕子

だったでしょうか??調子乗って書いてしまいました。
今、正月時代劇って言うと、何かと忠臣蔵ばかりやっておりますが、中世(特に前期)も又やってほしいですね。

長村君、20日のご報告楽しみにしております。
山本さん、色々ご迷惑をおかけします。
そして、内容が題名とあまりあってなくてすみません。

Re: よしつね、ヨシツネ、...

No.298

滑川さんの投稿を読まずに、新平家のことを投稿しました。大変失礼しました。清盛の方の一場面で、夏木勲の義朝と、高松英夫の為義が、保元の乱でどっちにつくかもめている場面がありました。少しは勉強して脚本を作れ、と思ったことでした。

無題

長村祥知
No.295

元木先生
ご無沙汰しております。
お待ちしておりましたら、ついに御出陣。
いよいよすごい掲示板になりましたね。

野口先生から、
>発表の予行演習は8月20日あたりに時間をとって行ないましょうか?

というお言葉を賜ったのですが、みなさまいいでしょうか?

>山本さん、順番決まりましたか?

Re: 無題

No.300

20日・・・ってことは史料購読会の時に一緒に発表するってことでしょうか?
私はそのあたりの予定ならあいておりますのでOKです。

安楽寺HP

No.283

先日掲示板にも書きましたが、安楽寺のカボチャ供養に行った様子が安楽寺のHPに掲載されました、といってもお参りに来た人の写真の中の1枚にすぎませんが・・・。ご存じかもしれませんが、安楽寺は松虫・鈴虫という後鳥羽上皇の熊野参詣中に出家してしまった、後鳥羽寵愛の「女官」(とパンフレットに書いてあります)が出家をしたお寺です。良いお寺なのでオススメですよ、普段は公開してませんが。
 http://wiguchi.infoseek.livedoor.com

Re: 安楽寺HP

No.285

HPの写真、拝見させていただきました♪
かぼちゃ・・・すごくおいしそうですね~うらやましい☆☆☆
機会があればぜひカボチャを食べに・・・いや、お寺の見学に行ってみたいものです。

新平家物語

野口実
No.288

安楽寺のカボチャ、おいしそうですね。ところで、写真の田中さん・末松さん・野口君ともう一人の方は、どなたでしたっけ。
永富さんはレポート済みましたか?
山本君、「院政期における越前斎藤氏と摂関家」あっと驚かせてください。
当方はレポートの採点と某学会誌から御依頼を受けた書評の執筆で
焦燥の日を暮らしておりますが、本日、三時の休憩時間に、ふと、テレビをつけてみたところ、BS2であの元木先生の『平清盛の闘い』序章にスチール写真の掲載されている市川雷蔵主演の映画『新平家物語』が放送されているではありませんか。まさに、中世『平家物語』によって作り上げられた平家認識と戦後の領主制論がないまぜに合体した所産のようなストーリー。しかし、往年の名俳優たちの渋い演技。今では絶対不可能な寺院を利用しての大ロケーション。など、実に見応えのある映画でした。面白かったのは、平忠盛の邸の近くにどうやら蛇塚らしい石積みが見られたことで、これは考古学の山田邦和先生が昔の映画に出てくるとおっしゃっていたとおりで、昭和30年代にどうも、大映はこのあたりをロケ地に使用していたようです。当時の蛇塚の様子がわかる上からも貴重な映像でしょう。平時忠の家が、もと藤原氏だったものが平家に荷担して放氏され、平氏になったなどという、おそるべき虚構もありました。ちなみに、時子を演じたのは久我美子、その妹の滋子は中村玉緒でした。後者は配役の字幕からのみ分かったことで、現在のイメージからは全く想像できず、ここにおいて私はもっとも「諸行無常」を悟った次第でした。

Re:新平家物語

美川圭
No.289

野口先生、こんにちは。HP盛況でなによりです。美川です。
単なるゴミレスです。

市川雷蔵主演の『新平家物語』の監督は、あの巨匠溝口健二ですね。
我が家は『白河法皇』の「あとがき」でも触れたように、歌舞伎界とか映画界とかと、妙ちくりんなつながりがあります。

