明日の基礎演習Ⅱ・演習Ⅱ

No.18306

 明日は秋分の日ですが、京都女子大学は通常授業日です。

 Ⅲ講時の基礎演習Ⅱは大学周辺の史跡見学に備えて、その事前学習を行いたいと思います。時間が余れば、学内のポイントから京都の史跡を眺めてみるなどということも考えています。

 演習Ⅱの方は、歴史的に物事を探究するための基礎的な情報をお話ししたいと思います。
 何か資料のコピーでも用意してみましょうか。

 私の方は前期の授業アンケートの結果に対するコメントの執筆を終えたところです。講演資料も本日中に発送予定。月末までの仕事はなんとか終わらせることが出来そうです。
 でも、まだ何か忘れているのではないかと不安です。

【追記】 髙橋昌明先生より、新刊の御高著『京都〈千年の都〉の歴史』(岩波新書)を御恵送頂きました。
 髙橋先生に、あつくお礼を申し上げます。

行ってよかった仏教史学会例会

No.18289

 Facebookでお伝えしたように、昨日は仏教史学会例会に平雅行先生の研究発表「日本中世における出家入道」を拝聴に出かけました。
 ちょっと時間的に無理かな、と出席を諦めていたのですが、前日の夜に、以前、先生から頂いた「出家入道と中世社会」(『大阪大学大学院文学研究科研究紀要』53)をあらためて拝読したところ、これは行かずばなるまいと思いました。とくに、本文の最後に書かれた「中世仏教史を寺院と僧侶の歴史から解き放たなくてはならない」という一節のインパクトは大きく、一挙に優先順位が上昇したという次第です
 この論文は、家督を保持したまま出家入道するという、世界史的にも奇異な日本中世の風習とその背景について考察し、浄土教が中世社会に与えた影響の大きさを論じたものですが、今回の御報告は、膨大な出家事例を分類・類型化した成果を踏まえて、なぜ中世社会で出家が盛行したのか、その原因を探ることを目的とされたものでした。

 その内容をここでお話しするわけにはまいりませんが、私が痛切に思い至ったのは、平先生御自身も指摘されていることなのですが、近親者や主人の出家に家族・従者が追随する例などを見ると、これは主従制の研究や家制度の研究に還元できるし、出家した者が院や大殿などとして最高権力者の地位にあることは、日本中世における政治権力論、さらには日本人の心性や社会構造のあり方にも及ぶ、とても重要なテーマであるということでした。

 具体的な事例のお話しも面白く、某貴人が出家を完了するまでの潔斎には大いに頑張ったのに、それが過ぎると途端に大々的に博奕や大酒を再開し、女色にふけるといった事例など、今日のダイエットブームを彷彿とさせるものがございました。それから、「一蓮托生」の意味とか、なぜ近世から「心中」が盛行するようになったのかといったことも分かりました。まだまだ面白い事実が紹介されておりましたが、それら個々のお話しは来年の教養科目の講義などで大いに使わせて頂こうと思っております。

 それから、「出家入道」の意味を考えるに、現代社会において言うならば、まさに大学こそが、そうした存在が身を置くところであるべきだということに思い至りました。
 何を言っているのだろうとお思いの向きも多かろうと思いますが、まぁ少し考えてみて下さい。

 ともあれ、京女から会場の龍谷大学(七条大宮)までテクテクと歩いていった甲斐は大いにございました。平先生が楽しそうに御研究に取り組んでおられる様子を拝見したことで、私自身の研究に対するモチベーションも高めることが出来ました。
 会場では下石君と御一緒させて頂きましたが、仏教史の名だたる研究者がたくさんお見えのようでした。

さて、本日は27日の講演レジュメを作成しています。ほかにもたくさん、書類を書いたりしなければならないことがあるのですが・・・、
 かくして貴重な日曜の午後も過ぎていくのでした。

それから、申し遅れましたが、院試を受けたみなさん、お疲れ様でした。朗報をお待ちしています。
 もし駄目であっても気落ちすることなかれ。君たちの実力をもってすれば、春にはいくらでも逆転することが可能です。

 木曜日は、15時に史料講読会が始まる前、14時から一時間ほどは、研究(卒論・修論・博論)や進学についての相談に乗りますよ、とお伝えしたところ、早速お申し込みを頂きました。御役に立てそうなことがあれば、どうぞ御遠慮なく。

