10日に鹿児島で研究発表をさせて頂きます。

No.9865

◇ 隼人文化研究会3月例会(第438回)◇
     (今月の例会の前段は斉興の会との合同です)

1 日時 3月10日(日)10時30分~
2 集合場所 鹿児島県歴史資料センター黎明館 3階講座室
3報告 
   合同例会 企画テーマ「島津斉興の歴史的心性――その位相と形成基盤を探る――」
  ①10:30-12:10 
   「薩摩藩における教訓歌受容史とその意義―島津忠良から島津斉興へ―」
     鈴木彰氏(明治大学准教授)
   12:15-13:00 昼休み
  ②13:00-14:50 
   「泗川の戦いにおける〈狐の奇瑞〉をめぐって―その創出と再解釈の行方―」 
     鈴木彰氏
  ③15:00-17:00
   「12世紀末の内乱にともなう東国武士の鎮西進出-千葉氏の場合-」
    野口実氏
4 情報交換
5 その他
************************************************************
 御迷惑を省みず、例会報告の機会を与えて頂きました。あわせて、鹿児島のみなさまへの御挨拶の機会となれば幸いと考えております。
 ちなみに、鈴木彰先生は、2001年3月24日に、当方の公開講座へ御出講頂いたことがあります。
編集:2013/03/02(Sat) 11:57

守護の支配からの卒業-次回の『吾妻鏡』-

No.9866

 あっという間に2月も過ぎてしまい、次回からは3月の『吾妻鏡』です。そろそろ次年度の予定も気がかりとなる頃ですが、まだ何も決まらないというのもまたこの時期の特徴であるように思います。

 日時:2013年3月7日(木)午後3時頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:建永二年(承元元年、1207)九月二十四日、十月二日、十一月十七日・十九日、十二月三日の各条
     承元二年(1208)正月十一日・十六日、二月十日、四月二十三日・二十五日・二十七日、閏四月二日・三日・二十五日・二十六日・二十七日、五月二十六日・二十九日、六月十六日、七月五日・十五日・十九日・二十日、八月二十日、九月三日、十月十日・二十一日、十一月一日・十四日、十二月十四日・十六日・十七日・十八日・二十日・二十六日の各条

 3月は7日・14日・21日・28日に開催予定です。

 火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、春に向けて何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

    雨の弥生。

No.9864

 はや、三月。京都は午後から雨模様です。
 雨野さん、お元気ですか?

 このところ、新刊の本に興味深い内容、あるいは画期的な成果がもられているものが多く、就寝の読書のはずが就寝できなくなって、翌日の労働に差し障りが出てしまうというケースが多いのですが、流石に徹頭徹尾素晴らしい本にはなかなか出会えません。
 しかし、そんな本も無きにしも非ず。
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b107926.html
これは楽しみにしています。

 ちなみに、同じく元木先生編『中世の人物』第一巻の刊行も間近です。第二巻も続々とゲラが出ています。こちらは、暫しの御猶予を!

 『紫苑』も昨日、再校ゲラを印刷屋さんに渡す事が出来ました。『吾妻鏡』も面白いところでしたね。「比須末志」は存じませんでした。

パンダはどこだ?、ならぬ八角九重塔はどこだ?

美川圭
No.9862


 昨日、必要があって、久しぶりに京都岡崎公園内の京都市動物園に行った。何かお目当ての動物があったのではなく、法勝寺八角九重塔に関する写真を撮るためである。   

 2010年6月26日に京都市埋蔵文化財研究所による発掘調査現地説明会があったのだが、私は残念ながら行けなかった。現状はどうなっているのだろうか、と期待して行ったのだが10年前に出したNHKブックスの『白河法皇』掲載のため撮影したときと同じ説明看板が立ち、あの世紀の基壇確認の情報はどこにもなかった。それどころか、近くにレッサーパンダ館ができていて、それが八角形で、しかも「パンダはどこだ?」という看板に八角形の図が書かれている。ここが基壇の場所かと、まぎらわしい(笑)ほどである。恥ずかしながら、家に帰って、埋文の現地説明会資料を見るまで、そう思い込んでしまった。そんなに小さいわけないだろ。