雷蔵は関係ないのですが、この溝口とも、わりと最近、関わりがあります。家内が前任校で、溝口のお嬢さん(といっても我々の母親に近い年齢)と同僚だったので、溝口家とお近づきになったのです。溝口は田中絹代と関係があったので、その田中と対立した本妻の家ということになります。

うちには、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルという種類の、顔は、西洋中世の「騎士」に似るが、性格は単なる「甘えもの」イギリス系の犬がいます。我が家が泊まりがけの留守をするとき、この犬の「キャロライン」は溝口家で優雅な休日をすごすというのが、恒例となりつつあるのです。私はうかがったことがないのですが、その桂の溝口家は広い庭があり、自由に走り回れる環境だそうです。この前の月末、4日ほど沖縄に行っていたのですが、その間も溝口家で贅沢三昧をすごしていたようです。

書評一件。

野口実
No.290

美川先生、そうです、あの映画の監督は溝口健二です。それにしても、美川さんの御家族は芸能界に縁が深いですね。愛犬までその余徳にあずかれるとは。
それで思い出したのですが、実は小生の父も若い頃、映画好きが高じて東映に勤めていたことがあり、片岡知恵蔵などと一緒に写っている写真を見せてもらったことがございます。息子(私です)は映画監督にしたかったようです。
さて、小生、今日も書評の執筆で朝から呻吟しておりますが、どうもBS2では午後中『新平家』の続編が放映されるようで、これを観てしまいそうな雲行きです。
ところで、書評と言えば毎日新聞に載った美川先生の御著『白河法皇』への書評について、さきに紹介した後深草院二条のサイト(NO.270参照)で、その後も話が展開しています。研究者の書評に対するスタンスを考える上で、いろいろ考えさせられるものがあり、熊野旅行では当然話題となることだと思いますので、みなさんも是非このサイトのbbsをご覧になっておいてください。毎日掲載の書評は、そのbbsの7月30日付の美川先生の書き込みにアドレスがありますので、そこでご覧になれます。

校正

野口実
No.291

上記の「片岡知恵蔵」はもちろん「片岡千恵蔵」の誤りです。念のため。
このところ、「講読」を「購読」にしたり、変換ミスに気づかぬことが多くて困ります。「歴史家にとって正確は義務であって美徳ではない」のですが。

Re: 安楽寺HP

No.292

野口先生へ
 写真で右手前に写っているのは、同行した私の高校時代(京女)からの友人で越智さんといいます。法律を勉強しているのですが、大変な読書家(特に外国のもの)です。が、彼女はご本人いうところの「洋モノ」ばかりで「和モノ」と接点がない為、前から研究会でのイベントに興味を持ってたので今回の見学会に誘ってみた次第です。

Re: 安楽寺HP

No.293

野口先生>レポート、出来はともかくとしてすべて提出することができました。ようやく私も夏休み突入です。
今日は角倉フォーラムに参加して、文系理系各分野の研究者の先生方のお話をたくさん聴き、刺激を受けました。工学系の先生が多かったのでお話についていくのが少々大変でしたが☆(ついでに大和文華館で去年開催された角倉素庵展の図録もゲットしてまいりました)
今夜はレポートではなく、旅行のしおり作りを急ピッチで完成させ、明日には印刷完成の予定です。皆様には当日お渡しいたします。

「新平家」について

No.294

野口先生、昨晩は論文の内容を言うつもりで電話したのですが、
驚かす結果になってしまいました。すいません。つくづく世話を焼かせる不良弟子です。内容は時期を絞って白河から鳥羽院政期にしています。これから勉強する土台的なものになってしましますが、
がんばります。
『新平家』の映画は自分も見ました。野口先生が違和感を感じた点はいきなり忠盛・清盛の家が貧しいという設定だとおもいます。
この設定の原因は原作の吉川英治の『新平家物語』にあります。
どうしてそのような設定にしたかというと、作者の吉川英治が、終戦で貧しい戦後日本の時代体験をこの『新平家』に投影したものだからです。そして貧しい戦後日本の経済成長=平清盛の出世、そいして平家の繁栄というような構成が背後にあると何かで読みました。(この構成でいくと日本は滅亡することになるんですけど)
市川雷蔵の迫力もさることながら、自分が一番驚いたのシーンは、貧しい平時忠の家で平時子と平滋子が洗濯をしていたシーンです。
後に女院となる建春門院がお姉さんの時子さんから「滋子、これお願い」と言われて、あの女院が足でふみふみしながら洗濯しているではないですか!その時、ちょうど栗山圭子さんの論文を読んでいたせいかショックは二倍でした。映画ネタなのでつい割り込みました。
>美川先生へ
溝口監督の映画は小津映画と同じで、古きよき時代の日本の雰囲気を感じさせる映画でした。何本か見ましたがカラーに慣れているせいか白黒の映画は逆に新鮮でもあり、映像も美しかった気がします。特に『雨月物語』の怪しげな雰囲気などは。
それに較べると、『新平家』はカラーでもあるせいか、少し従来の作風とは違った気がしました。
あの溝口監督の家とも縁があるといのは、一映画ファンとしてすごいと思ってしまいます。

