『源氏と坂東武士』が出来ました。

No.5721

 『源氏と坂東武士』(吉川弘文館、歴史文化ライブラリー234、本体1,700円)がようやく完成し、本日見本本が届きました。久方ぶりに新著を出版することが出来ました。編集を担当してしてくださった吉川弘文館の伊藤俊之さん、また校正を手伝ってくれた長村君、いろいろ雑事の処理の手助けしてくれた岩田君をはじめ、お世話になったみなさまに、あつく御礼を申し上げます。
 今年はじめに刊行された元木先生の『源義経』と同じシリーズですが、それより若干細身。表紙は『平治物語絵巻』に描かれた「源義朝」です。
 この際ですから、以下に目次を掲げさせていただきましょう。 
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 頼朝、鎌倉に入る-プロローグ
    鎌倉殿頼朝 御曩跡

 武門源氏の成立
   源氏の坂東進出
    清和源氏か陽成源氏か  平将門の乱における経基  満仲・満政兄弟と武蔵国
    頼光に仕えた三浦氏の先祖  頼信、坂東に武威を示す
   源頼信と平忠常の乱
    頼信の母方と坂東  乱の勃発  追討使選考の怪  直方の更迭、頼信の起用
    調停者としての頼信
   前九年・後三年合戦と坂東武士
    前九年合戦  頼義と鎌倉  「武士の長者」の条件  後三年合戦
    坂東に留住する源氏の郎等たち

 院政期の源氏と坂東
   源氏庶流の北坂東進出
    源氏と海・水上交通  義光流佐竹氏・武田氏  義国流足利氏・新田氏
    地域的軍事権力の構築
   源為義の闘い
    源氏嫡流家の凋落  為義の構想  列島各地に展開する為義の子息たち
    源氏と美濃青墓の長者  摂関家の武力としての源氏  地方進出の背景
    義朝、鳥羽院の武力となる  
   武家の棟梁の成立
    武蔵国大蔵合戦  義朝と藤原信頼の提携関係  源氏・坂東武士と奥州
    保元の乱と坂東武士団  平治の乱と坂東武士団 国衙在庁系有力武士団の苦境
  
 鎌倉幕府の草創
   平家政権下の坂東武士団
    再燃する在地紛争  佐竹氏の台頭  足利氏と新田氏 平家と新田氏・足利氏
    「東国ノ御後見」大庭景親  平家の姻戚、下総藤原氏  
   「一所傍輩」のネットワーク
    内裏大番と滝口  京都に馴るるの輩  京都の反平家勢力と結ぶ
    坂東武士の教養  乳母のネットワーク
   源頼朝の挙兵
    三浦・上総・千葉氏の参向  千葉庄結城浜合戦  上総広常の役割
    「タゞ坂東ニカクテアランニ」  頼朝の権威  怨まれる頼朝 
    敗れし者たちの行方

  頼朝政権の実態-エピローグ
    坂東武士のルーツ  源氏将軍と坂東武士の神話
  あとがき 
  主要参考文献
  関連年表
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 以上のごとし。
 書店店頭には20日頃にお目見えすることと思いますので、御高覧いただければ幸いです。(なお、NO.5717でお知らせした本書に関する件は、締切を明日<10日>までに延長いたします)。

 ☆ 本日、東京都立大学大学院の伊藤瑠美さんから、御高論「東国武士・武士団研究の軌跡」掲載の『茨城大学中世史研究』Vol.4を御恵送いただきました。
 御高論には、東国武士団に関する戦前からの研究史が手際よくまとめられており、この方面を専攻してみようとする方には大きな指針となるものと思います。
 伊藤さんにあつく御礼を申し上げます。

 >雨野さん  まず、教育実習中の休日に鎌倉を歩こうという御意志と体力に脱帽です。
 自慢ではありませんが、私は教育実習(しかも高校で2週間)終了後、2週間ほどグロッキー状態でしたから。
 鎌倉、極楽寺の切り通しは、忘れもしない2003年の2月の第一回ゼミ旅行で訪れたところです。岡陽一郎さんに御案内をいただきました。やはり交通は江ノ電でしょう。
 そこから、御霊神社→長谷観音→光則寺→大仏のコースで歩き、昼食(永富さん・井田さんと一緒にお蕎麦)をとってからバスで鎌倉駅に出て、長村君と古本屋に行きました。それから、またJRで北鎌倉に行って、円覚寺→東慶寺→建長寺→鶴岡八幡宮まで歩き、近くの発掘調査現場で馬淵和雄先生に解説をいただく、という強行日程でした。
 私は今ならとても無理ですね。先日、某君から「先生に初めてあった頃はお父さんみたいだったのが、最近ではお爺さんになってしまった」と言われてしまいましたが、まったくその通りです。
 雨野さんへのアドバイスというよりも、昔語りになってしまいました。
 これだから年寄りはいけませんよね(笑)。

祝・ご上梓

雨野 弥生
No.5722

先生、この度は御高著『源氏と坂東武士』のご上梓、まことに
お慶び申し上げます。

前々から伺ってはおりましたが、厳しいハードスケジュールの中、
最先端のご高論を世に送り出し続けられる先生の情熱とエネルギー
にいつも励まされております。

日頃ご指導を賜っている私たちゼミメンバーはもとより、
日本の歴史に強い関心を持つ人々に大きな楽しみとなることを
確信いたします。遅くなりましたが、すぐに勉強させて頂きたく
存じますので、このたびの御高著、先生からの購入を申し込ませ
て頂きます。日頃は何もお手伝いができず、申し訳ありません。