 まさに、パンダはどこか?、ではなく九重塔はどこか?、と叫びたい。初老の私はなぜ、よりにもよって平日の昼間に動物園に一人でいるのだ。

 京都市は重要な遺跡は、人々に知らせたくないのだろうか。塔の基壇の中心は、ちっぽけなレッサーパンダ館ではなく、もちろん古ぼけたちゃちな観覧車のところである。しかも、この法勝寺の説明盤を見るのだけにも入園料600円がかかる。東寺の五重塔よりもはるかに巨大な法勝寺九重塔は、平安後期から200年間も京都の象徴だったのに。何ともやり切れない。
 ちなみに、最勝寺跡のグランド地下にあった駐車場に通じる通路の六勝寺展示も撤去されていた。みやこめっせの法勝寺の模型もすでにない。岡﨑公園から六勝寺の痕跡は確実に消されてつつある。

お金で買えないものに価値を見いださない社会

No.9863

 そうですねぇ。経済優先の発展途上国ならいざ知らず。
 しかし、発展途上国でなくても、世はとてつもなく経済優先。歴史も文化遺産も観光産業に従属している観があります。
 一方では、地域振興という錦の御旗をかかげ、魂の入らない形で史跡(?)の整備に力を入れているところもあります。
 法勝寺跡は動物園ですが、西八条(梅小路公園)には水族館がオープンしましたね。最近、石垣の見つかった聚楽第(じゅらくてい)跡はどうなることでしょうか。 
 動物園も水族館も大好きなところですが、歴史的に重要な遺跡も大切にしてほしい。京都はあまりにも歴史遺産が多いので、市民の意識も行政も、いささか、その重要性に対する気配りに欠けるところがあるのではないかと思われる節があります。
 高校二年生の修学旅行の時、三十三間堂にびっしり並んだ仏様を見て、「我が故郷の千葉にこんな仏様が一体でも伝えられていたらなぁ」と感じ入ってしまったことが思い出されます。
 ほかにも、いろいろ書きたいのですが、自分でもウンザリしてしまいますので、もうやめましょう。

  北向きのわが研究室は、暖房が故障のままなので、外は春日和なのに極寒。「頭寒」はよいのですが「足寒」というか全身が寒く、これではやっぱり仕事になりません。耄碌したものです。

 瀧浪貞子先生の御新著『奈良朝の政変と道鏡』刊行

No.9861

 ☆ 本学文学部史学科の瀧浪貞子先生より、新刊の御高著『敗者の日本史2 奈良朝の政変と道鏡』(吉川弘文館)を御恵送頂きました。
 先生は本年3月で御定年の由。寂しい限りです。
 瀧浪先生に、あつく御礼を申し上げます。  

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 私こと、年度末の用務に追われながら複数の執筆・校正を同時進行しているためか、老化による呆けが顕在化して、いろいろミスが重なっております。すでに買った本をまた買ってしまったり、PCのクリックミスなど。後者の場合、たとえば、フェイスブックを開いている時などでは、どんな形で、どなたに御迷惑をおかけしているか分からないというケースも想定されて、いささか恐ろしい気も致します。
 すでに御迷惑をおかけしてしまった方がおられましたら、ここでお詫びを申し上げる次第です。(私の対社会的な感覚が、まさに前世紀の遺物と化しているというだけのことならよいのですが。)

防府で新たな抱負をいだく

No.9860

 仕事が山積しているというのに、年度予定に従い、山口県の防府市・山口市に調査に行ってきました。周防国衙と重源関係の史跡・寺院・資料館をレンタカーで回りました。防府はとても史跡の多いところ。重源が東大寺再建のための木材を切りだした佐波川流域(当時の状況がよく掴めりました)は風光明媚。かつての「よき時代」に戻った感がありました。もちろん、人も心優しく、阿弥陀寺や法光寺の御住職からは懇切なご案内をいただくことができました。また、思いもよらぬ人のつながりも。世間は狭いものです。そうそう、防府天満宮(松崎天神)社頭にあるお土産物屋さんの御主人もダジャレ連発で歓迎してくださいましたっけ。
 防府の外港にあたる三田尻は、幕末に京都妙法院から都落ちした三条実美以下七卿が上陸したところ。妙法院至近の大学に籍を置く私としては、例によって、何やら彼らにシンパシーを感じてしまったという次第です。
 しかし、日本中行った先でそう思うのですが、山口県は歴史を勉強するには大変よいところだと思います。
 調査の成果は、重源あるいは武士論関係の著作に反映させたいと考えております。

