歴研大会報告&掲示板書き込み復活しました。
山本陽一郎
No.2102
久しぶりの書き込みです。手間取っていたプロバイダー契約も何とか終わりました。長らく掲示板不在で申し訳ありませんでした。
さて、もうかなり時間が経過して鮮度がおちてしまいましたが、去る5月29・30日にあった歴史学研究会大会について報告したいと思います。自分は、総会には事情により出られず、2日目の中世史部会の方にだけ出ました。報告内容は高橋一樹氏の「荘園制の変質と公武権力」、清水克氏の「荘園制と室町社会」で、午前の部は2人の報告、そして午後からは個別討論&全体討論というもので、朝から夕方(6時半ぐらい)までみっちり「荘園制」漬けの一日でした。最初の高橋氏の報告は、大学院の授業や氏の論文などで勉強していったつもりで聞いたのですが、こちらの力量&勉強不足のせいか正直分かりませんでした。知行国制と荘園制との関係や地頭請所など、報告は院政期から鎌倉時代と広範囲に渡るものでしたが、聞きながら「分からない、分からない」という雄叫びを心の中で連発しながら聞いていました。二人目の清水氏の報告は、午後の部の討論会でいろいろ批判的な意見が出ましたが、室町時代が不勉強な自分にもわかりやすかったと思います。そして午後の部は、個別討論会と全体討論会でした。まず佐藤和彦氏が荘園制の問題と南北朝との関係、海津一朗氏が対モンゴル政策と国策上の荘園制の意義、海老澤衷氏が公領の位置付けなど、島田次郎氏が「在地領主制」の評価の問題など有名な諸先生方が次々と意見を出されて、ミーハ-な自分にとっては先生方の名前を聴くたびに驚いていました。今回の大会で一番印象に残ったことは、諸先生方の述べられる意見に、世代間の差が出ていたことでした。島田次郎氏は「永原世代」といい、海老澤氏は「石井・網野チルドレン」と言っていたことは特に印象的でした。例えば「荘園制」そのものの評価を巡って、「土地制度」と捉えるのか「社会制度」として捉えるのかなど、また豊田武氏の研究の評価に関してなど、より根源的な議論に差し掛かった時はよりそのことが鮮明となりました。それぞれの時代に影響を及ぼした歴史理論・歴史学方法論などが、時代や研究は進んでも今なお影響を及ぼし続けることを今回の歴史学研究大会で感じ、そのことに一番興味を憶えました。
>野口先生&ゼミのみなさま
長い間掲示板不在でスイマセン。やっと復活しました。ただ、以前と較べて忙しくなり時間があまり取れないので、書き込み自体は少なくなるかもしれませんが、できるだけ書き込みするのでよろしくお願いします。メール設定も済み次第送信します。また昨日はFWお疲れ様でした。
>佐伯先生
はじめまして、神戸大文学研究科日本史学専攻・M1の山本といいます。よろしくお願いします。専攻は中世史で、野口先生の影響で中世武士論を勉強しているものです。先生の御著書『戦場の精神史』を最近やっと購入して、毎日神戸大までの阪急電車の中で読ませて頂いています。自分は武士の存在形態などが研究テーマです。中世武士自体の外面的なものしか見ていない自分にとっては、彼等が持つ価値観や倫理・道徳などのエートスから内面的なのものに触れられている先生の御著書はとても面白く新鮮で武士論を勉強している自分にとってはとても刺激になります。特に「だまし討ち」や「一騎打ち」と武士の持つ倫理観との関係性などはスッキリと分かりました。ただ疑問に思った点も有りましたので、ここの掲示板でその点についてお聞きしたいと思い書き込みました。敵や捕虜を助ける話についてですが、先生は当時の武士には降人を助けるべきという社会通念やルールが存在したと述べられおりました。そしてそその背景を人間関係とおしゃっていましたが、自分には他に原因があると思いました。基本的にあの当時の武士は、「恩こそ主」という言葉にも表れているように、よく言えば合理主義的、現実主義的な精神を持っていたと思います。従って、敵となっ勇猛なた武士を助けるという背景には、自分の家人として確保したかったからではないでしょうか?それが分かる具体的例は示さず、根拠も無い思いつき的な発言なんですが、武士団もしくは、武士同士の個人的情誼からは説明できない当時各武士団がもつ現実的な背景があると思い上記の意見を述べました。まだ全部読んでいないので的外れ的な質問かも知れませんがよろしくお願いします。
