女性史総合研究会例会のおしらせ

No.8960

  ◆11月(第162回)例会◆

   日時:12月3日(土)1:30~5:00PM 

   会場:ウイングス京都 2F

   報告:栗原麻子氏
      「前4世紀アテナイにおける市民の家と非市民女性ーアルキッペとネアイラー」
 古典期アテナイにおいては、すべての男性市民にたいして参政権が開かれていたいっぽうで、女性たちは政治から排除され、男性の家長権のもとにあった。本報告では、アルキッペとネアイラという前4世紀の2人の非市民女性をとりあげ、彼女たちと市民の家の関係をたどることで、アテナイ女性の市民権について照射してみたい。

   コメント:辻浩和氏    

来週の『吾妻鏡』のご案内

No.8959

 本日から師走。いろいろと忙しない気持ちになりますが、せめてゆったり史料を読みたいですね。
 次回の正治年間の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2011年12月8日(木)午後3時~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:正治二年(1200)三月十四日、四月八日・九日・十日・十一日・十二日・二十五日、五月二十八日、六月十六日・二十一日・二十九日、七月六日・八日・十五日・二十七日、八月二日・十日・二十一日、九月二日・二十五日、十月十三日・二十一日、十一月一日・四日・七日、十二月三日・二十七日・二十八日の各条
    正治三年(建仁元年、1201)正月十二日、二月三日・五日、三月四日・十日・十二日・二十四日、四月二日・三日・六日、五月六日・十三日・十四日・十七日、六月一日・二日・二十八日・二十九日、七月六日、八月十一日・二十三日、九月七日・九日・十一日・十五日・十八日・二十日・二十二日、十月二日・六日、十一月十三日、十二月二日・三日・二十八日・二十九日の各条

 12月は8日、15日、22日に開催予定です。
 22日は『紫苑』第十号の原稿締め切り日です。がんばりましょうね。

 木曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、年の瀬に何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

2012年度 研究所公開講座について

No.8957

  来年度も 例年通り6月第4土曜日に当方の研究所主催の公開講座を実施致します。
   その概要が決まりましたので、お知らせ致します。
  遠方の方は、今から予定を立てられ、ぜひこの機会を利用して、京都女子大学にお出かけ下さい。

 (1) 実施日時
   来年度の6月第4土曜日は6月23日、時間設定は13~17時です。

 (2) 講演会のテーマ
   シリーズ「東山から発信する京都の歴史と文化」⑭
   テーマは未定ですが「平家」ないし「平清盛関連」を予定しています。

 (3) 講師

      元木泰雄氏(日本中世政治史) 京都大学大学院教授

      服藤早苗氏 (日本家族史、女性史、ジェンダー史) 埼玉学園大学教授

※ 元木先生は2度目の御登壇になります。
   例年のように、講座終了後、ゼミメンバー・関係者との懇談会と懇親会を計画しています。     
    先生方の御講演テーマなど、未定部分は追々、告知致します。

中世戦記研究会に行ってきました。

No.8956

 昨日は学習院大学で開かれた中世戦記研究会の例会に行ってきました。
 西2号館の5階の教室が会場でしたが、立派な建物と施設に驚かされました。私のイメージする学習院はピラミッド校舎のあった1970年代のままのようです。
 今回は研究発表が2本。

  樋口州男氏「『将門記』新皇即位記事をめぐって」
  長谷川靖子氏「平教経の兄弟と読みの可能性―菊王の死をめぐって―」

 樋口先生の御報告では、先行研究に対する慎重な目配りの必要性や「在地伝承と歴史学」みたいなことを考えさせられました。
 将門の乱についても、最近の武士論の成果に則って、政治史独自の視点から捉え直してみると、また新しい展望が開けてくるのかなぁ、などと思いついたりも致しました。しかし、史料が限られているから難しいか。