 本日、研究室に出てみたら暖房が故障。午前中は作動していたのに午後からはストップ。南側のラーニングセンターなどは暖かくて、まさしく別世界。共同研究室には暖房用の灯油ヒーターが運ばれてきましたが(当分修理されないということでしょうかね?)、木曜日の講読会はドアを開放しておけば、勉強には適温かもしれません。

 今月もあと数日を残すのみ。日暮れて道遠し。

『ああ 無情』 と 『とよとみ ひでよし』

No.9858

 本日は,老朽化したレーザープリンターの後継機を探しに街中に出かけ、一番安い機種を購入。予算内で何とかなりました。
 このところ、こんなことばかりしていて、本業は疎かになる一方です。しかし、無情にも時間は刻々と過ぎてゆく。ほんとうに、嗚呼無情。

 今日、ゼミで『レ・ミゼラブル』の話が出ました。私は少年時代に『ああ無情』や『三銃士』を読んだのですが、サッパリ筋がつかめませんでした。
 それに対して『とよとみひでよし』(偕成社版)はとても面白く、これが今の職業に繋がったことは間違いありません。岩波書店の『エミールと探偵たち』という本も父が買ってくれましたが、これもよく分からず。子ども向きにせよ、翻訳物は性に合わなかったようです。その後、英語も苦手。根っからの国粋主義者・・・というより、よく言えば単純明快、要するに複雑な話にはついて行けない性格なのでしょう。

 今日読んだ『吾妻鏡』に、上総国の姉前社が出てきました。元・千葉県立姉崎高校教諭の私としては黙っているわけには行かず、ホワイトボードに房総半島の地図を書いて、関東の社会・風俗などについて執拗に解説してしまいました。もっとも、30年以上前に仕入れた材料による話ばかり。若い頃に頭に入った情報は、不思議なほどによく出てくるものです。

 今日のゼミは、3回生と4回生各一名が帰省していて少し寂しかったのですが、再校ゲラを受け取りに満田さんが来て下さいました。ちなみに、帰省中のお二人の実家はいずれも雪深く、3メートルも積もっているところもあるのだそうです。
編集:2013/02/22(Fri) 00:03

あぁ 無題

No.9859

 『Les Misérables』はクロード・ルルーシュ監督・ジャン=ポール・ベルモンド主演作品の映画(1996年、フランス)で、『三銃士』はアニメ『ワンワン三銃士』(1981年、TBS系)でそれぞれすませてしまう(?)というインスタントな人生を送ってまいりました。どちらもすばらしい作品なんですけどね。原作をきちんと読んでいれば、そのすばらしさをもっと味わえたんだと思います。
 信長も秀吉も、龍馬も卑弥呼も、はじめは小学校の図書室の漫画から知識を得ました(そしてそれ以上に深まってはおりません)。

 次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2013年2月28日(木)午後3時頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:建永二年(承元元年、1207)六月二十二日・二十四日・二十九日、七月十九日・二十三日、八月十五日・十七日、九月二十四日、十月二日、十一月十七日・十九日、十二月三日の各条
     承元二年(1208)正月十一日・十六日、二月十日、四月二十三日・二十五日・二十七日、閏四月二日・三日・二十五日・二十六日・二十七日、五月二十六日・二十九日、六月十六日、七月五日・十五日・十九日・二十日、八月二十日、九月三日、十月十日・二十一日、十一月一日・十四日、十二月十四日・十六日・十七日・十八日・二十日・二十六日の各条

 火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、春に向けて何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

 また、寒い日も続いておりますので、みなさまどうぞお大事にお過ごしください。私は今週末にしんどい思いを致しました。

ひどいぞNスペ「崩れ落ちる兵士」

美川圭
No.9856

2月はじめに放送されたNHKスペシャル「沢木耕太郎 推理ドキュメント 運命の一枚~戦場写真 最大の謎に挑む~」を録画しておいた。時間ができたので、やっと一昨日見ることができた。