後期開始、第一週の状況報告。

No.18241

 後期開始。
 火曜日の基礎演習Ⅱ・演習Ⅱは無事にスタート、と言いたいところですが、例によって前期に履修してくれた学生さんの名前を忘れる、配付する予定の書類を忘れる、などなど。藤原実資なら日記に「如泥」と書くに相違ない有様でした。
 これで、昨年度までと同様に午前中にキャンパスプラザの講義を入れていたら、とても大変なことになっていたと思います(今年度は金曜のⅡ講時に設定⇒>>No.17975を御覧下さい)。
 そんな中、面白かったのは基礎演習Ⅱの一回生と演習Ⅱの二回生の態度が極端に異なること。高校教員時代のことを思い出してしまいました。

 研究所ゼミの方はあらたに神戸大学の院生さんも加わって、好調なスタート。すでに史料講読会の運営は岩田・山本両師範代にお任せして、私は横から口を挟む立場になりました。
 レベルは相当高くなっていて、毎回の話題一つで、おそらく学部卒論程度の論文は立派に書けてしまうのではないかと思います。
 出席者のモチベーションが高いので、以前のような余計なエネルギーを使わずに済むようになってきたのですが(意味はわかりますよね)、私自身が耄碌してきたので、ちょっと頭が追いつかなくなったり、気が回らなくなることがあるのが問題と言えるのかも知れません。
 
 いまはちょうど国立大学で大学院の入試が行われている時期です。昨日は前日の筆記試験をパスして、当日の面接試験が終わった後にゼミに駆けつけてしっかりと勉強していったメンバーもおられました。
 それから、史料講読開始前には、すでに研究者として独り立ちしている古参メンバー(3Yのお一人)の来訪もあり、昔話に花を咲かせたり致しました。

 来月のはじめ頃には、院試の結果も判明するでしょうから、今後のゼミの活動について新しい企画なども提案されていくのだろうと期待しています。

 さて、私こと、論文は書き終わりましたが、事務方から依頼のあった書類の仕事の方は、まだ終わっていません。明日は佛教史学会の講演を聴きに行きたかったのですが、自分の担当する講座のレジュメも作らなければなりませんので、ちょっと無理かも知れません。
 行かれる方は、レジュメを後で見せて下さい。 
編集:2014/09/19(Fri) 19:58

三巻の書評もやってみよう―次回の『吾妻鏡』―

No.18264

 『吾妻鏡』のほうも再開しました。古を知る方に「ついにレジュメを作るようになったのか!?」と驚かれましたが、そんなことはありません。あいもかわらずのんべんだらりと開催中でございます。いや、のんべんだらりとしているのは私でありまして、メンバーの皆さんはとても高い集中力で臨んでいただいております。私もがんばります。

 さて、次回は通常通り『吾妻鏡』の講読をやりまして、その次(10/2)の開催日は『中世の人物 第三巻 公武権力の変容と仏教界』(平 雅行.編、清文堂、2014年)の書評会に当てたいと思います。くわしいご案内はまた後日掲出いたします。

 次回(9/25)のご案内は以下の通りです。開催時間はまた15:00~となります。

 日時:2014年9月25日(木)15:00~(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』頼家・実朝期の振り返り(承元三年などの記事)

 ※『吾妻鏡』のほうももう少し“実朝将軍期初期の振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
  “振り返り”にもようやく終わりが見えてきたような。

     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。
 中秋の穏やかな季節に何か新しいことをはじめてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。京都女子大の方限定ではありませんよ。

 後期の開始にあたっての諸連絡。

No.18121

 本日、後期開始。でも敬老の日。我れは老人なり哉。

 ところで、来年6月第四土曜日に予定されている公開講座は、いよいよ「東山から発信する京都の歴史と文化」のシリーズの最終回となりますが、講師の先生が内定しましたのでお伝えしておきます。

  櫻井陽子先生(駒澤大学教授・日本文学)
   長村祥知先生(京都文化博物館学芸員・日本中世史)

のお二人です。
 まだ共通テーマ・個別の講演テーマは決まっておりません。シリーズの最終回ですのでちょっと今までとは異なった運営形態を考えてみようかと思っています。現役のみならず古参メンバーの方たちの御助力をお願いしておきます。

 それから、木曜日の史料(『吾妻鏡』)講読会は後期から、これまでより一時間早まって14時開始になりましたので、宜しくお願い致します。

【現代社会学部基礎演習Ⅱ・演習Ⅱの履修生の皆さんへ】
 明日(16日)は初顔合わせですから、自己紹介や今後の進め方などについてみんなで話し合うことに致しますから、そのおつもりで。 教室はL校舎の宗教・文化研究所共同研究室です。