さて、もうかなり時間が経過して鮮度がおちてしまいましたが、去る5月29・30日にあった歴史学研究会大会について報告したいと思います。自分は、総会には事情により出られず、2日目の中世史部会の方にだけ出ました。報告内容は高橋一樹氏の「荘園制の変質と公武権力」、清水克氏の「荘園制と室町社会」で、午前の部は2人の報告、そして午後からは個別討論&全体討論というもので、朝から夕方(6時半ぐらい)までみっちり「荘園制」漬けの一日でした。最初の高橋氏の報告は、大学院の授業や氏の論文などで勉強していったつもりで聞いたのですが、こちらの力量&勉強不足のせいか正直分かりませんでした。知行国制と荘園制との関係や地頭請所など、報告は院政期から鎌倉時代と広範囲に渡るものでしたが、聞きながら「分からない、分からない」という雄叫びを心の中で連発しながら聞いていました。二人目の清水氏の報告は、午後の部の討論会でいろいろ批判的な意見が出ましたが、室町時代が不勉強な自分にもわかりやすかったと思います。そして午後の部は、個別討論会と全体討論会でした。まず佐藤和彦氏が荘園制の問題と南北朝との関係、海津一朗氏が対モンゴル政策と国策上の荘園制の意義、海老澤衷氏が公領の位置付けなど、島田次郎氏が「在地領主制」の評価の問題など有名な諸先生方が次々と意見を出されて、ミーハ-な自分にとっては先生方の名前を聴くたびに驚いていました。今回の大会で一番印象に残ったことは、諸先生方の述べられる意見に、世代間の差が出ていたことでした。島田次郎氏は「永原世代」といい、海老澤氏は「石井・網野チルドレン」と言っていたことは特に印象的でした。例えば「荘園制」そのものの評価を巡って、「土地制度」と捉えるのか「社会制度」として捉えるのかなど、また豊田武氏の研究の評価に関してなど、より根源的な議論に差し掛かった時はよりそのことが鮮明となりました。それぞれの時代に影響を及ぼした歴史理論・歴史学方法論などが、時代や研究は進んでも今なお影響を及ぼし続けることを今回の歴史学研究大会で感じ、そのことに一番興味を憶えました。
>野口先生&ゼミのみなさま
長い間掲示板不在でスイマセン。やっと復活しました。ただ、以前と較べて忙しくなり時間があまり取れないので、書き込み自体は少なくなるかもしれませんが、できるだけ書き込みするのでよろしくお願いします。メール設定も済み次第送信します。また昨日はFWお疲れ様でした。
>佐伯先生
はじめまして、神戸大文学研究科日本史学専攻・M1の山本といいます。よろしくお願いします。専攻は中世史で、野口先生の影響で中世武士論を勉強しているものです。先生の御著書『戦場の精神史』を最近やっと購入して、毎日神戸大までの阪急電車の中で読ませて頂いています。自分は武士の存在形態などが研究テーマです。中世武士自体の外面的なものしか見ていない自分にとっては、彼等が持つ価値観や倫理・道徳などのエートスから内面的なのものに触れられている先生の御著書はとても面白く新鮮で武士論を勉強している自分にとってはとても刺激になります。特に「だまし討ち」や「一騎打ち」と武士の持つ倫理観との関係性などはスッキリと分かりました。ただ疑問に思った点も有りましたので、ここの掲示板でその点についてお聞きしたいと思い書き込みました。敵や捕虜を助ける話についてですが、先生は当時の武士には降人を助けるべきという社会通念やルールが存在したと述べられおりました。そしてそその背景を人間関係とおしゃっていましたが、自分には他に原因があると思いました。基本的にあの当時の武士は、「恩こそ主」という言葉にも表れているように、よく言えば合理主義的、現実主義的な精神を持っていたと思います。従って、敵となっ勇猛なた武士を助けるという背景には、自分の家人として確保したかったからではないでしょうか?それが分かる具体的例は示さず、根拠も無い思いつき的な発言なんですが、武士団もしくは、武士同士の個人的情誼からは説明できない当時各武士団がもつ現実的な背景があると思い上記の意見を述べました。まだ全部読んでいないので的外れ的な質問かも知れませんがよろしくお願いします。