 スペイン内戦において撮影されたとされるロバートキャパの有名な写真「崩れ落ちる兵士」が実はヤラセ写真であったことを、克明な現地取材であきらかにする。さらに、この写真にはもう一人の撮影者がいたことをCGを駆使して実証し、それがキャパの恋人で数ヶ月後に戦車に轢かれて早世するゲルダタローであることを推定する。つまり、この負い目がキャパをしてノルマンデーをはじめとする危険な前線に身をさらさせ、インドシナでの最期につながる。「愛の物語」である。その謎解きの鮮やかさに、すっかり感心してしまった。

 ところが、この番組がでたらめであるというブログを偶然みつけた。その論は大きく言って2つからなる。

 1つは、この写真がヤラセであることは、欧米のカメラマンのあいだでは、常識であること。それをカメラマン沢木がしらないはずがないという。つまり、パクリだという。そんなこと謎でも何でもないというのだ。

 もう1つは、1936年9月にフランスの雑誌に掲載されたもう1つの写真が存在するという。それは、ほぼ同じ場面を撮っている。有名な写真は、写真としてできがよかったので、採用されたというのである。番組では演出写真でありながら、たまたま兵士が倒れたというのは「偶然」という前提だが、実は倒れたのも「演技」だったということになる。撮影者が2人いたとしても、2人はその場面を協力して撮影したことになる。そして、反ファシズムの立場で世界に発信しようとした。こちらの方が重大で、番組であえて反証となる資料を隠蔽して、「愛の物語」にねじまげ、でっち上げたというのだ。

 このブログの意見、たいへん説得力がある。そして、歴史をやるものにとって、大きな教訓ともなる。あまり知らない分野については、その無知ゆえに、「常識」を知らないで、「新説」に騙されてしまう。また、有力な反証資料にきがつかない。そして、CGのような技術に幻惑されてしまうのである。「愛の物語」にも弱い。気をつけよう。


http://blog.goo.ne.jp/zaurus13/e/5b8cdef408ac2df624c6f23d567527aa
編集:2013/02/20(Wed) 13:18

すごいぞ、研究室PCの復活

No.9857

 この番組、私も録画して見ました。私は素直ではないので、見た段階から訝しさを感じておりました。この件については、石浜さんが早々にRTしておられましたね。
 
 研究室では、昨日、鈴木君御夫妻がPCの更新作業を行ってくださいました。人間もあんな風に蘇れたら・・・。鈴木君はまさに「神」でした。

 ラボール学園の日本史講座<古代・中世編>の募集が始まったようです。今年のテーマは「職をめぐる日本史」。開講日は 毎週月曜日、全14回で、開講時間は 午後6時30分~午後8時30分 。受講料 11,500円(資料代含む)とのことです。
 各回のテーマと講師は下記の通り
 ① 4月 1日 職業人としての渡来人
 井上 満郎(京都産業大学名誉教授・京都市歴史資料館館長)
 ② 4月 8日 遊女と女房
 辻 浩和(日本学術振興会特別研究員)
 ③ 4月15日 古代・中世の医師と宗教者
 上野 勝之(京都大学講師)
 ④ 4月22日 平安時代の流通業
 佐藤 泰弘(甲南大学教授)
 ⑤ 5月13日 検非違使と武士-平安時代の警察-
 野口 実(京都女子大学教授)
 ⑥ 5月20日 冷泉家の歌人たち
 美川 圭(立命館大学教授)
 ⑦ 5月27日 借上-鎌倉時代の金融業-
 伊藤 啓介(立命館大学講師)
 ⑧ 6月 3日 僧侶の「家」
 横内 裕人(文化庁文化財調査官)
 ⑨ 6月10日 室町期京都の職人と「町人」
 三枝 暁子(立命館大学准教授)
 ⑩ 6月17日 茶をめぐる人々
 橋本 素子(京都光華女子大学講師)
 ⑪ 6月24日 同朋衆―室町文化のプロデューサー―
 橋本 素子(同上)
 ⑫ 7月 1日 さまざまな芸能者
 野田 泰三(京都光華女子大学教授)
 ⑬ 7月 8日 出頭人―天下人の側近たち―
 尾下 成敏(京都橘大学准教授)
 ⑭ 7月22日 海商と倭寇―東シナ海交流を担う人々―
 中村 翼(日本学術振興会特別研究員)
 ※ 詳しくは⇒http://www.labor.or.jp/gakuen/kouza_school/school_2013haru.html#no6