 なお、現代社会学部生以外の方も含めて、>>No.17975「後期開講科目の履修に関するお願い」の再確認をお願い致します。
編集:2014/09/15(Mon) 17:20

史料講読会の時間設定について

No.18145

 木曜日の史料講読会の時間設定ですが、9月18日は14時から講読開始。
 25日以降は、他大学でも授業が始まりますから、14時に来られる人には共同研究室を空けておきますが、実質的な開始は15時ということにしたいと思います。

 早めに来られる方には、修論や博論などの相談に応じたいと思います。あるいは、こちらから仕事のお手伝いをお願いすることもあるかもしれません。その節は宜しく。

お邪魔しました

No.18040

野口先生、ゼミの皆様、昨日は書評会前のお忙しい時間に歓待していただき、
誠にありがとうございました。
短い時間でしたが、お話しさせていただけて大変楽しく、貴重な機会でした。
特に岩田さんと山本さんには、お忙しい中いろいろとありがとうございました。
野口先生にはいつもながらたくさんのお心遣いをいただき、お土産まで頂戴し、恐縮なことでした。
皆様大変優秀そうな方々で、こちらは慌ただしく一方的にしゃべり散らしただけで、
書評会に参加できなかったことが大変残念です。
そういえば野口先生がカメラをお持ちでした(笑)。それを口実に、今度またゆっくりお伺い致します。
特に今年の夏は、軍記・語り物研究会の大会でのご講演以来、
お忙しい野口先生の大切なお時間をたくさん拝借してしまい、申し訳ないことでしたが、
その分、こちらはたくさん学ばせていただき、刺激も多く得ることができました。
厚く厚く御礼申し上げます。

子曰く「必要に迫られれば、執拗に迫らなければならない。」

No.18053

 平藤先生、わざわざお出で下さいまして、ありがとうございました。
 武士論のみならず日本中世史の研究には軍記文学の研究成果から学ぶところが多くございます。今後とも何卒宜しく御教導下さいますようにお願い申し上げる次第です。

 ところで、衢では今日から三連休とのことですが、京都女子大学は月曜から平常授業開始。私に残された時間はわずかに一日半。西郷さんなら「もう、よか」といってくれるかも知れませんが、私は執拗。
 望みのない状態になっても望みは棄てません。

 ☆ 都立桐ヶ丘高校の田辺旬先生より、御高論「北条義時-義時朝臣天下を幷呑す-」(平雅行編『中世の人物 京・鎌倉の時代編 第三巻 公武権力の変容と仏教界』清文堂)を御恵送頂きました。
 田辺先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 長野県松本蟻ヶ崎高校の村石正行先生より、御高論「日本中世の契約社会における債権・債務文書」(『歴史評論』773号)を御恵送頂きました。
 村石先生にあつく御礼を申し上げます。

 ※ ちなみに、清文堂の『中世の人物 京・鎌倉の時代編』ですが、先週、丸の内の丸善にいったところ、全三巻すべてが、日本中世史のコーナーに配架されていました。
 ついでに申し上げますと、もう本屋さんでは見ることが出来ないと思っていた拙著・拙編もここには在庫がございました。こういう書店が東京のような大都市にしかないのが残念です。 

 京大・奈良女・神戸大の才媛の集った書評会。

No.18010

 昨日は後期最初のゼミ。拙編『中世の人物 第二巻 治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』(清文堂)の書評会を行いました。
 ちょうど、ゼミの時間の前に先月の軍記・語り物研究会大会で大変お世話になった鶴見大学の平藤幸先生がお越し下さいましたので、書評会を始める前に暫し先生を囲んで歓談の機会を得ることが出来ました。先生からは美味しいお土産を頂きました。ありがとうございました。
 学界の第─線で活躍されている先生の謦咳に接することで、出席の諸姉もおおいに研究に対するモチベーションを高めることが出来たのではないでしょうか。

 書評の担当は奈良女子大院生の大島佳代さん。この本は単著ではなく、たくさんの筆者がそれぞれの観点から書いたものを集めたものですから、なかなか大変だったと思います。しかし、レジュメはよくまとめられており、この作業をこなしたことによって、大島さんの研究が今後さらに広く展開されるようになることを期待する次第です。
 今回は神戸大学から大島さんと同学年である中桐さん・斉賀さんのお二人も参加され、岩田・山本両師範代の議論も沸騰して、なかなか充実したものとなったように思います。
 また、夏休み明けの初回でしたから、帰省先からのお土産もたくさん頂いて、その点においても充実していましたね。

