ニュースでもよく見ますので、都立大の内容は知っているつもりでしたが、やはりかなりのフィルタがかかっていたようです。自分の通っている大学は、教員養成系でしかも情報教育の専攻にいるので、実学そのものの分野にいることになってしまいますね...。
経済的な「利益」が、世の中に「貢献」するかは疑問です。理系分野でも、理学と工学に分かれます。利益に直接つながる「工学」があっても、基礎的な研究の裏付けがないと何も出来ません。それがある程度はっきりしているのでわかりやすいのかもしれません。
歴史は専門ではないので的はずれかもしれませんが、理系分野は未来をつくるもので、歴史は過去をつくるものだと思います。人間が理解出来るのは現在しかありません。未来や過去を現在の言葉に言い換えるのが研究ではないでしょうか?ただ、実益になるものは、未来や過去のものを現在で再生産しているだけな気がします。
発展途上国での教育内容で、特にエリート養成コースな所は、「国語・英語・数学・理科」だけで、「社会や実技教科」は省略されている所は多くあります。結局、都立大での流れも同じように感じます。
ただ、教育実習にいったり、いろんな人と交流したりして感じたのは、専門分野はその専門に進めば出来て当たり前で、プラスアルファが無いと一段階上に進めないという事でした。プラスアルファが必要なレベルまで、世の中が到達していない証拠なのでしょう。何を持って実学なのか、短いスパンでしか物事が見えない場合は、答えは明らかですね。
先日の京都新聞の特集で、島津の田中さんと生物学の先生の対談で、「科学にはインタープリターの役割が必要」という記事がありました。記事では理系の人だけの話でしたが、とても納得してしまいました。
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/rensai/century/century01.html都立大の問題は見守るだけしか僕には出来ないですが、悪い方向へ進む引き金を引くことだけはしないような知識を身につけていたいと思います。