 ☆ 神戸大学名誉教授髙橋昌明先生より、新刊の御高著『平家と六波羅幕府』(東京大学出版会)を御恵送頂きました。
 高橋先生に、あつく御礼を申し上げます。
 平家の「六波羅政権」を「幕府」と評価すべきかどうかは、さらに議論の余地があるように思います。

 ☆ 大阪大学大学院の芳澤元さんから、御高論「室町期禅宗の習俗化と武家社会」(『ヒストリア』235)を御恵送頂きました。
 芳澤さんに、あつく御礼を申し上げます。
 下総東北部に本拠を置いた東氏や国分氏といった千葉氏一族から、京都で活躍する禅宗僧が排出しているのは興味深いところです。そういえば、旧稿『鎌倉時代における下総千葉寺由縁の学僧たちの活動」(京都女子大学宗教・文化研究所『研究紀要』24)で紹介した、兼好法師と親しい関係にあった渡元僧道源も東氏一族の木内氏の出身でした。

 ☆ 神奈川県立金沢文庫の永井晋先生より、DVD『武家の都・鎌倉と金沢文庫』を御恵送頂きました。
 ゼミで視聴させて頂こうと思います。
 永井先生に、あつく御礼を申し上げます。

親鸞の見た東国の景色の中を歩いてきました

No.9854

 今日の京都は雨模様です。

 相変わらず、後になってから人違いに気がついて、ゾッとするやら申し訳ないやら・・・といった恥ずかしい耄碌を進行させながら棲息しております。

 先週末、茨城県笠間市の楞厳寺・西念寺(稲田御坊)、それに栃木県の下野国衙跡周辺や栃木県立博物館なとを見学してまいりました。宇都宮氏や笠間時朝、そして親鸞の研究を進める上でどうしても行っておかなければならないところを、急ぎ脚で回ったという次第です。笠間周辺は中世前期の東国における文化的先進地であることを、現場で確認することが出来ました。ここから筑波山麓に至る地域もまた同様でしょう。
 八田氏(小田氏)・宇都宮氏、そして常陸平氏の活躍の舞台となった背景や親鸞来住の理由について大いに納得するところがございました。

 年度末なので、ほかにもやらなければならない仕事が多いのですが、後回しになってしまっております。諸方に御迷惑をおかけしているのではないかと怖れております。

 ☆ 武蔵大学の高橋一樹先生より、新刊の御高著『東国武士団と鎌倉幕府』(吉川弘文館)を御恵送頂きました。新鮮な中世前期の東国史研究の成果が展開されています。
 巻末の参考文献欄には、当ゼミのメンバーだった(現役の方もおられます)若手研究者3名の論文があげられています。これは何にも増してうれしいことでした。
 高橋先生に、あつく御礼を申し上げます。

 ☆ 愛知学院大学の福島金治先生より、御高論「鎌倉中期の京・鎌倉における漢籍受容者群-『管見抄』と『鳩嶺集』のあいだ-」(『国立歴史民俗博物館研究報告』175)を御恵送頂きました。
 福島先生に、あつく御礼を申し上げます。 

 ☆ 東京文化財研究所の津田徹英先生より、御高論「佛光寺本『善信上人親鸞伝絵』の制作時期をめぐって」(『美術研究』408)を御恵送頂きました。
 津田先生に、あつく御礼を申し上げます。

 福島・津田両先生の御研究は、ダイレクトに当方の共同研究に活用させて頂ける内容で、有り難い限りです。

☆ 栃木県立博物館の江田郁夫先生より、御高論「足利尊氏の魅力」掲載の栃木県歴史文化研究会会報『歴文だより』86(特集 足利尊氏)を御恵送頂きました。
 江田先生に、あつく御礼を申し上げます。

届かないeメールに困っていたら 『研究紀要』第26号ができてきました。

No.9852

 最近、送信しても届かないeメールが多い。アドレスを確認しても誤っていない。受け手のPCのセキュリティーが厳しいためだろうか。結局、仕方が無いから速達葉書を送ることになったりする。一方で、フェイスブックなどというものが流行っている御時世だというのに困った話である。
 ということは、当方に送信されているはずのメールが届いていないと言うことも想定される。しかし、いかがわしい迷惑メールは増加の一途を辿るばかりである。「困る」の一言あるのみ。
           *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 ところで、京都女子大学宗教・文化研究所『研究紀要』第26号が完成いたしました。今号から装幀を一新。『紫苑』と同様にスクールカラーの藤色が採用されました。
 目次から、日本中世史関係の論稿をあげると、