すいません。映画が趣味なのでついつい長くなりました。
五回生(留年中)に映画ばかり見ていたんですが、最近の映画より
断然昔の映画の方が面白かったので書き込みしました。
あ、論文書かないといけないのでこの辺で。
あと史料講読の分担は当方で独断で決めさせてもらいます。

修正

No.281

野口先生には、早速ご返答を賜り、恐縮に存じます。
先ほどの投稿で、熊野のサマーセミナーを80年といたしましたが、81年の誤りでした。謹んで訂正いたします(したがって平泉が80年となります)。

はじめまして

No.279

 初めて投稿させていただきます。大変な盛り上がりぶりで、ゼミの活況が窺われ、大慶に存じます。
 熊野のご旅行の由をお聞きし、勝浦の海上遊覧をご提案したところ、すでに営業終了の由にて驚いております。6年前は大変な活況だったのですが。まさに盛者必滅ですね。
 お詫び方々、ご旅行のつれづれにネタを一つ。1979年の平泉サマーセミナーの時、翌年の開催地が熊野だったことから、某氏が来年は法皇の御幸だ、と口走ったために、では法皇は誰だ、と言うことになり、後白河は黒田俊雄先生にしよう、では清盛は戸田芳実先生・・・あとは悪乗りで、源頼朝は石井進、ライバル関係の後鳥羽と北条義時は網野善彦・大山喬平、北条時政は当時の大河ドラマの時政役の金田龍之介に風貌が似ていた稲垣泰彦、法然は学界デビュー早々の平雅行、九条兼実は距離をおきながら情報に通じた工藤敬一、そしてナレーター永原慶二、時代考証・佐藤進一の諸先生と決まったとのことです(他にもいろいろあるのですが、若干はばかりがありまして)。こうして書き並べてみると20年前の学界を偲ぶよすがともなりそうですね。
 再来年の本当の大河ドラマ、義経とのこと、変なアイドルに演じられたり、荒唐無稽な内容にされたりするのは不愉快ですね。
 ちなみに66年の『源義経』では、義経・尾上菊之助(菊五郎)、静・藤純子(菊五郎夫人)、弁慶・緒方拳、頼朝・芥川比呂志(文豪龍之介の長男)、清盛・辰巳柳太郎(新国劇、澤田正二郎の後継者)、時子・夏川静江(サイレント時代から活躍した大女優)、宗盛・東千代介、知盛・中村宗十郎(最近74歳で第二子)、敦盛・舟木一夫、熊谷直実・中村竹弥、秀衡・滝沢修、忠衡・田村正和・・・・てなところでしたな。当時は、やはりタブーがあって、上皇も顔は出ませんでした。
上皇が顔を出したのが、72年の『新平家』から。後白河が滝沢修、崇徳が田村正和、高倉が片岡孝夫(仁左衛門)、今はTVショッピングによく出る志垣太郎が義経でした・・・・・。いやはや、どうも調子に乗りすぎましたな。あとはいずれまた。

Re: はじめまして

野口実
No.280

元木さん、もとい、元木先生、ついに御登場下さいまして、あつくお礼申し上げます。お待ちいたしておりました。そうですか、1980年のサマーセミナーは熊野で開かれたのでしたか。日本中世史の研究者には大ウケ間違いなしのお話、ありがとうございました。ゼミのみなさん、ここに配役された研究者、すべてご存じでしょうね?今回のゼミ旅行でも、滑川さんを中心に『義経』のキャステイングが検討されるとのことですが、このさい、2001年版、現役研究者による配役案も考えてみる価値がありそうですね。すでに決まっているのは、弁慶の近藤好和先生です(風俗考証兼任)。時代を院政期まで広げて、頼長役なども考えてみましょう。さて、元木先生は・・・?