 長谷川さんの御報告は修論に向けたもののようですが、「国文学」というのは、『平家物語』にこうした方向から取り組む学問なのだと言うことが分かって、とても興味深く拝聴させて頂きました。ほんとうに「文学」なのですね。

 兵藤先生のコメント(「菊花論」と命名)は、「それを言っちゃあ」みたいなところがあったと思うのですが、実は後進の研究者に対する深い信頼に支えられた御発言に違いありません。

 懇親会まで御一緒する時間も体力もなくて残念でしたが、いつも乍ら楽しい研究会でした。

 関西からも報告者を募りたいと思います。
 志立先生に、粟村さんを紹介させて頂きました。

あっというまに師走の『吾妻鏡』

No.8954

 前回はご案内を掲出するのを忘れておりまして失礼致しました。木曜日の『吾妻鏡』は毎週木曜の午後、絶賛(?)開催中です。
 次回の正治年間の『吾妻鏡』のご案内です。

 日時:2011年12月1日(木)午後3時~(予定)
 場所:京都女子大学L校舎 3階 共同研究室
 範囲:正治二年(1200)二月二十二日・二十六日、閏二月二日・八日・十二日・十三日、三月十四日、四月八日・九日・十日・十一日・十二日・二十五日、五月二十八日、六月十六日・二十一日・二十九日、七月六日・八日・十五日・二十七日、八月二日・十日・二十一日、九月二日・二十五日、十月十三日・二十一日、十一月一日・四日・七日、十二月三日・二十七日・二十八日の各条
    正治三年(建仁元年、1201)正月十二日、二月三日・五日、三月四日・十日・十二日・二十四日、四月二日・三日・六日、五月六日・十三日・十四日・十七日、六月一日・二日・二十八日・二十九日、七月六日、八月十一日・二十三日、九月七日・九日・十一日・十五日・十八日・二十日・二十二日、十月二日・六日、十一月十三日、十二月二日・三日・二十八日・二十九日の各条

 12月は1日、8日、15日、22日に開催予定です。
 22日は『紫苑』第十号の原稿締め切り日でもあります。がんばりましょう。

 木曜日の『吾妻鏡』講読会は、参加者のみなさんの自主的な積極性によって支えられております。
 基礎的な史料読解のニーズにも対応しておりますので、年の瀬に何か新しいことを始めてみようという方は、まずは見学からでも、どうぞお気軽にご参加ください。

無題

No.8955

 今年度は後期から2回生が参加してくれるようになり、講読会もなかなか賑やかになったと思います。
 前回は久しぶりに栗東市の博物館にお勤めの小野翠さんが出席されました。
 活躍中の先輩が来てくれると、史学科の後輩の皆さんは更に元気が出てくるのではないでしょうか。
 小野さんからは、美味しい御菓子のお土産を頂きました。ありがとうございました。

 そろそろ、卒論の締切も近くなりますので、中間報告も兼ねて、研究報告会の機会も設けたいと思いますが如何でしょうか?

 『紫苑』の原稿。10号の記念に、先輩諸姉にも「思い出話」をお願いしていますが。宜しく。

なつかしい小城に行ってきました。

No.8951

 先週の17日(木)は私の恩師、貫達人先生の三回忌でした。この日の『吾妻鏡』講読会には沢山のメンバーが出席してくれて、先生もさぞかし喜んで下さったことと思います。

 先生は、かまくら春秋社の鎌倉叢書全35巻の監修を担当され、そのうちの一冊として『吾妻鏡の世界』という本を刊行される予定がありました。いまさら乍ら、それが実現されなかったのが残念でなりません。私が貫先生からうかがった『吾妻鏡』論は、すべてゼミの時間、出席者に伝授させて頂きたいと思います。

 週末は風邪でダウン気味でしたが、20日の日曜日は佐賀県小城市で開かれた肥前千葉氏のシンポジウムに出掛けてきました。小城の方たちとのお付き合いはもう20年ほどになりますが、今回は懐かしい方々との再会が多く、体調の悪さを忘れて楽しむことが出来ました。住む人びとが文化を大切にし、心やさしく穏やかであるばかりか、電線の地中化など街並みの整備も着実に進められていて、こういう町に育った子どもは幸せだろうなと思いました。