  「下野宇都宮氏の成立と、その平家政権下における存在形態」…野口実(p21~48)
  「鎌倉の顕密仏教と幕府」…平雅行(p81~106)
  「源実朝と京都-和歌を通して考える朝幕関係-」…坂井孝一(p107~118)

があります。あとの二つの論稿は、一昨年の公開講座の講演録要旨です。
 読んでみたいというゼミ関係の方や本学の学生さんは当方の研究室まで。
 追って、各大学の図書館や研究機関になどに発送されますので、お近くの図書館に配架されていない場合でも、その段階で、大学図書館などで文献複写の送付依頼が可能になります。
編集:2013/02/10(Sun) 11:13

二月も『吾妻鏡』

No.9853

 二月も半分以上過ぎてしまいました。はやいですね。
 次回の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2013年2月21日(火)午後3時頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:建永二年(承元元年、1207)二月十一日・二十日、三月一日・三日・十日・二十日、六月二日・二十二日・二十四日・二十九日、七月十九日・二十三日、八月十五日・十七日、九月二十四日、十月二日、十一月十七日・十九日、十二月三日の各条
     承元二年(1208)正月十一日・十六日、二月十日、四月二十三日・二十五日・二十七日、閏四月二日・三日・二十五日・二十六日・二十七日、五月二十六日・二十九日、六月十六日、七月五日・十五日・十九日・二十日、八月二十日、九月三日、十月十日・二十一日、十一月一日・十四日、十二月十四日・十六日・十七日・十八日・二十日・二十六日の各条


 二月は毎週木曜日(21日、28日)に開催予定です。

 火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、春に向けて何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

京都女子大学写真部の学外展「テスト終わっ展」開催中

No.9849

 2月10日まで京都女子大学写真部の学外展「テスト終わっ展」が、ギャラリー「祇園小舎」(東山区四条通縄手東入る北側 tel 075-551-3848 京阪祇園四条駅から東に徒歩2分)において開催されているとのことです。時間は11時~18時(10日は17時まで)とのこと。
 写真部は当ゼミの主要メンバーが副部長をつとめておられます。四条に遊びに出かけるついでにでも、ちょっと脚をのばして覗いてやって下さい、とのことであります。
 写真部の皆さんは優等生ばかりだと思うので、「テスト、単位落とし展」の開催の予定はなさそうですね。

 本日、『紫苑』第11号の初校ゲラが出ました。巻頭論文を書いて頂いた満田さんもお見えになり、美味しいお土産を頂きました。
 校正の期間は一週間と短いですが、14日には印刷屋さんに渡せるように、執筆者の皆さん、宜しくお願い致します。

 本日のゼミは岩田君の報告の続き。東国国家論や鎌倉幕府の成立時期についての基礎的な勉強が出来たことと思います。雑談で長引きましたが、ときにはこういうお話もよいでしょう。

 ☆ 滋賀県立大学の京樂真帆子先生より、御高論「平安京都市社会と火災」の収録された三宅和朗編『環境の日本史2 古代の暮らしと祈り』(吉川弘文館)を御恵送頂きました。
 京樂先生にあつく御礼を申し上げます。 
編集:2013/02/08(Fri) 23:01

『紫苑』も進行中-次回の『吾妻鏡』-

No.9850

 先週と今週は拙い報告を聴いていただきましたが、また次回からは『吾妻鏡』を読んでいきましょう。

 日時:2013年2月14日(火)午後3時頃~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:元久三年(建永元年、1206)六月十六日・二十一日、七月一日・三日、十月二十日・二十四日、十一月十八日・二十日、十二月二十三日
     建永二年(承元元年、1207)二月十一日・二十日、三月一日・三日・十日・二十日、六月二日・二十二日・二十四日・二十九日、七月十九日・二十三日、八月十五日・十七日、九月二十四日、十月二日、十一月十七日・十九日、十二月三日の各条

 二月は毎週木曜日(14日、21日、28日)に開催予定です。

 火曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、春に向けて何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。