 平藤先生がお出で下さったことでもあり、記念写真をと思っていたのですが、話が盛り上がっているうちに、すっかり忘れてしまいました。そのことを思い出したのは、書評会が終わったときでしたので、慌てて写真を撮影したのですが、ここには貼れませんから、いずれFacebookの方にでも。

 京都女子大学では、いよいよ来週から授業も始まります。私は目下、締切超過確実になった論文と格闘中です(時々、この掲示板とFacebookに逃げ出していることをおゆるし下さい)。
編集:2014/09/12(Fri) 13:35

内乱期のアンソロジー-次回の『吾妻鏡』-

No.18024

 昨日は『中世の人物 第二巻 治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』の書評会でした。大島さんの的を射た整理を土台にして、各論考についていろいろと意見交換できたのはよかったと思います。単に読むだけではなく、読んで抱いたそれぞれの感想をもとに議論できれば、より理解も深まると思います。…他の巻でもやりますか?

 次回はひとまず通常の講読に戻って、また『吾妻鏡』を読みたいと思います。開始時間(14:00~)にご注意ください。

 日時:2014年9月18日(木)14:00~(予定)

 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:『吾妻鏡』頼家・実朝期の振り返り(承元三年などの記事)

 ※『吾妻鏡』のほうももう少し“実朝将軍期初期の振り返り”を続けていきますが、それが終わった後の範囲は以下の通りです。
  “振り返り”にもようやく終わりが見えてきたような。

     承元四年(1210)正月一日、二月五日・十日・二十一日、三月十四日・二十二日、四月九日・十九日、五月六日・十一日・十四日・二十一日・二十五日、六月三日・十二日・十三日・二十日、七月八日・二十日、八月九日・十二日・十六日、九月十一日・十四日・三十日、十月十二日・十三日・十五日、十一月二十二日・二十三日・二十四日、十二月五日・二十一日の各条
     承元五年(建暦元年、1211)正月十日、閏正月九日、二月二十二日、三月十九日、四月二日・十三日・二十九日、五月四日・十日・十九日、六月七日・二十一日・二十六日、七月四日・十一日、九月十二日・十五日・二十二日、十月十三日・十九日・二十日・二十二日、十一月二日・三日・四日・二十日、十二月一日・十日・十七日・二十日・二十七日の各条

 『吾妻鏡』講読会は基礎的な史料読解のニーズにも対応しております。
 中秋の穏やかな季節に何か新しいことをはじめてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞご自由にご参加ください。京都女子大の方限定ではありませんよ。

後期開講科目の履修に関するお願い

No.17975

 後期に私が担当する学部生対象の講義科目は大学コンソーシアム京都(キャンパスプラザ)で開講する特別講座科目1「『平家物語』と中世の京都」(金曜Ⅱ講時)です。

 研究所ゼミ・現代社会学部の演習・基礎演習などを問わず、野口担当のゼミを履修している方(「地域振興」や「歴史資産を活用した町づくり」などをテーマにしている方も含めて)が、単位取得の有無にかかわらず、この講義に参加して頂けると効果的だと思いますので御案内申し上げます。
 これを受講してくれると、指導上、私としても助かります。

 詳細はこちら↓を御覧下さい。
http://www.consortium.or.jp/special/tani_gokan/index.html

いよいよ明日はゼミ再開。

No.17938

 いよいよ明日はゼミ再開。久しぶりですし、新しいメンバーも加わるようなので、それは嬉しいのですが、何しろ夏休みの間に済ませるべき仕事が半分くらい片付いていないので、ちょっと焦燥に駆られています。
 夏休みが7月の初めから9月末まであった時代の感覚が残っているのがいけないのでしょう。ハードワークの時代になったものです。
  
 さて、明日のゼミは書評会ですので、メンバー以外にも公開致します(独断御免!)。関心のある方はふるって御参加下さい。
  なお、詳細は以下のとおり。

 日時:2014年9月11日(木)15:00~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 内容:書評「野口実 編『中世の人物 第二巻 治承~文治の内乱と鎌倉幕府の成立』」
 担当:大島佳代氏(奈良女子大学大学院生)
 ※ 本を買うのが負担だという方には、この本のゲラを棄てないで保管してありますので、差し上げることが出来ます。各論ごとでも構いません。遠慮無くお申し出下さい。 

 ゼミの始まる前に、軍記・語り物研究会大会でお世話になった、鶴見大学の平藤先生がお見えになります。御挨拶したいメンバーは早めに当方の研究室にお越し下さい。

那須与一伝承館で「軍記・語り物」の大会を開いたらどうでしょう?

