女性史総合研究会 5月例会のお知らせ

No.6678

女性史総合研究会です。5月例会をお知らせいたします。興味のある方は、ぜひご参加ください。   

    女性史総合研究会 5月例会のお知らせ

日  時: 2009年5月30日(土) PM1:30~5:00

テーマ : 平安貴族の文化

報  告: 野口 孝子氏  「夜化する貴族文化」
       菅野美恵子氏  「枕草子の創ったもの」

場  所: ウイングス京都
      http://www.wings-kyoto.jp/01wings/03access.html

京都女子大学の圧倒的な強み

No.6680

 大利さん、お知らせありがとうございます。

 定額給付金を旅費に充てて上洛し、観光や研究会に参加することを検討している方もおられるとのこと。書籍の購入と同様、賢明な使途だと思います。
 連休中の京都はさぞ混雑することと思いますが、翌週には賀茂祭(葵祭)がありますし、なにしろ新緑のこの時期は清々しくて、史跡散策にも絶好のシーズンだと思います。
 なお、上記報告の参考文献として、野口孝子「『夜』化の時代-物忌参籠にみる平安貴族社会の夜-」(季刊『古代文化』59-1)を紹介しておきます。

 さて、昨日の『吾妻鏡』講読会ですが、治承四年九月十四日条に「千田庄領家判官代親政」が登場。この人が平忠盛の婿、すなわち清盛の義理の兄弟にあたり、妹か姪が平資盛の母であること。また、「判官代」という肩書きは『尊卑分脉』の記事から「皇嘉門院判官代」を指すことをお話ししました。
 こうお話しをしながら、研究室の北側の窓をみやると、そこは往時の六波羅。学生会館の向こう側には資盛の父重盛の小松殿がありました。
 平家と二重の姻戚関係にあった親政は、源平内乱前夜の頃、この辺りを動き回っていたことは間違いありません。
 一方、京都女子大から南西に目を転じれば、平安京八条・九条が一望されるわけですが、九条には皇嘉門院の御所があり、親政はここにもしばしば祗候したことでしょう。

 まったくもって、現場で史料を語れるのが京都女子大学の強みであることを実感すると共に、下総に留住しつつ在京活動に余念のなかった親政に、千葉県出身の私としては些かのシンパシーを感じたりしてしまったりする訳であります。
 ちなみに、千葉氏は、この親政の討伐を嚆矢に、武家の雄族として飛躍的な発展を遂げることとなる訳です。

 なお、昨日の講読会の出席者は6名でしたが、全員が京都女子大学の院生・学部生で占められました。
 ゼミ史上、特筆すべきことでしょう。

 ☆ 京都文化博物館の横山和弘先生より、御高論「後白河法皇の遺領処分に関する一史料-山科家領・六条油小路・高階栄子関係、後白河法皇院宣の紹介-」(京都文化博物館研究紀要『朱雀』第21集)および図録『源氏物語千年紀展』御執筆部分の抜刷を御恵送頂きました。
 横山先生にあつく御礼を申し上げます。

 ちなみに、京都文化博物館の歴史展示のリニューアルは今年度より、本格的に進行されるとのこと。
 私が関係した展示が見られるのも今のうち。ホッとする一方、さみしくもあり、といったところです。

連休中(?)の吾妻鏡

No.6682

 もう連休に入ったという方もいるようですが、微妙に連休の合間を縫って開催の次回の火曜日の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2009年4月28日(火)14:45~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:寛元三年(1245年)十月二十八日、十一月四日・十日、十二月十六日・十七日・二十五日
    寛元四年(1246年)正月一日・四日・十日、二月九日・十三日・二十九日、三月八日・十三日・十四日・十八日・二十日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・三十日、四月八日・十九日、閏四月一日・八日・十八日・二十日、五月二十四日・二十五日・二十六日、六月一日・六日・七日・十日・十三日・二十日・二十七日、七月十一日、八月一日・十二日・十六日、九月一日・十二日・十六日、十二月二日・七日・十二日・十七日・二十八日・二十九日
    寛元五年(宝治元年、1247年)正月十三日、三月二日・十七日・二十日・二十七日、四月四日・十一日・二十五日、五月六日・十三日・十四日・二十一日・二十六日・二十七日・二十八日・二十九日、六月一日・二日・三日・四日・五日・六日・七日・八日・九日・十日・十一日・十二日・十三日・十四日・十五日・十六日・十七日・十八日・十九日・二十日・二十一日・二十二日・二十三日・二十四日・二十五日・二十六日・二十七日・二十八日、七月一日・四日・七日・十日・十四日・十七日・十八日・十九日・二十四日・二十七日、八月一日・九日・十四日・二十日、九月九日・十一日・十月八日・十八日、十一月一日・十一日・十四日・十五日・十六日・十七日・二十三日・二十七日、十二月八日・十二日・二十九日の各条

 寛元五年=宝治元年は「宝治合戦」の記事など重要な記述が多いのでじっくり読んでみたいと思います。
 毎週火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、新年度から何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでもどうぞお気軽にご参加ください。メンバーの所属はいまのところ、京都女子大学、神戸大学、京都大学、関西学院大学、等といった、混成部隊(?)となっております。

 ☆>>No.6675で野口先生からご紹介があった本学宗教部で発行している『芬陀利華(ふんだりけ)』第302号ですが、そこに掲載されている先生の「大学で何をしますか?」という文章には、京女内外の知人から大いに共感するという感想が寄せられております。