2003年ゼミ旅行での鎌倉ルートは、地図で見る限りでもかなり
の強行軍ですね。
私では疲れる以前に、道に迷いそうです。笑

明日はアジサイの時期柄、鎌倉は混むかもしれませんが、雨にも
負けず、人ごみにも負けず、雨の鎌倉を、頑張って歩いてきたい
と思います。

当家でもアジサイが咲きました。

No.5724

 >雨野さん 褒めすぎです。
 とはいえ、拙著のご注文、ありがとうございます。
 それにしても、たしかにアジサイの季節。鎌倉では明月院が名所ですね。
 そこで思い出されるのが、例によって映画「男はつらいよ」の舞台。
 第29作「寅次郎あじさいの恋」には、その鎌倉の明月院や京都の鴨川、清水焼の窯元、それに丹後の伊根町の船屋が出てまいります。
 明日は、水無月の雨の(雨野)鎌倉を歩く弥生さんのお姿が見られそうですね。

 >小野さん 教育実習終了の由、お疲れ様でした。実習生仲間とは、まさに「一所傍輩の好」(拙著『源氏と坂東武士』を参照)が生じたのだと思います。こういう人間関係(ネットワーク)は一生の宝です。大事にしてください。
 さて、教育実習を済ませたら、次は卒論と院試が待っています。
 御健闘を期待するところです。

無題

雨野 弥生
No.5728

< 2007/06/10(Sun) 22:47 >>No.5726を移動>

たびたび場をお借りしてすみません。

>野口先生

鎌倉歩き、雨天決行で行って参りました。

「七つの切り通し」を、一筆書き(?)式に一気に回る予定でしたが、
極楽寺坂切り通し・大仏切り通し・化粧坂・亀が谷・巨福呂坂(の
横道)の五つで時間切れでした。

鎌倉駅についたら、何かのタタリかというほどの怒涛の雷鳴と稲光
に脅かされました。
その後、雨は上がったものの、大仏切り通し(旧道)では、急勾配の
ぬかるんだ山道でシャレにならない危険を感じて引き返し、ついで化粧坂・
亀が谷坂を歩くうちに方向感覚が分からなくなって、どちらが鎌倉方面か
分からなくなり(これはただ単に私が方向音痴なだけですが・・)、
「私みたいな方向音痴+雨女には、鎌倉攻めは絶対できないなぁ」
と思わされた(笑)、切り通し体験でした。

>岩田さん
ありがとうございます。先週は、1週間で13時間の授業を
させて頂きました。リフレッシュも充分できたので、今週も
頑張ります。

Happy Birthday!

No.5729

 >雨野さん 書き込みについて御配慮をいただき、ありがとうございました。
 鎌倉では悪天候にたたられた御様子ですが、当ゼミには「雨男」どころか「暴風雨男」とでもお呼びすべきメンバーもおられるようで、ゼミ旅行は毎回惨憺たる有様です。
 実習の方は、朝7時半から夜は10時過ぎまで、教育現場で充実した日々を過ごしておられる由。ひょっとしたら教職は雨野さんの「天職!」なのではないでしょうか?
 ともあれ、くれぐれも御健康に留意されて御活躍下さい。

 昨日の『吾妻鏡』は、建築史の満田さんが中門廊について絵巻のコピーによって解説をしてくださったり、例によって学ぶところ多大でした。『吾妻鏡』というのは前半は軍記物のごとしですが、後半はまったく日記(記録)の様相を呈してきますね。研究者の中にも全巻を精読した方は少ないのではないでしょうか。
 ちなみに、岩田君・小野さん、紀伊と伊予のお土産をご馳走様でした。

 本日は現代社会学部の基礎演習Ⅰと総合教育科目7B「日本史から現代社会の問題を考える」の講義があります。今年度の現代社会学部基礎演習Ⅰのメンバーは、おそらくこれまでの基礎演習ゼミの中では一番活気に満ちていて、報告・討論もしっかりしています。
 最近批判を浴びている「ゆとり教育」ですが、これは成功だったのではないかと私には思われます。今日は「笑いの心理」と「赤ちゃんポスト」の二つの問題が取り上げられるはずで、どのようなアプローチがなされるのか楽しみです。
 総合教育科目の方の講義テーマは「穢と都市問題・差別」。日本中世史から、このむずかしい問題に取り組みます

 さて、今日は6月12日。たしか広島の尻池さんのお誕生日のはずです。おめでとうございます。なにしろ修士課程はあっという間ですから、修論の準備は早め早めに(自分自身に跳ね返ってくるような教訓ですが)。
 そういえば、ヤンキースの松井選手も今日が誕生日のはずです。 

ありがとうございます。

尻池由佳
No.5730

 野口先生、ありがとうございます。いやはや、もう23歳、もう六月も中旬にさしかかりました。全く時間の流れというのは早いものです。
 今日は、母と大学内でランチをした後、優しい先生・先輩・同級生にいろいろ教えていただきながら、充実した時間を過ごしています。とっても幸せで~す☆