 映画『男はつらいよ』に登場した小城駅も昔のままでしたし、後藤久美子の演じた及川泉の通った小城高校の前も通りました。そして、この高校の校長をつとめられ、現在郷土史会の会長をされている岩松先生や映画のロケの際に活躍された当時小城町の観光課長だった真子さんと久しぶりにお話しする機会を得て、なんだか映画の中に入り込んでしまったような気分に陥ったりも致しました。

 小城に行くと必ず大変お世話になる古庄さんには、今回も例のごとし。この場を借りて、御礼を申し上げます。小城市役所には歴史を勉強された若い方がたくさん採用されたようで、この地は本当に将来が楽しみです。

 シンポの会場は文化財に指定されている小柳酒造の昭和蔵でしたが、ここのお嬢さんは私が鹿児島経済大学に在任中、いつも最前の席で熱心に受講してくれた教え子です。彼女とも久方ぶりにお目にかかることが出来ました。お父上も、小城の文化向上のために活躍されておられます。

 このような、地方から湧き起こる文化のエネルギーの存在を実感することが出来て、何か未来に光明が見出せたような気持ちになりました。

 懇親会を開いて下さった小城の郷土史会のみなさんも頼もしい方ばかり。私もだんだんお仲間にいれて頂けそうな年齢にせまってきたようです。そういえば、『男はつらいよ』では、寅さんが郷土史会の方たちと吉野ケ里遺跡の見学に出掛けるような場面もありました。

 小城は千葉・京都・鹿児島とならんで、私の人生の故郷の一つになりました。

 なお、木曜日のゼミの出席者には、小城羊羹を召し上がって頂きたいと思っています。


 目下、東京の有名な出版社で、新著出版の準備を進めて頂いています。現在、「あとがき」を書いたり帯の文面を編集者の方が考えて下さったりしている段階にあります。
 『研究紀要』に書いた論文は初校校正中です。

 すべて書き下ろしの著書については、短いものや前提となる研究成果のあるテーマのものが先になることもあろうかと思いますが、出来るだけお約束の古いものから順に完成させていきたいと思っております。
 よろしく、お願い申しあげます。

 今週末(26日)は、学習院大学で開催される中世戦記研究会に出掛ける予定です。ゼミの関係者で行かれる方がおられましたら、お知らせ下さい。 

歴史に学ぶ地震と津波【シンポジウム】

美川圭
No.8948

詳細は、参照先をご覧下さい。

歴史に学ぶ地震と津波【シンポジウム】

主催者

大阪市立住まい情報センタータイアップ


東日本大震災は、日本の国のあり方、人々の心を大きく変えました。この震災では平安時代の貞観地震・津波と同規模であったことが指摘されています。この講座では地震・津波をテーマに3人の研究者が講演を行います。

●日 時:平成23年12月11日(日) 14:00~16:00(受付13:30~)


●場 所:大阪市立住まい情報センター3階ホール


●定 員:200名(申込多数の場合は抽選)


●講 師:美川 圭 氏(摂南大学外国語学部 教授・日本史学)
       橋本 正俊 氏(摂南大学外国語学部 准教授・日本文学)
       宮本 裕次 氏(大阪城天守閣主任学芸員・日本史学)


●申込方法
 郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号・手話希望の有無を明記して、下記申込み先にファックスか郵便でお申し込みください。インターネットからもお申込みできます。
 申込フォームに、氏名・メールアドレス・電話番号・住所・年齢をご記入ください。自由記入欄に手話希望の有無、氏名・年齢を明記の上、お申し込みください。


●お申込、お問い合わせ先
〒530-8582(住所不要)  
大阪市立住まい情報センター 4階住情報プラザ
「歴史に学ぶ地震と津波」係
TEL:06-6242-1160 FAX:06-6354-8601