No.17816

 那須与一伝承館(栃木県大田原市)での講演を終え、たくさんのお土産を頂いて(手提げ袋のなかだけではなく、頭の中にも)昨夜帰ってまいりました。大変なおもてなしを頂き、恐縮するばかりでした。

 とくに学芸員の前川辰徳さんには公用車のプリウスを駆って各所を御案内頂きましたが、移動中の車内や食事の際に、いろいろと情報交換をさせて頂くことが出来て幸いでした。先の茨城大学のシンポを機に、長村君や岩田君とも懇意な方ですから、話も通じやすく、ノンアルコールビールを酌み交わしながら、「噂話」におおいに盛り上がるところもございました。

 それにつけても、この旅行は、那須地域について私自身あまりに認識不足であったことを思い知らされる機会になりました。武士論を深める上からも、古代~中世における下野の宇都宮以北の地域のあり方について、あらためて考え直す必要を痛感した次第です。源頼朝が那須で巻狩を行った背景も、そんなところから考え直してみる余地がありそうです。

 さらに那須与一の評価についても、歴史学の側面からから実証的なアプローチを加えることと共に、「伝承」そのものについて文学・美術史・仏教史などからの検討が期待されるように思いました(伝承館が開館する以前に、別の博物館で開かれた那須氏にかんする企画展の際に出された図録などを見ると、那須与一の評価や軍記文学にたいする理解にいくつか問題が見いだされます)。

 ちょうど先日、「軍記・語り物研究会」の大会で講演の機会を頂いたのですが、その会場として、この那須与一伝承館は絶好の存在なのではないかと思いました。
 那須氏関連を始め、九尾の狐の殺生石、北畠顕家の軍勢の移動ルート、さらには松尾芭蕉の『奥の細道』に因む遺跡などもたくさんのこっています。近くに国文学の専攻課程を持つ大学がないのがネックになるかも知れませんが、伝承館の積極的な御協力を得られれば、実現は容易なことだと思います。
 大会は、毎年夏休みに開催されますが、那須は御用邸もある有名な避暑地ですし、東京からもそれほど遠くはなく、近くには塩原温泉もあり、全国からたくさんの研究者が集まっても、それに対応することは十分可能ですし、むしろ日頃の骨休みの機会にもなるのではないでしょうか。
 そんなことを思いつきましたので、「軍記・語り物研究会}事務局担当の先生にお目にかかる機会があったら(実は近々、ある予定です)一会員の立場から、提案させて頂こうと考えております。

 私がまだ、研究者として現役である間に実現するならば、僭越ながら積極的に協力させて頂く所存です。

比企氏の乱・二俣川の合戦・平賀朝雅の死

No.17681

 昨日は『台記』研究会で山本さんの発表を聴きました。頼家~実朝政権期の実相がかなり明確になってきたように思います。それにしても通説というのは案外いい加減なものであるということを実感。エライ先生の説にず~っと寄りかかって来すぎました。その旧説に与していた私の拙い研究成果の一部からもガラガラと崩れていく音が聞こえて参ります。
 山本さんの研究が公にされたら、ミネルヴァ日本評伝選の『北条時政』が書きやすくなります。

 月半ば締切の原稿の件。一応、主な先行研究などの資料は揃えることが出来ました。しかし、一から勉強しなければならないところが多すぎて困っています。言いたいことは殆ど固まっているのですが、それを如何に説明していくか、もう少し頭がクリヤーならよいのですけれども。

 ところで、Facebookの方では既に紹介したのですが、古代学協会の古代学講座で、後期から同じ土曜日の午後に連続して『小右記』と『吾妻鏡』の講読の講座が開かれることになりました。これなら、遠方の方も上洛のコストが見合うと思います。
                         ↓ 
   http://kodaigaku.org/study/koza-koenkai/kodaigaku-koza/2014/kouki/2014annai-kouki.html

 これは院生クラスの方にもお薦めします。特に関東のみなさんには視点が変わって面白いでしょう。

 しかし、午後は眠くて困りますね。論文は書けませんが、掲示板にはまだ・・・、・・・ZZZ。