またまた控え居ります

No.282

 元木先生、こんばんは。京大の授業に参加させていただいております田中裕紀と申します。今後とも宜しくお願い申し上げます。
 66年の大河ドラマ『義経』の配役に目を奪われてしまいましたが、私にとっては「田村正和が忠衡!?」「敦盛が舟木和夫!?」と少し意外なキャスティングです。知盛役の中村宗十郎も、今の富十郎の事ですから、どの俳優も今からは想像もつきません。これも参考に、熊野での配役ミーティングを迎えたいと思います。

再修正と追加

No.284

知盛役は田中さんのご指摘の通り、中村富十郎の間違えです。失礼しました。あと思い出した重要な役どころとしては、金売り吉次・加藤大介(字は不正確かも、長門裕行、津川雅彦の叔父)、常盤御前・山田五十鈴、教経・山口崇、佐藤継信・岩井半四郎(仁科明子の父)、常陸房海尊・内藤武敏、伊勢三郎・田中春男(『生きる』などに出演した脇役)といったところでしょうか。

書き込み、ありがとうございます

No.286

はじめまして。
ここのHP管理+熊野詣の幹事を務めております京女史学科三回の永富絵里子です。
元木先生の講義には前期の前半あたりまで(後半は事情で参加できませんでした)聴講させていただいておりました。

66年の大河ドラマ『義経』の配役に関しましては、私が世間知らずなため、知らない役者さんが多くちょっとイメージがつかみにくかったのですが、研究者版の配役のほうはたいへんおもしろく拝見させていただきました。貴重な裏話、ありがとうございました。

ゼミの皆様>これを機に紫苑BBSに大河ドラマ評論コーナーをつくってもおもしろいかもしれませんね。(笑)
熊野での配役ミーティング、楽しみです。
そしてそれがある程度まとまったら新たに「紫苑」別冊がそのネタでできちゃったり・・・☆(少々冗談がすぎました。すみません)

油断も隙も無いですね

No.277

本当にこの掲示板は、増えないときは全く変化がないのに、波に乗るとあっという間にカキコミが増えますね。油断も隙もない!そして、知らない間に、近藤先生と野口先生の間で私の話が!!
>近藤先生
 ご存じの通り、この漢字で女性という方が珍しいのですっかり慣れてしまいまして、全く気にしておりません(福岡ダイエーホークスの小久保も裕紀です。彼は「ヒロキ」ですが)というか、かえって名前を覚えていただけたようで「なかなかいいもんだな」と思った次第です。

>ゼミのみなさま
 日頃の運動不足がたたったのか、このお中元期間のバイトで少々腰を痛めてしまったかもしれません。まあ、大丈夫だとは思うんですが、もしももしも熊野でご迷惑をおかけしたらすみません・・・と、先に言っておきます。

Re: 油断も隙も無いですね

No.278

 不必要な書き込みをしてしまったかもしれません。よくよく考えると、道端の掲示板と異なり、ネット社会の掲示板というのは難しいですね。50代以上の世代には、「とても入れ込めない世界」が確かにここにはあります。
 しかしまあ、便利なものであることも確かです。
 門屋君から私信があり、25日の学習院の上洛軍の勢力は30騎にも及ぶということなので、本日は早々に出勤して、総務・教務を駆け回り、ようやく現代社会学部S校舎の210教室を借りることが出来ました。目下、熊野詣が懸案ですが、この日の準備もおさおさ怠りなきようにしたいものです。私は27日も学習院の皆様と竹生島に行くことにしました。腰が重いので、このチャンスを逃すと暫く行かないと思いますので。門屋君・田中さんは高松の予定もたてておられたようですが、参加者は集まりましたか?
 蒸し暑い毎日で、カビが生じやすいようです。私は昨日、カビだらけのお饅頭を頬張ってしまいました。お気をつけ下さい。