※お申込時にご記入いただいた個人情報は、主催者大阪市立住まい情報センター、摂南大学 外国語学部 国際文化教室が保管し、利用状況統計基礎データ及び今後のイベントのお知らせ等に利用させていただく場合があります。

おそるべし上野動物園 在来種の馬

美川圭
No.8947

 研究者はみな知っているのだろうか。少なくとも私は知らなかったです。

 昨晩、18:30からの会議を終えて、帰宅、遅い夕食をNHKテレビの「ブラ・タモリ」を見ながら食べていた。先週と昨日は、東京の昔、とくに江戸時代の動物についてがテーマである。ああ、昔行った浅草の「ちんや」というすき焼き屋は、江戸時代は犬の「ちん」の繁殖を営むブリーダーだったのか、とそれなりに楽しんで見ていた。

 ところが、後半が、上野動物園。そこの「こども動物園」という動物とこどもが触れあえる場所で、馬の在来種を公開しているんです。これ、知らなかった。かつて、川合康先生が、メチエの名著を出されたとき、在来種の馬の写真が手に入らずに、たいへん困っていたことをよく覚えているのです。しかも、そればかりではなく、牛の在来種も。これ牛車を牽いていた牛に近いものです。とにかく、来週、東京国立博物館に出張するので、上野動物園にも行ってきます。あの在来種の馬を近藤好和先生がかついで、一の谷を降りられるか、やってみたいなあ。近藤先生はもちろん、上野こども動物園の在来種をご存知なんですよね。

Re: おそるべし上野動物園 在来種の馬

近藤好和
No.8949

美川先生、お久しぶりです。録画してあった「ブラタモリ」をやっとみました。
恥ずかしながら、こども動物園なるものを知りませんでした。
というよりも、小学生の時を最後に上野動物園には行っていません。
東博等の博物館・美術館に行くときに前を通るだけです。
近々に上野に行く用事がありますから、寄ってみます。
なお、山梨県の小淵沢には「木曽馬牧場」といって、在来馬(木曽馬)を飼育して、
古式の乗馬法や騎射戦の方法等を実践・研究しているところがあります。
また、多摩動物園には地球上で唯一の野生馬という「蒙古野馬」が
展示されているそうです。

Re: おそるべし上野動物園 在来種の馬

美川圭
No.8950

近藤先生、こちらこそ、ご無沙汰しております。
近藤先生も、上野動物園の「子ども動物園」をご存じなかったのですね。安心しました。
小淵沢の「木曽馬牧場」とは「紅葉台木曽馬牧場」のことでしょうか。毎年、7月末の土曜日に、流鏑馬なども行うショーもやっているようですね。ぜひ行ってみたいと思います。ビデオを見るところでは、昔の騎馬の姿とほぼ一致して、サラブレッドとは雰囲気が違い、わくわくします。ありがとうございました。

http://www.geocities.jp/kouyoudaikisoumabokujou/activity/activity.html

歴史と文学 …現代版『純友追討記』

No.8946

 急に寒くなってきたせいか、体調がいまひとつです。
 食事の後が特にいけません。
 これは社会生活を営む上で、なかなか辛いものがあります。

 昨年6月に國學院大學で行われた公開シンポジウム「平家物語研究の視点-歴史学の視点、文学の視点、その相互理解をめざして-」の内容もおさめた、千明守編『平家物語の多角的研究 屋代本を拠点として』が刊行されました(A5判 上製カバー装 8,500円+税 ISBN 978-4-89476-578-8)。
 本論の構成は以下のとおり。
              *****************
  序説 軍記物語古態論の行方
   軍記物語の表現の古態を考えるということ・・・・・・・・・・ 佐倉由泰

  Ⅰ 屋代本平家物語の新研究
   「屋代本平家物語」の書誌学的再検討・・・・・・・・・ 佐々木孝浩
   屋代本平家物語巻十一の性格―字形と語句の観点から・・・・・・・・・ 吉田永弘
   屋代本平家物語巻十一本文考 千明守
   『平家物語』巻一「二代后」の本文―一方系と八坂系の接近・・・・・・・・・ 伊藤悦子
   屋島合戦記事の形成・・・・・・・・・ 松尾葦江
   屋代本『平家物語』における梶原景時の讒言をめぐって・・・・・・・・・ 大谷貞徳
   屋代本『平家物語』〈大原御幸〉の生成・・・・・・・・・ 原田敦史

  Ⅱ 刀剣伝承の文学
   アーサー王のエクスキャリバーと「剣の巻」・・・・・・・・・ 多ヶ谷有子
   『剣巻』をどうとらえるか―その歴史叙述方法への考察を中心に・・・・・・・・ 内田康
   「平家剣巻」の構想―道行・生不動説話の位置づけをめぐって・・・・・・・・ 山本岳史

  Ⅲ シンポジウム「平家物語研究の視点」
   東国武士研究と軍記物語・・・・・・・・・ 野口実
   歴史学の視点と文学研究の視点―「武士的価値観」を中心に・・・・・・・・・ 佐伯真一
   「史料」と軍記物語・・・・・・・・・ 高橋典幸
   『平家物語』の生成と東国―「重衡・千手譚」を素材として・・・・・・・・・ 坂井孝一
               ******************

 私は日頃考えていることを率直に書かせて頂きました。
 歴史学・文学双方からスポイルされることを怖れるばかりです。

 ☆ 広島大学の下向井龍彦先生より、新刊の御高著『物語の舞台を歩く 純友追討記』(山川出版社)を御恵送頂きました。
 これまた、歴史学と文学のあわいにせまった御研究の成果。
 下向井先生に、あつく御礼を申し上げます。

 山陽・山陰・西海・南海道の武士にも研究の手を伸ばしたい。いま私の願うところです。

 ☆ 神奈川県立金沢文庫の永井晋先生より、御高論「建保二年の園城寺回禄及び傲訴について-柴田芳明氏所蔵本「園城寺牒状及興福寺返牒案等」の分析から-」収録の『金澤文庫研究』第327号を御恵送頂きました。
 永井先生に、あつく御礼を申し上げます。

『河内源氏』読了の方にお勧めする論文

No.8944

 本日は私の関係者に誕生日を迎えるという方が複数あり。
 ますますの御健勝と御活躍を祈念申し上げます。

 ところで、たしかに岩田君の御著書『乱世に挑戦した男 平清盛』(新人物往来社)は「じわじわ」と売れ行きを伸ばしている模様。これは、読み終わった人からの評判がそうさせているのだと思います。
 この時代に本格的に取り組んでみようという学生さんなどにとって、現段階の研究水準を踏まえた水先案内を果たすような本です。
 なにしろ、若者が書いたという点に価値がある。若い方たちには、オヤジの語る歴史よりも、オニイサンの語る歴史の方がとっつきやすいというものでしょう。

 一方、元木先生の『河内源氏』(中公新書)はベストセラーとして、刊行後不動の地位を保ち続けています。この本によって、成立期の武士にたいする理解が大きくあらためられたという読者の方も多いようです。

 そのゆえか、「最近の研究では、木曽義仲の評価など、どのようなものなんですか?」などという御質問が、私のもとに寄せられて来たりもしております。
 そこで、そんな疑問を持っておられる方に、ぜひ御一読をお勧めしたい論文を紹介させて頂きます。

 長村祥知「木曾義仲の畿内近国支配と王朝権威」(『古代文化』63-1)

 木曾義仲に対する従来の通説的理解が、やはり『平家物語』史観に基づくものに他ならなかったことに気づかされます。

 また、これも面白い。

 長村祥知「源行家の軌跡」(『季刊iichiko』110)

 おそらく、源行家を正面から取り上げた初めての研究でしょう。
 実証研究は、かくありたいと思わせるような論文です。